他社比較
リンガーハット 企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「すべてのお客さまに楽しい食事のひとときを心と技術でつくる」を基本理念として、郷土料理の「長崎ちゃんぽん」と「とんかつ」を中心に、親しみやすい「飲食の専門店」を展開してまいりました。素材や味にこだわり、安全・安心・健康で楽しい食事の空間を提供し続けることにより、長期的かつ安定的に企業価値を高める経営を行ってまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、日常の営業活動に加え、財務活動を含めた企業のトータルの収益性を重視する観点から売上高経常利益率を重視するとともに、安定した経営基盤の確立を図るためフリーキャッシュ・フローの増大を目標に活動しております。売上高経常利益率10%以上という目標を掲げております。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループでは「すべてのお客さまに楽しい食事のひとときを心と技術でつくる」という基本理念のもと、「全員参加で、永続する企業体質をつくろう」を経営方針のスローガンに掲げております。
その基本戦略は以下のとおりであります。
① 成長戦略 ~ 主力外食事業2業態を中心に次期主力業態開発も視野に入れ国内外への出店を継続する。
a.「長崎ちゃんぽんリンガーハット」は、「長崎の郷土料理ちゃんぽん・皿うどん」の独自性を活かして全国各地へ展開する。
b.「とんかつ濵かつ」は、ブランドの知名度向上を進める。
c.主力2業態ともに、国内市場は直営店とフランチャイズ店の展開を進める。
d.海外市場は、東南アジア地域及びアメリカ合衆国に直営及び現地企業とのアライアンス(提携)で長崎ちゃんぽんを主力にした長崎発のレストラン事業を確立する。
e.将来予測される経営環境の変化に対応すべく、次世代に向けた業態開発に注力する。
② 高収益化 ~ 売上高FLコスト(売上原価+人件費)比率60%以下の実現
a.店舖
・店舗配置の見直し、メニュー政策及びオペレーション改善等により、1店舗当りの売上高を上げ、人件費率を抑制する。
b.自社工場生産及び物流体制
・関東、関西及び九州の3工場体制により、万一の災害等による生産や物流リスクに備え、トータルの生産性を上げる。
・「製造直売業」志向を強化し、自社工場の内製化率を上げ、品質向上とトータル原価の低減を実現する。
c.本部組織の少数精鋭化
・業務標準化とDXを推進し、間接業務の改善を図る。
③ 財務強化 ~ 国内フランチャイズ及び海外アライアンス(提携)の拡大による投資抑制
a.直営店の新規出店は、お客さまの利用形態に合わせ、郊外型、ビルイン型、フードコート型をバランス良く出店する。
b.国内におけるフランチャイズ展開を全店舗数の30%を目処に進め、自己投資を抑えることにより財務強化を図る。
④ 組織改革と人財育成 ~ 成長を支える人づくりと働き甲斐のあるキャリアプラン
a.定期的な新卒者採用を実施し、社員の若返りを図る。
b.管理職定員制、能力主義の強化、本部組織の少数精鋭化等の組織改革・人事制度改革を行い、働き甲斐のあるキャリアプランを明示する。
c.階層別教育の充実を図り、次世代の経営者育成、海外勤務者育成、店長育成を継続的に行うとともに、店舗調理・店舖接客のスキルアップを図るトレーニングプログラムを充実させる。
d.業務に必要となる知識や技能を短時間で習得できるように業務の「見える化」(標準化)を推進する。また、常に最善の見直しができるような仕組みを作り、店舗サービスレベルの向上のみならず、各部門の実行力向上に寄与できる体制づくりをおこなう。
e.ダイバーシティ推進を図り、個々の能力を発揮して長く活躍できる環境を整備する。
⑤ TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示
TCFD提言は「ガバナンス」・「戦略」・「リスク管理」・「指標と目標」の4つの項目に基づいて
開示することを推奨しており、当社グループは、TCFD提言の開示項目に沿って、外食事業・設備メンテ
ナンス事業における気候変動関連情報を開示します。
<ガバナンス>
気候変動への対応に係る事案は、代表取締役社長兼CEOが委員長を務めるRHGサスティナビリティ
委員会で審議されます。RHGサスティナビリティ委員会では、気候変動が事業に与える影響について、
リスク・機会を抽出し、対応策を評価・審議の上、常勤役員会へ上程・報告します。常勤役員会では、
リスク・機会及び対応策に対する議論が行われた後、取締役会に上程・報告します。その結果承認された
事項について、RHGサスティナビリティ委員会を通じて事務局・関係会社・各部門に伝達されます。
関係会社・各部門のサスティナビリティ推進委員はリーダーとして対応策を実行し、状況についてRHG
サスティナビリティ委員会・事務局へ報告します。また、RHGサスティナビリティ委員会で選別・評価
した気候変動関連リスクについては、CSRチームへ報告され、CSRチームは全社リスクとしての統合
管理を行います。
<戦略>
現在、カーボンニュートラルに向けた施策促進は多くの企業にとって大きな課題となっています。当社
グループでは、工場・店舗における省エネ化・脱炭素化の取り組みを進めており、2050年までにグループの
カーボンニュートラルの実現を目指しています。将来の気候変動が当社へもたらす影響について、TCFD
が提唱するフレームワークに則り、シナリオ分析の手法を用いて、2030年時点の外部環境変化を予測の上、
分析を行いました。
a.シナリオ分析の前提
シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が
公表する複数の既存シナリオを参照の上、気温上昇を工業化以前と比べて2℃未満に抑えることを目指す
想定である「2℃シナリオ」と、現時点を超える政策的な緩和策を取らない想定である「4℃シナリオ」の
2つの世界を想定し、分析を行いました。
b.気候変動に関するリスク・機会の識別
シナリオ分析に基づき、外食事業・設備メンテナンス事業毎に、事業及び財務へのリスク・機会について
定性分析結果を整理しました。なお、事業及び財務へのリスク・機会については、影響の定量化に向け、
継続的な分析・検討を進めて参ります。
c.シナリオ分析に基づく対応策の検討
気候変動によるリスク・機会に対し、外食事業5件、設備メンテナンス事業2件の施策を策定しました。
[外食事業]
・サプライヤーと協業し、原材料調達に係るCO2を削減。
・再エネ調達方式(自社設備保有・再エネ事業者との契約等)を検討し、切替。
・低炭素社会実現に向けた施策(業界標準レベル)の実績の取り纏め、外部発信。
・コストが増加した原材料を使用しない若しくは量を削減(代替の原材料を使用)したメニューに変更。
・気候変動に関しての基本方針を作成し、重要な業務特定、事前対策を検討の上、既存のBCPを更新。
[設備メンテナンス事業]
・炭素税に対応し、原材料・製造工程でCO2を低減した調達先を再選定。
・機器使用時の消費エネルギーが少ない製品を再選定。
<リスク管理>
気候変動関連リスクについては、RHGサスティナビリティ委員会を中心に以下4つのプロセスを実行し
ながら、常勤役員会への上程・報告、更には取締役会からの承認・助言を受け、全社を通じたリスク
マネジメントを行っています。
・短期・中期・長期の気候関連リスク及び機会の特定と重要度評価
・特定された重要な気候関連のリスク及び機会に対する取り組み方針
・気候関連のリスク及び機会への具体的対応策の検討・提案
・気候関連のリスク及び機会に対し、実行対応策の進捗管理
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