井筒屋 【東証スタンダード:8260】「小売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
井筒屋グループは、お客様・お取引先・株主各位ならびに従業員に対し、適正な利益配分を行い、「秩序のうえに立つ創造的繁栄」を図ることを経営理念と定め、この理念に徹するとともに、「奉仕こそ繁栄の基」という奉仕の精神を日常の実践的心構えといたしております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上高営業利益率ならびに売上高経常利益率を重要な経営指標としております。
当該指標を採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解するうえで重要な指標で
あり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や企業価値の的確な把握が可能であると判断するためであります。
<井筒屋グループ中期3ヵ年経営計画 (2024年度)の数値目標>
連結業績 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | |
目標値(2022年度) 本中計1年目 | 実績(2022年度) 本中計1年目 | 目標値(2023年度) 本中計2年目 | 目標値(2024年度) 本中計3年目 | |
売上高 | 228億円 | 225億円 | 226億円 | 227億円 |
営業利益 | 9億円 | 11億円 | 8億円 | 8億円 |
営業利益率 | 3.9% | 5.2% | 3.5% | 3.5% |
経常利益 | 7億円 | 10億円 | 6億円 | 6億円 |
経常利益率 | 3.1% | 4.8% | 2.7% | 2.6% |
(3)経営環境
①企業構造
当社グループは、主要事業である百貨店事業を中心とした各事業会社により構成されています。グループ共通の経営理念やビジョンの下、グループガバナンスを効かせております。各社の自立性や採算性を基本とし、事業を行っております。
②市場環境
グローバル化に加え、技術革新によるデジタル化が加速度的に進展しています。また、人口減少による労働力不足、働き方改革、非正規雇用の増加、女性の社会進出などの社会変化が起きております。これらの課題に対し、DXの推進をはじめ、労働環境の抜本的な改革が必要となっております。
SDGS意識の高まりにより、企業は地球環境に配慮しながら事業活動をするよう社会的責任(CSR)を強く求められるようになり、企業の戦略も、これまでの製品の一時的なヒットや薄利によるシェア獲得、規模に依る拡大戦略ではなくしっかりとした理念や価値観に基づく持続戦略に変えていく事が必要になります。
新型コロナウイルス感染症につきましては、本年5月に感染症法上第5類に引き下げられ、行動規制の緩和による経済活動の活性化が期待されます。消費は同感染拡大前の水準には至っておりませんが、コロナ禍により加速・顕在化した環境変化において、従来型の「規模や量を追求する事業モデル」から、「量から質を追求する新たな事業モデル」への転換を検討する契機となりました。新たな事業モデルへの道筋をつけるため、「井筒屋グループ中期3ヵ年経営計画」(2022年度~2024年度)により、中長期的な戦略実現に向けた検討・準備とグループ保有資産の更なる強化に努めてまいります。
③競合他社との比較
当社グループは、地域に根ざす百貨店として、これまで以上に地域のお客様にご満足いただける品揃え・ サービスを提供することで、他小売業との差別化を進め、将来にわたる安定的な収益基盤の確立と、財務体質の健全化を図ってまいります。
④顧客動向・顧客基盤
国内市場は、人口減少、少子高齢化等の加速が見込まれ、顧客数及び消費量の減少が続くことが予想されます。また、富裕層を中心とした高額商品や食品をはじめ生活必需品の販売は堅調に推移しており、商品カテゴリー別の好不調が鮮明になってきております。お客様が百貨店に期待される品揃えとサービスを着実に捉えるべく、引き続きお客様第一主義を基本とした営業戦略の企画・立案に努めてまいります。
⑤新型コロナウイルス感染症の影響および対応
当期におきましては、徐々に消費の回復がみられましたものの、新型コロナウイルス感染症拡大以前の水準には至りませんでした。本年5月に同感染症が感染症法上第5類へ引き下げられ、行動制限緩和による社会経済活動の正常化が期待されます。
コロナ禍におきましては、お客様の安心・安全を第一に同感染症拡大防止の諸施策を講じてまいりましたが、行動規制緩和に伴い、政府の方針をはじめ社会情勢を踏まえ、引き続きお客様の安心・安全を第一に考え、お客様に安心してご来店いただける環境を整えてまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、「井筒屋グループ 中期3ヵ年経営計画(2022年度~2024年度)」を策定いたしております。本計画につきましては、コロナ禍により加速・顕在化した環境変化を踏まえ、従来型の規模や量を追求する事業モデルを見直す契機と捉え、量から質への「新たな事業モデルへの道筋をつける中計」と位置づけ、中長期の戦略実現に向けた検討・準備と、グループ保有資産の更なる強化に努めてまいります。
① 当社グループのビジョン
グループビジョン:「地域小売業のリーディングカンパニーとして発展していく」
事業戦略:サステナビリティを基盤とした“質”の追求
当社グループに関わる全てのステークホルダー(顧客、取引先、従業員、株主)ならびに地域社会とのつながりの“質”を深化させ、地域共創基盤として持続可能な地域社会の発展に寄与してまいります。
営業戦略:リアルとデジタルの両面からお客様へ上質な人生を提案する
顧客情報を統合し諸施策に活用することで、店舗やネットショッピング等複数のチャネルを通じて顧客ニーズへ対応してまいります。
② 戦略の方向性
[短中期]
・店舗における百貨店らしさの追求(競争優位性の確立・差別化)
自主編集運営ゾーンの刷新等による店舗価値の向上を図ってまいります。
・効率的な店舗運営と効果的な販売促進体制の維持(収益性の維持・向上)
SNS活用等効果的な宣伝経費運用により高収益構造の維持に努めてまいります。
[中長期]
・デジタルデバイスを基軸とした顧客単価向上(顧客接点の創造)
井筒屋アプリの導入により顧客統合基盤を構築し、効率的な営業施策を推進してまいります。
・優良顧客基盤×デジタルデバイスの活用(新たな収益基盤の確立)
将来的には、統合された顧客情報を活用し、顧客の求めるソリューションを提供してまいります。
③ <井筒屋グループ中期3ヵ年経営計画 (2024年度)の数値目標>
連結業績 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | |
目標値(2022年度) 本中計1年目 | 実績(2022年度) 本中計1年目 | 目標値(2023年度) 本中計2年目 | 目標値(2024年度) 本中計3年目 | |
売上高 | 228億円 | 225億円 | 226億円 | 227億円 |
営業利益 | 9億円 | 11億円 | 8億円 | 8億円 |
営業利益率 | 3.9% | 5.2% | 3.5% | 3.5% |
経常利益 | 7億円 | 10億円 | 6億円 | 6億円 |
経常利益率 | 3.1% | 4.8% | 2.7% | 2.6% |
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済環境につきましては、新型コロナウイルス感染症が感染症法上第5類へ引き下げられるなど、行動制限緩和による社会経済活動の正常化が期待されますものの、世界的な金融引締めによる海外経済の下振れリスクに加え、エネルギーや原材料価格の高騰、物価の上昇等、依然として先行き不透明な状況が続くものと思われます。
このような状況の下、当社グループでは、「井筒屋グループ 中期3ヵ年経営計画(2022年度~2024年度)」を推進いたしております。計画2年目にあたる本年につきまして、対処すべき課題として位置づけておりますのは、次のとおりであります。
井筒屋グループといたしましては、今後もお客様にお買い物を楽しんでいただけるよう、お客様と従業員の安心・安全に配慮しながら、地域に根ざした百貨店としての役割を果たしてまいります。
店舗におきましては、引き続き商品・サービスの両面で百貨店らしさを追求し、強みである編集力を活かした売場づくりを行うことで売場を活性化させながら、地域のお客様のニーズにお応えしてまいります。また、SNSを活用した販売促進や、社内システムを利用した業務効率化についても積極的に推進し、物価の高騰による経費増加に対応するべく、収益体質の強化を図ってまいります。
デジタル戦略につきましては、次年度の井筒屋アプリ導入に向け、お客様の利便性を向上し、効果的な営業施策を実施できる体制を構築してまいります。
併せて、当社グループの成長に向けた好循環を実現し、中長期的な企業価値向上に繋げるため、人材の確保、育成、労働環境の整備等を重要課題として捉え、人的資本投資に努めてまいります。
以上を当社グループの対処すべき課題とし、これまで取り組んでまいりました事業構造改革を定着・発展させ、将来にわたる安定的な収益基盤の確立と、財務体質の健全化に努めてまいります。
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