企業兼大株主住友大阪セメント東証プライム:5232】「ガラス・土石製品 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)方針

 当社グループは、「信用を重んじ確実を旨とする」住友の事業精神に基づき、「私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。」と企業理念を定め、事業を通じて社会課題の解決に取り組んできました。

 当社グループの持続的で健全な発展には、「地球温暖化防止」という国境を越えた社会課題への取組が必要不可欠だと考えており、2020年には、2050年カーボンニュートラルへ向けた長期ビジョン「SO-CN2050」を策定し公表しました。また、広範囲に及ぶサステナビリティ(持続可能性)を経営に取り入れていく必要があると考え、カーボンニュートラルの実現とともに、「サプライチェーン等における人権尊重」に対しても、包摂的に取り組んでいきます。

(2)マテリアリティ

 当社グループは、企業活動を通じて重点的に取り組む社会課題を、下記の通り5つのマテリアリティとして特定しております。マテリアリティへの取組は、当社グループの成長と社会課題の解決を両立するもので、中長期の経営戦略の基盤となるものです。

 ①豊かな社会の維持・発展に貢献

 社会インフラを構築するために不可欠で、国民の安全・安心を守る国土強靭化に貢献するセメント製品・サービスの安定供給と、より便利で快適なIoT・ICT社会に必要な高機能品事業の展開を通して、イノベーションを支え、豊かな社会の維持・発展を目指します。また、研究・開発を継続して行い、製品の安全と品質を高めていきます。

 ②地球環境への配慮

 環境負荷の少ない生産・発電・物流を追求して、地球環境保全を図ります。鉱山では資源開発を緑化等による森林復元とともに行い、工場・事業所ではエネルギーの効率的な利用、温室効果ガス排出削減、大気・水・土壌の汚染防止を進めていきます。

 ③循環型社会への貢献

 セメント製造を通して、産業廃棄物・一般廃棄物・副産物を安全かつ大量にリサイクルして、循環型社会に貢献します。また、バイオマス発電事業により、地域の間伐材等を受け入れ、クリーンエネルギー創出の役割を担っていきます。

 ④人材の育成・活用

 社員向け研修や、ダイバーシティ推進など諸施策を通して、人材の育成と活用を図ります。各職場では安全への取組を実施し、人権を尊重し、従業員が心身ともに健康に働けるような環境づくりを推進します。

 ⑤ガバナンスの充実

 企業経営を規律する仕組みであるコーポレートガバナンスの充実により、経営の効率性を向上させるとともに、コンプライアンスを徹底することにより経営の健全性と透明性を確保し、継続的な企業価値の向上を実現させます。

(3)サステナビリティ委員会の設置

 当社グループは「サステナビリティ委員会」を、サステナビリティ(持続可能性)の意識高揚、浸透および定着を図る目的で設置しています。委員長を社長と定め、全社の組織を横断して、事業活動と一体化したサステナビリティ推進に取り組んでいます。

 同委員会の中に専門部会として、カーボンニュートラルおよび環境(生物多様性、大気への排出、排水、廃棄物等)への取組を推進する「カーボンニュートラル・環境部会」と、労働・社会(サプライチェーン等における人権尊重等)への取組を推進する「労働・社会部会」を設置しています。

 委員会および部会は、議事内容を取締役会に定期的に報告し、重要な事項については取締役会に付議することで、取締役会が監督し、経営と一体としてサステナビリティ課題に取り組んでいます。


(4)気候変動に関する取組(TCFD提言に沿った気候変動関連の情報開示)

 当社グループは2021年7月に、金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言に賛同し、当社グループのCO2排出量の大部分を占めるセメント事業を含むセメント関連事業、高機能品事業等、全事業における気候変動が及ぼす影響についてシナリオ分析を行いました。

 ガバナンス

 当社グループの気候変動問題への取組を推進する機関として社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しています。その下部組織である専門部会「カーボンニュートラル・環境部会」は定期的に開催され、気候変動問題に関する情報の集約、リスクの想定、対応策の立案、社内教育・啓蒙プログラム推進等、年度活動の計画立案およびその進捗管理を行っています。カーボンニュートラル・環境部会において審議された重要な事項については取締役会へ報告し、審議されます。また、カーボンニュートラル・環境部会を運営し、気候変動問題を中心としたサステナビリティ課題に関する事項を専属で司る「サステナビリティ推進室」を常設組織として設置しています。

 戦略

 当社グループ全事業における気候変動の影響について、2030年を想定し、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)などの専門機関が描くシナリオを参考に、分析を行いました。気候変動がもたらすリスクは、低炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と物理的な影響(物理的リスク)に分けられます。地球の平均気温上昇が産業革命前と比べて2℃以下または4℃上昇するシナリオを想定し、それぞれのリスクと機会について、影響度が高いと思われる項目を抽出しました。

分 類

リスク

機会

移行リスク

政策

・規制

炭素税の引き上げ、温室効果ガス排出や化石エネルギーに関する規制

・セメント産業はエネルギー多消費産業であるため、化石エネルギーの価格上昇によりエネルギーコストの増加が想定される。

・保有する自家発電設備が、非効率石炭火力のフェードアウト対象となった場合、売電事業の縮小や喪失の可能性がある。発電設備の廃止により工場使用電力を小売電気事業者から購入した場合、電力コストの増加が想定される。

 

・従来より力を入れている石炭代替(廃プラスチック、バイオマス燃料)の更なる利用推進により、廃棄物収集事業における収益拡大が期待できる。

・工場跡地等多数保有する遊休地を、再生可能エネルギー発電等の新規発電設備や植林に活用できる可能性があり,グリーン電力やグリーンカーボンにより気候変動問題対応から発想する、新たな事業の創出が期待できる。

技術

新技術の開発

・新技術の研究開発費やカーボンニュートラル実現のための設備投資増加による、コストの増加が予想される。

・CO2排出削減技術の向上に伴う収益獲得が期待できる。(炭酸塩鉱物化技術、人工光合成水素製造技術、アンモニア/水素利用技術)

・CO2有効利用技術の進歩とその活用により、大量のCO2の安定的固定化と新たな事業分野への拡大が期待できる。(メタン、メタノール、プラスチック素材)

・保有する未使用特許を新しい市場で活用できる可能性がある。

 

市場

ユーザー行動の変化

・混合セメントの使用量が増え、クリンカ生産量の減少が想定される。

・炭素排出コストが低い国からの低価格セメントの流入、気候変動対策の進んだ国からの低炭素型セメントの普及が進み、セメントシェアを圧迫する可能性がある。

・低炭素物流が求められることで物流コストが増加する可能性がある。

・従来より取り組んできた低炭素型セメント、低炭素型コンクリートのさらなる開発と普及促進により製品の差別化が進み、今後普及と成長が期待される低炭素型建設構造物への採用が進み、事業を拡大することができる。

・ヒートアイランド現象低減効果、燃費向上効果、耐久性の観点でLCCに優れたコンクリート舗装が普及し、セメント需要が増加する可能性がある。

 

分 類

リスク

機会

移行リスク

市場

リサイクル市場

・廃棄物/副産物(廃油類、廃プラスチック、石炭灰、排煙脱硫石膏等)の発生減少により、廃棄物の収集競争激化、品質悪化、処理費下落、価格高騰が想定される。

・バイオマス燃料の調達競争が激化することで価格高騰が想定される。

・廃棄物/副産物処理の技術力向上に伴い受入可能な品目が増加し、廃棄物収集・利活用における収益が期待できる。

・多様な廃棄物を収集、原燃料処理できる巨大な製造インフラを有していることから、廃棄物からの資源抽出・精製・販売などの新規事業分野の拡大が期待できる。

高機能品事業

 

 

・平均気温上昇に伴うライフスタイル、ワークスタイルの変革によるデータトラフィックの増大や脱化石エネルギー化による電力供給不足により、大容量、高速、省電力デバイスのニーズが高まり、光通信部品や半導体製造装置需要の増加が想定される。

評判

ステークホルダーの評価の変化

 

・温室効果ガス排出企業への評価低下による資金調達難等が予想される。

・積極的な気候変動対策、CO2利活用に係る新規技術開発と新しいビジネスモデルの推進、廃棄物/副産物処理の貢献への評価上昇により、資金調達、社員採用で有利に働くことが期待できる。

物理的リスク

 

急性的

自然災害の頻発・

激甚化

 

・大型台風・豪雨等の頻発により、生産拠点の被害やサプライチェーンが寸断され、操業への支障や復旧に要するコスト増加が想定される。

・国土強靭化に資するインフラ整備、構造物の維持・補強・補修などに伴うセメント関連製品の需要増加が見込まれる。

・災害廃棄物処理の要請により、社会的役割を高めていくことができる。

 

慢性的

平均気温の上昇、慢性的な異常気象の発生

・気温上昇により生産現場における従業員の健康・安全面での労働力への悪影響が想定される。

・海面上昇により、臨海拠点の高潮等浸水被害の可能性がある。

・より一層の工期短縮や施工効率化などの省人化工法の需要増加が見込まれる。

・海洋製品の需要拡大、事業創出により新たな収益源を獲得できる可能性がある。

 

2℃シナリオでは、炭素税の引き上げや化石エネルギーに関する規制が強化され、セメント製造及び自家発電設備において石炭を使用するほかに、他社石炭火力発電所から発生する石炭灰・石膏をセメント原料とする当社グループにとって、コスト増加が想定される一方で、石炭に代わる熱エネルギーとして廃プラスチックや木質バイオマス燃料の利用を高めることで、リサイクル処理収入による収益拡大と化石エネルギーの代替によるCO2排出量削減が期待できます。

 また、CO2の排出削減を推進するためには、研究開発や設備投資によるコストの増加が予想されますが、同時に、技術力向上による新たな事業の創出、収益機会の獲得が期待できます。低炭素社会への移行に際し、ユーザー行動の変容が想定されますが、製造過程でCO2を発生するセメントを敬遠し需要が減少する可能性がある反面、アスファルト舗装よりもライフサイクルコストに優れ、気温上昇を抑える効果も有するコンクリート舗装の評価が高まり、セメント需要が増加する可能性もあります。廃棄物/副産物の発生量が減少することが想定され、廃棄物/副産物の調達に影響を及ぼす可能性がある一方で、廃棄物/副産物処理技術の向上に伴い受入れ可能な品目が拡大し、収益の増加が期待できます。またセメント産業はCO2を排出する産業としてステークホルダーの評価が下がり、資金調達難等が想定される反面、気候変動対策、廃棄物/副産物処理を推進することで企業評価を高めることが期待できます。

 高機能品事業分野では、ライフスタイル、ワーキングスタイルの変革によるデータトラフィックの増大や脱化石エネルギーによる電力の増加に伴う需給逼迫リスクが増大することから、大容量、高速、省電力デバイスのニーズが高まり、光電子事業の光通信部品や新材料事業の半導体製造装置部品の需要増が期待できます。

4℃シナリオでは、気候変動を原因とする平均気温の上昇や自然災害の頻発・激甚化により、生産部門での労働力への影響や生産拠点やサプライチェーンの被害増加が生じ、コスト増加が見込まれる反面、国土強靭化に資するセメント関連製品や省人化工法等の需要増加が見込まれます。

リスク管理

 当社グループは、サステナビリティ推進室を事務局とする「サステナビリティ委員会カーボンニュートラル・環境部会」においてCO2排出量削減の計画立案、進捗管理をグループ横断的に行っています。当社グループの事業が気候変動によって受ける影響を識別・評価するため、気候変動のリスクと機会を抽出、分析し、必要に応じて「サステナビリティ委員会カーボンニュートラル・環境部会」や取締役会を通じて適切に対処します。

指標及び目標

 当社グループは企業活動を通じて重点的に取り組む社会課題であるマテリアリティ(重要課題)の一つとして「地球環境への配慮」を掲げ、リサイクルによるエネルギー代替の推進やバイオマス発電の活用など地球温暖化防止に取り組んできました。また、2020年12月には、「2050年カーボンニュートラル」に向けた具体的な中期目標並びに長期取組方針である2050年カーボンニュートラルビジョン「SO-CN2050」を策定し、2050年までのあらゆる方策を通じて、当社グループの企業活動をカーボンニュートラルにすることに挑戦するとともに、サプライチェーンを通じて社会全体の脱炭素化への貢献をするための取組を進めています。

<2030年のCO2排出削減目標>

 当社グループのセメント工場は、これまで培ったリサイクル利用技術やその調達の最適化により国内トップクラスの化石エネルギー代替率およびリサイクル品使用原単位を実現しています。加えて、国内外の先端省エネルギー基幹設備やバイオマス自家発電設備をいち早く導入するなど、セメント製造に係る温室効果ガス排出の削減に積極的に取り組んできました。

 ・2030年エネルギー起源CO2排出原単位を2005年比30%削減(排出量では45%削減)

①リサイクル品の更なる利用拡大により化石エネルギー代替率トップクラスの堅持

 目標:化石エネルギー代替率全社平均50%以上へ

 (当社グループ5工場8キルンのうち4キルンで化石エネルギー代替率80%超)

②熱効率・電力消費の最小化により電気エネルギー削減(原料粉砕工程の最新鋭化)

③自家発電で使用する化石エネルギー削減(木質チップなどバイオマス燃料増量)

・目標に対する進捗    

                                         (単位:kg-CO2/t)

エネルギー起源CO2排出原単位

実績

目標

2005年度

2021年度

2030年度

316

275

220

(5)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

 当社グループは、従業員が安心して働く事ができるように、安全・健康で働きやすい快適な職場環境づくりに努めています。また従業員一人ひとりが長きにわたりいきいきと働ける組織・職場づくりを目指し、能力や適性を活かして社会に貢献できる人材の育成と、活力のある会社づくりを目指しています。

①健康経営(well-being)への取組

 社員の健康保持増進に取り組むため、健康宣言「住友大阪セメントグループは、すべての社員がノビノビ・イキイキと心身ともに健康で、元気よく働くことができる、活気あふれる会社を目指します。」を制定し、2021年度の健康経営度調査においては、感染対策や健康診断の受診率、労働時間などのワークライフバランスが業種平均を上回った点が評価され、当社において健康経営優良法人2022(大規模法人部門)の認定を取得しました。

 男女とも仕事と生活を両立させながら意欲高く働き続けられる職場環境づくりを推進するため、法定を上回る育児・介護休業制度や短時間勤務制度の整備や、一事業年度のうち、年次有給休暇取得奨励日を計画的に配置する事で年次有給休暇取得率の向上を図っております。また、テレワーク制度・フレックス制度を整備することで、従業員の多様で柔軟な働き方を実現しております。

 その他の取組として、女性特有の健康課題について、従業員への周知と理解を深めることを目的とした産婦人科・小児科オンライン(相談窓口)サービスの導入や、従業員の喫煙率低下を目的とした、卒煙に向けた情報発信、啓蒙活動等に取り組んでおります。

②人材の育成・ダイバーシティの推進

 企業価値の向上に不可欠な市場価値の高いプロフェッショナル人材の育成を目的として各種研修を実施しております。

1―4年目の若手社員に対しては、先輩社員が新入社員を指導する「トレーナー制度」や若手社員の早期戦力化を目的とした研修を実施し、若手社員の育成に注力しております。5年目以降の階層別研修では、中長期的視点と広い視野で10年後の当社の姿を常に考えながら行動することと、人材育成の重要性の意識づけを目的に、集合研修・個別指導など複数の手法で実施し、従業員のキャリアに応じた幅広い教育プログラムにて人材の育成に取り組んでおります。

 また、多様な人材がいきいきと働ける企業を目指し、女性の積極採用並びに活躍の場の拡充や、障がい者雇用に積極的に取り組み、定着に向けた取組を進めています。定年退職者に対しては、知識・技能経験を保有した貴重な人材と位置づけ、若年世代への着実な技術継承を行う為、希望者全員が65歳まで更新できる再雇用制度を導入しています。加えて、キャリアを振り返り、自身の強みを活かした新たな役割を創造するため、57歳と59歳でキャリア研修を実施しております。

③安全衛生への取組

 従業員の安全衛生は企業存立の基盤をなすものであり、安全衛生の確保は企業として重要な責務であると考えています。当社グループは安全に厳しい企業として、災害ゼロを目指しており、職場単位の安全教育や、階層別安全教育、安全体感装置を用いた安全体感教育等を通じ、「安全に厳しい風土づくり」の醸成に努めています。

 また、当社グループでは、全社の安全衛生・保安対策本部を設置し、事務局を中心とした定期的な連絡会の実施等、安全に対する一層の取組強化を行っています。

 不安全行動と不安全状態の解消を徹底し、安全衛生水準の更なる向上と快適な作業環境の形成を図ります。

(6)人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標並びに当該指標を用いた目標及び実績

(5)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略で記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標および実績は、次の通りであります。

 なお、当社グループでは、当該指標については、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組が行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

指標

目標

実績(当事業年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2024年3月31日までに2%以上

1.6%

男性労働者の育児休業取得率

2024年3月31日までに25%以上

33.3%

新卒採用数(総合職)に占める女性

労働者の割合

その事業年度の採用活動における

採用率20%以上

8.8%

年次有給休暇取得率(組合員平均)

組合員平均で80%以上の取得率

81.2%

PR
検索