企業不二ラテックス東証スタンダード:5199】「ゴム製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、健康・創造・志の三つの思いを調和させ、「世界の人々の健康と豊かな暮らしに貢献し、人々に喜ばれ、信頼される企業になる」を経営理念のひとつとして掲げています。また、豊かさの追求、世界№1・オンリーワン企業を目指す、信用の確立、継続的な成長と発展、イノベーションへの挑戦、を全ての活動につながる価値観として位置付け、さらに熱意、誠意、創意を基本的な行動原則としています。この価値観と行動原則が経営理念を支えています。そして、真に社会的ニーズに応え、社会貢献につながる強固な経営基盤を構築することを目標にしています。

 世界最高水準のゴムの薄膜化技術及び新素材を基にコア技術を生かしたゴム製品、及び独自の技術力とノウハウを駆使・凝縮した高機能かつバリエーション豊富な精密機器(緩衝器)製品を主力としております。創造性のある高品質・高付加価値で安全な、そして環境にも配慮した製品を市場に提供することによって社会的責任を果たし社会経済の発展に貢献できるものと確信しています。企業の継続的発展・企業価値の最大化を目指し実現していくことで、株主、取引先、投資家、従業員、地域社会等の全ての人々の信頼と期待に応え、企業市民としての責任を果たしてまいります。

(2)目標とする経営指標

 着実な事業拡大と効率的な事業運営により経営ビジョンを実現してまいります。「成長戦略」の推進を基本方針とし、設備投資等を核とした成長投資を積極的に展開した「第3次新中期経営計画(2018年3月期から2020年3月期まで)」、「前計画に基づく投資の効果実現・投資回収」と「有利子負債水準の適正化」を掲げた「第4次新中期経営計画(2021年3月期から2023年3月期まで)」を推進してまいりました。

 投資効果の実現については事業分野ごとに濃淡が出ましたが、有利子負債水準の適正化は順調に推移し、その結果として第4次新中期経営計画の最終年度である2023年3月期の設定目標であった収益性指標の自己資本当期純利益率(ROE)10.0%、健全性指標の自己資本比率30%をそれぞれ達成することができました。

 今後も経営基盤の強化を実現していくことにより、目標とする経営指標として自己資本当期純利益率(ROE)10.0%以上、自己資本比率30%台を継続的に達成し、企業価値の向上に努めてまいります。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 中期経営計画は、従来の実績と課題を念頭に置き、長年培った技術力に磨きをかけると同時にユーザーの多様なニーズに応えられる新製品の開発を行い、事業成長性の追求を基本方針としております。既存事業の強化、製造業として競争力の源泉である「ものづくり」の強化、各事業分野でオンリーワンの存在となり収益性の高い事業の集合体となる、の3点を柱に、新市場の開拓を中心とした営業基盤強化と、コスト意識を持って収益改善と財務体質強化を図り、強固な経営基盤の確立と持続的成長の実現を可能とする中長期的な方向性を明確にしております。

 セグメントごとの経営戦略は以下のとおりとなります。

<医療機器事業>

 バースコントロール総合メーカーとして避妊から出産介助までの領域をカバーする製品群の開発・販売に注力いたします。中核事業であるコンドーム製造販売事業においては生産工程の見直し改善を通じたものづくりの強化により、量産体制に向けての課題解決、高利益製品群のシェア拡大、生産性向上活動の推進を強化していきます。また、海外市場に向けてはアジア市場に照準を絞り、現地有力ブランドと協働したOEM戦略を推進してまいります。

<精密機器事業>

 精密機器事業の主力製品であるショックアブソーバ及びロータリーダンパーは住宅設備、家電、自動車、産業用生産設備等の多岐にわたる市場で展開をしております。総合緩衝器メーカーという他に類をみないグローバルニッチ企業を目指し、「Motion Control & Technology」を旗印に消費者ニーズの多様化、製品の高付加価値に資する創造的かつハイレベルな製品開発を継続してまいります。

<SP事業>

 長年にわたり培ってきた、ゴム風船やフィルムバルーンを媒体とした広告・店頭販促用品での対面コミュニケーションのサポート経験や国内外のサプライチェーンの組織化ノウハウを活かして、バルーンの使用によるヒューマンタッチなビジネスを企画提案し、具体化できる国内随一の企業として存在感を発揮してまいります。

<食品容器事業>

 国内最大手のゴム製食品容器メーカーとして、根強い需要に対して安定した品質と納期で製品供給を行ってまいります。また、耐熱性・耐油性を改善することにより食品全般への対応を目指すほか、食品用以外の用途拡大にも取り組んでまいります。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社を取り巻く中長期的経営環境につきましては、高度化、多様化する需要環境、技術革新、生産拠点のグローバル化、安全や環境問題、ガバナンスへの取組み強化等、その基本的構図は大きく変わらないものと予想されます。

 当社が優先的に対処すべき事業上の課題は、各事業の成長性と収益性からみて、その事業領域に相応しい経営資源を適正に配分していくこと、及び事業ポートフォリオの見直しや事業継続の可否判断を適時適切に実施していくことです。製造業として生産設備や研究開発への投資はもとより、人材の確保やIT化投資等、多岐にわたる必要投資を限られた経営資源の中から選択・決定していかなくてはならず、そのためには意思決定の基準や枠組みの更なる高度化が必要です。

 また、財務上の課題として、従前の中期経営計画に基づく成長投資に伴い増加した有利子負債の適正化があげられますが、今期最終年度を迎えた中期経営計画期間中において一定の進捗がみられました。引き続き、投資の成果による営業キャッシュ・フローの強化とともに、有利子負債の削減と、株主還元、内部留保、投資の配分を適正に実施していきます。

 かかる課題認識の下、中長期的な経営の基本方針に基づき、経営体質の強化、持続的な事業の成長、企業価値の向上を実現するために、以下の経営課題に取り組んでまいります。

① 技術力の強化、新製品の開発

 新技術、新製品の開発は「ものづくり」に真摯に取り組む当社の生命線と考えております。医療機器事業の中核であるコンドーム事業においては、設計や製造工程の見直しにより、ものづくり力を徹底して高めていきます。また、メディカル事業においては、製品開発体制を強化して、新たな価値を市場に提供してまいります。

 精密機器事業ではハイレベルでユニーク、かつコストパフォーマンスに優れた独自の製品を生み出す技術力をバックに、新たな素材開発と機能性を睨んだ製品開発に注力し次期成長エンジンを生み出すことでニッチトップ企業を目指してまいります。また、営業部門と技術・研究開発部門の緊密な連携を通し、ユーザーのニーズを的確に先取りすることで製品開発に生かしてまいります。

 生産工場においては、新製品開発と効率生産を可能にする最新設備の拡充を継続的に推進してまいります。さらに、永年培ってきた技術・技能を受け継ぐべき人材の育成に取り組んでまいります。特に、中核となる戦略製品群につきましては、革新的な生産技術の開発にチャレンジし、競合他社との差別化とリーディングカンパニーとしての揺るぎ無い地位を確立してまいります。

② 新分野・新商材・新規事業への取組み

 将来にわたって持続的成長を遂げていくためには、当社の中核事業に加え、既存の独自技術・営業基盤を生かした新たなコア事業の創出が重要な課題と認識しております。世界に通用する技術や優位性の高い製品の開発に積極果敢に取り組むと同時に、共同開発や技術提携等により新たな可能性を追求してまいります。海外も含め積極的に新分野を開拓し、新規事業領域の拡大と成長分野への進出、事業基盤の拡充に取り組んでまいります。

③ 生産性向上と効率性を追求した設備投資

 生産革新によるQCDの追求を基本方針として、全社を挙げてコスト意識の徹底を図ってまいります。同時にISOをベースとした管理体制の整備と強化に注力し、生販一体となった業務運営による生産性の向上と効率性を追求いたします。自動化生産設備の開発と積極的な導入を柱とした生産能力の拡大だけでなく、既存設備の整備・更新にあたっては抜本的な生産システムの再構築を視野に、不良率の低減を始めとしたローコスト運営に資するシステム化を図り、投資効率の高い設備改革に取り組んでまいります。その一環として増設を展開してきた新栃木工場は、フル稼働体制を構築し維持しております。さらに、新たな生産拠点として竣工した栃木千塚工場へのメディカル部門の移転が2021年3月に完了し、稼働を開始しております。今後は安定的なフル稼働体制の早期確立を喫緊の課題として取り組んでまいります。生産能力の増強と開発力の強化に取り組むと同時に、生産拠点の防災対策のみならず、多角的な視点から実効性の高い事業継続計画(BCP)の策定を進めてまいります。

④ 海外市場の開拓、ネットワークの拡大

 成長が見込める海外市場を開拓すべく新規の販売ネットワークの拡大に取り組んでまいります。中国に有する販売拠点との連携を強化し、高度な技術に裏付けされた当社製品とブランド力を前面に掲げ、中国、欧米、東南アジアへ向けて多面的な取組みを推進いたします。また、取引ウェイトが高くなる海外の顧客への対応力強化のためにドイツ代表事務所を中心に、営業及び技術面のサポート体制を拡充いたします。

⑤ 人材の採用と育成

 企業の成長を目指すうえで組織体制の強化は不可欠であり、中長期的視点で優れた人材を継続的に採用し育成してまいります。個々の能力とモチベーション、新たな創意工夫を引き出すために働きがいのある職場環境の整備・拡充を行い、働く人の視点で働き方改革を推進してまいります。

⑥ 財務体質の強化

 製造業として、その根幹をなす生産設備及び研究開発関連への投資資金を確保するために、収益の拡大を図ってまいります。生産性向上と合理化の推進に向けた投資により総合的なものづくりシステムの改善を図り、生産サイクルにおける適正棚卸資産の維持と製造・管理コストの削減に努めてまいります。同時に、経営環境の変化に柔軟に対応し持続的成長の実現に向けて、自己資本の増強と有利子負債の削減等を柱とする財務体質の強化に努めてまいります。

⑦ 経営管理体制の整備と強化

 企業の持続的成長と企業価値の向上の実現に向けて、コーポレート・ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。内部統制、リスク管理、情報管理、コンプライアンスへの取り組みを強化徹底し、より信頼性と透明性の高い経営を実現しコーポレート・ガバナンスの実効性を高めてまいります。さらに、成長戦略を推進し業容の拡大を支えるために、変化に強く柔軟な対応が可能となるITシステムの整備と再構築を推進すべく2020年度に設置したデジタル推進室を中心に、全社的なデジタル化活動を強化いたします。

⑧ 企業文化の醸成

 当社のあるべき姿を見据え、従来から判断や行動の基本としてきた経営理念、価値観、行動指針を「FUJILATEX WAY」として改めて明確にし、すべての活動につながる価値観を体系化しております。今後はこの企業ビジョンを全役職員で共有すべく、あらゆる機会を捉え、ひとりひとりの理解が深まるよう様々な施策により継続的に展開してまいります。日々の業務活動の拠り所とし、さらに社会貢献につながることを願いとして積極的に取り組んでまいります。

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