企業artience東証プライム:4634】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当企業グループは、これまで「人間尊重の経営」を経営哲学に掲げ、「世界にひろがる生活文化創造企業を目指す」ことを経営理念とし、「CS(顧客満足)、ES(社員満足)、SS(社会満足)、SHS(株主満足)を向上させる」ことを行動指針として、全ての企業活動を進めてきました。しかしながら、その過程における社会環境の変化は著しく大きく、新たな時代に貢献し更なる成長を遂げるため、これから必要とされる提供価値や、当企業グループの向かうべき方向を明確に示し、「一人ひとりが主役となり、世界の人々に先端の技術で先駆の価値を届ける会社」へと変革するという覚悟と強い想いを込めて、2023年3月の株主総会の承認を経て2024年1月1日より新たな商号・理念体系に変更いたしました。

 新商号artience(読み方:アーティエンス、英文表記:artience Co., Ltd.))は、「art」と「science」を融合した言葉です。artは色彩をはじめとした五感や心への刺激に加えリベラルアーツの観点、scienceは技術や素材、合理性を表現しています。

 新たな理念体系は、経営の基本的な考え方となるCorporate Philosophy(経営哲学)「人間尊重の経営」、ステークホルダーへの約束となるBrand Promise & Slogan(ブランドプロミス&スローガン)「感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来に挑む」「Empowering Feeling」、社員の活動の拠り所となるOur Principles(行動指針)から構成されています。この中で、持続的に輝き続ける未来のために人々が心豊かに暮らすことのできる社会を実現したいという「存在理由」、さまざまな技術や発想をつなぎ社会が抱える課題を解決に導くために、自社だけではなくパートナーと協業しその力を組合わせることで人々の心を充たす美しさ・快さ・安心を届けるという「私たちの役割」を明確にし、更に我々が今後世界に提供していくべき価値を「感性に響く価値」と再定義いたしました。

 当企業グループは新たな理念体系のもと、強みであるartとscienceを融合し磨き上げ、目で見えること、触れて感じること、あるいは製品の品質を通じて感じることなど人々の感性に響く価値を創りだし、心豊かな未来の実現に貢献してまいります。

(2) 目標とする経営指標

 前中期経営計画においては、コロナ禍や急速な原材料高騰、ウクライナ紛争の長期化など大きな環境変化のなか、LiB用CNT分散体の事業の立上げなど今後の成長に向けた取り組みが進捗した一方で、既存事業の収益力やキャッシュフローなど業績・経営基盤には課題が残る結果となりました。

 この様な状況下、社会から求められる価値の変化に対応し、「感性に響く価値」を提供し、心豊かで持続可能な社会に貢献する会社となるべく、artience株式会社と商号を変更するとともに、その目指す姿の実現に向けて新しい中期経営計画を策定しました。

 当企業グループが成長の軌道に乗り、市場での存在感を発揮していくために、“GROWTH”を柱に、強い覚悟を持って変革を進めてまいります。

 当企業グループは2029年12月期にROE10.0%以上を目標として掲げ、その過程として2026年12月期にROE7.0%以上を目標とします。2026年12月期の売上高は4,000億円、営業利益は250億円を計数目標としています。

 マテリアリティとしては、事業ポートフォリオの変革、資本効率とキャッシュフローの最大化、そして企業基盤構築とサステナビリティ経営実践を掲げています。

(3) 中長期的な経営戦略

 当企業グループでは長期構想を掲げ「100年レンジでの持続的成長が可能な企業体質に変革し、すべての生活者・生命・地球環境がいきいきと共生する世界に貢献する企業グループ」を目指し、2018年度から中期経営計画を進めて参りました。2021年度からは「SIC(Scientific Innovation Chain)-Ⅱ」(2021年度~2023年度)を推進し、「新たな時代に貢献する生活文化創造企業」を目指す姿として掲げ、3つの基本方針「事業の収益力の強化」「重点開発領域の創出と拡大」「持続的成長に向けた経営資源の価値向上」のもと、その実現の取組みを進めてきました。

2024年度、artienceとして新たにスタートを切るにあたり、変革を着実に実行すべく2030年をゴールとした経営計画artience2027/2030“GROWTH”を新たに設定いたしました。本期間を通じて、「事業ポートフォリオの変革」「資本効率とキャッシュフローの最大化」「企業基盤構築とサステナビリティ経営」に取り組んでまいります。

2024年度~2026年度までのartience2027においては、3つの基本方針「高収益既存事業群への変革」、「戦略的重点事業群の創出」、「経営基盤の変革」に基づき取組みを進めて参ります。

「高収益既存事業群への変革」では、当企業グループの既存事業を成長事業、収益基盤事業、構造改革・戦略再構築事業に分類し、それぞれの戦略に応じた変革を進めます。変革にあたっては収益力向上にむけ成長領域へ資源を集中させるほか、販売戦略・事業戦略を抜本的に見直した大胆な施策による構造改革を実行してまいります。

「戦略的重点事業群の創出」では、車載用リチウムイオン電池材料、ラミネート接着剤をはじめとするモビリティ・バッテリー分野と、液晶ディスプレイカラーフィルター用材料や光学粘着剤、半導体向け材料などのディスプレイ・先端エレクトロニクス分野の2つの成長市場に関する事業に加え、環境・バイオ・エネルギーなど2030年以降を見据えた次世代事業を戦略的重点事業群と位置づけ、戦略的に資源を配分し事業の拡張・成長を加速します。

「経営基盤の変革」では、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点に基づいた経営資源の強化に取り組みます。人/風土に対しては、社員エンゲージメント向上に繋がる新人事制度やグローバル、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)といった多様性の促進や挑戦する風土醸成に取り組みます。財務面では、ROEの目標に基づいたCCCやROICを導入したキャッシュフローマネジメントを徹底し資本効率性向上を目指します。そのほか、artienceサステナビリティビジョン、asv2050/2030を通じた環境負荷低減活動、DXを活用したモノづくり革新や知財/技術基盤強化など、目指す姿の実現を支える経営基盤の変革を進めてまいります。

(4) 対処すべき課題

 新中期経営計画「artience2027」の初年度となる次期連結会計年度では、各事業を以下の通り推進してまいります。

 色材・機能材関連事業では、中国現地パートナーを活用した液晶ディスプレイカラーフィルター用材料の現地生産の具体化を進め、ディスプレイ市場の中国シフトを好機としたシェアと収益の最大化を図るとともに、センサー等次世代技術への用途拡大による高付加価値化も推進します。また、車載用リチウムイオン電池材料は、中国での生産・供給を開始するなど欧•米•中・日での生産体制の拡充と、今後の環境を見据えた性能・コスト面での競争力強化に注力し、並行して全固体電池等次世代技術の開発も推進してまいります。

 ポリマー・塗加工関連事業においては、インド、中国、北米で各市場のニーズに合った粘接着剤製品の展開による事業拡大を図るため、パートナーとのアライアンスも視野に入れた生産能力増強や市場ニーズを捉えた製品開発などを進めてまいります。また、国内に設置したパイロットプラントを活用し、次世代半導体の後工程市場向けの製品開発を推進いたします。

 パッケージ関連事業では、インドや東南アジアなどで市場成長を確実に取り込みつつ、水性インキやバイオマスインキ等の環境調和型製品の先行した市場展開によるシェア拡大に注力してまいります。また、中国では営業・技術体制強化による拡販、トルコでは新工場の稼働開始など、増強される供給能力を活かしてグローバルな事業拡大を図ってまいります。

 印刷・情報関連事業においては、国内の情報系印刷市場が縮小するなかで、生産や物流面でのアライアンスなどサプライチェーンの効率化をこれまで以上に強力に推し進めるほか、金属インキの海外展開や脱プラに貢献する機能性コーティング剤の拡販など、海外市場での拡大と紙パッケージ市場への転換を戦略的に進めてまいります。

 これら事業活動に加え、経営基盤の構築とサステナビリティ経営の実践として、エンゲージメント向上を図る新人事制度や育成制度の導入と、DE&Iの推進など人的資本の強化を図るとともに、資本効率を改善する管理指標を導入し、浸透させます。また、artienceサステナビリティビジョン、asv2050/2030に基づいた環境負荷低減の活動を継続するほか、生産プロセスの革新や新たな素材開発など、DXの活用も多面的に進めてまいります。また、2024年度からの新たなCIと経営理念の具現化を念頭に、社内外への浸透活動を推進し、artienceとしての新たなブランド構築に邁進してまいります。

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