工藤建設 【東証スタンダード:1764】「建設業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
① 会社の経営の基本方針
当社は創業以来、神奈川・東京を収益基盤とし、土木工事、建築工事、マンション分譲事業、住宅事業、建物管理事業、介護事業と、時代の変化に柔軟に対応しながら事業領域を変化させてまいりました。従来からのコアビジネスである「建設・住宅」の収益基盤の強化を図りつつ、神奈川・東京に住まわれる「地域の人々に対して全ライフステージにわたって居住し続けられる“住まい”を提案する生活舞台創造企業」として事業展開を図ることで、株主の皆様をはじめとした関係者の皆様の期待に応えていくことを経営の基本方針といたしております。
② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
建設業を取り巻く厳しい経営環境の中、株主価値を実現することが重要な課題であります。建設部門中心の現状を踏まえつつ、「生活舞台創造企業」として事業展開を図りながら、そのビジネスモデルを確立することを視野に入れ、収益力と資本力につきましては、次の指標を目標に置いております。
・売上高経常利益率 ・・・・ 5%
・自己資本比率 ・・・・・・ 40%
③ 中長期的な会社の経営戦略
当社は、主要4部門の経営戦略のポイントを以下のとおりとしておりますが、経営環境の見通しが不透明であることなどから中期経営計画は公表いたしておりません。中期経営計画の公表につきましては今後の課題として検討してまいります。
建設部門におきましては、環境配慮・長寿命化といった資産価値の維持・向上に資する土地有効活用の提案を積極的に行ってまいります。
住宅部門におきましては、社員多能工の施工による大型地下室付き住宅・賃貸住宅を主力商品として、「住まい」を造るだけではなく、「住みがい」を提供し、顧客感動の実現に取り組んでまいります。
建物管理部門におきましては、既存管理物件による安定的な収益の確保と、管理物件の新規獲得を強化してまいります。
介護部門におきましては、高齢者施設の原点である要介護高齢者の「住まい」と「介護サービス」の両面から商品性を高めてまいります。
本社管理部門におきましては、人材育成の強化とキャッシュ・フローを重視した経営を行ってまいります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
わが国経済は、コロナ禍から景気の緩やかな持ち直しが続く一方で、エネルギーや原材料価格の高騰、ウクライナ情勢等の地政学リスク、金融市場の動向等様々な要因により、先行き不透明感が増しております。
建設業界におきましては、建設技術者や技能労働者の担い手不足、建設資材の高騰、労働環境の整備(長時間労働の是正等)といった課題を抱えております。また、介護業界につきましても、介護を必要とする高齢者の増加により、介護職員の人手不足といった課題を抱えております。
当社はこのような環境の下、持続的な成長を確実なものとし、安定的に収益を確保すべく、以下のとおり事業展開を図ってまいります。
① 建設部門
公共投資は底堅く推移するものの、民間建設投資は厳しさが続くものと推測されます。今後の需要増加が見込まれる社会インフラや集合住宅等の老朽化に伴う防災・減災対策、維持・更新、リニューアル分野などの強化に取り組んでまいります。
② 住宅部門
低水準で推移する住宅ローン金利や政府による住宅取得推進策等の後押しはあるものの、人口及び世帯数の減少や空き家対策など住宅市場を取り巻く環境は大きく変化していくものと思われます。こうした環境変化に対応しつつ、地域密着型の営業体制を強化し、安定した受注確保と収益力の向上に取り組んでまいります。
③ 建物管理部門
保守並びに修繕工事部門の収益力向上、賃貸マンションを中心とした管理物件の着実な増加の実現によるストックビジネスの強化が重要な課題となっています。また、サブリース物件におけるテナントの退去あるいは賃料引き下げ要請への適時適切な対応、さらには、当社支払賃料の適正化による収支改善等、賃貸事業のリスク管理の強化に取り組んでまいります。
④ 介護部門
高齢者数の増加とともに、ますます介護ニーズが高まり、社会的な役割も大きくなってくると推測されます。介護サービス需要の拡大に伴う労働者不足への対応は重要な課題と認識しており、新卒採用の強化や従業員の処遇改善など職場環境整備を図っていくとともに、当社が運営する介護付き老人ホームの特徴である「確かな介護品質」、「きめ細かなリハビリテーション」、「安心の医療体制」、「こだわりの住環境」の提供に取り組んでまいります。また、新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行されましたが、引き続き感染防止対策には徹底して取り組んでまいります。
全体としては、事業競争力・収益力の強化とデジタル化等による生産性向上を図るとともに、ガバナンス強化、コンプライアンスの徹底を最重点課題と認識し、内部統制システムの整備を継続して推進してまいります。
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