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企業概要

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 当社グループのリスク管理体制

 当社は、グループ全体のリスク管理の基本方針を「リスクマネジメント方針」として制定し、その管理体制を「リスクマネジメント管理規程」において定めております。その基本方針及び管理体制に基づきリスクの未然防止を図るべく、代表取締役社長を委員長とし、取締役をメンバーに含むグループ会社の横断的な組織であるリスク管理委員会を設置しております。

(2) 事業環境等に関するリスク

① 競合企業の状況について

モバイルオンラインゲームは世界共通のエンタテインメントであることから、各国のディベロッパーやパブリッシャーによって常に新たなゲームが投入されております。

このため当社グループは、グローバルで人気のあるIPを獲得し、それを当社が得意とするゲームジャンルと掛け合わせることで、他のモバイルオンラインゲームとの差別化を図り、競争力の維持に努めております。

しかしながら、今後も同業他社や他のエンタテインメント業種・業者の新規参入などにより競争が一層激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

② 技術革新への対応について

 インターネット関連分野は新しい技術の開発及びそれに基づく新サービスの開発が日々行われており、変化の激しい業界です。この新しい技術やサービスへの対応が遅れた場合、当社グループの競争力が低下し業績に影響を及ぼす可能性があります。

このため当社では、最新の技術動向や環境変化の把握できる体制の整備、優秀な人材の獲得及び育成などに努め、新たな技術やサービスへの早期対応を図っております。

③ 海外における事業展開について

 海外においては政治・経済の状況、社会情勢、法令や規制等の予期せぬ変更により、当社グループの想定通りに事業を展開できない可能性があります。

 また、外国人の嗜好や消費行動は日本人と大きく異なることがあります。この違いにより海外市場において想定通りに事業を拡大していくことができない可能性があります。

 なお、海外子会社の財務諸表は現地通貨にて作成されますが、連結財務諸表上は円換算されます。為替相場の変動が、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

海外展開を積極的に推進する当社グループでは、当該リスクが顕在化する可能性が存在するものと考えていることから、これら海外における様々な状況の把握に努め、都度適切な対応を行うことでリスクの低減を図ってまいります。

④ Apple Inc.及びGoogle Inc.の動向について

 当社グループのゲーム事業については、現状Apple Inc. 及びGoogle Inc. の2つのプラットフォーマーへの収益依存が大きく、これらプラットフォーマーの規約の変更、手数料率等の変更等が行われた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 災害/事故等について

当社グループの事業所在地近辺において、地震、津波、台風、洪水等の自然災害、火災、停電、感染症の蔓延、紛争・テロ、違法行為等、合理的な予測を超える事態の発生により、当社グループの事業継続に支障をきたす事象が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、このような場合においても重要な事業を継続または早期復旧できるよう、リスクマネジメント規程に基づき体制を整備しているほか、これら災害に対する対策が取られたオフィスやサーバー設備を利用するなどの対策を取っております。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大に関しまして、当社グループでは、早期に在宅勤務体制を整備し、事業運営にあたってまいりました。今後も、状況に応じて施策の実施及び事業体制の迅速な整備等に努め、安定して事業を運営できる体制の構築を図ってまいりますが、将来、さらに感染が拡大した場合及び新たに重篤な感染症の流行が発生した場合、当社グループの従業員や重要な取引先における集団での感染などによる業務の大幅な遅延により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 

(3) 事業運営に関するリスク

① ゲームの企画・開発・運営について

 当社グループは、IPを活用したモバイルオンラインゲームをグローバルに展開し、多くのユーザーに長期にわたり遊んでいただくことで収益を獲得しており、業績はゲームタイトルのヒット度合いに大きく左右されます。そのため、ゲームがヒットしなかった場合や運用中のゲームが計画よりも早く減衰した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、共同事業スキームにおいては、協業パートナーの方針や意思決定によっても影響を及ぼす可能性があります。

このため当社グループは、これまでのゲーム開発及び運営によって獲得してきた知見の活用、有力IPの獲得、得意ジャンルの絞り込みなどを通じて、開発の効率化やヒット率向上に継続的に取り組んでおります。またリリース後のゲーム運営においても、長期にわたって収益の減衰を抑制するべく、継続的な商材の投入やイベント開催、海外での配信エリア追加などによる新規ユーザー獲得及び減衰率の抑制に取り組み、トップラインの維持に努めてまいります。

② ライセンス契約が関係するサービスについて

 当社グループのゲームの中には、第三者が権利を保有するキャラクター等についてライセンス契約を締結したうえで使用しているものがあります。何らかの理由によりキャラクター等の使用ができなくなった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

③ M&A等による成長・拡大について

当社グループの事業の成長・拡大を効率的に行うために、国内外を問わずM&Aや業務提携等を検討・実行しております。M&Aの実施にあたり、対象企業の財務内容や契約関係などについての詳細な事前審査を行い十分にリスク検討をしておりますが、事前の調査によっても把握できなかった問題が生じた場合や、その対象企業との融合又は提携先との関係構築や強化が計画どおりに進捗しない場合、提携により当初想定した事業のシナジー効果等が得られない場合、その他何らかの理由により当該提携を解消した場合などにおいては、投資に要した資金や時間その他の負担に見合った利益を回収できないなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 通信ネットワーク・コンピュータシステムについて

 当社グループは、モバイル端末やPC等のコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用し、サービスを提供しております。よって、コンピュータシステムや通信ネットワークの障害、電力供給に関する障害、自然災害や事故(社内外の人的要因のものを含む)など、運営サービスのサーバーが何らかの理由により停止した場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 また、運営サービスについて不正行為が発覚した場合にも、当社サービスへの信頼性やブランドが毀損されることでユーザー離れに繋がる可能性があります。

 さらに、上記対応や問題解決のため、設備投資の前倒しや当初計画よりも大きな費用負担が発生した場合も、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 これらのリスクを軽減するため、当社グループでは、クラウドインフラとデータセンターに設置した自社サーバーインフラの両方を利用することで、特定のインフラに大きく依存することがない状態を維持することに努めております。

 また、いずれのインフラにおいても通信ネットワークやコンピュータシステムの障害の影響を低減すべく、設備の二重化等の対策を講じたうえで、不正行為の予防を目的として複数のセキュリティ対策を実施し、必要に応じて社内外の有識者によりその対策の妥当性の確認を行っています。

⑤ 内部管理体制について

当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化及び充実を経営の重要課題と位置づけ、内部統制が有効に機能する体制の構築、整備、運用に努めております。

しかしながら、事業の急速な拡大や発生したトラブルへの適切な対応のための内部管理体制の構築に不十分な状況が生じる場合には、円滑な事業運営が困難となり、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

⑥ 情報管理について

当社グループは、社内規程を整備し、適切なデータ管理体制を設けたうえで、従業員に向けて情報の取扱いに関する教育研修の機会を定期的に設けるなど、情報漏洩のリスク低減に努めております。

しかしながら、何らかの理由で重要な情報が外部に漏えいした場合には、当事者への賠償、ビジネス機会の喪失、社会的信頼の失墜等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

⑦ 継続企業の前提に関する重要事象等について

 当社グループは、3期連続の営業赤字及び営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 一方で、当社グループは現在、海外大手のゲームパブリッシャーと共に開発しているタイトル「EA SPORTS FC™ TACTICAL」においてはリリースまでの期間が長期化しているものの、国内大手のディベロッパーと開発しているIP名未公表のタイトルやTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」のIPを活用したタイトルといった大型のモバイルオンラインゲームのリリースに向けて事業を推進しております。

 加えて、従来のモバイルオンラインゲームとは収益構造が異なるハイブリッドカジュアルゲームの新規開発も推進しており、新たな事業領域の開拓にも取り組んでおります。

 また、費用面では、足元の売上貢献度の低い施策を見直すこと等により、外注費や人件費等の削減を行ってまいります。

 さらに、財務面においては、手元流動性確保のため、投資有価証券等の売却や、政策保有株式を含めた資産の効率的な運用に向けた対応を進めるとともに、金融機関からの資金調達を継続的に行うことで財務基盤の更なる強化を図ってまいります。また、共同事業スキームによる開発費用の分担や、グループ全体での資金の効率的な活用も併せて進めてまいります。

 以上のことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

(4) 法令・規制、その他コンプライアンスに関するリスク

① 関連法令・規制について

当社グループで、適用される法令を調査し、その把握に努めたうえで、社内規程の整備、従業員への教育等を通じた周知徹底、及びサービスにおける法令遵守を事前に確認する体制を構築し、法令への適合を確保する体制の構築に努めております。

しかしながら、不測の事態等により、関連する法令・規則への抵触が生じた場合、行政処分や罰金の支払い、重要な取引先との取引関係の喪失等により、当社グループの事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。また、関連する法令や規制の強化、新たな法令等が施行されることにより、当社グループの営む事業が制約を受け、必要な対応のための支出が発生した場合、当社グループの事業や業績に影響を与える可能性があります。

② サービスの安全性及び健全性について

 当社グループでは社内規程の整備及び確認体制の構築を行うとともに、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)及び一般社団法人日本オンラインゲーム協会(JOGA)へ加入し、各種法的規制や業界の自主規制を順守し対応にあたっております。また、従業員に向けても、事業運営に必要な法令及びコンプライアンス等に関する教育研修の機会を定期的に設けることで、不適切行為の防止に努めております。

 しかしながら、何らかの理由で不適切行為が発生した場合及び法的責任が問われない場合であっても、ブランドイメージの悪化により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

③ 第三者との係争について

 ユーザー、取引先、競合企業、その他第三者との予期せぬトラブル・訴訟等が発生した場合、訴訟対応費用の発生やブランドイメージの悪化により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

④ 知的財産権について

 当社グループは、第三者が保有する知的財産権を侵害しないよう、当社グループ内の確認体制を構築するとともに、必要に応じて弁護士、弁理士等に確認するなど、十分に注意を払っておりますが、当社グループが運営するサービスによる第三者の知的財産権の侵害等が発覚した場合、当該第三者より損害賠償や使用差止め、当該権利使用のための対価の支払を請求される可能性があり、その場合には当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

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