企業Hamee東証スタンダード:3134】「小売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1) 経営方針

 当社グループは、自らのクリエイティブ魂に火をつけ、プロダクト及びサービスを通じて顧客体験価値を最大化し、クリエイティブな炎を燃え上がらせることを体現することを目指し、Mission「クリエイティブ魂に火をつける」を掲げ、コマース事業とプラットフォーム事業とをそれぞれ継続的に進化・成長させることに取り組んでおります。

(2) 経営戦略及び対処すべき課題

 今後の事業展開において、各事業が更なる事業拡大・成長を目指すに当たり、様々な課題を認識しております。当社グループは、これらの課題に以下のとおり迅速に対処してまいります。

① 全社的な課題

 イ.優秀な人材が働きやすい環境の整備

 継続的な成長の原資である人材は、当社グループにとって最も重要な経営資源と認識しております。当社グループの商品開発力やその他業務の遂行能力を維持し、継続的に発展、強化していくためには、優秀な社員を継続的に雇用し、その成長機会を提供していく必要があります。当社グループにおいては、デザイナー、開発エンジニア等のクリエイティブ人材を継続的に採用し、商品クオリティの向上、開発スピードの向上等によって、ユーザーのニーズに対応していくことが重要であります。2020年にフルテレワーク可能な人事制度を構築し、様々なテレワークに関するツールを導入したほか、2021年には従前のオフィスワークとテレワーク両方に最適なオフィスに転換するなど働きやすい環境を整備しました。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う行動制限が緩和され、リアルでのコミュニケーションの重要性が再認識されている状況も鑑み、今後も当社グループはテレワークと出社を自由に選択できる勤務形態を維持し、リアルとデジタルが融合した働き方の多様性に対応していきます。

 ロ.コーポレートガバナンスの高度化

 ガバナンス体制の構築と権限委譲による意思決定の迅速化を図るため、監査等委員会設置会社へ2022年7月に移行いたしましたが、より一層のコーポレートガバナンスの高度化を実現するため、社外取締役の比率向上、取締役会におけるより高度なガバナンス体制の構築を目指しております。2022年10月に指名・報酬委員会を設置し、取締役の指名・報酬等に関する決定プロセスの透明性・客観性を高め、コーポレートガバナンスの充実を実現いたしました。今後もコーポレートガバナンスにおいては透明性及び客観性を維持向上できるよう対応してまいります。

 ハ.コンプライアンス体制の維持向上

 近年、企業活動においては高い倫理観が求められており、コンプライアンス上の問題は経営基盤に重大な影響を及ぼすものであると考えております。当社グループでは、コンプライアンスマニュアルの制定、コンプライアンス担当役員の選任、法務部門の設置等、コンプライアンスを徹底する体制の強化を実施しておりますが、お客様からの信頼性向上のため、今後も社内教育を通してコンプライアンス体制の維持向上を図っていく方針であります。

 ニ.ESGの推進

 当社グループが本社を構える小田原の地には、江戸時代の思想家、二宮尊徳翁が生んだ「報徳思想」という考え方が根付いています。この教えのもと、私たちは社会の公器としての自覚を持ち、事業活動の進化・成長を図るとともに、環境・社会・経済などに関わる課題の包括的解決に取り組むためESGに関するマテリアリティ(重要課題)を特定しており、各マテリアリティ達成に向けて、事業活動を通じて取り組むべき目標とそのアクションプランを当社ホームページにて公表しております。具体例といたしましては、SDGsの目標12『つくる責任・つかう責任』を果たせるような持続可能性のあるプロジェクトである「Parallel Plastics」を展開し、プラスチック製品の不良品や余剰在庫から新たなプロダクトをつくるリサイクルサービスを開発しているほか、ネクストエンジンの拡大により、消費者に多様なEC消費の機会をもたらし、ECに関わる事業者に「あそび」のある時間をもたらす、『働きがいも経済成長も』『産業と技術革新の基盤をつくろう』に繋がる取り組みを行っています。しかしながら、アクションプランについては不十分な側面もあると認識しているため、引き続き、アクションプランの拡充に取り組んでまいります。

② コマースセグメント

 イ.特定カテゴリー(スマートフォンアクセサリー)への依存

 コマースセグメントの売上構成は、8割以上が日本国内市場であり、そしてそのほとんどがスマートフォンアクセサリーカテゴリーとなっております。スマートフォンの普及率や、今後の国内人口の見通しなどを勘案すると、事業基盤をより安定させるために、グローバル展開の加速と、カテゴリー拡張や新規事業創出が必須の経営課題であると認識しております。これに対処するべく当社グループは「EC運営ナレッジ」「自社で企画・開発・製造を行い卸販売、EC小売の2つの販売チャネルをバランス良く保持しているサプライチェーン」「認知度の高いiFaceブランド」といった強みを活かした、カテゴリー拡張、新規事業創出を積極的に行いつつ、グローバル展開をさらに加速させる取り組みを継続的に実施しております。具体的には、スマートフォンアクセサリーを中心としたモバイルライフ事業をベースの事業として、コスメブランドByUR(バイユア)を中心としたコスメティクス事業、ゲーミングモニターブランドPixioを中心としたゲーミングアクセサリー事業、オタマトーンやスクィーズ等海外で人気のある商材を取り扱うグローバル事業に対して積極的に投資を行いました。その成果として、当事業年度において各事業で売上高の成長が認められましたが、利益貢献の面で課題を残すため、今後採算改善のための取り組みにも注力してまいります。

 ロ.ブランド力の維持向上

 当セグメントが属するスマートフォンアクセサリー市場は今後も大きく変化し、競争も激化することが予想されます。そのような環境の中で、主力ブランドでありコアコンピタンスでありコスメティクスをはじめとするカテゴリー拡張の要であるiFaceが今後も顧客から選ばれるブランドであるべく、その価値向上を図るため、一層のブランディング強化を行います。スマートフォンアクセサリーブランドとして10年以上の歴史を積み上げてきた、オンリーワンな強みを最大限活用し、更なる成長を目指します。

 ハ.商品の市場投入スピードの向上

 コスメティクス事業の「ByUR(バイユア)」ブランドの主力商品群と位置付けて開発を進めていたスキンケア商材(トナーパッド、美容液、クリーム等)のリリースが、当初予定していた2022年4月から同9月へと遅れたことに伴って、売上計画に対して大幅なビハインドになったほか、モバイルライフ事業においても商品開発の遅れが認められるなど、ニーズに合った商品の市場投入スピードについて課題が生じました。これに対し、海外子会社の組織体制の見直しを含む組織改革を実施し、新商品をスピーディかつ継続的に市場投入する体制の構築に着手いたしました。主要なカテゴリーを扱うモバイルライフ事業については、新商品の投入数を主要な経営指標として認識し、自社企画商品をタイムリーに市場投入することで需要を喚起し、当事業年度において一時的に落ち込んだ売上高の回復に努めてまいります。

 ニ.採算性の改善

 ここ数年続いた「巣ごもり需要」に紐づくモノ消費から、外食や旅行、その他イベント参加などのコト消費へと消費行動が変容したこと、原材料価格やエネルギー価格の高騰に伴う物価上昇によって家計の余力が減退したことなど外部環境の変化に伴う影響が大きく、不振となったモバイルライフ事業の売上高を、ゲーミングアクセサリー事業、コスメティクス事業、グローバル事業といった新しい注力分野の売上高がカバーする構図が顕著となり、事業ポートフォリオの形成が進みました。しかしながら当該三事業は未だに投資を重ねている領域であり、採算性に課題を認識しております。事業譲受による調達価格の低減と販売地域の拡大、内製化やメーカーとの関係強化によるコスト削減の取り組みなどの施策を今後も継続し、利益の貢献を早期に実現するよう努めてまいります。

③ プラットフォームセグメント

 イ.ネクストエンジン契約拡大のための継続的な取り組み

 ネクストエンジンは主として(EC流通額)中規模事業者に対して支持されているサービスであり、5,700社を超える顧客にご利用いただいています。今後も引き続き、以下の取り組みを推進し、顧客によるEC事業の成長実現を通じて、総契約社数の拡大を目指します。

・無料インバウンド強化のためのプロモーション活動

・サポート体制の充実化と代理店の活用による契約率の向上

・高機能化と二律背反の関係にあった初期設定の煩雑さを軽減

・スムーズなデータ連携とEC事業者の作業時間短縮化

・APIを豊富に開発することで他社サービスとの連携幅をさらに拡大

・新規顧客の増加へ対応しつつ、顧客満足度を維持するための、コールセンターのアウトソース

・不十分な運用習得による解約の抑制

 ロ.市場環境に左右されない強固な顧客基盤の構築

 当事業年度において下記のとおり経営環境の変化があったものと認識しております。

(a) コロナ禍でEC業界へ進出する事業者が増加したものの、プレーヤー増加による競争環境の激化によって、ブランド力や財務的に余力のあるEC事業者と、そうでない事業者との間の格差が広がり、業界として二極化が進んだ。

(b) コロナ禍で消費行動のデジタルシフトが進んだが、ワクチン接種の浸透、重症者数の減少などを背景にリアル店舗での消費が増大傾向にあることや、自粛期間を経てモノ消費からコト消費(旅行やイベントなど)にシフトする傾向が強まったことなど、デジタルシフトの反動が顕著になった。

(c) EC事業者の喫緊の経営課題のシフト上記を背景に、EC事業者の経営上の優先課題がバックオフィス業務の効率化から、売上極大化及び利益の確保へシフトしており、各種の業務効率化サービスの導入意欲が一時的に減退していると考えられる。

 これらの状況を踏まえ、ネクストエンジンが更なる成長加速を目指すために、従前の中規模以上のEC事業者に対する強みを発揮するだけではなく、小規模事業者を含む全てのコマース事業者に伴走し成長を支援するようなサービスを拡張・充実させることで、顧客基盤を強化し、総契約社数の更なる拡大を目指します。

 ハ.好循環なビジネス構造の実現

 また先述の強固な顧客基盤の構築においてアプローチする小規模事業者へ、その興味関心である「売上拡大」という課題に対し、また中規模事業者であっても同様の課題を持っている事業者に対して、コンサルティング事業による制作、ECコンサルティング等を提供、またネクストエンジンの初期設定代行をコンサル事業が行うなどシナジーをさらに追求し、フロントと管理両面に対して、一体化されたサービス体制を構築し、ロングタームで顧客成長を伴走できるプラットフォームへ成長するべく、「好循環なビジネス構造」の実現を目指していきます。

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