企業AREホールディングス東証プライム:5857】「非鉄金属 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1)研究開発活動の方針

 当社グループでは、各事業セグメントにおける競争力を高めるためにコストダウンや市場ニーズに応じた新技術・新商品の開発に積極的に取り組んでいます。

 貴金属事業においては、北米におけるプライマリー原料と日本を含むアジアを中心とするセカンダリー原料からの貴金属精製に関して、組成分析から製品化までの一貫したプロセスの効率向上や新技術の開発を行い、持続可能な循環型社会の形成を目指しています。また、環境保全事業においては、日本国内の産業廃棄物の無害化や資源化に関して、処理コスト低減や新技術の開発を行い、地球環境保全への貢献を目指しています。

(2)研究開発活動の体制

 当社グループの研究開発活動は、主にアサヒプリテック株式会社テクノセンターが担っています。同センターでは、新しい処理技術や製品および分析技術の開発を担当すると共に、関連する設備の設計や改善・改良および保守をも担当しています。さらに、各グループ会社との情報交換・共有化を図りながら、さまざまな技術課題を抽出してその解決に当たっています。また、技術情報の収集・管理や知的財産の保護および新規事業を含めた企画・開発についてもテクノセンターが中心となって各グループ会社と連携をとりながら、大学や研究所等の外部機関も積極的に活用し効率的に推進しています。

(3)研究開発活動の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費

 当社グループの研究開発活動は、コストダウン、製造期間短縮、品質向上、環境対策、安全性向上などの各種改善、および新商品の提供を目的として、

① 貴金属・希少金属の回収・分離・精製に関する技術

② 貴金属評価のための分析技術

③ 貴金属製品および製造技術

④ 有害物質の拡散防止および無害化に関する技術

⑤ 脱炭素社会に向けた水素製造に関する技術

 等の開発を行っています。

 主要課題と研究成果は次のとおりです。

<貴金属事業>

・貴金属精製技術の開発

 北米で実施しているプライマリー原料処理に対しては主に乾式貴金属精製技術の開発を行い、日本を中心にアジアで実施しているセカンダリー原料処理においては主に湿式貴金属精製技術の開発を進めています。また、乾式および湿式の両精製技術を融合させることによって、あらゆる原料に対応できる効果的な貴金属精製技術の確立を目指しています。当連結会計年度においては、茨城県坂東市にて貴金属リサイクル分野における最新鋭工場(現アサヒメタルファイン株式会社)が稼働を開始しました。酸溶解処理時に発生する酸性ガスを吸収し薬剤として再利用する技術やロボットなど自動化技術、IoTシステムを積極的に採用し、省力化および生産性向上、環境負荷軽減を実現しています。

・貴金属剥離技術の開発

 半導体やLED産業の製造で使用する部材・冶具等の表面に付着した貴金属を安全かつ確実に回収するために、化学剥離技術および物理剥離技術の開発を進めています。当連結会計年度においては、化学剥離速度を向上させる技術を開発しました。次年度以降、各工場へ試験導入を計画しています。

・貴金属分析技術の開発

 製品の品質維持およびお客様との取引を正確かつ迅速に行うために、X線や誘導結合プラズマ発光分析(ICP)を用いた分析技術の開発を進めています。当連結会計年度においては、短時間かつ高精度で多元素測定できる分析技術および品質管理システムを坂東工場(現アサヒメタルファイン株式会社)に導入し品質保証精度の向上に取り組んでいます。

・リサイクル由来の貴金属を原料としたメッキ化成品製造技術の開発

 当社で製造するリサイクル由来(セカンダリー原料)の貴金属は、人・社会・環境に優しい貴金属としてお客様にニーズがあります。当連結会計年度においては、そのようなお客様のニーズに応えるために、リサイクル由来の貴金属を原料としたメッキ化成品の製造技術を開発しました。次年度以降、生産販売を計画しています。

<環境保全事業>

・産業廃棄物の処理技術および資源回収技術の開発

 当社グループ全体で回収される産業廃棄物の適正処理技術と資源回収技術を開発しています。産業廃棄物の焼却事業に関してはこれまで九州地区を中心に展開しておりましたが、新たに関東地区においても排熱回収発電能力を有した新焼却炉の建設計画を進めています。廃棄物処理量拡大と同時に環境負荷の低減、地域社会への貢献を目指した新技術導入を進めます。

・脱炭素社会に向けた技術開発

 廃棄物発電によって得られる電力を有効活用し、安価に水素を製造する技術開発を進めています。この取り組みは環境省が公募した「令和3年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に採択され、当連結会計年度においては、北九州地区の新門司工場(現ジャパンウェイスト株式会社)へ実証試験装置の建設設置および実証試験を実施しました。今後、実用化に向けてさらなる開発および市場調査を進め、水素の普及拡大ならびに温室効果ガス排出削減へ貢献します。

 当連結会計年度における研究開発費は407百万円です。なお、研究開発費については、基礎研究分野にかかわる費用をセグメント別に関連づけることが困難であるため、その総額を記載しています。

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