企業兼大株主長谷工コーポレーション東証プライム:1808】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社の研究開発活動は、集合住宅におけるフローとストックの両分野に軸足を置き、長谷工版BIMをはじめとするデジタル技術を積極的に採用しながら、安全・安心、快適・健康、品質・性能、生産性向上等のテーマに取り組むとともに受注の拡大や利益の向上、及び、将来的な事業分野の拡大に寄与する研究・技術開発を目指しております。

 活動にあたっては、研究・技術開発のスピードアップと採用促進を図るため、東京都多摩市の技術研究所を拠点としながら、大学・研究機関等との共同研究・開発を進めるとともに、当社技術推進部門・設計部門・建設部門・価値創生部門等社内各部門及び当社グループ各社との連携・強化に努めております。

 活動内容としては、①生産技術開発、②商品開発、③気候変動対応、④そのために必要な基礎的な研究開発、以上の4つに重点を置きながら、特に工業化対応、木質化や省CO2材料等の環境対応、ストック改修対応など、社会環境や顧客ニーズの変化に即した集合住宅関連技術の開発・商品化に注力しております。

 当連結会計年度における研究開発費は、3,309百万円であり、主な研究・技術開発の成果は次のとおりであります。なお、当該費用につきましては、セグメントに共通する費用を区分することが困難であるため、総額のみを記載しております。

(建設関連事業)

(1) 中高層及び超高層RC造集合住宅を対象とした技術の開発

建設技能労働者の高齢化と将来の労働者不足の懸念に対し、中高層及び超高層の集合住宅等を対象に、生産性向上や品質向上を目的とした工業化・ICT活用等の技術開発を推進しております。また、気候変動に対応した脱炭素に関する技術開発にも注力しております。

① 中高層RC造集合住宅:

生産技術開発分野として、業務及び生産プロセスの合理化に向けたBIMの導入・活用検討において、長谷工独自のBIMツールの開発や業務ワークフロー改善等による、設計・施工まで一貫した「長谷工版BIM」の環境整備を強力に推進しており、根伐図の自動作成、根伐土量自動算出、基礎・基準階コンクリート数量算出、仮設足場材自動積算などを実現しております。また、BIM連携による鉄筋、型枠加工図の効率化、サッシ製作図の効率化を行っております。

気候変動対応技術として、長谷工式環境配慮型コンクリート「H-BAコンクリート」が新たに住宅性能表示「特別評価方法認定」を取得したことにより、住宅性能表示を行うマンションへの展開が可能となりました。また、再生可能エネルギーに関しては、余剰電力の最適な活用に向けた「自己消費型太陽光発電システム」に関する基礎研究や、集合住宅の屋上部分のみならず壁面や手摺等に設置可能な太陽光発電システムの検証を行い、更に、水素を燃料とする純水素型燃料電池利用の実証実験を行ってまいります。

商品開発分野として、住宅としての基本的で本質的な性能確保といった根幹は踏襲しつつ、住まいを最適な空間に“Fit”させることが可能な「Be-Fit」の開発を完了いたしました。本商品は、家族構成の多様化、ニューノーマルといった環境変化に対応する新たなマンション企画に位置づけております。

② 超高層RC造集合住宅:

現在、「NAGOYA the TOWER」(名古屋市中村区、地上42階/地下1階、制振、435戸)、「エクセレント ザ タワー」(千葉市中央区、地上31階、制振、397戸)、「ローレルタワー堺筋本町」(大阪市中央区、地上44階/地下1階、制振、511戸)、「Brillia Tower 浜離宮」(東京都港区、地上32階/地下1階、免震、420戸)、「ドレッセタワー武蔵小杉」(川崎市中原区、地上23階、免震、160戸)、「シティタワーズ板橋大山サウスタワー」(東京都板橋区、地上26階/地下1階、制振、239戸)、「(仮称)港区港南3丁目計画」(東京都港区、地上28階/地下1階、耐震、458戸)、「シティタワー千住大橋」(東京都足立区、地上42階、制振、462戸)、「(仮称)グランドメゾン池下ザ・タワーⅡ」(名古屋市千種区、地上39階/地下1階、制振、204戸)を建設中であります。

また、2023年3月期は、「シエリアタワー大阪天満橋」(大阪市北区、地上30階/地下1階、制振、172戸)、「プレミストタワー靱本町」(大阪市西区、地上36階/地下1階、制振、353戸)、「白金ザ・スカイ」(東京都港区、地上45階/地下1階、制振、1,247戸)が竣工いたしました。

更なる技術のレベルアップとして、Fc150級プレキャスト部材や鋼繊維補強高強度コンクリートの活用研究、超高層に対応したパーティションなどの開発に取り組んでおります。

(2) 非住宅を対象とした技術の開発

競争と連携のネットワークを構築するため、多様な研究機関、企業等の幅広い結集を図り、研究開発の共通基盤(プラットフォーム)の確立を目指している「建築研究開発コンソーシアム」などに継続参画し、物流・データセンター等の鉄骨構造関連技術の開発に取り組んでおります。

現在、「(仮称)千葉稲毛物流センター」(千葉市稲毛区、地上4階)、「(仮称)柏インター西物流施設」(千葉県柏市、地上5階)等を建設中です。また、2023年3月期は、「MCUD野田Ⅰ」(物流施設、千葉県野田市、地上3階)等が竣工いたしました。

(3) 研究開発の新分野への展開

脱炭素関連技術として開発した環境配慮型コンクリート「H-BAコンクリート」については、現在施工中の「(仮称)大田区上池台5丁目計画」(東京都大田区、地上5階、42戸)において主要構造部を含む全てのコンクリート(基礎部分を除く)に採用する計画としております。

木造関連技術に関しては、最上階を木質化した「ブランシエスタ浦安」(千葉県浦安市、地上7階、208戸)が、2023年3月期に竣工いたしました。また、当社研究施設「長谷工テクニカルセンター」の敷地内に建設しておりました音響実験棟が2022年12月に竣工し、現在計画中の「(仮称)目黒区中央町一丁目計画」(東京都目黒区、地上7階、101戸、下層RC造+上層4階木造構造)で採用予定である木造の界壁・外壁の遮音性能試験、並びに、軸組床の衝撃音性能試験等を行っております。

(4) 建設産業廃棄物削減対応

これまで当社では、段ボール古紙や木くずにおける循環型マテリアルリサイクルシステムの構築、また、廃プラスチック類のサーマルリサイクルシステムの構築をしてまいりました。

当社新築工事作業所から発生した廃棄物をバイオマス燃料として再利用し、発電施設で発電された再生可能エネルギーを作業所の仮設電力として使用する取り組みを進めております。今後も、更に環境に配慮した循環型社会の実現に向けた取り組みを推進してまいります。

(5) ICT・IoT等のデジタル技術や先端技術の積極活用

「住まい情報と暮らし情報のプラットフォーム」(HASEKO BIM & LIM Cloud)の構築に向け、各種パートナー企業、大学や研究機関と連携し、センサー、AIやロボットなどICT活用に本格的に取り組んでおります。「Feel G Residence」(㈱長谷工不動産所有賃貸マンション、神戸市西区、RC11階建、120戸)、「ブランシエスタ浦安」(当社所有賃貸マンション、千葉県浦安市、RC一部木造7階建、208戸)、「WORVE東京木場」(㈱長谷工不動産所有賃貸マンション、東京都江東区、RC12階建、128戸+店舗)、「WORVE大阪本町」(㈱長谷工不動産所有賃貸マンション、大阪市西区、RC14階建、181戸)、「ブランシエール蔵前」(㈱長谷工シニアウェルデザイン運営の介護付き有料老人ホーム、東京都台東区、RC23階建、151戸)の5物件が新たに稼働を開始しております。加えて、「ブランシエール蔵前」においては、運動習慣・食習慣の改善をサポートするオリジナル開発のアプリケーションを導入しました。ご入居者様のご利用状況・ご意見等を参考にしながら改善を図り、集合住宅の提供価値向上を継続検討いたします。
 その他、大規模修繕工事の省人化などを目的にMR(Mixed Reality:複合現実)技術を用いて開発したタイル打診検査記録システムについては活用領域の拡充など、開発技術の更なる展開も図っております。

(サービス関連事業)

(1) 既築集合住宅を対象とした技術の開発

 拡大する国内ストック市場における既築集合住宅向け「ストックビジネス」の技術基盤づくりを目指しております。共用部では「建物の延命化・耐震化の工法」、「居住者の負担を軽減できる工法」の開発等、専有部では「住まいの機能の維持やグレードアップの提案」を進める等、継続的にストック・リフォーム分野における研究・技術開発を行っております。

① 当社グループの優位性のアピールを目的として、塗装の簡易劣化測定システムを開発いたしました。
②  今後増加傾向にある排水管改修工事において、作業削減効果、CO2削減効果が期待できる排水管改修新工法を開発いたしました。

(2) ICT技術を活用した顧客サービス開発

「グループIT投資戦略プロジェクト(名称:FITプロジェクト)」において、初期検討顧客層の新築マンション探しをサポートするサービス「マンションFit(フィット)」では、提案される物件のレコメンド機能の向上を行うと共に、長谷工アーベスト販売提携物件以外などの提案物件数を増やしました。第三者管理方式の管理組合運営を実現するコミュニケーションツール「smooth-e(スムージー)」では、既存管理物件に加えて新築販売物件における更なる導入受注を図るべく、管理者業務遂行の迅速化を目的とした追加機能開発を行いました。この他、マンション管理やマンション立地周辺に関する様々な顧客へ向けたWebサービス実現のための開発に取り組みました。
 また、当社グループ内の各種システムやデータを横断的に連携・分析・外部連携するための「グループ情報連携基盤」について、機能拡張を含めた各種開発に取り組みました。

 この他、竣工後のマンション管理業務の効率化や大規模修繕時の作業効率化、生産性向上にも取り組んでおります。

 なお、子会社においては、研究開発活動は行われておりません。

 建設関連事業及びサービス関連事業以外の事業においては、研究開発活動は行われておりません。

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