企業第一稀元素化学工業東証プライム:4082】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 研究開発活動の方針等

 当社はこれまでジルコニウム化合物の精製技術、酸化ジルコニウムの凝集制御をコア技術とし、他元素との複合化技術による新たな機能の開発を行うことにより、ジルコニウムの用途拡大に取り組んでまいりました。

 今後も自動車排ガス浄化触媒分野に加え、半導体・エレクトロニクス分野、エネルギー分野、ヘルスケア分野を当社グループの戦略分野と位置付け、多様化・高度化する顧客ニーズに応える製品を開発することによりジルコニウムの更なる用途拡大に向け、継続的に行動していくことを基本方針としております。また開発された新規材料は独創的で付加価値の高いものであるため、原則として知的財産権を取得し、当社グループの事業領域において活用してまいります。

 また2023年度に大阪事業所の研究開発拠点をリニューアルいたします。外部環境変化に合わせ、広がるジルコニウムのニーズに応えるための新たな拠点として顧客が求めるジルコニウム素材の開発を推進していきます。

(1)戦略分野

①半導体・エレクトロニクス分野

・圧電、コンデンサなどの電子部品の軽薄短小化、及び半導体用途における高純度化・高機能化に対応したジルコニウム系材料を開発します。

②エネルギー分野

・固体酸化物形燃料電池(SOFC)や固体酸化物形電解セル(SOEC)の実用化段階を早めるために技術課題を満足させた電解質・電極材料を開発し、提案します。

・カーボンニュートラルに向けたCO2の利用と排出量削減に関連した研究開発並びに実用化技術、リチウムイオン電池の高耐久性化やリチウムランタンジルコネート(LLZ)などの固体電解質の改良など、積極的に新規製品を開発します。

③ヘルスケア分野

・強度・靭性、審美性に加え、新たな機能付加された歯科材用などのジルコニア系材料を開発します。

・ガラス・塗料・抗菌剤などに用いられている有害物質に代わり、人体への健康被害を軽減する無害かつ同等以上の機能を発現する材料を開発します。

(2)自動車排ガス浄化触媒分野

・自動車の電動化シフトへの流れは進むものの、当面は従来の内燃機関の活用が主流であると考えております。今後、特にインド・東南アジアなど新興国においてはHEV、PHEVなど内燃機関が必要となるため、強化される排ガス法規制に対応し、助触媒機能としてより高機能な触媒材料を開発していきます。また当社の助触媒開発により、触媒となる貴金属量を削減することができ、資源保護・環境負荷及び環境コストの低減の観点で大きく寄与する活動になります。

(3)基盤分野

①熱遮蔽コーティング用材料

・発電用ガスタービンや航空機等のエネルギー効率を向上させるなど、耐熱性を有するジルコニウム系材料を開発します。

②アルミニウム接合用ろう付材料

・自動車用熱交換器用途や家庭用エアコン用途などのアルミ溶接用途において、顧客生産過程における省エネルギー化や簡便化に貢献するセシウムフラックス及びフラックス内包ろう材を開発します。

③自動車・ブレーキ用材料

・EURO・PN規制及び電動化ニーズに対応した新規材料を開発します。

 研究開発体制

当社の研究開発活動は、中長期的な視野でのジルコニウム化合物の新機能の発掘及び新規用途開拓、並びに新規材料の調査・研究を研究開発室が担当し、既存用途での材料開発及び既存材料での用途開発は技術部が担当しています。技術部が開発した開発品は、生産技術部が量産プロセスを設計し、各事業所に新製品として移管します。生産技術部は島根県、福井県の国内拠点に加え、ベトナム、中華人民共和国の当社グループの海外生産拠点のプラント設計及び設備設計・導入も担当します。顧客要求を満たす品質設計、環境負荷を低減した工程設計を組み合わせ、世に価値ある新製品を開発しています。一方、知的財産権に関する業務については知財管理室が担当します。2023年3月期実績としては、国内特許出願7件(海外出願を含めると30件)、国内商標出願9件を実施いたしました。今後も部門機能ごとに専門性を高め連携しながら、効率よく開発活動を実施していきます。また大学・研究機関を対象に、ジルコニウム及びハフニウム並びにセシウム化合物を利用した独創的な研究、創意、工夫に対して研究助成金制度を実施しています。ジルコニウム及びハフニウム並びにセシウム化合物の素材を利用した研究活動への支援を通して、これら材料の新たな可能性が拡大されることを期待しております。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,071百万円であります。

研究開発課題

成果

内容

燃料電池材料の開発

大学との共同研究の推進、学会への発表

耐久性・機能の向上

次世代排ガス浄化用触媒の開発

高機能を有する新規ジルコニウム・希土類系触媒材料の次期触媒への採用

凝集制御技術特許の文部科学大臣賞受賞

自動車排ガス浄化触媒の浄化性能の向上、加工性の向上など

二次電池用材料の開発

正極材コート材料の改良、製品の採用

全固体電池用酸化物型電解質の改良

知的財産権の取得

電池性能・耐久性・加工性の向上への寄与

アルミ溶接材料の開発

家電用ろう材の製品化

家電用途への拡大

機能性材料・構造材料の開発

低温焼結技術を用いた高靭性材料の製品化と社外プレスリリースの実施

歯科材料用ジルコニア系材料の製品化

知的財産権の取得

審美性・セラミックス強度、靭性の向上

ジルコニウム化合物の新規用途拡大

顧客要求に合わせた樹脂配合用ジルコニアの改良

構造材用途、高屈性率を目的とした光学材料用途への拡大

ジルコニウム化合物の基礎研究及び用途探索活動

ジルコニウム化合物の用途探索活動の強化

耐火物、化学触媒及びその他新規用途探索を目的とした大学や公設試験研究機関との共同研究の促進

非酸化物材料の用途探索

CO2及び水素利活用などの化学触媒用途、生化学用途への展開可能性の検討

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