栗本鐵工所 【東証プライム:5602】「鉄鋼」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、1909年の創業以来114年にわたって、お客様満足第一の製品の供給とサービスの提供により、社会のインフラ整備、ライフラインや産業設備の拡充に取り組んでまいりました。引き続き、次の100年に向けて一層価値ある企業であるために、バランスの取れた着実な持続的成長に向けて、企業理念ならびに経営理念の実践を通じ、お客様満足に徹したモノづくりで、社会の生命線と人々の暮らしを守り、社会に貢献してまいります。
また、透明性をもった健全経営を実践し、当社に投資したいと思える「企業価値」を提供し続けるため、積極的な情報開示に努め、社内に優秀な人材を育成し、CSRの充実を図ることを基本方針としております。
① 社是
当社の社是は、クリモトグループの精神、心の拠り所であり、経営者・従業員すべての人々にとって、あらゆる理念や、方針の土台となるものです。
一、技術並びに経営の革新に努める
一、英知を育て、衆知を集める
一、有効性に徹する
われらはこの基本的理念に従い、栗本人としての親和を深め、企業の発展を通じてわれらの福祉向上と人類の幸福に貢献しよう。
② 企業理念
企業全体の目的、方向性、存在意義を表現したもので企業普遍の考え方
1.私達は水と大気と生命(いのち)の惑星、地球を大切にし、人間社会のライフラインを守ります。
2.私達は「安心」という価値を提供し、社会と顧客の信頼に応えます。
3.私達は顧客の声をよく聴き、顧客から学び、独自の技術を深め、新しい技術を加え、顧客にオリジナルな「最適システム」を提案します。
4.私達はモノづくりを通して、社員の幸せと人間社会の幸せを目指します。
5.私達はこれらの実践のため、コンプライアンス経営を徹底し、継承と変革の調和を計り、個性と創意を尊重し、企業の発展と社会への貢献に努めます。
③ 経営理念
・私たちは、全てのステークホルダーの期待と信頼に応え、常に最適なシステムを提供し、『夢ある未来』を創造します。
経営者が経営環境に応じて定める、目指すべき将来の姿を描いたこの経営理念に基づき、これからのクリモトに求められる事業活動は、社会インフラ分野・産業インフラ分野へ最適なシステムを提供することとしています。
事業を通じた持続可能な社会の実現に貢献し、これからも社会から必要とされ続ける企業グループを目指してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、着実な持続的成長の道筋を付けるために2021年度を起点とする中期3ヵ年経営計画を策定しております。事業基盤を強化しつつ、前中期3ヵ年経営計画で芽吹いた新たな事業をさらに成長させることで収益性の向上を図り、事業戦略の方向性として、国土強靭化の実現に向けた最適なソリューション提供、および脱炭素社会の実現に向けた最適なソリューション提供に注力しております。
なお、定量目標値としましては、当中期3ヵ年経営計画の公表時に、2023年度の計画値を売上高1,200億円、営業利益55億円、売上高営業利益率4.6%、ROE5.4%としておりましたが、直近の事業環境を踏まえ2023年度の業績目標値を、売上高1,200億円、営業利益60億円、売上高営業利益率5.0%、ROE5.5%としております。
当社グループは、経営の基本方針に加え、人的資本や資本コストをより意識した経営を推進することにより、企業の持続的成長と収益性の改善を目指してまいります。
中期3ヵ年経営計画業績目標 |
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| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |||
| 計画値 | 実績 | 計画値 | 実績 | 計画値 | 目標値 |
売上高 (百万円) | 107,000 | 105,954 | 115,000 | 124,827 | 120,000 | 120,000 |
営業利益 (百万円) | 3,500 | 4,172 | 4,500 | 6,840 | 5,500 | 6,000 |
売上高営業利益率 (%) | 3.3 | 3.9 | 3.9 | 5.5 | 4.6 | 5.0 |
ROE (%) | 3.6 | 4.5 | 4.8 | 6.9 | 5.4 | 5.5 |
※ 計画値は中期3ヵ年経営計画公表時の数値
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(ライフライン事業)
パイプシステム部門の主要市場である上水道市場では、施設老朽化に伴う更新需要は依然としてあるものの、水道事業の民間業務委託が増加傾向にあるなど、事業環境が変化しつつあります。当社グループにおいても、従来から行っている資材の製造・販売といったビジネスモデルに加えて、工事・サービスも含めたソリューションの提供を行うビジネスモデルの確立が急務となっております。CO2排出削減も視野に生産合理化を進めるとともに、設計・施工・メンテナンスといった業務の受託に向けた体制を整備し、今後の事業拡大を推進してまいります。
(機械システム事業)
当事業にて、熱間鍛造プレスなどを供給している自動車産業は、「CASE」に代表されるような世界規模の大きな変革の時を迎えております。当社グループにおきましては、鍛造プレス機や混練・混合機などの産業設備の製造技術や、強化プラスチック製品の製造ノウハウといった当社グループ保有のコア技術を活かし、軽量で高強度な先進材料として注目されているCFRPなどの強化プラスチックや二次電池などの製造設備へ最適なシステムを提供することで、自動車業界をはじめ様々な分野において、脱炭素社会の実現へ貢献してまいります。
(産業建設資材事業)
建築、下水道、電力、鉄道など様々な市場へ資材を提供している当事業では、グループ経営の新たな柱となる事業を長年模索しております。その中で、特に需要増大が期待される道路・橋梁の維持メンテナンス市場でのビジネス拡大を推進してまいります。国土強靱化の流れの中、道路や橋梁本体の補修・メンテナンスのみならず、メンテナンス用設備やその周辺資材へのニーズは増加傾向にあります。当社グループはかねてより、多種多様な周辺資材の製造・販売を行ってきた強みに加えて施工会社をグループ会社とすることで、提供するソリューションのラインナップ拡充により、国土強靱化へ貢献すると共に事業拡大を目指してまいります。
いずれの事業におきましても、当社グループが主に行ってきた資材や設備の製造・販売に加えて、設計・施工・メンテナンスなどのサービスも含めた付加価値をお客様へ提案することにより課題解決をはかるとともに、経営理念で謳う「最適システムの提供」により、広く社会に貢献してまいります。
(財務戦略)
当社グループは前中期3ヵ年経営計画より「変わる・稼ぐ」を掲げ、現中期3ヵ年経営計画では、より一層、成長性・収益性の向上を意識し、獲得したキャッシュをバランスよく成長投資と株主還元に配分すると言う方針のもと、財務基盤の強化及び安定且つ継続的な配当を意識し取り組んでまいりました。当社の株主還元方針は、成長投資とのバランスを鑑みながらステークホルダーの皆様のご期待に応えるべく、 配当性向30%超を目指しつつ、安定した株主還元を実施しております。この方針に則り、2023年3月期の配当につきましては、業績および経営環境等を総合的に判断し、年2回の増配(年20円増)により、中間配当額40円、期末配当額50円の年間配当額を90円としました。来期以降も引き続き、配当性向30%超を目指しつつ自社株購入も勘案し、安定した株主還元に努めてまいります。また、資本収益性を重視し、より効率的な経営を推進すべくROEのさらなる向上に努めます。その手段の一助として、事業単位のROIC管理を基軸にした経営展開も視野に入れております。上記の財務戦略にてクリモトグループとして、中期3ヵ年経営計画で掲げました「国土強靭化」と「脱炭素」へのソリューションの提供による社会課題の解決を通じて、事業の価値の創造・持続的成長を実現し、「夢ある未来」の創造を支えてまいります。
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