企業兼大株主東京インキ東証スタンダード:4635】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1)体制・方針

 当社は、代表取締役社長を議長とし、全ての常勤取締役および各委員会の委員長を協議員として構成されるESG経営推進会議の下部組織に、リスク管理委員会、コンプライアンス委員会、環境負荷低減委員会、ソーシャルレスポンシビリティ委員会を設置しております。

 環境負荷低減委員会は、環境に対する定量データの収集・整理や環境負荷低減のための課題について取り組んでおります。

 ソーシャルレスポンシビリティ委員会は、サステナビリティやESGの社会課題に対する取り組みの検討を行っております。

 リスク管理委員会は、全社重要リスクおよびその他重要リスクへの対応を推進しております。その全社重要リスクの内、特に「サステナビリティ課題考慮不足リスク」および「人材戦略リスク」において、環境関連および人材に関する推進・モニタリングを行っております。

 環境負荷低減委員会、ソーシャルレスポンシビリティ委員会、リスク管理委員会で協議・決議された内容は、四半期ごとにESG経営推進会議に報告を行っております。

 また、当社グループの企業理念や目指すべき企業像に向かって進めるために理念体系を整理し、新たな「行動指針」を策定した上で、下記各種ガイドラインを整備いたしました。

(環境に関するガイドライン)

 当社グループは、事業活動を通じて、地球環境に対する負荷を低減させる取り組みを継続的に行います。

・ 環境負荷低減に貢献する製品・サービスの開発に努めます。

・ 継続的な省エネルギー活動やリサイクルの推進により、温室効果ガスおよび廃棄物の削減に努

めます。

・ 環境に関連する法規制を遵守するだけでなく、自主基準を設定し環境保全に努めます。

・ 企業に求められる環境に関連する情報開示を積極的に行います。

・ 従業員に対して環境に関する教育、広報活動を実施し、環境問題への意識向上を図ります。

(サステナビリティに関するガイドライン)

 当社グループは、健全で透明性の高い経営と事業活動により、企業価値向上を目指すとともに、持続可能な社会の形成に貢献するよう努めます。

・ すべてのステークホルダーとの対話を重視し、企業の透明性を高め、社会的責任を果たしま

す。

・ 当社製品・サービスの提供により、持続可能な社会の形成に貢献します。

・ 従業員の基本的人権、多様性を尊重し、安全、健康が確保でき、働きがいのある職場の構築に

  努めます。

・ 社会貢献活動を通じて従業員の成長と持続可能な社会の形成に貢献します。

(リスクマネジメントに関するガイドライン)

 当社グループにおいて顕在化しうるリスクへの対応に係る管理体制を整備し、当該リスクの認識、顕在化防止および顕在化時の損失低減のための対応を着実に実行することにより、当社グループの企業価値の向上に資することを目指します。

・ 継続的なリスクマネジメント活動を通じて、リスク対応能力の向上を図ります。

・ ステークホルダーの安全、健康および利益を損なわない誠実な企業経営を行います。

・ 製品・サービスの品質と安全を最優先とし、緊急事態発生時には、事業継続計画(BCP)に従

い、被害を最小限にとどめるとともに、事業の早期復旧を図ります。

・ リスク教育活動とリスク情報の共有化により、リスク感性の醸成を図ります。

(コンプライアンスに関するガイドライン)

 当社グループは、企業の社会的責任を常に認識し、法令はもとより規範、倫理および社内規程を遵守し、良識を持って公正かつ誠実に行動することで、社会との調和を図り、企業活動の更なる発展を目指します。

・ 私たちは、基本的人権を尊重し、いかなる差別もしません。

・ 私たちは、取引先との健全な関係を維持、構築し、公正・公平な取引を行います。

・ 私たちは、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して、毅然とした態度で臨み、

一切の関係を持ちません。

・ 私たちは、企業の透明性を高めるために、適時・適切な情報開示を行います。

・ グループ全ての役員および従業員のコンプライアンスに対する重要性を浸透させるために、啓

蒙・教育活動を継続的に実施します。

・ コンプライアンスの問題が発生した場合は、迅速かつ適切に対応します。

(2)戦略

 ① 気候変動に対するリスクと機会

 当社グループの気候変動に関連する主なリスクと機会は以下のとおりであります。

気候変動リスク

・温室効果ガス排出量削減の失敗により、平均気温が上昇することで、

 異常気象による災害が激甚化し、事業継続が困難になるリスク

・政策・法規制などが強化されることにより操業コストが増加するリスク

・顧客ニーズの変化により、売上・利益を逸失するリスク

気候変動機会

・温室効果ガス排出量削減に繋がるバイオマス製品の需要増加

・プラスチック廃棄物削減に繋がる生分解性樹脂関連製品の需要増加

・最終製品に環境負荷低減に貢献する機能を付与する中間製品の需要増加

(環境対応製品紹介および気候変動に対する取り組み紹介)

(インキ事業)

[高バイオマスオフ輪インキ GAIA® VLC]

 従来品と同等の性能を維持しつつ新開発の樹脂・ワックスを採用することで、インキ成分中のバイオマス度を60%以上に引き上げたオフ輪インキとなります。

 また、植物由来溶剤によりお客様における印刷乾燥工程時に排出する石油由来CO2を限りなくゼロにすることに貢献いたします。

環境調和型グラビアインキ ライスインキ]

 国産バイオマス原材料である米ぬか原油の非食用部分を利用した環境調和型グラビアインキとなります。

 従来のインキと同等の印刷適性を有しているため、通常どおり印刷が可能であり、使用時のCO2排出量抑制および石化資源使用削減に貢献いたします。

(化成品事業)

[液状マスターバッチ リキッドカラー HiFormer®]

 従来品であるペレット状のマスターバッチは高熱下で加工するため、製造時の使用エネルギーが大きくなりますが、液状マスターバッチは高熱下での加工を必要としないため、製造時の使用エネルギーを大幅に低減できます。

 着色成分が従来品よりも高濃度で処方されているため、成形加工時の添加量を少なくすることができ、結果的に輸送コスト低減に繋がるとともに、液体であることから樹脂ペレットに拡散しやすく、色むら、ショットブレなどの使用時の不具合低減にも貢献いたします。専用の供

給制御装置を使用することで、液体同士が接触しないため、切替時の清掃が不要になり、ロスの低減にも繋がります。

※HiFormer®はAVIENT社の登録商標です。

[生分解性プラスチック用マスターバッチ]

 生分解性プラスチックは、最終的に水と二酸化炭素に分解される特徴を有しているため、従来の化石資源由来のプラスチックに比べ、プラスチックゴミの削減に繋がります。

 生分解性プラスチック市場は拡大傾向にあることから、生分解性プラスチックに適した各種マスターバッチを取り揃えております。

 今後もニーズに合わせラインナップを拡充することで、環境への負荷の低減に貢献いたします。

使用例:農業用フィルム

(加工品事業)

[ジオセル(グランドセル/テラセル)のり面保護工法]

 ジオセルはプラスチックシートを立体形成した、ハニカム状土壌安定枠となります。

 ジオセルをのり面に設置し、中詰材を充填することで、のり面の浸食対策と緑化の両立が可能になります。

 コンクリートを使用する工法に比べ、軽量であるため搬送の負荷が軽減でき、CO2排出の低減に貢献、施工性にも優れております。集中豪雨などの影響により不安定になっている道路のり面の復旧に貢献いたします。

ジオセル(グランドセル/テラセル)   のり面施工状況       完成後緑化状況

[EKエナジーキーパー]

 農業ハウスで作物を栽培するにあたり、光と熱が大きく影響いたします。EKエナジーキーパーは種々の素材を複合的に組み合わせて、特殊な縫製加工をすることで、抜群の遮光性と断熱性を持たせた布団資材となります。光に敏感な作物の栽培に適しており、農業用ハウスにおいて周年利用時の冷・暖房費の大幅な削減に貢献いたします。また、軽量であるため、作業性にも優れております。

       EKエナジーキーパー基本構成

(その他)

 サステナビリティへの取り組みの一環として、外貨建て定期預金「グリーン預金」への預け入れを実施いたしました。当「グリーン預金」は、ESGのうち環境分野、特に再生可能エネルギー分野に特化した定期預金であり、ESG格付会社である蘭Sustainalytics社の支援を得て策定した、「SMBCグリーン預金フレームワーク」に基づき、再生可能エネルギーや省エネルギー事業等の環境に配慮したプロジェクトに充当されます。

 また、当社の環境配慮活動の取り組みや長期的な環境経営戦略を総合的に評価する、環境格付融資の検討を現在進めております。

 今後はTCFD提言に基づくフレームワークでの開示検討を進めるとともに、環境やサステナビリティに貢献できる製品開発や取り組みを進めることで、企業価値の向上を図ってまいります。

② 人的資本に関する戦略

 a.経営戦略と人材戦略の連動

 当社グループは中期経営計画における経営方針において、「市場が求める価値の追求 とりわけ環境・社会に貢献する製品・サービスの提供」および「低成長時代に耐えうる高効率な運営体制の実現」を掲げております。

 本経営方針を達成するために、人事戦略は基本戦略および事業戦略とともに経営方針を実現するための一部であると定義し、当事業年度において「人事戦略構築プロジェクト」を立ち上げ、経営者との積極的な対話を通じて、基本戦略、事業戦略との連動性が担保された4つの柱を軸とした人事戦略を策定しました。策定にあたっては、現状との乖離について定性・定量分析を実施し、取り組むべき課題を明確化いたしました。

 基本戦略、事業戦略および人事戦略との連動性は、基本戦略および事業戦略にて定めた各戦略項目に必要と考えられる「多様な人材の育成・確保」、「リーダーシップ」、「変化に応じた再配置」、「キャリア構築」を柱としております。

 また、これらの人事戦略を実現するために必要な人材ポートフォリオを定め、求める人物像を具体化し、その人材をどのように採用し成長させていくかの観点から人材マネジメントポリシーを決定いたしました。さらに、目指すべき企業文化の連動性を検証し、強固な土台を作り上げるための人事戦略としております。

 これらのサイクルを円滑に進めるため、新たな人事制度を構築し、2023年4月から導入致しました。

 当社は、企業理念(Vision)、目指すべき企業像(Mission)を実現するために、「人(従業員)」を成長させることで、価値創造の担い手である「資本」になると考えております。そのため、大切にすべき価値観として、当事業年度において行動指針を新たに定めました。求める人物像は、Vision 、Missionに共感し、新たに定めた行動指針(Value)を体現する人材となります。

 従業員が安心し、モチベーション高く働いていくための土台となるのは、企業文化となります。企業の持続的成長を促進させていくための目指すべき企業文化を定義し、実現を目指してまいります。

 b.社内環境整備方針

 人事戦略を達成するため、従来からの人事機能および総務機能を併せ持った総務部から人事機能を分離した人事部を新規に立ち上げ、人材マネジメントを一元管理できるHRシステムの導入、および評価や異動の最終決定を担う人事委員会の設置を行いました。また、多様な働き方や適材適所での働きがい、それに応じた的確な処遇を実現するため、新人事制度を制定し、従来の単線型キャリアパスから複線型キャリアパスへの転換を行いました。

 さらに、この新人事制度では、新たに制定した行動指針を体現するものとしてバリュー評価を組み入れ、従業員の自己研磨および向上心を図り、HRシステムと合わせて定量的に評価していくことでエンゲージメントとして成長実感、満足度等も向上させる取り組みを推進しております。

 また、従業員の健康を維持することも重要であると考えており、健康経営優良法人の認定、健康診断の実施並びに喫煙状況の管理、労働環境として残業時間の管理並びに有給休暇取得推進、人事部および中央安全衛生委員会にて労働災害の管理および監視を行っております。

 人材の多様性に関しましては、ソーシャルレスポンシビリティ委員会を発足させ、人事部と共にダイバーシティに関する取り組みを進めております。少子高齢化が進み、労働人口が不足していくことが想定される今後において、女性、外国人、障がい者、シニア層など多様な人材が活躍できる環境を整えるべく取り組みを進めてまいります。

 c.人材育成方針

 新人事制度での人材ポートフォリオ構築のため「人事戦略構築プロジェクト」において、人材マネジメントポリシーを定めました。

 配置におきましては、計画的なローテーションと複線型キャリアパスによって柔軟な従業員の配置を実施し、組織改革や業務改善をリードおよび市場の変化に対応できる多角的な視点を持つ人材の育成を進めてまいります。

 人材開発におきましては、さまざまな部署での業務知識や人間関係を構築し、従業員の成長機会を創出するとともに、その能力を最大限に発揮できる組織構築にも繋げてまいります。また、複線型キャリアパスで定めたそれぞれの役割に合わせたさまざまな研修内容を提供することで、従業員が将来のキャリアを選択できる柔軟な制度を促進してまいります。

 当事業年度におきましては、執行役員へのリスク研修、管理職アセスメント等を実施しております。

(3)リスク管理

 当社グループは、中期経営計画「TOKYOink 2024」策定年度に当社リスクの見直しを伴うリスクアセスメントを行い、全社重要リスク4項目を選定しております。特に環境関連および人材に関しては、「サステナビリティ課題考慮不足リスク」および「人材戦略リスク」への対応計画を設定し、リスク低減活動の推進を図るとともに、対応策の効果のモニタリングを行っております。

 「サステナビリティ課題考慮不足リスク」および「人材戦略リスク」に関する取り組み内容は、「第2 事業の状況 3事業等のリスク (3)事業等のリスク」に記載しております。

(4)指標及び目標

① 気候変動に関する指標及び目標

単位:t-CO2

2013年度

2019年度

2020年度

2021年度

温室効果ガス排出量

(Scope1、2計)

21,661

19,485

17,410

17,755

削減率(2013年度比)

△10.0%

△19.6%

△18.0%

 対象組織:当社国内グループ  温室効果ガス排出量:環境会計公表値

 当社国内グループの2021年度温室効果ガス排出量(Scope1、2計)は、さまざまな省エネ活動に取り組んだ結果、2013年度比で18.0%減となりました。また、2022年度に大阪工場の使用電力全量について再生可能エネルギーへの切り替えを実施いたしました。当実施により、当社国内グループの約10%の電力が再生可能エネルギーに切り替わりました。今後もさまざまな方策を講じることで、温室効果ガス排出量の削減に努めてまいります。

 また、温室効果ガス排出量の削減目標につきましては、本年12月に公表予定の長期ビジョンに記載する予定としております。

② 人的資本に関する指標及び目標

 当社では、社内環境整備における人事施策の浸透度を定量的に図るため、以下の重要業績評価指標(KPI)を設定いたしました。外部環境の変化によっては、施策内容の見直し等も図りながら、目標達成に努めてまいります。

INPUT/OUTPUT

OUTCOME

カテゴリ

KPI

2022年度実績

目標値

行動指針

バリュー評価

達成率

80%

経営方針の達成

従業員個人の成長

労働意欲の向上

育成

教育研修費用

22,468円/人

30,000円/人

成長実感

エンゲージメント

スコア

5.9(10点中)

7.0(同)

満足度

5.9(10点中)

7.0(同)

健康経営

二次検診受診率

27.6%

70.0%

喫煙率

32.3%

20.0%

労働環境

時間外労働時間

5.0時間/人

5.0時間/人

有給休暇取得率

57.6%

80.0%

労働災害

強度率 ※1

0.00

0.00

度数率 ※2

0.00

0.00

※1 強度率とは、実労働時間当たりの延べ労働損失日数で災害の重さを示す指標となります。

※2 度数率とは、実労働時間当たりの労働災害による死傷者数で労働災害の頻度を示す指標と

   なります。

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