企業日置電機東証プライム:6866】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 企業は社会的な存在であります。当社は社会に受け入れられる高品質の製品と最高のサービスを提供し、顧客の満足を得ることに全力を尽くしてまいります。同時に事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。また、地域社会の一員として教育文化等地域社会の発展に役立つ活動を積極的に支援してまいります。これらを実現するために、先進の研究開発と新分野の確立に挑戦する研究開発型企業を目指し、自主的な成長発展を図ってまいります。

 また、適正な利益を確保し、会社の成長発展の原資とするとともに、株主、社員そして社会へ還元したいと考えております。

(2)目標とする経営指標

 当連結会計年度は「売上高営業利益率20%」、「海外売上高比率70%以上」、「自己資本当期純利益率(ROE)10%以上」を目標として設定し、新製品投入による新市場の開拓及び海外市場の開拓を通じ売上高を拡大し、経営効率を上げることにより、これらの目標の達成を目指してまいりました。また、自己資本当期純利益率(ROE)の構成要素のうち、売上高当期純利益率と総資産回転率の改善に向けた取り組みを各部門の事業計画と連動させることで、自己資本当期純利益率(ROE)の継続的な改善を進めてまいりました。「売上高営業利益率20%」の目標に対して当連結会計年度の実績は20.3%となり、目標を達成いたしました。「自己資本当期純利益率(ROE)10%以上」の目標に対して当連結会計年度の実績は18.1%となり、目標を達成いたしました。また、「海外売上高比率70%以上」の目標について、当連結会計年度の実績は63.3%と未達となりましたが、海外売上高は前連結会計年度に比べ28億15百万円伸長いたしました。

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社は創業以来、「HIOKIの理念」である「人間性の尊重」と「社会への貢献」をベースに産業のマザーツールと呼ばれる電気計測器の開発、生産、販売・サービスを事業としてまいりました。

 現在、持続可能な社会の実現に向け「脱炭素化」が叫ばれ、世界規模で「化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギー源転換」という大きな変革が起きています。

 このような社会の変化に対し、当社は2030年までの長期経営方針「ビジョン2030」を策定し、取り組みを進めてまいりました。このビジョンに基づき、これまで培ってきた電気計測のノウハウと海外販売会社を中心にグローバル展開している顧客密着型の課題解決スタイルによって、あらゆる産業の脱炭素化及び電動化シフトを後押ししてまいります。

 電気を安全に供給し、エネルギーを有効に活用するために、「測る」という計測ソリューションから、新たな検査や試験の基準を創出し提供することで、顧客と共に持続可能な社会の実現に取り組んでまいります。

 各分野における取り組みは以下のとおりです。

 研究開発面におきましては、顧客に密着し顧客の要望をいち早くつかみ、他社にないオンリーワンの製品を提供することを目指してまいります。また、将来の需要を見越して研究開発を進め、新しい価値を顧客に提案することにより新分野の確立を目指してまいります。

 販売面におきましては、グローバル化の方針のもと、中国、韓国、台湾、東南アジア、インドを中心にアジア地域を最重要ターゲット市場として開拓するとともに、米国市場及び欧州市場の開拓も積極的に進め輸出を強化してまいります。

 生産面におきましては、品質の向上及びコストダウンを進め、国際市場において活躍できる製品づくりを目指してまいります。また、競合他社に対する優位性の一つとして、短納期化を進めてまいります。

 また、当社はコーポレート・ガバナンスを経営戦略の重要な柱の一つと考えており、コーポレート・ガバナンスを企業価値向上のための経営体制の確立と認識しております。コンプライアンスを最重要視し、経営の効率化に取り組み、適正な利益を確保すると同時に、経営情報の積極的な開示により経営の透明性を高め、株主(投資家)、顧客、社員等全てのステークホルダーに対して、その社会的な責任を果たしてまいります。

(4)経営環境及び対処すべき課題

 世界経済は、半導体等の部品需給逼迫、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発するエネルギー価格の高騰、各国の金融政策変更に伴う景気の減速見通しや不安定な為替相場など、今後も先行き不透明な状況が続くと見込んでおります。一方で、脱炭素化及びデジタル化の世界的な流れは引き続き継続することが予測されます。特に世界中でEVシフトの進展が見込まれており、その動きは充電インフラ関連市場にも広がっております。世界では実体経済や社会情勢に関わらずEVが大きく普及する前提で、EV電池の高付加価値化と価値循環、電池産業のカーボンニュートラル化や材料の完全リサイクルなどバッテリーサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みが活発になっております。

 EVの普及に合わせて、世界中で急速充電に関する開発と急速充電器などのインフラ設備の充実が急務となっております。この実現には高電圧・大電流・高周波・低力率に関する課題を克服する必要があります。また、カーボンニュートラル社会の到来が推進されることで、電源の開発、機器の省力化、航空機の電動化等の開発が加速すると想定されております。この流れを受け、電源の高性能化(高効率化・小型化・軽量化)が求められることになります。

 ウクライナ危機によるエネルギー問題を受け、主要国では再生可能エネルギーへの注目が高まっております。日本では2023年6月に水素基本戦略が6年ぶりに改訂され、各国でも投資が進められております。また、太陽光発電が再生可能エネルギーとして注目されており、エネルギー源としての比重が今後高まるものと期待されております。さらに水素及び太陽光発電が新たなエネルギー源として普及することは、エネルギーを保存するための蓄電池市場の成長要因になると見込まれます。

 当社グループは、このような市場変化を非常に大きなビジネスチャンスと捉えております。市場変化を踏まえ、新たな顧客価値を創造し、独自のセンシング技術をより高めるとともに、培ってまいりました計測技術を組み合わせ、高付加価値製品及び電気計測ソリューションを提供してまいります。

 また、海外販売子会社を中心にHIOKIブランドの浸透を図り売上高を伸長させるとともに、世界中のお客様に安心して当社製品をお使いいただくためのグローバルアフターサービス体制の構築に引き続き取り組んでまいります。さらに、目標とする経営指標の一つである「海外売上高比率70%以上」の達成を目指し、特定の地域に依存しない均衡の取れた売上高構成を目指してまいります。

 重点市場を含む顧客への供給責任を果たすことを最優先に部品を調達したことに加え、多くの部品の価格が高騰したことから、原材料を中心に棚卸資産の残高が高い水準で推移しております。この現状を踏まえ、当社は棚卸資産の残高を適正な水準とするための取り組みを全社一丸となって進めてまいります。

 また、さらなる生産能力増強のため、売買契約を締結いたしました土地建物について、2024年7月中旬の稼働に向けて環境整備工事を進めており、既存の本社工場及び坂城工場を含め一層効率の良い生産体制を構築してまいります。さらに、サステナビリティ基本方針に基づき、当社グループ一体となってサステナビリティ活動を推進すると同時に、デジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みも進めてまいります。

 現在、多くの部品の価格高騰により、売上原価が押し上げられております。次期において国内及び海外の製品価格の見直しを行い、収益性の改善を図ってまいります。

 当社グループは、目標とする経営指標として「自己資本当期純利益率(ROE)10%以上」を定めております。引き続き、保有する資本を有効に経営に投下し、売上高当期純利益率と総資産回転率を一層高め、7%前後と推計する株主資本コストを上回るROEを実現してまいります。また、「売上高営業利益率20%」につきましても、引き続き目標の達成を実現してまいります。

 こうした取り組みのもと、2030年までの長期経営方針「ビジョン2030」の施策を通じ社会に貢献すると同時に、継続的に成長発展できる体制を構築してまいります。

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