企業兼大株主日本発條東証プライム:5991】「金属製品 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、「創造挑戦型」の基礎技術の研究開発から「開発提案型」の新製品開発、さらには生産技術の開発にいたるまで、積極的な研究開発活動を行っております。また、昨今の四輪車、二輪車の電動化に伴い、市場動向やお客様のニーズを迅速に研究開発へ反映させるため、マーケティング機能を有する電動化事業推進室にて、新製品及び新規事業開拓を進めてまいりました。直近では、複数のお客様から電動化関連の新製品のお引き合いを頂き、開発及び新規事業検討を推進しております。

 世界全体の課題となっている気候変動への対策としては、「ニッパツグループ カーボンニュートラル宣言」に基づき、2030年には2013年度比でCO2排出量を50%まで削減、2039年にはCO2排出量を実質ゼロにすべく取り組んでおります。電化・エネルギー置換・省エネといった活動を開始するとともに、各製品の製造及び製品の技術開発を通してCO2排出量実質ゼロに挑戦しております。

 現在、研究開発は、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室、各生産本部の開発部門、技術部門、設計部門等、また、各関係会社の開発部門等の、グループ全体の従業員数の6.1%に当たる1,067名のスタッフにより、鋭意推進されております。

 当連結会計年度における研究開発費総額は17,503百万円であり、これはグループ全体の売上高の2.5%に当たります。

 当連結会計年度における事業セグメント別の研究開発活動は、以下のとおりであります。なお、上記の研究開発費には、本社研究開発本部、技術本部及び電動化事業推進室で行われている各事業部門に共通する材料技術、加工技術、接合技術、分析技術、解析技術等の基礎研究開発の費用1,788百万円が含まれております。

(1)懸架ばね事業

 懸架ばね事業においては、各社OEMの電動化への対応として、高い品質と付加価値を兼ね備えた製品の開発を推進するとともに、環境問題であるカーボンニュートラルの達成に向けた計画を実行に移し、CO2の削減を進めております。

 懸架ばねでは、BEV(Battery Electric Vehicle)化に伴う車両の航続距離や性能の向上に大きく寄与する軽量化ニーズの達成や車両重量の大幅な増加による仕様の変化に対応すべく、新しい生産技術の開発を計画に沿って推進しております。

 金属ベローズを用いた高耐久・軽量・コンパクトなアキュムレータでは、従来のブレーキ用に加え、サスペンション用として海外客先への対応を進めております。

 当事業に関する研究開発費の金額は、3,981百万円であります。

(2)シート事業

 シート事業の開発活動は、「軽量化・自動運転・省電力化及び快適な乗り心地性能」「環境配慮に対応する製品」の大きく2つの狙いで取り組んでおります。

 軽量化の取組みとしては、すでに量産化している超ハイテン材1,200MPa級鋼板を使用したシートフレームに続き、一層の板厚ダウンを図る事のできる1,500MPa級の高強度材を使用した軽量フレームを開発いたしました。今後も、ばねやウレタンを含めたシート全体での軽量化・薄肉化を狙ったアイテムの開発を進めてまいります。自動運転に向けたアイテムにつきましては、シートに対するニーズの変化(スマートフォンや各種ディスプレイの閲覧が可能になる。運転から解放される)に対応するべく、運転中の車酔いを低減するアイテムや、シートに対する追加機能・アイテムの開発に取り組んでおります。またEV(電気自動車)対応のアイテムとして、車両の電費向上に貢献するため、乗員を効率的に温められる空調・ヒーターシートの開発、省電力につながる新素材を利用したシートヒーターの開発などを進めております。

 環境配慮に対する開発につきましては、バイオマス原料やリサイクル材を活用した材料開発、シートのリサイクル率向上を狙ったアイテムの開発などを進めており、カーボンニュートラルに貢献してまいります。

 引き続き、業界の変革に遅れないように差別化を狙いつつ、各カーメーカーの要望に応えながら先行開発を進めてまいります。

 当事業に関する研究開発費の金額は、6,215百万円であります。

(3)精密部品事業

 精密ばね分野においては、各種自動車関連部品に加え、HDD(ハードディスクドライブ)用部品、半導体の検査用プローブ等、幅広い分野での製品開発を行っており、特に現在は、今後、普及拡大が見込まれるEVやHEV(ハイブリッド車)向けの製品開発に注力しております。EV・HEV分野においては、高精度プレス加工技術を基盤としたモーターコアをはじめ、従来のばね技術を生かしたパワーモジュールを冷却するための押え板ばねなどの製品開発を行っております。同分野においては、今後、熱マネジメント技術が必須となることから、設備導入を進め、評価、解析技術の拡充を図っております。また、従来の線ばね、皿ばねなどの製品においては、自動設計システムを構築し、工程最適化と併せて、コスト低減や信頼性向上を進めております。

 HDD関連分野においては、10枚Disk搭載で容量20~22TB用CLA/TSAサスペンションの量産を全ての客先向けに開始、生産効率を改善した量産設備の海外展開、歩留まり改善等によるコスト低減、品質向上を引き続き進めております。24TB以降のTSAサスペンションは現在開発中でありますが、ディスク一枚当たりの記録密度向上が難しく多盤化が進む見通しで、サスペンションの薄型化が必要となっております。関連部品も同様に薄型化し、データセンターにおける冷却用高速ファン等の外部外乱による磁気ヘッド位置決め特性劣化が予想されるため、共振特性高性能化も必須で、薄型サスペンション用の部材開発とともにデザイン最適化を進めております。

 当事業に関する研究開発費の金額は3,972百万円であります。

(4)産業機器ほか事業

 半導体プロセス部品事業においては、半導体の多積層化と微細化がさらに進み、その実現のために求められる機能、特性の多様化、高精度化に応えるための開発に取り組んでおります。

 プロセスの多様化から、耐熱、耐食性に優れた、一般的に難削材料とされる金属、合金を用いた製品の試作・開発にも取り組み、中核となる接合技術に加え、それら難削材料の高精度・高効率加工の深耕を図っております。また、耐絶縁性、耐プラズマ性に優れたセラミック溶射を金属基材に施すことにより付加価値の高い製品の開発、生産を継続しております。

 固相拡散接合技術を用いた半導体製造装置上部部品では、コンタミの発生リスクを極限まで低減した高清浄度製品の提供を実現しております。

 金属基板(IMS:Integrated Metal Substrate)事業については、近年、パワー半導体市場の活況に伴いEV/HEV車載用及び産業用途向けの基板の需要が増加し、高品質、高信頼性に加え高清浄度に対する要求が高まっております。金属基板は高密度・大容量化に伴い、放熱性や耐ノイズ性のニーズが高まっており、それに応えるべく優れた高放熱絶縁材料の開発を継続的に推進しております。開発した絶縁材は高い放熱性を持つとともに優れた耐熱性と耐久性を備え、セラミック代替を目指しております。

 その一方で安価な絶縁材料を使った金属基板や、より耐久性に優れた金属基板の開発も行っており、様々な用途に採用されております。

 ゴルフシャフト事業では、肉厚調整・熱処理技術・解析技術を駆使して、あらゆる階層向けに商品を展開しており、2022年度には、飛び系アイアン用に850GHneo及びアスリート向けのTOUR115を新たにリリースし、さらなるラインアップの充実を図っております。

 さらに、総合シャフトメーカーならではの開発商品であるカーボンとスチールの複合シャフトも売上を伸ばしております。シャフト用に特化して開発した三価クロムメッキにより、環境へも配慮しつつ、高級感のある色調(ブラック及びシルバー)を実現し、ユーザーの満足度を高めております。

 当事業に関する研究開発費の金額は、1,544百万円であります。

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