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企業概要

 当社は、「最新最適な医療機器を通じて健康社会の実現に貢献する」という経営理念に基づき、患者様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に寄与することを目指し、医療現場のニーズを的確かつ迅速に反映した高品質・高付加価値な自社製品の開発に取り組んでおります。

 商社とメーカーの機能を併せ持つ当社のビジネスモデルの特長を活かし、複眼的な視野から国内外の最新の治療動向を把握することで、製品開発の可能性について広範囲に探索を行っております。また、当社は、心臓血管領域を中心とした治療領域において、先端的な研究を行っている国内外の大学や企業とのネットワークを活かして共同開発を行うことにより、新規性が高い製品の開発に取り組んでおります。

 当社の研究開発活動は、メディカル・テクノロジー・パーク(埼玉県戸田市)と市原ファクトリー(千葉県市原市)の2拠点で行っております。それぞれ研究開発部門と製造部門が同一拠点内に設置されているメリットを活かして緊密に連携することにより、量産体制の円滑な立ち上げや製造原価の低減を実現しております。

 当社は、2023年5月に策定した中期経営計画において、長期で自社製品比率を55~65%程度を目指すべき水準と設定しております。創業以来、事業を行ってきた心臓血管領域の製品のさらなる拡充を図るとともに、研究開発統括部内の基盤技術を研究する部門を中心として、これまで培ってきた心臓血管用カテーテルに関する技術を消化器領域や他の治療領域の製品に応用することで、独自性と高い競争力を持った製品の開発に注力しております。

 さらに新規事業領域として、再生医療領域へも取り組んでおり、2020年6月に、心不全向け再生医療等製品の開発における連携強化を図るため、株式会社メトセラと業務提携契約を締結しております。当社は、再生医療用製剤を患部にデリバリーするカテーテルシステムを開発し、同社とともに治験に協力しております。

 以上により、当連結会計年度においては、2,316百万円の研究開発費を計上いたしました。品目区分別の研究開発活動につきましては、次のとおりであります。

(EP/アブレーション)

 不整脈の検査や治療に用いる高付加価値ディスポーザブルカテーテル、そのカテーテルと組み合わせて用いるジェネレータ装置及びモニタリング装置の開発を行っております。カテーテル用シャフトの製造技術に関して、独自の構造と機能を持った高機能シャフトの内製化を低コストで実現していることが当社の強みであります。次世代の心臓アブレーション技術であるパルス電界アブレーションについて、当社が開発したカテーテルを米国Galvanize Therapeutics社に供給する契約を2021年5月に締結し、販売開始に向けて取り組んでおります。

(外科関連)

 大動脈疾患の治療に用いるオンリーワン製品であるオープンステントグラフトや人工血管等を中心に、医療現場のニーズにきめ細かく応えるため、製品ラインナップのさらなる拡充に取り組んでおります。

2023年3月期には、最新の弓部大動脈置換術に対する新たな選択肢の提供を目的として、分岐管付き人工血管の2モデルをリリースしました。

 また、オープンステントグラフトと弓部大動脈置換用の分枝付き人工血管をあらかじめ一体化させた国内初の製品を本格的に販売開始しました。本製品では循環停止時間の短縮や術技の簡便化・標準化を目的としており、胸部大動脈における手術成績のさらなる向上に寄与できるものと考えております。

(消化器/PI)

 現在、製品開発に注力している消化器領域では、大腸用および胃・十二指腸用のステントである「JENTLLY(ジェントリー)」シリーズの改良品を継続的に投入しております。2023年3月期は、それぞれの使用用途に応じた物性の最適化を目的として、拡張力とアキシャルフォース(曲げの反発力)を調整した製品を投入しました。

 国内メーカーならではの臨床現場との距離感の近さを活かし、医療現場より寄せられるご意見をもとに改善を積み重ね、よりよい製品と安定した供給体制の実現に継続して取り組んでおります。

 胆膵関連デバイスにおいては、胆道鏡の開発を進めており認証取得、国内臨床評価を実施しましたが改良点を見出したため、改良に取り組んでおります。胆汁を排出する為の胆管用チューブステントを2023年度3月期に上市し、自社シャフト開発力を活かしたプラスチックステントの特性により当初計画以上の出荷本数を製造しております。

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