日本カーバイド工業 【東証プライム:4064】「化学」 へ投稿
企業概要
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループのミッションは「技術力で価値を創造し、より豊かな社会の発展に貢献する。」であり、この精神をベースに「キラリと光る、価値ある企業グループ」となることを目指しています。
このビジョンを実現するために、「私たちが大切にする価値観」として、
・誠実であること Sincerity
・奉仕すること Service
・協力すること One-NCI
・創造すること Innovation
を掲げています。
(2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
① 中期経営計画“NCIキラリ2025”の進捗状況
2022年5月、当社グループは、長期的な視点から2030年のありたい姿を「サステナブルな社会に貢献する、キラリと光る企業グループ」と定め、中期経営計画“NCIキラリ2025”を策定いたしました。基本方針を「キラリ=One&Only」の追求とし、キラリと光る技術を究め、キラリと光る製品を提供することで、サステナブルな社会に貢献し、サステナブルな成長を実現します。
<財務目標>
2025年度財務目標として、売上高620億円、営業利益70億円、ROE12%以上、D/Eレシオ0.5倍以下を掲げています。
<戦略市場分野業績>
2022年度のエレクトロニクス戦略市場での売上高は65億円の計画に対して39億円、セーフティ戦略市場での売上高は95億円の計画に対して79億円、戦略市場全体での売上高は160億円の計画に対して118億円となりました。総売上高に占める戦略市場全体での売上高比率は27%です。戦略市場全体での営業利益は10億円となりました。
2023年度においては、エレクトロニクス戦略市場での売上高は41億円、セーフティ戦略市場での売上高は96億円、戦略市場全体での売上高は137億円、総売上高に占める戦略市場全体での売上高比率は28%となる見込みです。戦略市場全体での2023年度営業利益は14億円となる見込みです。2025年度に戦略市場分野全体として売上高250億円、営業利益50億円の達成を目指します。
<戦略市場分野新製品比率>
当社グループでは、戦略市場分野を中心とした新製品開発を推進しています。戦略市場分野での売上高に占める新製品の比率は、2021年度は25%、31億円の売上高、2022年度は38%、45億円の売上高となりました。2023年度には34%、46億円の売上高を計画しており、2025年度には35%以上、90億円の売上高を目指します。
<SDGs経営の推進>
当社グループではSDGs経営を推進していくにあたり、社会の関心やニーズの変化をとらえ、私たちのミッション「技術力で価値を創造し、より豊かな社会の発展に貢献する」の実現に関わりが深いものを5つのマテリアリティとして設定しています。
2022年度においては、代表取締役社長をプロジェクトリーダー、執行役員を兼務する取締役を各マテリアリティの分科会リーダーとし、各部門上位者層の参加による推進プロジェクトを設置しました。本プロジェクトにて、マテリアリティ実現のための具体的な目標、計画、方策を検討しています。
カーボンニュートラルの実現に向けた取組み
当社グループでは、地球温暖化防止の取組みとして、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指します。太陽光発電などによる再生可能エネルギーの利用や、プロセス効率改革の推進、排熱の回収・再利用、燃料の転換、省エネ機器への切替、グリーン電力への転換などの取組みを推進し、2030年度には2013年度比46%にあたる51,200tCO2以上を削減し、GHG排出量60,000tCO2以下の達成、2050年度にはカーボンニュートラルの達成を目指します。
2023年度は、恩希愛(杭州)薄膜有限公司(中国)にてGHGの排出量を年間約2,000tCO2削減するため太陽光パネルの稼働を開始する予定です。
従業員のやりがいと満足度の向上に向けた取組み
当社グループでは、人材が全ての事業活動の礎であるとの考えのもと、多様な人材が集まり、一人ひとりが能力を最大限発揮して当社グループと共に成長し活躍できるように、職場環境の整備、多様な人材の確保、人材育成、キャリア開発などに積極的に取組んでいます。具体的には、次世代経営者人材、グローバルで活躍できる人材、一流の技術者などの人材育成に力を入れるとともに、ニューノーマル時代の働き方への対応や職場環境の整備などに積極的に取組んでいます。
② プライム市場上場維持基準への適合状況
当社は、2022年5月25日に2026年3月期までを計画期間とする中期経営計画“NCIキラリ2025”を公表して、「時価総額向上」に向けた取組みを実施しております。また「流通株式比率向上」に向け2022年8月26日付「株式の売出に関するお知らせ」にて公表のとおり、政策保有株式の縮減を実施いたしました。これらの取組みの結果、2023年3月末にはプライム市場上場維持基準に適合することができました。
当社では、今後も中期経営計画達成に向けた経営方針に則り、持続的な企業価値の向上に取組んでまいります。
(3)経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、ロシア・ウクライナ情勢の悪化などの地政学リスク、資源や原材料の価格高騰の長期化、インフレ抑制に向けた世界的な金融引き締めなど、引き続き予断を許さない状況にあります。
このような経営環境のもと、当社グループでは、中期経営計画“NCIキラリ2025”を策定し、各セグメントにおいて以下の主要課題への取組みを行ってまいります。
セグメント | 分野 | 主要課題 | 2025年度に向けた対応 |
電子・ 機能製品 | 戦略市場 分野 | ●半導体材料用化学品を中心とした高付加価値品の拡販 ●中国市場での半導体用金型クリーニング材などの拡販 | ●お客様との技術交流による新たなニーズの発掘 ●中国拠点でのお客様サポート体制強化による市場拡大への対応 |
その他 分野 | ●中国市場での光学用粘着剤などの拡販 | ●国内での研究開発バックアップ体制と中国でのテクニカルサービスの強化 | |
フィルム・ シート製品 | 戦略市場 分野 | ●次世代高機能フィルムでの新規ビジネス拡大 | ●多層広幅フィルム製造設備による自動車や二輪車、エレクトロニクス分野向け高機能製品の市場投入 |
その他 分野 | ●米国でのグラフィック市場向け反射シートの拡販 | ●大手ディストリビューターとの連携 ●高品位製品での差別化 | |
建材関連 | 戦略市場 分野 | ●超高層ビル向け高強度高機能手摺の拡販 | ●戦略市場分野へのリソースの重点配分 |
その他 分野 | ●顧客ニーズの探求による製品の高付加価値化 | ●EV車用カーポート製品等の新製品開発 ●LED照明製品(手摺・笠木)の拡販 | |
エンジニア リング | 戦略市場 分野 | ●カーボンニュートラルトランジションでの事業機会獲得によるビジネス拡大 | ●長年培った粉体搬送技術を武器にお客様ニーズへの対応推進 |
その他 分野 | ●EPC事業の拡大 | ●施設内常駐によるお客様との協力関係強化 |
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