企業全研本社東証グロース:7371】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

 私たちが描く未来とは、これから起こることをただ受け入れるだけの「すでにそこにある未来」ではなく、新たな出会いによって新しい価値が創造される「まだそこにない未来」であります。“新しい価値”を創ることができるのは“人”であり、人と人との出会いによって生み出されるクリエイティブに他なりません。

 私たちは、IT事業と語学事業の提供を通じて、異なる文化や言語を持つたくさんの“人と人との出会いの場”を創出し、「そこにない未来を創る」ことを経営の「ビジョン」として掲げております。

(2) 目標とする経営指標

 当社グループは、既存事業のさらなる成長を目指しつつ、成長市場領域である人材領域、特に海外人材事業での事業開発に取り組み、新たな収益事業を創造することで、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。そのため、現時点で当社グループの重視する経営指標は、「売上高」「営業利益」の2指標であります。

(3) 経営環境、経営戦略等

① ITセグメント

 <コンテンツマーケティング事業>

 コンテンツマーケティング事業が属するインターネット広告の市場規模について2022年におきましては、3兆912億円(前年比14.3%増)と、社会のデジタル化を背景に継続的に増加しており、日本の総広告費全体の43.5%を占めました。また、日本の総広告費も7兆1,021億円(前年比4.4%増)となり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染再拡大、ロシア・ウクライナ情勢、物価高騰など国内外の様々な影響を受けつつも、1947年に推定を開始して以降、過去最高となりました。なお、引き続き動画広告市場の拡大等により、インターネット広告市場は成長する見込みであります(出所:株式会社CARTA COMMUNICATIONS 株式会社D2C 株式会社電通 株式会社電通デジタル「2022年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」)。

ITセグメントの売上高の約6割を占めるコンテンツマーケティング事業において、この市場環境の下、主に「運用メディア当たり単価の向上」、「契約顧客数の拡大」、「運用メディア継続期間の長期化」の3つに注力し、事業を展開してまいります。

・運用メディア当たり単価の向上

 BtoB(電機・機械等)の業種など幅広い顧客に対して、高い集客効果のあるメディアを制作することにより、運用メディア当たり単価の向上を図るとともに、運用メディアの中に成果報酬型の広告枠を設けて販売することで、1メディア当たりの価値を最大化させ、その結果として単価の向上を目指します。

・契約顧客数の拡大

 集客効果のあるメディアの制作だけではなく、運用メディアを活用した成果報酬型の広告枠の販売や、WEBを利用したマーケティング戦略のコンサルティング等により、より多くの顧客に価値あるサービスを提供することを目指します。

・運用メディア継続期間の長期化

 当社は、2023年6月期において280のメディアを公開するとともに、1,151のメディアを運用(平均継続期間40.9ヶ月)しております。今後、メディアが高い集客効果を維持することで運用メディア継続期間の更なる長期化を目指します。

 <メディア事業>

 当社は、日本の生産年齢人口の減少による労働力不足を解消するために、海外の人材市場に着目しまして海外IT人材事業の展開を進めております。国内のIT人材は、2030年には最大で79万人、中位シナリオで約45万人(出所:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年3月))も人手が不足すると見込まれるほど人手不足が慢性化しております。そこで、「IT」と「語学」の知見を活用して社会課題の解決を図ることを目指しております。

 当該事業では、新卒採用と中途採用で異なる戦略を実施しています。新卒採用の領域に関しては、インドのIT都市ベンガルールの上位大学と提携し(Indian Institute of Technology Hyderabad、R. V. College of Engineering、B.M.S. College of Engineering等 2023年6月末時点で39校と提携)、ジャパンキャリアセンターを大学内に開設しています。インドでICT教育を受けて日本企業への就労を希望する新卒の学生と、IT人材不足に悩む日本の企業とのマッチングの機会を設けております(2023年6月末時点で人材登録者数15,906名)。

 中途採用の領域においては、2022年10月に海外IT人材のマッチングのプラットフォーム「Yaaay」をリリースし、日本も含め世界中で勤務経験のあるIT人材で日本企業への就労を希望する者を集めた豊富な登録人材データベースを活かして、即戦力となる海外IT人材と日本企業とのマッチング機会の拡大にも取り組んでおります。2023年6月末時点で、インドだけではなく、60カ国以上の国籍のIT人材が利用するプラットフォームに成長しております。

② 語学セグメント

2021年度の語学ビジネス総市場規模は事業者売上高ベースで7,820億円となり、2022年度は新型コロナウイルス感染症の収束傾向の影響で8,000億円台に回復することが見込まれています(出所:株式会社矢野経済研究所「語学ビジネス市場に関する調査を実施(2022)」)。

 主力である、法人向け語学研修事業においては、これまでに1,700社以上の企業や公的機関などに向けてクラス型、eラーニング、オンラインなどさまざまな形態でサービスを提供してきた実績があり、利用者も増加しております。2023年6月16日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」において、「リ・スキリングによる能力向上支援」が重点施策の一つとして盛り込まれました。グローバル化が進展する中で、今後は、個人のキャリア形成における語学の習得・学びなおしの重要性が更に高まることが見込まれるとともに、企業側のグローバル人材育成に向けた投資も加速されることが見込まれます。

 留学斡旋事業においては、世界の留学生数は2020年に約560万人と、2000年に比べて約3.5倍増加しておりますが、欧米先進諸国が占める割合が拡大する一方、日本は2000年の約4%から変わっていない状況です。この状況を踏まえ、政府は第6回教育未来創造会議にて、第2次提言「未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ」(略称「J-MIRAI」)を取りまとめ、公表しました。提言では、2033年までに日本人の海外留学生を50万人(コロナ前22.2万人)に増やすなどの施策が盛り込まれており、今後日本人の海外留学が活発化することが見込まれます。

 日本語教育事業においては、運営する日本語学校において、Instagramを活用した宣伝を強化しており、2022年4月以降、学生が増加傾向にあります。

③ 不動産セグメント

 当社グループの不動産セグメントにおきましては、西新宿エリアに所在する自社ビル「全研プラザ」、「Zenken Plaza Ⅱ」の賃貸を中心に行っており、安定的な収益獲得に貢献しております。

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループにおける経営戦略を実現するための対処すべき主な課題は以下のとおりであります。

① 優秀な人材の採用と育成

 当社グループが、事業を拡大、経営の強化を実現していく上で、必要な人材の継続的な確保と育成は最重要課題の一つです。多様なバックグラウンドを活かして、様々な挑戦を続け、自ら主体性をもって決断し、あらゆる課題解決の立役者になれる人材を採用・育成するとともに、多様な人材がそれぞれの特性や能力を最大限に活かせるような社内環境の整備にも取り組んでまいります。人材戦略については、「第2 事業の状況、2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

② 新規事業の展開

 少子高齢化の進行により、日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2050年には5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれております(出所:内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」)。生産年齢人口の減少により、労働力の不足、国内需要の減少による経済規模の縮小など様々な社会的・経済的課題の深刻化が懸念されており、当社グループは、日本の生産年齢人口の減少による労働力不足を解消することを目指し、ITと介護の分野で新規事業としての海外人材事業を展開しております。

2023年3月には、インド国家技能開発公社(National Skill Development Corporation、以下NSDC)の100%子会社であるNSDC International Limited(以下NSDCI)とITエンジニアをはじめとする高度人材、及び介護分野における特定技能人材の受入強化に関して、双方が協力していく旨を記載した覚書を締結しました。今後、NSDCIと協力し、日本市場におけるインド人技能職の雇用に関する認知促進、日本企業によるインド人人材の雇用促進、日本・インドの両国で技能開発や国際的労働力の流動性を促進するセミナーの実施、インドでの日本語教育の促進等を行うことで、両国の発展を目指してまいります。

 介護の分野においては、当社はインドネシアの送出機関と独占契約を締結し、現地での日本語教育・介護教育体制を整えております。また、日本の受入先事業者が海外介護人材をどのように受入れるのか、フラグシップモデルとなる介護施設の運営を開始しております。日本語教育で培ってきたノウハウを活用し、介護現場で使用する日本語に特化した独自の学習教材「ZENKEN NIHONGO 介護」を開発し、主に介護施設に対して販売を開始すると同時に、介護現場と外国人労働者のマッチングを図り、定着をサポートしております。フラグシップ施設で受入先事業者が抱える課題へのソリューションを体現し、新たな顧客の開拓を図ることで、事業を拡大していきます。

 今後も上記事業のみならず、継続して新規事業の開拓が必要と考えております。そのためには社内リソースの活用だけではなく、外部リソースを活用することも重要と考えており、事業提携やM&A等のあらゆる可能性を検討してまいります。

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