企業兼大株主伯東東証プライム:7433】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループではリスクを「グループの収益や損失に影響を与える不確実性」と捉え、複雑化・多様化するリスクに対して適切な対策を行うことにより、リスクの回避や発生時の被害を最小限に抑える予防的活動を含めた取り組みをリスクマネジメントと位置付けております。

 こうした考えに基づき、当社ではリスクを組織的に管理するために必要な基本事項を定め、事業活動におけるリスクを統括的に把握し、適切に管理することを目的として、リスクマネジメント委員会を設置し、従来よりも確実なリスクの把握と実効性ある予防的活動に取り組んでおります。

 当社グループの財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性がある主要なリスクとして、以下に記載しておりますが、これらのリスクは必ずしも全てを網羅したものではなく、想定していないリスクや重要性が低いと考えられる他のリスクの影響を受ける可能性があります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(外部環境に起因するリスク)

(1)経済、市場動向に関するリスク

 当社グループの業績は、マクロ的経済動向に少なからず影響を受けますが、電子部品事業及び電子・電気機器事業においては、エレクトロニクス業界全体の市場動向に大きく影響を受けます。具体的には民生用、産業用エレクトロニクス製品の生産並びに需要状況、半導体の生産並びに出荷状況、半導体設備への投資及び設備の稼働状況等が挙げられます。特に、近年では自動車技術の高度化や通信機器の高性能化などにより車載用、産業用等の幅広い分野で半導体需要は高まっており、供給不足による長納期化や製品価格の上昇などへの影響が広がっております。また、エレクトロニクス業界のグローバル化が進む中、海外子会社を有する当社グループは、国内のみならず、アジア、欧米を中心とした世界各国の経済、市場動向にも影響を受けます。米中対立の長期化やウクライナをめぐる国際情勢の影響から、経済安全保障の観点より先端技術の輸出規制がさらに強化されるなど、国外取引先とのサプライチェーンの見直しを余儀なくされる可能性があります。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については予測が困難であるものの、顕在化した場合には、当社グループの業績や今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対しては、仕入先企業や販売先企業あるいは同業他社の動向等に常に注視し、マクロ経済や世界情勢、業界動向の変化を的確にとらえ経営施策に反映させるよう努めております。

(2)災害並びに感染症に関するリスク

 当社グループは、神奈川県伊勢原市に電子部品事業や電子・電気機器事業の物流・サービス拠点と三重県四日市市に工業薬品事業の生産・研究開発拠点を有するなど、国内外に複数の物流、生産拠点並びに施設があります。これらの施設が地震や火災等により被災し、あるいは施設内において感染症等が発生した場合には、一時的に商品及び製品の出荷が困難となる可能性があります。また、取引先企業において同様の災害や感染症が発生した場合には、サプライチェーンの確保が困難となる可能性があります。

 各国において新型コロナウイルス感染症対策による行動制限の緩和が進んでおりますが、今後感染再拡大が発生した場合は、日本においてのみならず、各国の生産・物流動向の影響を受ける可能性もあります。当社グループでは引き続き感染防止・衛生管理の徹底を行うとともに、取引先企業や地域情勢にも注視し適切な措置を講じてまいります。

(技術・競合に起因するリスク)

(3)技術、開発動向に関するリスク

 当社グループが取り扱う電子部品、電子・電気機器及び工業薬品は、技術革新によって優位性を有する競合品の市場投入により陳腐化し、競争力が低下する場合があります。

 また、近年は中国をはじめとする新興諸国企業の台頭により、技術面や価格面で優位性を持つ商品が市場に多く投入されるようになっており、アジア地域を中心にローカルビジネスの強化を重要な成長戦略の1つとして位置付けている当社グループの阻害要因となる場合があります。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については予測が困難であるものの、顕在化した場合には、当社グループの業績や今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

(4)価格競争並びに競合に関するリスク

 当社グループが取り扱う電子部品、電子・電気機器及び工業薬品は、最終製品を製造販売する国内外の得意先が競争激化や国内市場の縮小等のさまざまな要因により、日頃より厳しい価格競争に置かれているため、常にコストダウンの要求を受けております。

 また、電子部品事業においては、半導体デバイス等電子部品のコモディティ化及び低付加価値化の進行に伴い、競合サプライヤーや競合代理店との差別化がより難しくなる中、競合企業間の価格競争がさらに激化することにより、利益面での影響を受け易くなっております。当該リスクに対しては、技術力を活かしたソリューションビジネスへの取り組み等により、競合代理店との差別化を図るとともに、労働生産性改善のためにDX・デジタル化の推進による業務効率の向上に努め利益性の確保に取り組んでおります。

(5)商権の喪失に関するリスク

 商社事業の電子部品事業及び電子・電気機器事業では、多くの商権(仕入先との代理店契約による製品販売権)が事業の根幹を形成しております。仕入先との代理店契約には、契約期間や契約解除要件が定められており、その解除権は当社グループと仕入先の双方が有しております。

 近年のエレクトロニクス業界においては、M&Aによる事業再編が活発化しており、エレクトロニクス関連製品を取り扱う販売代理店でも商流の見直しや統廃合の動きが見られます。当社グループは商権の維持や新規獲得に向けた努力をしておりますが、買収による仕入先企業の消滅、仕入先企業の販売子会社設立及び競合代理店への商流変更等により商権を喪失する場合があります。

 当連結会計年度にて大手半導体メーカー製品の商権の喪失があり、当初より低収益性ビジネスのため利益への影響は軽微でしたが、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績や今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

(財務リスク)

(6)運転資本に関するリスク

 輸入半導体等多くの外国製品を取り扱う当社グループは、国内企業との商取引習慣の違いによる支払条件のギャップを吸収してキャッシュ・フローの調整を図る金融機能を担っております。近年のエレクトロニクス業界においては、仕入先(半導体メーカー等)と得意先(電機メーカー等)の再編による大規模化、設備投資及び研究開発資金の増大等を背景に、売掛債権の回収と買掛債務の支払いとの間に一定期間の差が生じております。また、米中対立の長期化・複雑化、自然災害の増大及び感染症の拡大等を背景に、BCP(事業継続計画)の観点から当社グループが保有する棚卸資産は増加傾向にあります。

 その結果、当社グループのCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)が長期化することとなり、当社グループのキャッシュ・フローに影響を及ぼすとともに、運転資本の調達コスト上昇により業績にも影響を与える可能性があります。

 さらに、棚卸資産については、市場動向や販売状況により滞留するリスクがあります。当社グループでは、顧客企業の生産計画を基に、仕入先企業の生産のリードタイムとの平衡を図ることで、余剰在庫が生じないように努めておりますが、一定の在庫期間を経過し、かつ、受注のない滞留在庫については、収益性がないものとして帳簿価額を切り下げることにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

〔参考〕:過去5期のCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル/連結ベース)

決算期

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

棚卸資産平均回転期間(月)

2.4

2.7

2.8

2.6

2.7

売掛債権平均回収期間(月)

3.1

3.1

3.1

2.9

2.8

支払債務平均支払期間(月)

1.7

1.5

1.6

1.5

1.5

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(月)

3.7

4.3

4.4

4.1

4.0

※ 棚卸資産平均回転期間=((前期末棚卸資産+当期末棚卸資産)÷2)÷(当期売上原価÷12)

※ 売掛債権平均回収期間=((前期末売掛債権+当期末売掛債権)÷2)÷(当期売上高÷12)

※ 支払債務平均支払期間=((前期末支払債務+当期末支払債務)÷2)÷(当期仕入高÷12)

※ キャッシュ・コンバージョン・サイクル=棚卸資産平均回転期間+売掛債権平均回収期間-支払債務平均支払期間

※ 棚卸資産=商品及び製品+仕掛品+原材料及び貯蔵品

※ 売掛債権=売掛金+受取手形+電子記録債権

※ 支払債務=買掛金+支払手形+電子記録債務

※ 仕入高=当期商品仕入高+当期原材料仕入高

(7)為替動向に関するリスク

 当社グループの事業はアジア地域を中心に各国にまたがり展開しており、取引通貨についても各国の現地通貨に加えて日本円、米国ドル、ユーロなど多岐にわたるため、為替変動によるリスクが存在しております。当社グループでは、為替相場の変動リスクを回避することを目的として、「市場リスク管理規程」及び「外国為替予約締結マニュアル」に従い、為替予約等によるリスクヘッジ策を実施しております。また、ヘッジ会計の要件を満たす取引についてはヘッジ会計を適用しております。

 為替変動は当社グループの事業に対して多面的な影響を及ぼすため、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については予測が困難であるものの、短期間のうちに急激な為替変動が発生した場合には、当社グループの業績やキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

〔参考〕:過去5期の伯東単独業績における調達地域別仕入高(原材料費及び外注費を含む)

決算期

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

合  計 (百万円)

103,286

127,011

120,754

150,353

176,845

 

国内調達(百万円)

56,612

58,633

51,482

59,525

89,641

海外調達(百万円)

44,674

68,378

69,272

90,828

87,203

(8)金利動向に関するリスク

 当社グループは運転資金、及び設備投資資金の一部を金融機関より調達しております。現在の経済環境下では、市場金利が急激に上昇する可能性は低いと見られておりますが、当社グループの業績悪化など個別の理由により、金融機関からの調達金利が上昇した場合には、業績や今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当社グループは金利リスクを回避する目的で金利を実質的に固定化する金利スワップを利用しております。また、ヘッジ会計の要件を満たす取引についてはヘッジ会計を適用しております。

〔参考〕:過去5期の借入金残高及び平均金利(連結ベース)

決算期

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

(短期借入金)

 

 

 

 

 

前期末残高(百万円)

5,463

7,100

17,900

12,400

15,300

当期末残高(百万円)

7,100

17,900

12,400

15,300

22,700

平均利率

0.3%

0.3%

0.3%

0.3%

0.3%

(1年内返済長期借入金)

 

 

 

 

 

前期末残高(百万円)

968

633

3,019

3,880

4,690

当期末残高(百万円)

633

3,019

3,880

4,690

6,100

平均利率

0.7%

0.4%

0.5%

0.5%

0.5%

(長期借入金)

 

 

 

 

 

前期末残高(百万円)

1,246

589

12,320

12,765

12,624

当期末残高(百万円)

589

12,320

12,765

12,624

12,809

平均利率

0.5%

0.4%

0.5%

0.5%

0.6%

(法的リスク)

(9)製造物責任(PL)並びに得意先等からの求償に関するリスク

 商社事業の電子部品事業及び電子・電気機器事業では、納期遅延や品質不良等の理由により得意先から求償を受けた場合には、得意先との協議により求償金額を軽減した上で仕入先より補填を受けるよう努めておりますが、常に当社グループの負担額がゼロになるとは限りません。

 また、製造販売業の工業薬品事業では、納期遅延や品質不良に加えて、当社製品の得意先の設備や周辺環境へ及ぼす影響等の理由により、得意先から求償を受けることがあります。当社グループでは、品質不良等の製造物の欠陥による損害が発生するリスクに備えて製造物責任(PL)保険及び専門事業者賠償責任(E&O)保険に加入しておりますが、最終的に当社グループが負担する賠償額の全てを補填できるとは限りません。

 前連結会計年度並びに当連結会計年度において重要な求償及び賠償の支払いはありませんが、当該リスクが顕在化した場合には、民事賠償責任に加えて、許認可や資格の剥奪、レピュテーションの低下等の間接的損害により、当社グループの業績や今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

(10)法的規制に関するリスク

 当社グループは国内外に拠点を有し事業を展開しており、国内及び外国の法的規制を受けております。これらの法令や規則を遵守できなかった場合、各国当局から事業活動が制限され今後の事業計画に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 特に安全保障貿易管理については米中対立やウクライナ情勢を受けて、規制措置は強化される傾向にあり、慎重な対応が必要な状況にあります。これに対して当社では子会社・関係会社を含めた従業員に対する教育を実施し、輸出関連法規の遵守に努め、当社が販売する製品および設計・製造・使用に係る技術等が、規制される貨物等として直接または間接を問わず規制対象地域等へ輸出されることを防止する取り組みを行っております。

(その他のリスク)

(11)情報セキュリティに関するリスク

 当社グループは、情報資産を保護するため「情報セキュリティ方針書」並びに「情報セキュリティ対策標準書」を策定した上で、「情報セキュリティ委員会」を設置して、情報セキュリティ対策を強化しております。具体的には、会社支給のPC・情報端末への盗難・紛失対策、機密情報の不正持ち出しに対する対策、サイバー攻撃に対する対策等となります。また、近年はサイバー攻撃による情報資産の社外流出リスクが高まっていることから、当社グループが利用する情報システム及びネットワークインフラについては、外部専門機関によるサイバーセキュリティ診断を実施し、脆弱性の検出とリスクの解消に努めております。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については予測が困難であるものの、事故または故意により当社グループの情報資産が流出した場合には、刑事責任や民事賠償責任に加えて、復旧費用の発生やレピュテーションの低下等の間接的損害により、当社グループの業績や今後の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

(12)人材確保や育成に関するリスク

 当社グループでは持続的な企業成長のためには優れたスキルやノウハウ、豊富な経験を有した人材の採用および育成が重要であると認識しております。事業発展のための必要な人材が採用・育成できなかった場合や想定以上の人材が流出した場合には中長期的に今後の事業計画や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社では新卒採用のみならず中途採用においても採用活動の強化に努めるとともに、社員満足度の向上に向けて「人事の透明性」と「キャリア形成」に主眼を置いた新人事制度を運用しております。キャリアコースの新設などにより、社員の多様な働き方を支援し優秀な人材の確保・育成に取り組んでおります。

(13)海外事業におけるコーポレートガバナンスに関するリスク

 当社グループは、海外子会社を通じて中華圏及びASEANを中心に海外展開を図っており、連結売上高に占める海外売上高の割合は約40%を占めております。今後も海外売上高の比率は高水準で推移することが予想されます。

 海外子会社においては、各国の商慣習や法規制などに加え地政学リスクなど、国内とは異なるリスクに晒されることからグループ統制によるリスク管理が重要であると認識しております。グループ統制の不足や連携不十分等により、現地における政治・社会情勢や法律・税制の変化に対する対応の遅れなど管理上の問題が発生する可能性があります。特に海外における訴訟案件や従業員による不適切行為などについては、当社の業績や社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。当社では中華圏及びアセアンに地域統括責任者を任命し、現地の管理強化を図るとともにグループ諸規程の整備に努めるなど、ガバナンスの強化に取り組んでおります。

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