企業兼大株主伊藤忠商事東証プライム:8001】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1)サステナビリティの考え方

 当社は、創業の精神である企業理念「三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」のもと、自社の
利益だけではなく、投資家や株主の皆様、取引先、社員をはじめ、周囲の様々なステークホルダーの期待と

 信頼に応えることで、社会課題の解決に貢献することを目指しております。

 当社は、2018年4月に環境・社会・ガバナンス(ESG)の視点を取入れ、社会影響と事業影響という2つの観点から7項目のマテリアリティ(サステナビリティ上の重要課題)を特定しました。マテリアリティに

 対して、リスクと機会の両方の観点から対応していくことで、当社の中長期的な企業価値向上に繋がると認識しております。詳細は当社「ESGレポート 2022」P.15 マテリアリティの選定・レビュープロセスをご参照

 ください。

 当社を取巻く現在の事業環境等を考慮したうえで、これらマテリアリティに対して、以下3つの観点で、

 本業を通して取組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

① 持続的な企業価値の向上

 当社グループは、160年を超える発展の過程で変化をチャンスと捉えて、川上から川下まで、原料から

 小売までとその影響範囲を拡大しつつ、時代とともに取扱商品の構成や事業領域を転換しながら発展してきました。そのため、常に既存ビジネスの枠組を超えて新たな価値創造を行うことが、当社グループの持続的な

 企業価値向上に資すると考えております。当社グループは、強みである生活消費分野における消費者接点を

 活用し、売り手や買い手、世間のニーズを捉えた「マーケットイン」の発想で、商品・サービス等の新たな

 価値の提供に取組むと同時に、サプライチェーンを含め、環境及び人権に配慮した事業活動を行うことが重要だと認識しております。

② 気候変動対応

 気候変動は最も緊急性が高い地球環境問題の一つと認識しており、グローバルに事業を行う当社グループでは、気候変動による事業環境の変化への適応に努めるとともに、これを更なる成長機会と捉えております。

 また、2030年・2040年・2050年までの温室効果ガス(GHG)排出量削減目標と、具体的な対応を策定し、実行することで企業価値向上に繋げていきます。

③ 人的資本経営・多様性

 当社グループは、企業理念である「三方よし」の精神を継承し、企業行動指針である「ひとりの商人、無数の使命」を体現する人材の確保・育成に努めております。その実現には、人種、性、宗教、国籍、年齢等に
かかわらず、従業員一人ひとりの能力を最大限に引出す人材戦略の実行と環境の整備が不可欠であり、当社の朝型勤務・健康経営等の働き方改革や人事政策の事例を当社グループで共有したうえで、グループ各社の
ビジネスに合わせた独自の人材戦略を展開しております。また、グループ各社の採用、人材育成、労務管理等における課題に対し、きめ細やかな支援を行う等、当社グループが一体となって企業価値の向上に努めており

 ます。

(2)サステナビリティの取組

① ガバナンス

 当社のサステナビリティ・ガバナンス体制図は次のとおりです(2023年6月23日現在)。

(a) 監督機能としての取締役会

 当社グループは、サステナビリティ課題への対応を経営の重要課題の一つと認識し、取締役会にてサステナビリティに関するグループ方針、戦略、関連ビジネス推進の承認をするとともに、サステナビリティ開示情報の適切性を監督しております。

 マテリアリティに関して、リスクと機会への対応方針や具体的アプローチ、成果指標、進捗度合い等の重要事項のレビューを通し、マテリアリティの妥当性につき取締役会が監督しております。

 環境・社会リスクを含むサステナビリティ関連のリスクと機会に対応する事業戦略・投資戦略の執行(戦略の見直し・事業撤退判断を含む)に関して、当社ではすべての新規投資案件に対し、事前のESGリスク評価として「投資等に関わるESGチェックリスト」を使用し、サステナビリティ関連のリスクに関する方針、体制、取組状況を把握、分析し、重要事項を協議するHMC(HMCについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください)にてサステナビリティ関連のリスクを検証しており
ます。また、投資実行後は、サステナビリティ関連のリスクの予防を目的とする事業会社のモニター・
レビューや、環境汚染等の未然防止を目的とする現地訪問調査等を多面的に実施しております。これらの
審議内容や取組については、定期的にCAO(Chief Administrative Officer)から取締役会に報告され、

 取締役会が監督しております。

(b) 監督機能における取締役会のスキル・コンピテンシー

 当社CAOはSDGs/ESG分野の専門的経験・知見を有しており、サステナビリティに関する各種施策の
立案・実施を担当するサステナビリティ推進部より月2回程度の頻度で定期報告を受けております。また、
外部有識者を招聘して毎年開催するサステナビリティアドバイザリーボードでの講義、意見交換を通じて、

 サステナビリティに関する世の中の動向、当社への期待、対応すべき課題に対する知見を深めております。

 当社の代表取締役であるCAOは、会社の全般的経営方針及び経営に関する重要事項を協議するHMCの
メンバーであると同時に、サステナビリティ委員会の委員長を兼務しており、サステナビリティに関する
統括責任者としてサステナビリティ委員会で審議した事項を決定しております。なお、重要事項については、CAO決定後に、HMCで承認しております。当該決定事項は、CAOからサステナビリティ推進の主たる
活動状況とともに適宜取締役会に報告することで、取締役会の監督にあたってのコンピテンシーを確保して

 いると考えております。

(c) 執行機能としてのサステナビリティ委員会

 サステナビリティ関連事項に対応するための各種施策の立案・実施に関する審議を行うサステナビリティ

 委員会は、サステナビリティ関連目標設定、進捗状況、現状のサステナビリティ関連のリスクと機会を識別、評価、管理しております。取締役会は、サステナビリティ関連のリスクと機会に対応する事業戦略・投資戦略の執行(戦略の見直し、事業撤退判断を含む)を監督しております。また、各事業セグメント及び職能部署のマネジメントを執行側のESG責任者と定めています。ESG責任者は、サステナビリティ関連事項について各種

 施策・取組の進捗を管理し、サステナビリティ委員会に報告しております。

2022年度サステナビリティ関連審議、報告実績

サステナビリティ

関連会議体

開催数

主な承認、審議、報告事項

取締役会

3回

・サステナビリティ委員会での審議内容及びCAO決定事項の報告

・社会貢献活動報告

サステナビリティ

委員会

3回

承認事項

・サステナビリティ関連方針の制定、改訂

・投資等に関わるESGチェックリスト改訂

・有価証券報告書サステナビリティ関連開示

 

報告事項

・気候変動対応

・サステナビリティアクションプランレビュー

・人権デューデリジェンス、サステナビリティ調査レビュー

・ISO14001環境マネジメントレビュー

・ESG評価

・環境・社会リスクモニター・レビュー結果

・マテリアリティの確認

・TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)開示準備

② 戦略

 当社グループは、企業理念や外的環境の変化を踏まえた「サステナビリティ推進基本方針」を定め、組織的・体系的にサステナビリティに資する取組を推進しております。具体的には、当社グループのマテリアリティをサステナビリティアクションプランに落とし込み、中期経営計画の方針に基づき推進するトレーディングや事業投資を通じて、課題解決に繋げていきたいと考えております。

 サステナビリティアクションプランでは、取組むべき課題、対象事業分野、具体的アプローチ、成果指標、進捗状況を毎年レビューし、開示しております。

(a) 当社グループ方針

 当社グループの「サステナビリティ推進基本方針」は次のとおりです。

伊藤忠グループ「サステナビリティ推進基本方針」

 

 伊藤忠の創業の精神である企業理念「三方よし」のもと、グローバルに事業を行う伊藤忠グループは、
地球環境や社会課題への対応を経営方針の最重要事項の一つとして捉え、持続可能な社会の実現に貢献

します。本方針は企業行動指針「ひとりの商人、無数の使命」及び企業行動倫理規範に基づいて策定して

います。

 

1.マテリアリティの特定と社会課題の解決に資するビジネスの推進

 国際社会の一員として、自社のみならず社会にとっても持続可能な成長につながるマテリアリティを

 策定し、事業活動を通じて企業価値向上を目指します。

 

2.社会との相互信頼づくり

 正確で明瞭な情報開示及び開示情報の拡充に努め、ステークホルダーとの双方向の対話を通じて、

 社会からの期待や要請を受けとめ、それらを実践していくことで信頼される企業を目指します。

 

3.持続可能なサプライチェーン・事業投資マネジメントの強化

 地球環境の保全や気候変動の緩和と適応、汚染防止と資源循環、生物多様性及び生態系の保護、人権と
 労働における基本的権利に対し、問題の未然防止及び継続的な配慮に努め、持続可能な事業活動を推進

 します。

 事業投資先や取扱商品のサプライチェーン上の資源(大気、水、土地、食糧、鉱物、化石燃料、動植物

 等)の有効利用、人権の尊重、及び労働安全衛生への配慮に努めます。取引先に対しては当社グループ

 のサステナビリティに対する考え方への理解と実践を求め、持続可能なバリューチェーン構築を目指し

 ます。

 各国法制度及び国際規範を尊重し、世界各国・地域の文化、伝統、慣習の理解に努め、公正かつ誠実な

 企業活動を展開します。

 

4.サステナビリティ推進に向けた社員への教育・啓発

 「サステナビリティを推進するのは社員一人ひとり」であることから、社員に対し重要課題に関する
 意識を醸成するための教育・啓発活動を行います。社員一人ひとりが、本方針に基づき各組織のアク

 ションプランを実行します。

 

代表取締役 副社長執行役員 CAO
小林 文彦

 

(b) マテリアリティごとの戦略

 当社は、第三者意見等も踏まえて、マテリアリティごとのリスクと機会をそれぞれ分類し、サステナビリティ委員会で審議するとともに、随時見直しを実施しております。

 マテリアリティに関する具体的な取組として、各事業セグメントや職能組織で分野ごとのリスクと機会等を抽出したうえで、中長期的な目標達成に向けたサステナビリティアクションプランを定め、その進捗に関するレビューを成果指標に基づき実施するとともに、サステナビリティ委員会に進捗状況を報告し、PDCAサイクルを回すことにより、確実な推進を目指しております。

 詳細は2023年9月発行予定の当社「ESGレポート 2023」サステナビリティアクションプランをご参照

 ください。

 マテリアリティごとのリスクと機会

マテリアリティ

リスク

機会

技術革新による商いの進化

・IoT、AI等、新技術の台頭に伴う

 既存ビジネスモデルの陳腐化

・先進国での人手不足や、効率化が遅れている事業での優秀な人材の流出 等

・新市場の創出や、革新性のある

 サービスの提供

・新技術の活用による人的資源や
物流の最適化、働き方改革推進に

 よる競争力強化 等

気候変動への取組み

(脱炭素社会への寄与)

移行リスク

・GHG排出に対する事業規制等による化石燃料需要の減少

物理的リスク

・異常気象(干ばつ、洪水、台風、ハリケーン等)発生増加による

 事業被害 等

・気候変動の緩和に寄与する、再生可能エネルギー等の事業機会の

 増加

・異常気象に適応できる供給体制

 強化等による顧客維持・獲得 等

働きがいのある職場環境の

整備

・適切な対応を実施しない場合の
労働生産性の低下、優秀な人材の
流出、ビジネスチャンスの逸失、

 健康関連費用の増加 等

・働きがいのある職場環境の整備による労働生産性の向上、健康力・モチベーションの向上、優秀な
人材の確保、変化やビジネス

 チャンスへの対応力強化 等

人権の尊重・配慮

・広域化する事業活動での人権問題発生に伴う事業遅延や継続リスク

・提供する社会インフラサービスの不備による信用力低下 等

・地域社会との共生による事業の

 安定化や優秀な人材確保

・サプライチェーン人権への配慮、労働環境の改善に伴う安全かつ

 安定的な商品供給体制の構築 等

健康で豊かな生活への貢献

・消費者やサービス利用者の安全や健康問題発生時の信用力低下

・政策変更に基づく、市場や社会
保障制度の不安定化による事業

 影響 等

・食の安全・安心や健康増進の需要増加

・個人消費の拡大やインターネットの普及に伴う情報・金融・物流

 サービスの拡大 等

安定的な調達・供給

・環境問題の発生及び地域社会と
関係悪化に伴う反対運動の発生に

 よる影響

・主に生活消費分野での低価格化
競争の発生による産業全体の構造

 的な疲弊 等

・新興国の人口増及び生活水準向上による資源需要の増加

・環境に配慮した資源や素材の安定供給による顧客の信頼獲得や新規事業創出 等

確固たるガバナンス体制の

堅持

・コーポレート・ガバナンス、内部統制の機能不全に伴う事業継続

 リスク、予期せぬ損失の発生 等

・強固なガバナンス体制の確立に
よる意思決定の透明性の向上、
変化への適切な対応、安定的な

 成長基盤の確立 等

(c) 具体的アプローチ

 2021年度には、当社を取巻くサステナビリティ関連事項を考慮し、取締役会において中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の成長戦略として『「SDGs」への貢献・取組強化』を基本方針としました。本取締役会決議を踏まえ、サステナビリティ委員会で各マテリアリティに関する具体的施策及び目標に対する進捗状況の
審議・レビューを行うとともに、各事業セグメントにおいてこれらの施策を継続的に実行しております。
また、当社グループは、人材戦略を経営戦略の一つとして明確に打ち出しており、グループ全体で関連施策に

 取組んでおります。

 具体的アプローチは次のとおりです。

 

事業セグメント

具体的アプローチ

持続的な

企業価値の

向上

(注)1

繊維

サーキュラーエコノミー実現の加速に向けた戦略的な提携・投資

食料

ルイボスティーの取組

住生活

Metsä Fibre Oyとの取組強化

情報・金融

Docquity Holdings Pte. Ltd.の持分法適用会社化

第8

広告・メディア事業の取組拡大

処方薬の店舗受取サービス「ファミマシー」の開始

その他

「ITOCHU SDGs STUDIO」からの発信を強化

気候変動対応

(注)1

機械

北米における再生可能エネルギー事業への取組強化

金属

カナダ最大の鉄鉱石事業の権益取得、貴重な高品位鉄鉱石を生産

エネルギー・化学品

太陽光発電の「オフサイトコーポレートPPA事業」本格化

再生航空燃料ビジネスの拡大

人的資本経営

・多様性

(注)2

全セグメント

優秀な人材の確保

働き方の進化

健康力向上

主体的なキャリア形成支援

成果に応じた評価・報酬

経営参画意識の向上

(注)1 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)定性的成果」をご参照ください。

2 「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組(4)人的資本経営・多様性」をご参照ください。

③ リスク管理

(a) サステナビリティ関連のリスクと機会の識別

 グローバルに事業展開している当社グループでは、各国の環境・社会に関する対策・法制化等の社会情勢や事業環境の変化が事業に与えるリスクを常に監視しております。各事業セグメントにおける経営及び事業活動の統括責任者であるカンパニープレジデントの諮問機関であるDMC(Division Company Management Committee)は、環境・社会等のサステナビリティ関連を含むビジネスのリスクと機会を毎年レビューし、
各種施策、ビジネスの優先順位を定めて計画を策定しております。各事業セグメントの計画は、HMC、
及び監督機関である取締役会に上程され、最終的に取締役会がサステナビリティの観点から総合的に

 分析・審議したうえで承認されております。

(b) サステナビリティ関連のリスクと機会の評価

 当社グループは、リスク管理を経営の重要課題と認識し、COSO-ERMフレームワークの考え方を参考に、当社グループにおけるリスクマネジメントの基本方針を定め、必要なリスク管理体制及び手法を整備しており
ます。気候変動、サプライチェーン、人権等のサステナビリティに係る規制等の動向、及び世界各地の事業に

 与えるサステナビリティ関連のリスクと機会に関する情報収集を定期的に行い、リスクを特定しております。

(c) サステナビリティ関連のリスクと機会の管理

 当社グループでは、迅速な意思決定を実現するため各事業セグメントに権限を委譲し、事業運営に伴う
サステナビリティ関連のリスクと機会の管理を行っております。各事業セグメントのDMCにおいて、経営
方針及び経営に影響を及ぼす投資、融資、保証、事業等が審議され、カンパニープレジデントがそれらを決定

 しております。なお、当該決定事項は、事業段階ごとの状況に応じて管理しております。

(d) 全社的リスクマネジメントシステムへの統合

 当社グループでは、サステナビリティ関連をはじめとする様々なリスクと機会に対処するため、各種の社内委員会や責任部署を設置するとともに、各種管理規則、投資基準、リスク・取引限度額の設定や報告・監視体制の整備等、必要なリスク管理体制及び管理手法を整備し、リスクと機会を全社的かつ個別的に管理しております。

 各事業セグメントが管理するリスクと機会は、社内の各委員会へ報告され、重要度に応じて各委員会での審議を経て、HMCまたは取締役会にて承認されます。なお、管理体制の有効性につき毎年内部統制委員会にてレビューを実施し、取締役会に報告しております。

 詳細は当社「ESGレポート 2022」P.179 リスクマネジメントをご参照ください。

④ 指標及び目標

 サステナビリティアクションプランの取組むべき課題、アプローチ、成果指標、進捗度合いの詳細は2023年9月発行予定の当社「ESGレポート 2023」サステナビリティアクションプランをご参照ください。

(3)気候変動対応

 当社は、気候関連財務情報開示の重要性を認識し、2019年5月、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明して以降、TCFD提言に基づく情報開示に努めております。

 詳細は当社「ESGレポート 2022」P.37 気候変動(TCFD提言に基づく情報開示)をご参照ください。

① ガバナンス

 気候変動に係るリスクと機会への対応方針やGHG排出量の削減目標・取組、気候変動リスクと機会を考慮
した年度予算・事業計画等の重要事項につき、サステナビリティ関連のリスクと機会の一つとして前述

 サステナビリティ全般のガバナンスにおいて統合的に管理・監督しております。

② 戦略

 当社の事業は、気候変動の移行リスク及び物理的リスクの影響を短期、中期、長期の様々な時間軸で受けて
おります。そのため当社は、各事業案件の推進プロセス及び気候変動を含む環境・社会リスクの管理プロセス
の中で、事業や戦略、バリューチェーン等に重大な財務的影響を与える可能性のあるリスクと機会を特定、

 評価、管理しております。

(a) 気候変動関連のリスクと機会

気候関連の

リスクと機会

気候関連のリスクと機会が

組織の事業、戦略、

財務計画に及ぼす影響

影響を
受ける
時間軸(注)

影響を受ける
バリューチェーン

影響を受ける

事業・業種の例

移行

リスクと

機会

政策と

法制度

・世界各国のGHG排出計画の厳格化・GHG排出に対する事業規制等による化石燃料

 需要の減少

・カーボンプライシング
(炭素税等)や事業規制等

 による事業コストの増大

中期・

長期

上流・

当社グループ

発電事業・オペレーション、化石燃料
事業、鉄鉱石事業、
自動車事業、化学品

事業

技術革新

気候変動の緩和に寄与する
再生可能エネルギー、蓄電池関連事業、低炭素燃料、
低炭素製鉄原料等の事業機会

の増加

短期・

中期・

長期

当社グループ

再生可能エネルギー
・蓄電池関連事業、
低炭素燃料事業、
新素材事業、鉄鉱石

事業

市場状況の変化

政策と法的リスク及びクリーンテック等のテクノロジーの影響を受ける製品・サービスの需要の増加と減少

短期・

中期・

長期

上流・

当社グループ

化石燃料事業、
化学品事業、自動車
事業、再生可能
エネルギー・蓄電池
関連事業、新素材
事業、CCUS・排出権

関連事業

物理的
リスクと
機会

急性的な物理的

リスク・
機会

異常気象(干ばつ、洪水、
台風、ハリケーン等)発生

増加による事業被害等

短期・
中期・
長期

上流・

当社グループ・
下流

食料事業、

森林関連事業、鉱業

異常気象に適応できる供給

体制強化等による顧客維持・

獲得等

短期・
中期・
長期

上流・
当社グループ・
下流

食料事業、

森林関連事業

慢性的な物理的

リスク・機会

気温上昇と気候変動に付随

する干ばつ等が農業・林業の
収穫及びそれらの関連製品の

生産量に与える影響

中期・長期

上流・
当社グループ・
下流

食料事業、

森林関連事業

(注)短期:~1年、中期:~3年、長期:4年~

(b) シナリオ分析

 当社事業のうち気候変動緩和に係る事業環境変化の影響の大きな事業セクター全体をシナリオ分析の対象事業として検討し、政策と法的リスク等の「移行リスク」影響の大きい事業として「発電事業」、「エネルギー事業」、「石炭事業」、「鉄鉱石事業」、「化学品事業」、「自動車事業」を、気候変動の「物理的リスク」影響の大きい事業として「Dole事業」、「パルプ事業」、「飼料穀物事業」を選定しました。
 気候変動緩和に係る事業環境変化の影響の大きな事業セクターの特定にあたっては、TCFDが指定した気候
変動の影響を潜在的に大きく受ける4つの非金融セクター(エネルギー、運輸、材料及び建物、農業・食品・

 木材製品)を参考にしており、選定された事業はこれらに含まれております。

(c) 既存戦略への影響と事業の移行計画

 シナリオ分析を行う中で、現状の事業戦略や事業地域の転換といった気候変動対策を取らない場合の財務的な負のインパクトが大きいリスクを把握し、中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の基本方針『「SDGs」への貢献・取組強化』のもと、具体的な事業の移行計画、財務計画(資産入替を含む)の策定に既に着手して

 おります。

③ リスク管理

 気候変動リスクは、サステナビリティ関連のリスクと機会の一つとして前述サステナビリティ全般のリスク管理において統合的に管理しております。なお、気候変動のリスク管理は、次のとおり、事業の段階ごとの

 評価手法に組込まれております。

 事業の段階ごとの評価手法

事業の段階

評価手法

事業開始

新規投資案件の環境リスク評価(1年に80件程度)

事業運営

・取扱商品の環境リスク評価(サプライチェーン全体での評価)

・グループ会社の環境実態調査(1年に2、3社)

・サプライチェーンサステナビリティ調査(当社及び子会社)

・ISO14001に基づく内部環境監査(当社、グループ会社3社)(年1回)

事業戦略の見直し

事業戦略、資産入替の検討

 各事業段階の評価手法でリスクまたは機会が特定された場合、リスクと機会の事業への影響を評価しており
ます。それにはシナリオ分析・ストレステスト等の定量評価、投資方針・GHG排出量削減目標への準拠性評価
のような定性評価が含まれます。定量評価された気候変動のリスクと機会の情報には、気候変動以外のリスク

 と機会の定量情報が加算され、収益への貢献度合いを分析しております。

④ 指標及び目標

 当社グループは、気候変動リスクと機会への対応の一環として、GHG排出量と電力使用量、クリーンテックビジネスに関し、以下の指標及び目標を設定しております。指標及び目標を定める際には、日本政府目標や、国際的な信頼性が高く多岐にわたる事業領域をカバーできるIEA(国際エネルギー機関)の資料等を参照しております。

<GHG排出量削減目標>

 指標(集計範囲):

Scope1/2/3(当社及び子会社)、化石燃料事業・権益(当社及び子会社・関連会社・一般投資)

 目標:

・2050年までにGHG排出量「実質ゼロ」を実現。

・2040年までに2018年比75%削減を実現し、GHG排出量削減に貢献するビジネスの積極推進を通じ

「オフセットゼロ(注)」を目指す。
(注)オフセットゼロ:削減貢献量が当社GHG排出量を上回る状態。

・2030年までに2018年比40%削減を実現。

⑤ GHG排出量データ

             (単位:千t-CO2e)

 

2022年3月期

Scope1

1,485

Scope2

716

・千t-CO2e単位で表示している数値については、千t-CO2e未満の端数を四捨五入して表示しております。

・2022年3月期のScope1及びScope2は「ESGレポート 2022」の数値を記載しており、同数値は、第三者保証を受けております。集計範囲、算出方法及び第三者保証の詳細につきましては、当社「ESGレポート 2022」P.83 ESGデータ(環境)にある集計範囲及び気候変動パフォーマンスデータにある注意書き並びに第三者保証報告書をご参照ください。

・2023年3月期のScope1及びScope2については、2023年9月発行予定の当社「ESGレポート 2023」をご参照ください。

(4)人的資本経営・多様性

 当社グループは、人的資本経営を着実に実行するために、従業員一人ひとりの能力を最大限に引出す「働きがいのある職場環境の整備」に努めております。また、当社は、労働生産性向上による企業価値向上のため、「①優秀な人材の確保、②働き方の進化、③健康力向上、④主体的なキャリア形成支援、⑤成果に応じた評価・報酬、⑥経営参画意識の向上」から構成される人材戦略の着実な実行に努めております。

① ガバナンス

 当社グループの企業理念である「三方よし」を実現するため、当社グループでは、人材戦略を経営戦略の一つとして位置付けております。また、当社では、経営方針に係る重要な人事政策等の関連事項は、人事・総務部の立案、CAO、CSO(Chief Strategy Officer)、業務部の審査を経て、全般的な経営方針及び経営に関する重要事項を協議するHMCで決定しております。決定事項は、CAOより取締役会に定期的に報告され、取締役会が監督しております。当社グループは、ガバナンス強化の観点から、当社より適切な人材をグループ各社に派遣しております。また、改訂コーポレートガバナンス・コード等により「人材の多様化」に対する社会的な要請が一層高まる中、喫緊の課題である「女性の活躍支援」を加速させるため、当社では2021年 10月に取締役会の任意諮問委員会である「女性活躍推進委員会」を新設し、取締役会が重要施策を監督する体制を構築しました。委員長を社外取締役とし、委員総数の半数以上を社外役員で占めております。今後も現場や個々の事情を把握したうえで、「①現場との協議、②女性活躍推進委員会での議論、③取締役会への報告」という一連のサイクルを継続し、実効性のある施策に落とし込んでまいります。計画的な採用・育成を通じて、取組方針の一つである役職を担う人材の候補者数の拡大を図ってまいります。また、当社グループ各社との人材交流等を行い、グループ全体での女性活躍を推進してまいります。

② 戦略

 当社グループの人材育成方針及び社内環境整備方針は次のとおりです。

<人材育成方針>

 当社グループは、一体となって従業員一人ひとりの主体的な学びや、チャレンジングな経験の機会を創出
しており、多様な能力・適性に応じた人材育成、キャリア形成支援をグループ全体で推進しております。
また、当社では、1999年度より育成費用を持続的な企業価値向上のための人的資本投資と位置付け、それらを
全社でレビューし、人材育成に繋げております。これらを通じ、社会環境の変化や顧客ニーズを捉えた「無数

 の使命」を果たす「商人」を育成し、当社グループの企業理念である「三方よし」を実現してまいります。

<社内環境整備方針>

 当社は、「健康力向上」こそが、企業行動指針である「ひとりの商人、無数の使命」を果たす人材力強化の
礎であるという考えに基づき、「伊藤忠健康憲章」の制定、がんと仕事の両立支援等をはじめとした健康・
安全に対する万全な体制を構築しております。また、労働安全衛生に関する情報提供等、当社産業医による
グループ会社支援を行っております。今後も、従業員一人ひとりの健康を第一に、従業員が安心して働くこと

 ができる職場環境の実現をグループ全体で目指してまいります。

③ リスク管理

 当社は、価値創造の原動力である従業員一人ひとりの能力を最大限に引出すための基盤整備に努めており
ます。その一環として、迅速な意思決定を実現するため各事業セグメントに権限を委譲し、事業運営に伴う
人材に関するリスクと機会の管理を行っております。経営戦略に基づいた人材戦略のもと、各カンパニー
プレジデントが人材確保や適材適所等を推進しております。また、定期的にエンゲージメントサーベイを
実施し、結果を各事業セグメントに報告しており、従業員の働きがいをモニタリングする仕組みを構築して
おります。なお、当社グループ各社に対しては、事業セグメントを通じた労務管理リスク・人材リスクの把握

 や課題に対するきめ細やかな支援に努めております。

④ 指標及び目標

(a) 人材育成方針

指標

実績

集計対象

人材育成投資総額

16.3億円

提出会社

一人あたり人材育成投資額

39.6万円

提出会社

研修受講者数(延べ人数)

48,044名

提出会社

企業理念「三方よし」を深く理解するための創業地訪問参加者数(注)

3,027名

連結会社

(注)2004年度より導入した創業地訪問の参加者数の直近事業年度までの累計

(b) 社内環境整備方針

指標

実績

集計対象

がん特別検診対象者受診率

93.1%

提出会社

労働災害の罹災者数

3名

提出会社

死亡災害件数

0件

提出会社

グループコンプライアンス意識調査の回答率(注)

99.4%

連結会社

(注)独自で調査をしている上場子会社を除く国内外子会社及びその事業会社の従業員53,163名が対象

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