企業兼大株主三井物産東証プライム:8031】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1) サステナビリティ基本方針

 三井物産は、大切な地球と人びとの豊かで夢あふれる明日を実現し、「世界中の未来をつくる」ことを経営理念に掲げています。この理念の下、本方針においてサステナビリティへの取組みを重要な経営課題と位置付け、三井物産グループ行動指針—With Integrityや本方針、サステナビリティ関連方針等に従い、サステナビリティを重視した経営を行います。三井物産グループは事業活動を通じ、地球規模の課題解決に挑み、持続可能な社会と経済成長の実現に寄与していきます。

-マテリアリティの特定と取組推進-

 当社は、社会と当社の持続的な発展のために、当社およびステークホルダーに影響を与える重要な課題をマテリアリティとして特定します。マテリアリティは中長期的にリスクまたは機会となる事項であることから、中期経営計画や事業計画等、当社の事業方針・戦略策定の基軸とし、本方針を実践します。

-取締役会の役割-

 取締役会は、当社のサステナビリティへの取組みを適切に監督し、中長期的な企業価値向上に努めます。サステナビリティに関する重要な事項はサステナビリティ委員会、経営会議を経て、取締役会に付議または報告の上決定します。

-ステークホルダーエンゲージメントと情報開示-

 当社は、ステークホルダーとの対話を重視し、適切な情報開示に努め、信頼と期待に真摯にそして誠実に応えます。

(2) 三井物産のマテリアリティ

 当社グループは、サステナビリティを重視した経営を行っており、さまざまなステークホルダーの期待と信頼に応え、当社が経営理念に掲げている「世界中の未来をつくる」に貢献すべく、社会と当社が持続的に成長するための重要な経営課題として以下のとおり、5つのマテリアリティを特定しています。

 また、国連「持続可能な開発目標(SDGs)」の17目標に取り組んでいくために、三井物産のマテリアリティとSDGsを関連付けて事業・活動を推進しています。各マテリアリティと組織ごとの具体的な方針、目標、取組み、進捗状況に関してはマテリアリティアクションプランとして整理のうえ、進捗を管理し、開示しています。

(3) サステナビリティ情報

 当社グループを取り巻くサステナビリティの課題は上記のとおり、多岐に亘ります。この内、気候変動対応、情報セキュリティ並びに人材戦略については、(4)気候変動対応、(5)情報セキュリティおよび(6)人材戦略をご参照ください。また、生物多様性や人権、サプライチェーンマネジメントなどの対応につきましては、当社サステナビリティレポート2022をご参照ください。

 サステナビリティレポート2022:
https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/sustainabilityreport/2022/pdf/ja_sustainability_2022.pdf

(4) 気候変動対応

 当社が特定したマテリアリティには、「安定供給の基盤をつくる」、「豊かな暮らしをつくる」や「環境と調和する社会をつくる」が含まれ、環境方針においては、GHGの削減や気候変動の緩和と適応に貢献する事業の推進に努めることを掲げています。また、中期経営計画2026においては、気候変動をサステナビリティ経営における課題の一つに特定しています。 当社グループは国際的な枠組みであるパリ協定や日本の中長期的な削減目標に寄与するべく、世界のさまざまな国・地域の経済・社会の発展と、気候変動の緩和および適応といった地球規模の課題の解決の両方に、幅広い事業活動を通じて貢献していきます。

 気候変動対応に係る具体的な、①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標および目標は以下のとおりです。

①ガバナンス

・気候変動に関わる経営の基本方針、事業活動やコーポレートの方針・戦略は、経営会議の下部組織であるサステナビリティ委員会が企画・立案・提言を行っており、2023年3月期(計7回開催)はTCFD開示拡充、Scope3、シナリオ分析等の主要課題について審議を行いました。

・経営上の重要課題である気候変動対応に関する基本方針や重要事項は、サステナビリティ委員会での審議を経て、定期的に経営会議および取締役会に付議・報告しています。2023年3月期は取締役会での年2回のサステナビリティ推進活動に関する定例報告に加えて、「気候変動対応」をテーマに、社外役員も含めた取締役・監査役がフリーディスカッションを行い、活発な議論を行いました。

・また、外部有識者から構成されるサステナビリティアドバイザリーボードを設置し、メンバーからの情報や助言をサステナビリティ委員会の審議に活用しています。2023年3月期には、気候変動やビジネスと人権といったサステナビリティ経営上の重要テーマに関して9回の諮問・意見交換を実施しました。

・サステナビリティ経営を推進するにあたり、さまざまなステークホルダーとの対話を行い、外部からの意見を尊重した事業活動を実践することが重要と考えています。そのため、サステナビリティ課題についてNGO、NPO、大学教授などの社外有識者やZ世代など次世代を担う若者と当社社員が双方向に対話する場として、毎年ステークホルダーダイアログを開催しています。

②戦略

・当社グループでは、短期、中期、長期の時間軸に分けて、最長2050年までのシナリオ分析を実施しています。シナリオ分析に際しては、IEA(国際エネルギー機関)が発行するWorld Energy Outlook(WEO)に記載のあるシナリオ等を参照して、移行リスク・機会の分析を行っています。

・参照したシナリオは現行シナリオ、移行シナリオ(2℃)に区分し活用していましたが、2022年11月に新たにIEA NZE等に基づく移行シナリオ(1.5℃)を追加しました。

・事業規模と気候変動インパクト(GHG排出量または削減・吸収量)を勘案し、シナリオ分析の対象として、石油・ガス開発事業およびLNG事業、原料炭事業、火力発電事業、鉄鉱石事業、海洋油・ガス田生産設備事業、ガス配給事業、LNG船事業、再生可能エネルギー事業、次世代エネルギー事業、森林資源事業を優先度の高い事業としてシナリオ分析の対象事業に選定しています。

・2022年12月に開示したシナリオ分析結果については以下、当社サステナビリティWebサイト内「TCFD提言に基づく情報開示-移行リスク分析」をご参照ください。

https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/environment/climate_change/pdf/ja_202212tcfd.pdf

・シナリオ分析は2024年3月期連結業績予想策定を含む事業計画プロセスにおいて実施しており、分析結果は事業ポートフォリオ戦略にも反映しています。

・一方、物理的リスクに関しては、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)に採用されているRCP(代表的濃度経路)も参考にしつつ、一定額以上の投資性資産を有する事業に関して、過去5年間に発生した気候災害の状況を基に調査し、影響の分析を行いました。

③リスク管理

・気候変動によるリスク(移行・物理的)を、当社の重要なリスクにおいて事業投資に関わるリスクや地政学的リスク、カントリーリスクに次ぐ重要度と位置づけ、対応策を講じています。詳細については、3. 事業等のリスクをご参照ください。

④指標および目標

・当社では気候変動に係る各種目標を設定、モニタリングを継続して実施していますが、特に重要なものは以下の通りです。

(a) 親会社+連結子会社(含むUn-inco JV*)のScope1+2およびScope3カテゴリー15(投資):
2050年の「あり姿」としてのNet-zero emissions(図1)を掲げ、その道筋として2030年に2020年3月期比GHGインパクト半減(目標値:17百万トン以下)を目指す。

(b) 親会社+連結子会社(除くUn-inco JV*)のScope1+2:
2030年のGHG排出量を2020年3月期比半減させる。

(c) 発電事業における再生可能エネルギー比率:
2030年までに30%超に引き上げる。

* Un-inco JV: Un-incorporated Joint Venture(共同支配事業)

 なお、中期経営計画2026において、上記目標達成に向けたマイルストーンとして、2026年3月期時点のGHGインパクトを27百万トンに削減すること、発電事業における再生可能エネルギー比率を27%に引き上げることをそれぞれ設定しています。

・GHGを多く排出する事業の中長期的なレジリエンスの向上、また当社および社会のGHG排出削減に貢献する事業の促進を目的に、2020年4月から社内カーボンプライシング制度を導入しています。

・当社グループのGHG排出量の推移は以下のとおりです。

単位:千t-CO2e

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

Scope1+2

4,336

4,183

3,406

Scope3カテゴリー15(投資)

35,000

36,000

*1

 2021年3月期、2022年3月期のGHG排出量におけるScope1および2、一部のScope3(カテゴリー4(輸送)の内、国内輸送*2)については、それぞれサステナビリティレポート2021および2022において第三者保証を受けています。

2022年3月期の保証範囲の詳細については当社サステナビリティレポート2022をご参照ください。

https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/sustainabilityreport/2022/pdf/ja_sustainability_2022.pdf#page=129

*1 Scope3カテゴリー15(投資)を含む2023年3月期のGHG排出量関連データについては、2023年8月頃に当社サステナビリティWebサイトにおいて公表する予定です。

*2 親会社(単体)が第三者保証の対象

 サステナビリティWebサイト: https://www.mitsui.com/jp/ja/sustainability/index.html

(図1)GHG削減目標達成イメージ

(5) 情報セキュリティ

 当社グループでは、以下の情報セキュリティ方針を掲げ、情報セキュリティに関するリスクマネジメントに取り組んでいます。

・情報セキュリティ方針

(a) 情報セキュリティへの取組み

 当社は、情報セキュリティの重要性を認識し、「三井物産コーポレート・ガバナンス及び内部統制原則」に則り情報の適時・有効な活用を図るため、関連規程の整備・実施を通じて、連結グローバル・グループベースで情報資産(情報及びITシステム)に対する適切な管理を行い、これを継続的に改善して参ります。

(b) 法令等の遵守(コンプライアンスの確立)

 当社は、情報セキュリティに関連する法令、確立された規格、その他の規範を遵守し、これらに準拠・適合した情報セキュリティの構築・確保に向け取組みます。

(c) 情報資産の保護

 当社は、情報資産の機密性、完全性及び可用性を確保するための適切な管理を行い、これらを脅かす全ての脅威から情報資産を保護することに努めます。

(d) 事故への対応

 当社は、情報セキュリティに関する事故の発生予防に努めるとともに、万一事故が発生した場合は、事故対応のみならず再発防止策を含む適切な対策を速やかに講じます。

 情報セキュリティに係る具体的な、①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標及び目標は以下のとおりです。

①ガバナンス

 当社のグローバル・グループ情報戦略に係る重要方針は、「情報戦略委員会規程」に基づいて設置されたCDIO(チーフ・デジタル・インフォメーション・オフィサー)を委員長とする情報戦略委員会の審議を経て経営方針に沿い策定されています。

 2023年3月期は、情報戦略委員会を合計9回開催しました。2021年3月期に策定したDX事業戦略・Data Driven(DD)経営戦略・DX人材戦略からなる「DX総合戦略」の進捗をモニタリングしたほか、サイバー攻撃に対応するための体制拡充・点検・訓練、人事システムや貿易業務システムの次世代化方針、利活用すべきグループ会社データのあり姿やデータマネジメント体制構想、当社社員が身に着けるべきITツールの知識と啓発施策に関する討議を行いました。

 同委員会を中心とした体制のもと、情報システムの構築運営や情報セキュリティ面で必要となる以下の各規程の整備を通じて、情報漏えいやサイバー攻撃等の想定される各リスクの管理を含む内部統制体制の強化を進めています。

・「情報システム管理規程」:情報資産の調達・導入からその運用方法を規定

・「ITセキュリティ規程」:ITセキュリティの面でのシステム主管部の行動原則を規定

・「情報管理規程」:情報リスク管理体制、情報管理に関する基本事項を規定

・「個人情報保護規程」:事業遂行上必要となる個人情報の取扱に関する規程(国内のみが対象)

・「サイバーセキュリティ対策に関する規程」:サイバー攻撃等への予防および事件発生時の緊急対策に関する規程

・「三井物産グループサイバーセキュリティ原則」:当社グループ各社が共通的に実施することを目指す、基本的サイバーセキュリティ対策

 また、特定の企業・組織を狙い撃ちする標的型攻撃、ランサムウェア(ファイルが暗号化され復号と引き換えに身代金を要求)、BEC(Business Email Compromise:ビジネスメール詐欺)、および不特定多数を狙ったばらまき型メール攻撃など、日々発生するサイバー攻撃は巧妙化・高度化・深刻化する中、当社グローバル・グループでのサイバーセキュリティ対策は重要性を増しており、年1回、情報戦略委員会並びに経営会議での審議を経た後、取締役会に報告しています。

②戦略

 当社では、米国国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology)のサイバーセキュリティフレームワークに沿って対策を立案・実行し、サイバーセキュリティ専門子会社である三井物産セキュアディレクションの知見を活用しながら、「予防」「鍛錬」「処置」の3つのステップに分けて対策を講じています。

(a) 予防

 当社ではサイバーハイジーン(IT公衆衛生)が重要と考えており、IT環境を健全な状態に保つと共に、役職員のセキュリティ意識醸成を目指しています。システムの観点では、IT資産の状態把握のためのインベントリの適切な管理や、攻撃の糸口になる箇所を掌握する脆弱性管理などに取り組んでいます。また、人に焦点を当てた啓発活動では、サイバーセキュリティに関する意識向上、攻撃被害拡大防止を目的として、関係会社を含む役職員に「サイバーセキュリティポータル」を公開し、サイバーセキュリティに関する最近の動向、事例や役職員が取るべき対策等の各種情報を発信しています。また、一般役職員向けとセキュリティ担当者向け夫々の「サイバーセキュリティe-Learning」を作成、活用しています。

(b) 鍛錬

 当社は、従来の「境界型セキュリティ」(「社内は安全だが、外部は危険」という考えに基づき、社内ネットワークと社外ネットワークの境界線を中心としたセキュリティ対策)から「ゼロトラスト」(ネットワークの内部と外部を区別することなく、守るべき情報資産やシステムにアクセスするものは全て信用せずに検証するセキュリティ対策)に転換し、デバイス、データ、ネットワーク、クラウド等の各IT領域でのセキュリティ対策を強化しています。また、グローバルでの24時間365日のセキュリティ監視、および有事の際の対応体制を構築・維持・拡充しています。

(c) 処置

 当社は、サイバーセキュリティ対策の中心として「MBK-CSIRT(Computer Security Incident Response Team)」を構築し、各部門のサイバーセキュリティ担当と連携し、報告・支援する仕組を確立、組織的・継続的なインシデント対応、再発防止を実現しています。また、被害の規模や深刻度に応じたセキュリティインシデント発生時の対応を定め、必要に応じた有効性確認の為の訓練を定期的に実施しています。

③リスク管理

 情報システム及び情報セキュリティに関するリスクは、「3.事業等のリスク」において重要なリスクの一つと位置づけ、以下の対応策を講じています。

・情報システムの安全性及び情報セキュリティ強化の為、関連規程を整備し、当社及び連結子会社が保有する情報及び情報システムにおける機密性、完全性及び可用性を適切に確保し、またリスク管理水準を改善するための指針を継続的に示して情報漏えい等のリスクを管理しています。

・当社グローバル・グループでのサイバーセキュリティ対策強化のため、当社グループ各社が準拠すべき「三井物産グループサイバーセキュリティ原則」を定めています。また、関係会社各社にて年1回実施する「サイバーセキュリティベースライン調査」にて準拠状況をセルフチェックすると共に、「サイバーセキュリティアセスメント」による第三者評価も実施しています。

・当社では、サイバーBCP(事業継続計画)として、被害の規模や深刻度に応じたセキュリティインシデント発生時の対応を予め定めています。

④指標及び目標

 2023年3月期に、当社グループ各社が共通的に実施することを目指す基本的サイバーセキュリティ対策として、「三井物産グループサイバーセキュリティ原則」を策定しました。当社では、サイバーセキュリティ上の重要な関係会社を毎年指定し、当該原則への準拠状況をモニタリングしています。

(6) 人材戦略

 人材戦略に係る具体的な、①ガバナンス、②戦略、③リスク管理、④指標及び目標は以下のとおりです。

①ガバナンス

(a) ダイバーシティ推進委員会

 経営会議の諮問委員会として、人事管掌役員(CHRO)を委員長とし、人事総務部長、経営企画部長に加え、委員長が別途指名する委員から構成されています。2023年3月期は「別途指名する委員」として、海外現地法人役員(現地採用Executive Vice President)や事業本部長を含む5名(内、女性3名、外国籍1名)が指名され、計8名の多様なバックグラウンドを有するメンバーで以下記載のテーマについてダイバーシティに関する討議を行いました。各議事録はイントラネットを通じて従業員に公開しています。

 

日程

主要なテーマ

第1回

2022年7月29日

年間活動計画、女性活躍推進・海外採用社員活躍推進施策、LGBTQ関連施策

第2回

2022年11月2日

D&I強化施策に関する討議(多様なリーダーの育成・活躍推進、社員エンゲージメントの取組み、当社グループ・海外・事業本部別のD&I重点施策等)、中期経営計画振り返り

第3回

2023年2月15日

D&I推進に向けた委員による講演と討議、女性活躍推進に向けた環境整備

(b) Human Resource Strategy Meeting

 社長と人事管掌役員(CHRO)、人事総務部長、各事業本部長・コーポレートスタッフ部門各部長が参加する年次の人材戦略会議です。本会議では、当社グループの重要ポジションのサクセッションプラン(後継者育成計画)についての議論や、女性や海外拠点で採用された社員等の活躍状況と育成方針が確認されています。

②戦略

 当社グループは、「挑戦と創造」のDNAを継承し、常に時代の潮流を先取りして様々な分野や国で新たな事業を創出してきました。多様なバックグラウンドを持つ人材が、多様な現場でグローバルに活躍する姿を後押しすることが当社グループの人材戦略の根幹です。人材戦略は、中期経営計画2026*1の重点施策の1つとして位置づけられています。自律的なキャリア形成(挑戦・経験・学び)を支援し、従業員一人ひとりの活躍を支える諸施策・環境整備のために更なる投資を推進します。

*1 中期経営計画の詳細は、1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)新中期経営計画をご参照ください。

(a) 強い「個」の育成

 当社グループの「世界中の未来をつくる」というMissionの達成に向けては、従業員一人ひとりが変革をリードし、自らの強みを活かして世界標準で成果を積み上げることが重要です。当社グループは人材育成を最重要に考える組織であり、各現場でのOJT(On the job training:業務を通じて知識などを身に着ける教育方法)を軸としつつ、それを補完する体系的な人材育成プログラムや、従業員の志向を起点にしたグローバルなキャリア開発のための各種制度や基盤を提供し、強い「個」を育成します。

(i) グローバル・グループでの人材育成

 当社グループは新入社員からリーダー層に至るまで、役割期待別研修、選択型研修、選抜型研修等、豊富な人材育成プログラムを実施しています。

 当社(単体)では、若手社員を対象とした各地域のエキスパートを育成する海外修業生や専門性を高める部門研修員制度、中堅層社員対象のビジネススクールへの派遣制度を実施すると共に、国内グループ社員を対象とした節目研修や「物産アカデミー」等の選択研修の実施等を通じて、人材の育成・人的ネットワークの構築を支援しています。

 また海外現地法人等の社員に対しても、現地事情に合わせたリーダーシッププログラムやスキル系研修を実施しているほか、日本への派遣プログラムとして、短期でのJapan Trainee Programや、1~2年間の長期に亘るJapanese Language & Business Program及びJapan Business Integration Programを設けています。

 その他、重要パートナー企業までに対象を広げ、社会課題を解決するビジネスを創出し、事業において困難な局面を乗り越えるためのリーダーシップを発揮するグローバルリーダーの育成を目的とするHarvard Business Schoolの協力を得て開発した当社独自のGlobal Management Academy Programを設けています。2022年は日本を含む計18か国から合計41名が参加し、過去10回の開催で累計355名が参加しました。

(ii)多様なキャリアプラン

 前中期経営計画期間にて人事制度の一部を改定し、①所定の任用・昇格要件や年齢に関わらず、適任者が上位ポジションでより大きな役割・職務にチャレンジできるキャリアチャレンジ制度、②従来のラインマネージャーを前提とした職群に加えて、高度な専門性を蓄えた人材のための複線型キャリアパスであるExpertバンド、③従業員向け株式報酬制度を導入しました。また、人材ニーズの社内マッチングの仕組みである人事ブリテンボード制度の実施回数を増やし、社員の自律的なキャリア開発と適材適所での人材配置をより機動的に実現できるよう拡充しました。

(b) インクルージョン

 当社グループは、多様な個性を有する従業員が、自分らしく社会や組織に属し、最大限に力を活かすことができる会社を目指します。当社はインクルージョンの推進を加速させる環境を整えると共に、無意識のうちに暗黙的な排他や区別を行うことがないよう、従業員一人ひとりのインクルージョンに対する意識醸成を支援し、グローバル・グループでのインクルージョンを実現します。採用地や性別によらず、社員一人ひとりがお互いを認め合い、恒常的に異なる考えや新しい考え方が入ることで刺激を受け合いながら能力を最大限に発揮し、イノベーションを生み出すことでビジネスに新たな価値をもたらし、当社グループの価値向上に繋げます。

(i) 当社(単体)採用人員数

 多様性を重視し、当社(単体)は国内でのキャリア採用をいち早く導入しました。2023年3月期に当社(単体)へ入社した総合職社員203名(新卒・キャリア採用合計)の内、女性は75名(36.9%)となります。

 

男性(名)

女性(名)

女性比率

新卒入社

67

44

39.6%

キャリア入社

61

22

26.5%

配偶者転勤による再雇用入社

0

9

100%

 

128

75

36.9%

(ii) 女性の活躍推進

 女性社員の活躍推進をさらに加速させるため、さまざまな取組みを行っています。当社(単体)では、2020年3月期から管理職の女性を対象にしたWomen Leadership Initiativeプログラムを実施し、ライン長候補の育成を強化しています。加えて、2022年3月期からは経営会議メンバーがスポンサーとなり、シニアリーダー候補の女性社員に対しキャリアに関する助言や指導を行い、ストレッチアサインメント(一段目線の高いチャレンジとなる業務機会の提供)に繋げるSponsorship Programを実施しています。これら取組みにより女性管理職におけるラインマネージャーやシニアマネージャーへの登用を着実に進めています。

(iii) 海外採用職員の管理職登用

 各国や地域に根を深く張ったビジネスを展開するため、当社グループの海外拠点(現地法人・海外事務所)において人材の活躍推進に力を入れています。世界各国から選抜された社員を対象に、2019年3月期から変革を積極的に推し進める先導者を育成するChange Leader Programを実施しています。2023年3月期は4回目として、オンラインセッションと日本での経営会議メンバーを交えた対面型セッションを組み合わせて開催しました。また、三井物産人材開発(株)では、当社グループの海外拠点だけではなく、グループ各社で働く世界中の社員を対象とした教育・研修の企画運営の提供も行っています。

(iv) 社員エンゲージメント

 社員一人ひとりの意欲を高め、組織としての力につなげていくことを企図し、2018年からMitsui Engagement Survey (MES)を実施しています。4回目となる2022年には当社(単体)・海外現地法人に加え国内外の主要な連結子会社20社が参加し、総勢約12,000名の社員による調査を実行しました。調査結果はより良い組織づくりに向けた各現場での組織開発に活用すると共に、「多様性を力に」する為の重要な経営データとして経営会議や取締役会にも報告し、人事戦略の策定に活用しています。また、「社員エンゲージメント」肯定的回答率の前期対比での増減は、取締役(除く社外取締役)を対象とした報酬制度の一要素にもなっています。取締役の報酬の詳細は、「第4 提出会社の状況 4. コーポレート・ガバナンスの状況等 (4) 役員の報酬等」をご参照ください。

(Mitsui Engagement Surveyの結果)

 

2020

2021

2022

社員エンゲージメント*1

70%

71%

72%

社員を活かす環境*2

69%

69%

69%

*1 「会社に対して貢献意欲やロイヤルティがあり、自発的努力をしようという気持ち」についての複数の関連設問における肯定的回答率

*2 「自分のスキルや能力を活かす機会があり、働きやすい環境が整備されているか」についての複数の関連設問における肯定的回答率

(c) 戦略的適材配置

 当社は16事業本部を中心としてグローバル展開をしていますが、国や地域毎に強みを発揮していく為に、事業と地域を2軸としたグローバルマトリクス制を採用しています。事業戦略に連動した活躍の場を用意し、従業員は新しい仕事への挑戦を通じてスキルや専門性を身に付け、会社と共に成長します。このような戦略的適材配置と自律的なキャリア形成をグローバル規模で推進します。

(i) Global People Data Platform(Bloom)導入

 採用地を問わず、社員一人ひとりの経験・能力・知識やキャリアの志向といった人材データを活用し、適所で適材が活躍するフィールドの醸成と、社員の自律的なキャリア形成を支えるグローバルデータプラットフォームとして、Bloomを2022年10月にアジア・大洋州本部、東アジアブロック、韓国物産で導入しました。2025年3月期までに全世界で導入される予定です。

(ii) 海外拠点における人材の活躍

 事業を牽引する人材を戦略的に配置するため、海外採用職員の転勤プロセスを標準化すべくグローバルモビリティプログラムを2022年10月に策定し、2023年4月の転勤者から全世界で導入しました。導入以前は転勤時の諸条件が転勤者ごとに個別決定となっておりプロセスが煩雑且つ調整に時間を要していましたが、統一ルールを導入することで海外採用職員の国を超える異動の難易度を低減し、グローバルベースでの戦略的配置を実践します。

③リスク管理

・人的資源の制約に関するリスクを当社は認識しており、対応策を講じています。詳細については、「3. 事業等のリスク」をご参照ください。また以下の点についても対応策を講じています。

(a) 健康経営及び労働安全衛生

 世界中の国や地域で当社グループの事業活動を行う上で、従業員が自らの持てる力を最大限発揮し、一人ひとりが活き活きと健康に、そして安全に働き続けられる職場環境の整備をします。また、自主的に事業活動における健康と安全の推進に取り組むべく、自己と周囲の安全と健康への責任を果たせる文化を醸成します。2023年3月期は、2回の取締役会にて健康経営・労働安全衛生に関する報告、改善に向けた審議が行われました。

(b) 労働時間基本方針

 当社(単体)は、働き方の選択肢を拡げつつ、労働基準法・労働安全衛生法に準拠した適正な労働時間管理により、過重な長時間労働を回避します。また、社員の安全・健康をしっかりと保持し安心して働き続けられる職場環境の整備をさらに推進します。グローバルについては各国の法令に準拠した労働時間管理を行います。

④指標及び目標

 当社グループでは以下のとおり各種環境指標や目標を設定、モニタリングを継続して実施しています。

(a) 当社(単体)における女性管理職数・比率推移

 

2021年3月末

2022年3月末

2023年3月末

目標
(2025年3月末)

女性管理職数(名)

252

267

284

-

管理職比率(%)

7.5%

8.0%

8.5%

10.0%

 なお、当社グループ(当社および国内外連結子会社)における2023年3月末時点の女性管理職比率は18.8%となります。

(b) 当社(単体)における労働安全衛生データ

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

目標

労働災害発生件数

0

0

0

0

死亡事故災害件数

0

0

0

0

(c) 当社(単体)における有給休暇年間平均日数・比率推移

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

目標

年間平均取得日数(日)

11.5

12.5

13.8

-

年間平均取得率(%)

60.0%

64.9%

71.4%

70%

 対象者:本店および国内支社勤務の従業員(嘱託社員は含まず)

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