ワイエスフード 【東証スタンダード:3358】「小売業」 へ投稿
企業概要
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
ここに記載のリスクについては、年2回実施されるリスクマネジメント統括委員会で課題の共有とともに、立案した対策の実行状況も確認し、取締役会に報告することとしております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)事業展開について
① 直営店舗の開発について
当社は、ラーメン店の経営及びラーメン店のFC本部の経営と、飲食店の厨房設備の販売、不動産の賃貸を主な事業内容としており、ラーメン店「筑豊ラーメン山小屋」「ばさらか」等の店舗展開を直営店及びFC加盟店で行っております。なお、令和5年3月末日現在の総店舗数は125店舗(うち、直営店9店舗、FC店87店舗、海外29店舗)となっております。
当社は、店舗数の拡大が業容拡大の重要な経営戦略の一つとして考えており、ロードサイド及びショッピングセンター等の商業施設へ今後も出店することを予定しております。そのため店舗物件に関する情報入手ルートの幅を広げておりますが、出店計画地域に適当な物件が見つからない場合や、出店時期の遅延が生じた場合には、当初出店計画が達成できず、当社の事業計画及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
② FC加盟店の展開及び運営について
今後の事業拡大に際しては、当社はFC加盟店による出店を積極的に進めることを方針の一つとして考えております。そのためには「筑豊ラーメン山小屋」、「ばさらか」、「一康流」、「遣唐拉麺」、「やまごや」等のブランドの知名度を高めることが重要であり、そのことが有力なFC加盟先の獲得につながると考えております。当社では現在、ウェブサイトなどの媒体を使ってFC加盟店募集を行う他、FC加盟希望者向け事業説明会を実施しております。
当社は、FC加盟店に対して店舗の運営指導を行っておりますが、指導の及ばない範囲内でFC加盟店の受ける顧客からの苦情及び芳しくない評判等は、当社のイメージに悪影響を与え、事業に影響を及ぼす可能性があります。その他、当社のFC本部としての機能に対する評価が不十分な場合や、当社に起因しないFC加盟先の諸事情を理由として、FC加盟先が当社のFC事業の出店の凍結もしくはFC加盟契約の解消又は新規FC加盟希望者が減少する可能性があり、FC加盟店の出店数が計画どおり確保できず当社の今後の出店政策及び事業展開に支障をきたし、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)人材の確保・育成について
当社は、直営店の店舗展開及びFC事業の展開を図るため、人材の確保を積極的に行っていく必要があります。特にスーパーバイザー及び店舗の人材の確保及び育成が重要であると考え、求人・採用活動を積極的に取り組み、採用後はOJTによる教育及び研修制度等による従業員に対する教育の充実と人材の育成に取組んでおります。しかし、人材の確保育成が当社の出店計画に追いつかない場合には、店舗におけるサービスの質の低下や店舗展開ができず、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)食材の安全性・安定供給について
近年、食品を取り巻く環境においては、外食産業における食中毒問題、BSE(牛海綿状脳症)、高病原性鳥インフルエンザ、残留農薬、異物混入、偽装表示などの問題が生じたことで、従来以上に食材の安全性についての関心が、以前にも増して高まっております。当社では、食材の安全かつ安定的な確保に慎重に取り組む方針でありますが、食材市況に大幅な変動が生じた場合や、当社の求める食材の供給が滞った場合、並びに食材の安全性に関わる不安により消費者の外食離れが生じた場合などには、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料価格の変動について
当社において使用される原材料等には、市場の需給動向によりその価格が変動するものがあります。当社では、複数企業から安定的な購買を行っておりますが、原材料等の価格が急激かつ大幅に上昇した場合には、原価及びコストの上昇に繋がり、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)特定事業への依存と売上高の季節変動について
当社は創業以来、外食事業の経営を主要事業としているため、当社の業績は、外食産業に対する消費者のニーズの変化、当該業界での競争激化の影響を大きく受ける傾向にあります。
また、当社グループの売上高は1年を通して一定ということはなく、季節によって変動する傾向があります。特に5月のゴールデンウィーク、夏休み及び年末年始の売上高が高くなるため、いわゆる「稼ぎ時」に台風、酷暑、厳寒などの天候の悪影響のような外部環境の変化が及んだ場合、目論見の売上高・利益を達成できなくなる恐れがあります。
(6)法的規制について
当社の主な法的規制として工場及び店舗での営業全般に関して、食品衛生法の規制を受けております。
当社では、食品衛生法に基づき、所轄保健所から営業許可証を取得し、本社工場及びFC加盟店を含む全店舗に食品衛生責任者を配置しております。また、衛生管理マニュアル等でFC加盟店を含む全社員に衛生管理について周知徹底させておりますが、当社の営業活動の中で、当該法令に抵触した場合は営業停止等の行政処分を受けることとなります。
当社では設立以来、食中毒の発生等で行政処分を受けた事例はありませんが、当社の衛生管理諸施策にもかかわらず、当社の店舗において行政処分がなされた場合等は当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
許認可等 | 有効期間 | 関連法令 | 関連諸官庁等 |
営業許可証 | 5年~8年 | 食品衛生法 | 厚生労働省・各保健所 |
(7)役員及びその近親者が議決権の過半数を所有している会社との取引について
当社の業績は、主要取引先であるBMC㈱及び㈱Zing'sの今後の経営戦略の影響を受ける可能性があります。 また、BMC㈱及び㈱Zing'sの評判が何らかの理由で著しく損なわれた場合、それが当社に起因するものでなくても、当社の業績に影響を与える可能性があります。
第28期事業年度(自令和3年4月1日 至令和4年3月31日)
会社等の 名称 | 住所 | 資本金 (千円) | 事業の内容又は職業 | 議決権等の所有(被所有)割合(%) | 関係内容 | 取引の内容 | 取引 金額 (千円) | 科目 | 期末 残高 (千円) | |
役員の 兼任等 | 事業上 の関係 | |||||||||
BMC㈱ | 福岡県 田川郡 | 1,000 | 飲食業 | - | - | 加盟店契約の締結 不動産賃貸契約の締結 | 食材の販売 不動産の賃貸 | 40,969 | 売掛金(注1) 預り金(注1) | 4,047 719 |
㈱Zing's | 福岡県 北九州市 | 5,000 | デザイン業 | - | - | 加盟店契約の締結 不動産賃貸契約の締結 食材の仕入 | 食材の販売 不動産の賃貸
食材の仕入 | 25,288
34,957 | 売掛金(注1) 預り金(注1)
買掛金 | 2,380 3,182
2,846 |
上記の金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。
(注)1. 売掛金については食材売上高及び家賃等、預り金については店舗売上金が、それぞれ含まれております。
2. 取引条件及び取引条件の決定方針等
(1)食材の販売について
食材売上につきましては、市場価格、総原価等を勘案して交渉の上決定しております。
(2)不動産の賃貸について
賃貸料につきましては、市場価格を勘案して交渉の上決定しております。
(3)食材の仕入について
食材仕入につきましては、市場価格、総原価等を勘案して交渉の上決定しております。
第29期事業年度(自令和4年4月1日 至令和5年3月31日)
会社等の 名称 | 住所 | 資本金 (千円) | 事業の内容又は職業 | 議決権等の所有(被所有)割合(%) | 関係内容 | 取引の内容 | 取引 金額 (千円) | 科目 | 期末 残高 (千円) | |
役員の 兼任等 | 事業上 の関係 | |||||||||
BMC㈱ | 福岡県 田川郡 | 1,000 | 飲食業 | - | - | 加盟店契約の締結 不動産賃貸契約の締結 | 食材の販売 不動産の賃貸
固定資産の譲渡 | 33,807
184,000 | 売掛金(注1) | 2,869 |
㈱Zing's | 福岡県 北九州市 | 5,000 | デザイン業 | - | - | 加盟店契約の締結 不動産賃貸契約の締結 食材の仕入 | 食材の販売 不動産の賃貸
食材の仕入 | 23,197
38,372 | 売掛金(注1) 預り金(注1)
買掛金 | 2,527 1,053
2,849 |
上記の金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておらず、期末残高には消費税等が含まれております。
(注)1. 売掛金については食材売上高及び家賃等、預り金については店舗売上金が、それぞれ含まれております。
2. 取引条件及び取引条件の決定方針等
(1)食材の販売について
食材売上につきましては、市場価格、総原価等を勘案して交渉の上決定しております。
(2)不動産の賃貸について
賃貸料につきましては、市場価格を勘案して交渉の上決定しております。
(3)食材の仕入について
食材仕入につきましては、市場価格、総原価等を勘案して交渉の上決定しております。
(4)固定資産の譲渡について
固定資産の譲渡につきましては、不動産鑑定評価に基づき当社の算定した対価を勘案して
交渉の上決定しております。
(8)当社の商標権について
当社の商標「筑豊ラーメン山小屋」(商標登録第5648939号平成26年2月14日登録)「ばさらか」(商標登録第
5785803号平成27年8月14日登録)に関しまして、その用語の一部が一般的に使用される普通名詞であることから、今後類似商標の出現及び無断使用等、商標権を侵害される可能性がありますが、かかる事態が生じた場合は速やかに排除勧告、差止請求等法的措置により知的財産としての社有資産保護を行っていく所存です。
(9)減損会計による損失の発生の可能性について
当社は、店舗及び生産設備などの資産を保有しており、すべての資産について精査をした結果、土地の継続的な時価の下落、賃貸借契約満了により閉店が確定した店舗、店舗における営業収益の低下等による減損損失を計上しております。
また、今後においても時価の低下、当該資産の収益性の低下により投資回収が見込めなくなった場合には一定の条件の下、回収可能性を反映させ帳簿価額を減額し損失が発生する可能性があります。
(10)継続企業の前提に関する重要事象等について
当事業年度におきましては、継続的な営業損失を計上し、併せて長期借入金の返済に対する返済条件の緩和(支払い余力に応じたプロラタ返済)による新たな資金調達の困難性が継続しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状態が存在していると認識しております。
一方、(4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローに記載のとおり、当事業年度の営業活動による営業キャッシュ・フローは62百万円の資金を獲得しており、第27期(令和3年3月期)から3期連続でプラスとなっております。
さらに、新型コロナウィルス感染症法上の位置付けも5類感染症へと変更されました。これに伴い、今後の対応も、外出自粛などを含めた行動制限もなくなり、外食事業における更なる明るい兆しが見受けられることとなりました。
以上を踏まえ、現在生じている営業損失及び新たな資金調達の困難性の事象又は状況の解消に関して以下の取組みを行う事で、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況の解消を目指してまいります。
①継続的な営業損失の解消
当事業年度の財務指標関係においては、引き続き、営業損失を計上している状況ではありますが、直近3期にお行きましては、減少傾向にあります。また、営業活動に重大な影響をもたらした新型コロナウィルス感染症の影響もほぼ解消した状況となりました。
当事業年度の営業損失に大きなインパクトを与えたものとして、直営店2店舗(立川店、中洲店で共に筑豊ホルモン香春業態)及び衛生事業が挙げられ、その影響額は29百万円となっております。
来期は、これら不採算店2店舗の閉店及び衛生事業からの撤退を行う事により、営業損益の収支均衡を図れるものと考えております。
さらに、外部支援の活用も含めたスーパーバイジング力の強化及び少人数オペレーションで運用可能なFCパッケージを構築し、エリアフランチャイジーの契約を獲得することで、短期間における多店舗FC展開を図ることで、営業利益計上の実現は可能と考えております。これらの取組みにより、更なる事業の拡大を目指してまいります。
②新たな資金調達の困難性の解消
当事業年度の当社のキャッシュ・フローは、営業及び投資共にプラスとなっており、財務のみマイナスとなっております。これは、金融機関からの新たな資金調達が現在できない状況の中、返済のみ行っているためです。
現状、当社の足元では財務キャッシュ・フローのみがマイナスであることから、一定の資金が確保できれば、現在の借入金を返済することにより、キャッシュ・フローは安定する状況にあります。そのため、早期に現在の借入金を全額返済することで、現状の返済条件の緩和先である状況から正常先へとなることで、現在協議を開始しております新規金融機関との取引を含めた新たなバンクフォーメーションの構築を実現することで弾力的な設備投資及びM&A資金の調達を可能といたします。
また、借入金完済後のネットキャッシュは概ね130百万円程度となりますが、保有中の上場株式の一部資金化を含め、200百万円程度の確保は可能であり、現状の運転資金としては十分賄える状況にあります。
以上の取組みにより、営業損失の解消並びに金融機関取引の正常化に伴い、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況の解消は十分解消可能と判断しており継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、「継続企業の前提に関する注記」の記載はしておりません。
今後におきましても、役員及び従業員全員が全社一丸となって企業価値の向上、収益性の向上に努めると同時に、引き続き採算性を重視した経営方針による利益体質の改善を図ってまいります。
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