企業兼大株主レンゴー東証プライム:3941】「パルプ・紙 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社中央研究所において、製紙、段ボール、紙器、軟包装および機能材の各事業とその周辺領域に研究開発の中心を置き、地球環境に配慮した独創的で付加価値の高い新商品と新技術の開発を進めている。また、当社パッケージング部門技術開発本部および包装システム開発推進本部において、紙器機械の開発・改良を進めている。さらに、情報システム本部において、新規の情報技術の開発を進めている。

 サン・トックス株式会社では軟包装関連事業において、顧客と連携しながら環境に配慮した食品包装用フィルムの新製品開発および品質改良を行っている。

 日本マタイ株式会社では国内の重包装関連事業において、江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司では海外の軟包装関連事業において、それぞれ安全・環境への配慮と市場の要求に沿って、新製品の開発および品質改良を行っている。

 当社グループでの研究開発費の総額は2,175百万円である。

(1) 板紙・紙加工関連事業

 当社において、CO2排出量削減に向けた段ボール貼合技術および接着剤の開発、白板紙の品質向上技術の開発、ならびにデジタル印刷の周辺技術の開発を進めている。また、生産工程における省人化と生産性向上を目指しDX化の研究を行っている
 さらに当社で使用する紙器機械について、他社にない独自の機械装置・システムの開発を通じて、品質・生産性向上、省力・省エネ、作業環境の改善等に取り組んでいる。当連結会計年度において注力したのは、品質・生産性向上設備としては、全面全数検査装置付き平盤ダイカッタラインの開発で、三田工場に据え付け運用を開始し、さらに同設備を東京工場に2ライン新設した。検査装置としては、印刷情報・罫線情報など検査に必要な情報が入ったPDFファイルと連携できる検査装置の機能拡充や、以前から運用している印刷検査装置の検査精度の向上である。管理装置としては、開発した次世代コルゲータ管理装置のRYCC-DXの水平展開・機能拡充を行った。また、松山工場(愛媛県松山市)の移転先として、愛媛東温工場(愛媛県東温市)を新たに建設、太陽光発電設備およびLNGサテライト設備などを導入し、環境目標「エコチャレンジ2030」に掲げるCO2排出量削減に取り組むとともに、デジタル技術の活用により生産性の向上を図った。

加えて、2022年度より、物流課題対応として製紙工場の物流部門を支援する取組みを継続している。2023年度においては、板紙製品の在庫配置を適正化するためのシステム開発を実施した。

また、生成AIなどの先端技術導入と同時に、既存システムの老朽化を見据え、次期システム基盤へ移行するための事前調査・開発も並行して進めている
 当事業にかかる研究開発費は1,084百万円である。

(2) 軟包装関連事業

当社において、「2R(リデュース、リサイクル)+リニューアブル」を基本とするプラスチックの資源循環に向けた取組みとして、モノマテリアル包材の開発やマテリアルリサイクル技術の開発をグループ会社と連携して進めている。また、海洋プラスチック問題に対応するため、当社で生産しているセロファンや紙と生分解性樹脂などを組み合わせた生分解性と高バイオマス度を有するパッケージシリーズ「REBIOS®(レビオス)」を開発・上市し、拡販に向けてラインアップ拡充や機能性向上に取り組んでいる。なお、セロファン製造の際に発生するトリム屑など端材の再原料化技術の開発も進めている

 サン・トックス株式会社において、主に食品包装に使用される二軸延伸ポリプロピレンフィルム製品ならびに無延伸ポリオレフィンフィルム製品の開発を行っている。サーキュラーエコノミー達成のため、化石原料由来プラスチック削減や温室効果ガス排出低減に向けてバイオマス原料を使用したバイオマスフィルム製品を開発し、市場投入している。顧客やグループ内連携を密にして更なる新規アイテムを継続的に開発している

 当事業にかかる研究開発費は277百万円である。

(3) 重包装関連事業

 日本マタイ株式会社において、機能性フィルム、樹脂加工製品、ラミネート製品および重包装製品の開発を行っている。

 機能性フィルム・樹脂加工製品においては、既存製品にコーティング技術で機能を付与した製品開発として、「塗装代替フィルム」「自動車フロントガラス用保護フィルム」等を進め、自動車市場を中心とした装飾・加飾分野での製品展開を図っている。そして、機能付与を目的としてコンパウンドマシンも導入し、独自性機能製品の開発を強化している。

ラミネート製品においては、生分解性プラスチック、バイオマス由来のプラスチック案件に加え、モノマテリアル、リサイクルを意識した軽包装製品および紙製品の開発、製品展開を進めている

 当事業にかかる研究開発費は447百万円である。

(4) 海外関連事業

 江蘇中金瑪泰医薬包装有限公司において、主力事業である医薬品向けPTP包装用アルミ箔の水性インキ実用化に向けた生産工程の研究が成功し、上市段階に入った。

また、海外輸入原材料から中国製原材料に切替えを促進するための研究及び製薬メーカー各社から要望される医療医薬用包装材料の課題に対しての研究開発も成功し上市に入った。その他大学とも連携し、ハイバリアコーティング品や易開封性アルミ箔の上市に向けた試験研究を進めている

 当事業にかかる研究開発費は34百万円である。

(5) その他の事業

 当社において、木材の主成分であるセルロースを素材とする球状粒子「ビスコパール®」、カラシ・ワサビ成分を用いた天然系抗菌防カビ剤「ワサヴェール」、パルプ繊維内部でゼオライトを高密度に結晶化させた高機能繊維「セルガイア」など、これまでに開発してきた環境と機能を両立した素材を応用した商品開発に取り組んでいる。「ビスコパール®」はセロファンとともに海洋生分解性の国際認証「OK biodegradable MARINE」を取得し、海洋プラスチック問題に貢献するマイクロプラスチックビーズ代替素材として注目されている。さらなる用途拡大を図るべく、研究開発を進め小粒径の「ビスコパール®」の製造技術を開発し、2022年度に年間120tを生産するプラント設備を環境省補助事業として導入し、順調に稼働している。また、当社が有するセロファン製造技術を応用した木材パルプ由来の機能性素材であるセルロースナノファイバー「RCNF®」の事業化を目指し、製造実証、製品ラインアップの拡充、用途開発を進めサンプルワークを行っている。その他、木質バイオマスを用いたバイオエタノール製造技術の開発を進めている。

 さらに、2024年問題への対応のため、物流業界では搬送物の多様化が進んでいる。ポストイン化もその一つで、段ボールでの搬送だけでなくフィルムや封筒での出荷輸送が顕著化してきた。これを受け片段で製品をサンドイッチした形態のレンクッションパックを開発した。エアークッションフィルムやラミネート材を塗布されたものでなくコールドグルーとエコプレスバインダーを用いて封函することにより環境面も考慮した優しい包装となっている。比較的小物に適応した包装形態として提案を開始している

 また、サイズ別運賃にも対応可能な高さ可変ランダム封函機を日本で初めて国産開発した。これまでは、長巾寸法固定の高さ可変封函機を海外から輸入し国内展開していたが、本機は複数のケースサイズに対応できる高さ可変機となっている。内容品高さに対して罫線入れやケースカット機構をオリジナル開発し、生産拠点での問題点をできる限り解消する仕様とした。既に複数社からオファーがあり近々に納入を開始していく

 当事業にかかる研究開発費は331百万円である。

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