企業兼大株主ヨロズ東証プライム:7294】「輸送用機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)経営環境、経営方針、対処すべき課題、経営戦略

 新型コロナウイルス感染症の収束への動きや、中国におけるゼロコロナ政策の転換など全体として世界経済には明るい兆しがあるものの、世界的なインフレとその抑制のための金融引き締めや、地政学リスクなどによる混乱は、世界経済のコロナ禍からの回復に大きなリスクを与え続けています。

 自動車産業においては、エネルギー価格の上昇等、資源・原材料価格は高止まっており、自動車生産の阻害要因となっていた半導体の供給不足についても完全な解消には、依然として不透明感が漂っています。

 また、世界規模で気候変動の影響が深刻化するなかで各国の環境規制強化が進み、それに伴い自動車もカーボンニュートラルに向けてEV化へ大きくシフトしていくと思われます。

 このように当社を取り巻く事業環境は、世界経済、市場動向等あらゆる面で変化が常態化し、変化のスピードも加速しています。

 当社グループは、2021年度にスタートした中期経営計画『Yorozu Sustainability Plan 2023 (YSP2023)』(計画年度:2021~2023 年度)に沿って、このような予測困難な時代に対応し生き残るための変革を推し進めています。最終年度となる今年度は、昨年度から進める「電動化時代に確固たる存在感を示す成長戦略を構築する」ために独自に定義した「5G*」を加速して諸課題に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

*「5G」


YSP2023で取り組んでいる諸課題に対し、特に今後「5G」で強化していく分野の取り組みについては以下のとおりです。

 

■成長に向けた新技術・新工法と拡販 

私たちは、自動車のサスペンション部品を通じて、社会やお客様に貢献するLCA(ライフサイクルアセスメント)のCO2排出量削減技術の確立に向け、製品軽量化および材料置換による材料製造時のCO2排出量削減に取り組んでまいりました。電動車向けの新製品の投入は最優先の課題であり、将来の成長のために3つの方向性に向かって引き続き取り組んでいます。

①CO2排出量削減に寄与する鉄製品の提案強化

2022年度には新プレス構造アームと材料置換アームの2つで、当社の特許技術を活用した新製品を日産自動車㈱、トヨタ自動車㈱の新しい電動車へ採用していただきました。

この技術は、2023年度以降も他の新車で採用されるよう活動してまいります。

②超ハイテン材(980MPa)製品化での軽量化貢献

超ハイテン材を使用し板厚を薄くするプレス成形および溶接技術の開発に長年取り組んできた結果、製品化することができ、2023年度に市場投入することが決まりました。

今後、当社の生産拠点で保有する超ハイテン材に対応できる高性能大型プレス機を活用し、さらなる市場拡大を目指してまいります。

③EVに求められる静粛性向上への対応

自動車のEV化に伴い、従来の車(内燃機関車)とは比にならない静粛性が求められています。私たちはそういったEV車両特有の性能の向上も視野に音振性能等の要素技術開発に取り組んでまいります。


 

■拡販に向けた東海地区新拠点の立ち上げ

東海地区新拠点は、2022年11月に着工し、2023年度中の稼働開始を目指し準備を進めています。ここで使用する電力は全て自社内に設置する太陽光発電を含むグリーン電力により賄い、さらには塗装ボイラーの熱源も含めて、CO2排出量"ゼロ"を実現します。

また、地域と一体となりカーボンニュートラルや自然災害が発生した際の対応などさまざまな課題へ取り組み、積極的に地域との共生を進めてまいります。

こういった環境への対応や地域との取り組みを企業の競争力として訴求し、またご評価いただくことで、お客様が計画する多くのEVへ製品を供給する、拡販の中心拠点として位置付けてまいります。


 

■成長の基盤としてのESG経営の推進

私たちは豊かで持続的な社会の形成に貢献するため、ESG経営を経営の軸として積極的に取り組んでまいりました。社会課題の解決に取り組むことは企業の責任であり将来の成長の基盤だと考えております。引き続き、真摯に着実に取り組んでまいります。

①E:環境

2022年に新たに設置したカーボンニュートラル推進室を中心に取り組みを加速し、2022年度までに国内4事業所(ヨロズ大分、本社、庄内ヨロズ、ヨロズエンジニアリング)の消費電力を100%グリーン電力へ切り替えました。

本社の切り替えに際しては9月に『かながわ再エネ電力利用事業者』の認定をいただきました。これにより国内では△48%のCO2排出量削減を達成しました。

海外拠点を含めて、自社使用におけるCO2排出量削減計画の促進を図るとともに、国内では取引先と協同でのCO2排出量削減取り組みに着手しました。

引き続き、全社を挙げて環境問題に取り組んでまいります。

②S:社会

働き方改革から働きがい改革への取り組みを推進しております。私たちが目指す働きがいとは、この会社でずっと働きたい、この会社にいられて良かったと一人一人に感じてもらうことです。そのような職場づくりに引き続き取り組むとともに、当社のグローバルでの成長を支える全従業員の人財育成を進めてまいります。

健康経営の取り組みに対しては、社会からの評価もいただき以下の認定を取得しています。

・2021年11月 『プラチナえるぼし』 全国の製造業初、神奈川県初

女性活躍推進法に基づき活躍推進の状況などが優良な企業へ認定されるもので、現在も継続しております。

・2023年3月 『健康経営優良法人2023(大規模法人部門)』

健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する取り組みが優良であると認められるもので、2021年から3年連続で認定されました。

2023年度には、次世代育成支援対策推進法に基づき、子育てサポート企業として厚生労働大臣に認定される「くるみん」取得を目指し、一般事業主計画の策定と目標達成に向けたさまざまな取り組みを進めてまいります。

③G:ガバナンス

今後も透明性のある高いガバナンス水準を維持し持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。また、取締役会の実効性評価の分析・評価の独立性・客観性をより高める観点から、2022年度の取締役会の実効性について、第三者機関による評価を実施しました。今後課題を抽出し、改善策を検討・実行してまいります。

 ■株主還元方針

 目標配当性向を35%以上としつつ、安定的・持続的な配当を目指すとともに、引き続き業績や配当の水準も勘案し安定した配当を決定します。

 なお、東証からの『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』の要請については、当社から発信する資料などにおいて、現状評価や方針・目標などを順次開示してまいります。

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