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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 企業理念・経営方針

当社グループは、「WinWinの関係が築ける商売を展開し、商売を心から楽しむ主体者集団で在り続ける」という企業理念のもと、多様化する消費行動や賢い消費を求める消費者に対し、その人にとって最適な消費の選択肢を提供すべく、ネット型リユース事業、メディア事業、モバイル通信事業という3つの事業を展開しております。大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会の在り方やライフスタイルが見直されている中、当社グループはこれらの事業を通じて、昨今の世界的な潮流であるSDGsの実現に向けた経済活動であるサーキュラーエコノミー(循環型経済)の発展の一翼を担うべく、「持続可能な社会を実現する最適化商社」を目指し、企業価値の最大化に取り組んでまいります。

(2) 経営環境

 当連結会計年度(2022年7月1日~2023年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限が緩和され、経済活動の持ち直す動きが見られました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源価格高騰や世界的な金融政策引き締めに端を発する円安進行と物価上昇等により、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。

 個人消費につきましては、急激な物価高を背景に、従前にも増して節約や低価格志向が根強くなりながらもその動向は必ずしも節約・低価格の一辺倒なものではなく、個人の価値観や嗜好性に応じたメリハリのある消費スタイルが浸透し、特にインターネットを介した消費行動においてその傾向は顕著であります。

 なお、本書提出日現在における当社の経営環境に対する認識をセグメントごとに示すと、以下のとおりとなります。

・ネット型リユース事業(販売店舗を有しない、インターネットに特化したリユース品の買取及び販売)

 ネットオークションやフリマアプリ等の普及に伴い、消費者にとってはリユース品を売買しやすい環境が年々広がっております。当該業界専門誌(『中古市場データブック2022』リサイクル通信)によると、2021年におけるリユース市場規模は約2.6兆円とされ、2022年には3.0兆円、2025年には3.5兆円の規模に成長すると見込まれております。また、「2021年版 日本の家庭に眠る“かくれ資産”調査」(出典:メルカリ・ニッセイ基礎研究所、調査時期:2021年11月)によれば、2021年時点での一般家庭に眠る不要品(1年以上利用していない商品)は、約44兆円の規模にのぼるとされています。これらに加え、わが国における高齢化・人口減少という人口動態を背景に、これまでは「潜在ニーズ」として存在していた特に高齢者が保有する物品を中心に、処分・売却ニーズが徐々に顕在化するものと認識しております。

 これらの事業環境を背景に、個人向けリユース商材、マシナリー(農機具)商材ともに、より広範な買取依頼の獲得及び、人員・設備を拡充し買取能力の増強を行い、潜在的な買取ニーズを掘り起すことで、当該事業の拡大を図りたいと考えております。

・メディア事業(「賢い消費」に資する有益な情報を提供するインターネットメディアの運営)

 コロナ禍に伴う一時的な巣ごもり消費は一巡したものの、withコロナの生活が浸透し始めたことから、インターネット関連のサービスをはじめ、新たな生活スタイルに対応する商品・サービスが登場しております。この環境を踏まえ、当該商品・サービスの利用につながるコンテンツを拡充し、送客力を強化することで、従来の主力であった通信系メディアに加え、新たな分野における収益源を構築することが可能であると見込んでおります。

・モバイル通信事業(通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスの販売)

テレワーク導入企業の増加や巣ごもり消費の拡大を背景とした家庭内の通信環境の整備ニーズは一服したものの、新たな高速通信規格である5Gへの乗り換えや新生活に伴う通信環境整備ニーズは安定的に存在するものと考えております。当該市場環境を背景に、当社グループが展開するサービスの特徴であるシンプルかつ分かりやすい料金プランを前面に打ち出し、加えて集客基盤を拡充することで、当該ニーズの安定的な取り込みが可能であると見込んでおります。

 今後も、それぞれの事業の強みを伸ばしながらも、経営基盤の拡充を図りつつ、更なる業容の拡大を目指してまいります。

(3) 目標とする経営指標

 当社グループは、ネット型リユース、メディア、モバイル通信の3つの事業セグメントで事業を展開しておりますが、特に基幹事業であり拡大期にあるネット型リユース事業は、引き続き積極的な投資を行いつつ業容を拡大させることを主眼に置いており、中期的な業容拡大に向けて人員、設備等へ積極的な投資を行う予定であります。そのため、現段階においては売上高を重要な経営指標として位置付け、売上高の伸長による利益額の増大を重視し事業を推進しております。

(4) 経営戦略及び対処すべき課題

 当社グループは、2023年8月14日に2023 年6月期決算の実績と最近の業績動向を踏まえ、ローリング方式による新たな3ヵ年中期経営計画を策定し公表しております。当該計画におきましては、2024年6月期に売上高200億円、営業利益8億円の達成を目標に掲げており、主として当社グループの基幹事業であるネット型リユース事業において個人向けリユース分野における投資を拡大(南大阪・広島リユースセンターの新規開設、東京コンタクトセンターの機能拡充、出張バイヤーの増員等)することにより、拡大を続けるリユース市場での当社のプレゼンス確立を図ることとしております。

2024年6月期においても計画に沿った成長を遂げるべく、以下の課題に真摯に向き合い、ビジョンに掲げる「持続可能な社会を実現する最適化商社」の実現に向けて企業価値の最大化に取り組んでまいります。

  ① ネット型リユース事業の再拡大

 当社グループの企業価値向上に向けては、基幹事業であるネット型リユース事業の再拡大がその基礎的な条件であると認識しております。そのために、商材ごとに以下の点に注力し、収益性の向上に努めてまいります。

  ・個人向けリユース商材

 当期におきましては、ネット型リユース事業の再拡大に向け、既存の買取サービス(顕在ニーズへの対応)に加え、当社の強みである出張買取において潜在的なニーズへのアプローチの強化に努めました。今後については、当該サービスを収益の柱として成長させるべく、広告宣伝の積極化、出張買取人員の質・量双方の向上、事業拠点や車両等の設備の増強、取扱商材の拡大によって、買取総量を増加させてまいります。加えて、新たな販路の開拓を推進することで在庫回転率の維持及び在庫リスクを低減させつつ、売上の拡大に努めてまいります。

  ・マシナリー(農機具)商材

当社グループでは、2017年より戦略的商材としてマシナリー商材の取扱い拡充を図ってまいりました。直近ではその取り組みが奏功し、当該商材の取扱量は大幅な成長を遂げており、特に日本製中古農機具の海外への輸出がその成長を牽引しております。一時は、新型コロナウイルス感染症拡大に起因する世界的な海運コンテナの需給逼迫により一部輸出国への出荷が遅延するなど、海運市場の不安定な影響がありましたが、その後、国内の買取・販売チャネルに強みを持つ株式会社ファーマリーの中古農機具買取・販売事業を2022年4月に買収するなど、既存と新規の買取・販売チャネル双方を有機的に活用し、安定的な取扱量の拡大に努め、当第4四半期においては、一定の成果を収めるに至りました。

  ② メディア事業

  ・インターネットメディアの更なる収益性の向上

メディア事業では、「賢い消費」を求める消費者に対して、その消費行動に資する有益な情報を8つのインターネットメディアで提供しています。引き続き有益なコンテンツ提供やユーザビリティ向上に努めるとともに、これまでに培った自社のWebマーケティング技術を駆使し集客力の向上を図り、加えて新たな送客先を開拓することで、収益性の向上に努めてまいります。

  ③ モバイル通信事業

  ・新規回線契約の獲得強化と解約率の抑止

モバイル通信事業では、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開し、モバイルデータ通信のサービスを提供しております。当期においては、引き続き新たな通信規格である5Gの新規回線の契約獲得に向けて積極的なWebマーケティングによる集客強化を実施いたしました。今後におきましては、引き続き新規回線契約の獲得を強化しつつ、ユーザーのニーズにマッチしたオプションメニューの拡充や新たな料金プランの開発により解約率を低減し、中長期的なストック収益基盤拡充に努めてまいります。

  ④ 当社グループ全般

  ・優秀な人材の確保・育成と組織体制の強化

今後のさらなる事業拡大を目指すために、優秀な人材の確保及び育成が必要不可欠であると認識しております。教育研修体制の整備や社内コミュニケーションの活性化、福利厚生の充実等によって人材の定着と能力の底上げを行うとともに、積極的な採用活動を通じて、当社グループの企業理念・風土に合致した優秀な人材の確保を進めてまいります。また、業容の拡大に応じた適切な権限委譲と事業執行状況の管理監督による組織体制の強化及び最適な人員配置を実施してまいります。

  ・経営管理体制の強化

 既存事業に加え、新規事業やサービスの展開が加速し、多角期を迎える当社グループにおきましては、経営の公正性・透明性・継続性を確保するための更なる管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。特に昨今におきましては、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源価格高騰や世界的な金融政策引き締めに端を発する円安進行と物価上昇等により社会環境が不安定・不透明な状況となっておりますが、その状況下においても着実に事業を継続するため、お客様・従業員の安全確保施策の強化はもとより、引き続き各種業務のデジタルシフトを積極的に推進してまいります。加えて、改訂コーポレートガバナンス・コードへの適合状況の確認や内部統制に資する業務プロセスの整備・運用、必要に応じた是正活動を定常的に行うことで、より透明性が高く健全な経営管理体制を構築してまいります。

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