企業兼大株主フリービット東証プライム:3843】「情報・通信業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 事業の状況において使用する名称の正式名称及びその説明は、下記のとおりであります。

使用名称

正式名称

説  明

5G

5th Generation

第5世代移動通信システムの略称で、次世代通信規格の1つ

web3

web3(Web 3.0)

巨大プラットフォーマーを介さずに、ユーザー同士で直接データやコンテンツ等のやり取りができる分散型の次世代インターネットの概念

DX

Digital Transformation

データとデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデル等を変革すること

AI

Artificial Intelligence

計算機(コンピュータ)を用いて、人間の知的行動を研究または行わせる技術

クラウド

Cloud Computing

ソフトウェア等をネットワーク越しに利用者に提供する仕組みやそのデータが蓄積・運用されているデータセンターやサーバー群の総称

MVNE

Mobile Virtual Network Enabler

MVNOの支援事業者

MVNO

Mobile Virtual Network Operator

仮想移動体通信事業者

メタバース

Metaverse

インターネットを介して利用する仮想空間

NFT

Non-Fungible Token

デジタルコンテンツが本物か否か、制作者は誰か、所有権は誰かといったことを明確にできる技術

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

「Being The NET Frontier!(Internetをひろげ、社会に貢献する)」という企業理念に基づき、インターネットに関わるコアテクノロジーの開発、大規模システムの運用といった技術力の蓄積を強みとして、主に法人向け、個人向けにインターネット関連サービスを提供しています。

(2)経営戦略等

2021年から2030年の10ヵ年計画を視野に入れた企業経営を推進しており、それに沿って、現在、2024年4月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画『SiLK VISION 2024』の遂行を見据えた事業展開を行っています。

 この『SiLK VISION 2024』では、「5G/web3時代のPlatform Maker」としてExponential Technology“指数関数的に成長する技術”による事業の拡大を目指しており、持続可能な社会の実現に貢献しつつ、当社グループが世界的な成長領域と考える、モバイル革命領域、生活革命領域、生産革命領域にフォーカスをあてて経営資源を集中的に投下することで、2024年4月期での売上高500億円、営業利益50億円の達成に向けて邁進しています。

 また、2022年11月1日付で当社の完全子会社となった株式会社フルスピード(以下、フルスピード)とのPMI(完全子会社化後の統合プロセス)につきましては、現在、グループ全体のより一層の事業のDX化・データ連携の強化を促進しつつ、フルスピードのビジネスモデルの再設計、人材リソースの最適化、バックオフィス機能の効率的集約化等を図っています。

 そして、2023年3月31日に「アルプスアルパイン株式会社との資本業務提携、第三者割当による自己株式の処分及び主要株主の異動に関するお知らせ」で公表しましたアルプスアルパイン株式会社(以下、アルプスアルパイン)との資本業務提携につきましては、アルプスアルパインを5G/web3/AI技術に対応するためのパートナーとして、より一層の協業体制の構築を推し進めていきます。

 なお、当社グループが展開している5G/web3時代の新たな住まいや暮らし方を提案するコミュニティタウン「LIVING TOWN みなとみらい」において、アルプスアルパインの提供するパブリック/ローカル5G向け「5G通信 デバイス評価キット」等を活用した垂直統合型の共同実証実験を開始するなど、既に5G Homestyle分野での技術連携を開始しています。

(3)経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境におきましては、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の制限緩和を背景に、緩やかに持ち直しの動きはみられるものの、世界情勢に対する様々な懸念等から資源エネルギーの高騰や物価の上昇、また金利や為替の変動に伴う影響が継続しており、先行き不透明な状況が続いています。

 そのような環境の中、当社グループが事業を行う情報通信市場では、テレワークの常態化やクラウド利用の拡大、自宅でのネット動画・ゲームをはじめとしたリッチコンテンツ、SNSの利用増加等によるインターネットサービスへのニーズの高まりに加え、モバイル回線網を介したインターネットサービスの利用者も増加し、通信トラフィックの上昇を主要因とした通信の品質や速度の向上、サイバーセキュリティへの対応が課題となっています。

 一方、集合住宅向けインターネットサービス市場においては、新築物件へのインターネット設備の標準化が進んでおり、また、既存物件においても入居者の多様化するニーズやライフスタイルに合わせて、高速で安定したインターネット回線への切替え需要が高まっていることから、今後も堅調に推移すると見込まれています。

 インターネットマーケティング市場においては、新型コロナウイルス感染症の拡大を起因としたサービス需要の停滞から回復基調にはあるものの、個人情報保護を意識したサービス提供環境への変化や新たなサービス分野の出現、事業参入者の増加に伴う競争の激化など厳しい状況が続いています。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和され、経済活動、社会活動の回復・改善が期待される一方で、世界的なインフレの進行や急激な円安、国際的な対立や紛争の影響によるエネルギーの供給不足や原材料の高騰など、未だに不透明な状況が継続しております。そのような中、インターネットはあらゆる産業及び局面において、改めて重要なインフラであることが再認識されており、5Gのサービスの普及やweb3、AIといった技術の普及など、大きな構造の変化も進んでおります。MVNE・MVNOサービスについても個人・法人向けの一般的なデータ通信サービスに限らず多様な利用方法が増えてきました。これらの事業環境は通信事業者の収益獲得のための活動をさらに活発にさせると同時に通信事業者の競争の激化を促進しております。

 こうした状況下において、当社は最新技術へのキャッチアップとそれらを利用したビジネスモデルのセットアップを行うことを目標とした中期経営計画『SiLK VISION 2024』を遂行しており、事業の拡大を目指し、持続可能な社会の実現に貢献しつつ、成長領域に経営資源を集中的に投下することを推進しております。

(インターネット接続サービスにおける市場環境への対応)

 スマートフォンやタブレット端末などの高機能モバイル通信機器の普及によるモバイル通信環境における著しい利便性の向上により、インターネットへの接続がこれまでの固定回線によるものからモバイルデータ通信へと加速度的にシフトしております。ブロードバンドの固定回線は一定の普及により増加率は鈍化している一方で、モバイル通信事業者によるサービスの多様化や、事業者間の競争は激化しております。また、5G StandAlone(LTEとの併用ではない5G単独の通信規格)方式の普及が始まっており、これまでの「超高速・大容量」に加えて「超低遅延」「多数同時接続」といった特徴を備えることにより、仮想的にネットワークを分割する「ネットワークスライシング」が実現し、多種類のネットワークの安定的な運用により、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)をはじめとした様々な技術分野において急速な発展を促すことが見込まれております。しかしながら、5G StandAloneの提供のためには、ネットワーク設備側の更新の他、端末の対応も必要となっており、MNOキャリアとの技術的な調整や端末製造における投資が課題となっております。

 当社グループでは、このような環境の変化を機敏に捉え、ユーザーのニーズを見据えた新たなサービスを開発し、いち早く提供を行うなど、必要と考えられる施策を推進しておりますが、今後も5G、6Gといったモバイル通信網の技術革新により、インターネット接続サービスの市場環境は影響を受ける可能性があるため、これらの変化を見据えた事業開発を行うとともに、市場環境の変化にスピーディに対応するためにこれまでの実績や経験に裏付けされた安定したサービスの開発及び適切な戦略投資が重要であると認識しております。

(インターネットマーケティング事業におけるテクノロジーによる差別化)

 インターネットマーケティング市場は、景気の変動に比例して広告支出量が変化するため、市場の変化や景気の影響を受けやすい特徴があります。今後も景気の見通しが不透明な中、インターネットマーケティング事業を行うフルスピードは、この影響を受けにくい事業構造へ転換し、市場における国内外の経済動向や景気変動に大きく影響を受ける広告代理店事業中心の事業から、安定的に顧客に対してテクノロジーによる差別化を図った商品を提供するように努めてまいりました。しかしながら、事業参入者の増加に伴う競争の激化に加え、サードパーティCookie規制など、市場自体が過渡期にあるものと捉えています。そのため、今後も持続的な成長を遂げていくには新たな事業を展開する必要があり、ひいては将来の成長を見据えた先行投資が不可欠であると認識しています。このような状況から、同社が上場企業として利益を創出しつつ、中長期的な成長への投資を実行していくことは困難であるとの見解に至り、当社は2022年11月に同社を完全子会社とし、グループ全体のより一層の事業のDX化・データ連携の強化を促進するとともに、同社のビジネスモデルの再設計、人材リソースの最適化、バックオフィス機能の効率的集約化等を図っていくことで、特徴あるサービスの持続的な提供を目指してまいります。

(IoT/AI市場への対応)

 インターネットの普及により、通信分野では機器と機器がデータをやりとりするIoTが急激に拡大しています。また、生成AIの普及・拡大に見られるように、AI関連技術は急速に発達しており、通信とAI関連技術が連携することにより、日々新たなビジネス手法が生まれています。

 当社グループでは、これらの新たな市場において重要な役割を担うべく、グループ内で保有する技術やデータを有機的に管理するように推進し、国内外を問わず多くのパートナー企業との連携を充実させるように努めております。今後、積極的に当社グループの技術・サービスを多くの顧客に提供すべく、新技術に関する営業力の強化、継続的な技術開発による最先端のサービスの提供及び当社グループの技術を保護するための知財関連の強化等を推進してまいります。

(モバイル端末を中心としたモバイル通信網サービスの対応)

MVNE・MVNO事業は、無線通信インフラ(移動体回線網)を有する事業者から借り受けてサービスを提供することになるため、MNOの通信料金値下げはサービス原価の低減になると同時に、他社のMVNE・MVNO事業との差別化が一層困難になっています。また、本格的な5Gサービスの開始に伴い、MVNE・MVNO事業者はインフラの提供のみならず、そのインフラ上で提供できる顧客体験が求められるようになってきています。

 当社グループでは、長年のインターネット接続サービスの提供で培ってきたネットワーク技術やノウハウを活用し、また、グループ内の様々な付加価値サービスと組み合わせ、新しい仕組みやサービスを提供することにより差別化を図るとともに、安心・安全に利用できるモバイルサービスを提供することはもちろんのこと、継続的な技術開発に努めることにより、次世代のインターネットの在り方にあわせたソリューションの提供が必要であると認識しております。グループ内のコンシューマー向けMVNOサービスである「トーンモバイル」におけるユーザー協力型の実証実験をはじめとして、各社にてAIやセンサー等を活用した様々なサービスを提供しており、そこで得た顧客の意見をサービスに反映することで、サービス向上及び差別化の優れた循環を目指していきます。

(クラウドコンピューティング事業の展開)

 仮想化技術を利用したクラウドコンピューティングの市場は近年急速に広がっており、当社グループにおいても大規模仮想データセンターから個人利用目的のパーソナルサーバーまで、様々なサービスを提供しております。

 このようなお客様のデータを預かるサービスでは、安定的な運用を行うことにより、顧客との良好な関係維持に努めることが重要です。

 一方で、仮想化技術は高度な監視体制、効率的なシステムの冗長化と分散化、新しい技術の継続的な導入が必要な分野であり、人的体制も含めて、継続的な運用や開発体制の強化と改善が必要であると認識しております。

(関係会社管理の徹底及び社内管理体制と従業員教育の強化)

 当社グループでは、当社のみならず各連結子会社を通じて、インターネットインフラを中心として多岐にわたる事業を展開しており、各社にて新規人員の採用や教育を行っています。人員の交流も積極的に行っていますが、事業の拡大に伴い、さらにグループ全体の管理の徹底及び従業員教育の向上が必要であると認識しています。

 そのため、子会社の計数管理の徹底、統一的な監査の実施を通じて適切な子会社管理を行い、グループ内の内部通報制度の周知等を通じてコンプライアンス意識の向上に努めるとともに、企業理念や経営方針、統一的な教育プログラムをグループ各社で共有し浸透させることで、当社グループ社員の連帯意識の強化を図り、グループ会社間の枠に捉われない発展を促してまいります。

 また、内部統制の観点でも、金融商品取引法等に基づく財務報告の信頼性を確保するために必要な内部統制の整備や構築等を行ってまいりましたが、さらにグループを通じて、内部統制強化のための連携・改善等を継続的に行っていく必要があると認識しております。そのため、各グループ会社の監査役、内部監査室の連携を促進し、また継続的な従業員教育を通して、コーポレートガバナンスの充実及び法令遵守の徹底にグループ全社をあげて取り組んでおります。

(就業環境の整備について)

 新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、当社グループでは、デジタルアセットを最大限に活用した働き方を従業員一丸となって試行してきました。これにより、実行施策のノウハウとメリット・デメリットの分析が進んできたため、厳しい規制が緩和された後でも、社内会議やイベントのオンライン活用、在宅勤務の推進、AIやセンサーを駆使した従業員の健康管理等を継続して行っております。

 これらの施策の実行は、当社グループで働くことの魅力を向上させるとともに、通信事業者として社会経済活動の支えとなるようなサービスの提供が可能であることを示しております。今後もネットワークを活用した新たな事業形態の創出や、安定的なサービス提供を行う健全な企業体力の維持、従業員及び関係者の健康と安全を守るための新しい働き方の推進等について継続的に取り組むことで、持続可能な開発目標を掲げる社会への貢献を積極的に進めていくことが必要であると考えております。

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