ナイス 【東証スタンダード:8089】「卸売業」 へ投稿
企業概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) 経営方針
当社は、2021年5月に2024年3月期(2023年度)までの3カ年を計画期間とする中期経営計画を策定し、掲げた重点戦略に基づき事業活動を展開してまいりました。当該計画期間においては、ウッドショックをはじめ、ウクライナ情勢や資源エネルギー価格の高騰、急激な円安の進行などにより不確実性が高まり、当社の経営環境は大きく影響を受けました。そのような環境の下、当社は2023年3月期(2022年度)において、計画の最終年度の定量目標を前倒しで達成することができました。
このたび当社は、経営環境の変化を新たな企業価値創造の機会と捉え、2024年3月期(2023年度)を初年度とする新たな「中期経営計画2023」を策定いたしました。「樹とともに、人と暮らしをつなぎ、はぐくみ、彩りある未来をつくります」を社会的存在意義と定義し、地球温暖化対策として重要な役割を担う森林資源の循環利用に向け、当社のルーツであり、エコマテリアルである木材の利活用の推進等を通じて、経済価値のみならず、社会価値及び環境価値の向上と社会課題解決の一翼を担うべく、本計画に掲げた諸施策を確実に実行していくことで、持続的な成長及び更なる企業価値の向上を実現してまいります。
(2) 定量目標
| 中期経営計画 (2021年5月12日公表) 最終年度計画 2024年3月期 | 2023年3月期 実績 | 「中期経営計画2023」 (2023年5月12日公表) 最終年度計画 2026年3月期 |
売上高 | 2,300億円 | 2,363億円 | 2,800億円 |
営業利益 | 50億円 | 52億円 | 80億円 |
経常利益 | 45億円 | 49億円 | 75億円 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 35億円 | 37億円 | 50億円 |
自己資本比率 | 30% | 30.6% | 30%以上 |
D/Eレシオ ※1 | 1倍以下 | 0.97倍 | 1倍以下 |
ROE | 8% | 8.1% | 9%以上 |
ROIC ※2 | - | 4.9% | 5%以上 |
配当性向(連結) | - | 12.5% | 20%以上 |
本中期経営計画は、主要事業である建築資材事業における国産木材比率の上昇を見据えた強固なサプライチェーンの構築や住宅事業における免震マンションの供給拡大等により、本計画最終年度である2026年3月期は売上高2,800億円、営業利益80億円、経常利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益50億円を定量目標としております。
ROICについてはWACCを超える水準値である5%以上を目標としております。
※1 D/Eレシオ:(社債+借入金)/(株主資本+その他の包括利益累計額)
※2 ROIC:(営業利益―法人税等合計)/(社債+借入金+株主資本+その他の包括利益累計額)
(3) 成長牽引策
到達目標 | 成長牽引策 |
国産木材No.1 | ① 国産木材製品(製材品・集成材)取扱量No.1 ② 製材、プレカット事業の拡充〈設備投資〉 ③ 内外装木質化事業の推進〈素材開発〉 |
超・物流 | ① 首都圏物流機能再構築・CRE戦略の実行〈設備投資、物流DX〉 ② 受発注プラットフォームの構築〈DX〉 ③ エリア・機能の拡充〈M&A〉 ④ 施工機能の増強〈機能再編、M&A〉 |
エリアNo.1 | ① 「横浜」を基盤とする住宅ストックサービスの拡充と既存住宅流通の強化 ② 免震マンション供給No.1 ③ 中古住宅買取再販事業の拡充 ④ YOUテレビ株式会社を活用したシナジーの創出 |
到達目標 | 人的資本経営・環境経営 |
主体的な風土の確立 | ① エンゲージメントサーベイの導入及びエンゲージメントスコアの向上 ② サクセッションプラン策定・実践、タレントマネジメントの構築 ③ 健康経営優良法人「ホワイト500」の認定取得 |
社会的使命の達成 | ① サステナビリティ委員会の推進 ② 中央安全衛生委員会の推進 |
① Scope1・2のカーボンニュートラル達成 ② 社有林「ナイスの森」の保有面積及び植林面積の拡大による二酸化炭素吸収量の増大 |
基本方針
① 素材
我が国の潤沢な資源であり、地球温暖化対策として重要な役割を担う木材の取扱いを強化するほか、建築物の省エネ化・ゼロエネ化に資する商品やサービスの提供を推進し、温室効果ガスの排出削減に努めます。
② 暮らし
ストック型社会の形成に向け、耐震・健康・省エネに配慮した良質で長寿命な住まいづくりを推進し、「横浜」を基盤とする住宅ストックサービスの拡充と既存住宅流通に係る事業の比重を高めます。
③ 人
従業員の自主性・主体性の向上、更には、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進するとともに、「働きがい」と「働きやすさ」を高め従業員エンゲージメントの向上に努めます。
(4) 設備投資
2022年10月に運用を開始した当社グループにおける首都圏最大の物流センター「関東物流センター(埼玉県入間郡越生町)」を皮切りに、首都圏物流体制の再構築及び強化を図るべく2025年度の竣工を目指し「越谷物流センター(埼玉県越谷市)」の建替計画の立案に着手しました。外環道に近い利便性の高い立地を生かし、アッセンブル機能及び現場物流機能を強化し、広域ビルダーとの取引拡大を図ります。
また、YOUテレビ株式会社では、2021年より光ファイバーを幹線として一般個人宅へ直接引き込むことで大容量・超高速通信を可能とするFTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)化に向けた設備投資を実施しております。第1工区(横浜市鶴見区)に続き、2023年3月には第2工区(横浜市港北区・神奈川区)の工事が完了しました。引き続き2024年3月の最終第3工区(川崎市川崎区・幸区)工事完了に向けて推進してまいります。これにより、同社の情報配信及び通信環境サービスの充実を図るとともに、住宅事業における住宅ストックの活用及び既存住宅流通に係る事業等とのシナジーに活かしてまいります。
(5) 会社の対処すべき課題
2050年目標 | ALLバリューチェーン・カーボンニュートラルへの挑戦 |
2030年目標 | 森林育成と木材利活用によるカーボンニュートラル社会実現への貢献 (Scope1・Scope2・Scope3のカーボンニュートラル達成(※1)) |
2026年目標 | ナイスグループにおけるカーボンニュートラルの達成 (Scope1・Scope2のカーボンニュートラル達成(※2)) |
※1 国産木材の利用による炭素貯蔵量等の「削減貢献量」や、社有林の二酸化炭素吸収量によるオフセットを含みます。
※2 社有林の二酸化炭素吸収量によるオフセットを含みます。
2050年にバリューチェーン全体でカーボンニュートラル実現を目指してまいります。その足掛かりとして、2026年にナイスグループの事業活動における二酸化炭素排出量の削減等を通じて、Scope1(直接排出)・Scope2(エネルギー使用に伴う間接排出)のカーボンニュートラルの達成を目指します。そして、2030年にScope3(サプライチェーンで発生するその他の間接的排出)を含め、ナイスグループのサプライチェーンにおけるカーボンニュートラルを目指します。
木材の取扱い強化、建築物の木造化・木質化の推進などに注力するとともに、これらの利益を山元に還元することで再造林を推進し、森林資源の循環利用を実現します。また、社有林「ナイスの森」の保有面積及び植林面積の拡大による二酸化炭素吸収量の増大、再エネ由来電力への切り替え等を推進してまいります。環境目標を具現化に導くPDCAを回す軸としてサステナビリティ委員会を設置し、環境経営への取組みに努め、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
- 検索
- 業種別業績ランキング