企業兼大株主ダイダン東証プライム:1980】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

(1)ガバナンス

 当社は、持続可能な社会の実現に向けて、ESG・サステナビリティに関する事業戦略の立案及び取組について審議するサステナビリティ委員会(委員長:代表取締役社長)を取締役会傘下に設置しており、2022年度は7回開催しました。

 サステナビリティ委員会は、マテリアリティ(重要課題)への対応やサステナビリティに関するリスクと機会への取組状況について審議し、その結果を取締役会に報告・付議し、取締役会による監督を受ける体制となっています。気候変動、従業員の健康と安全、人権問題をはじめとしたサステナビリティを巡る課題への対応を目的に、サステナビリティ委員会の下部組織として部門横断で組織される作業部会「タスクフォース」を設置し、TCFD提言に沿った情報開示の拡充や時間外労働の削減、人権デュー・ディリジェンスなどに積極的に取組んでいます。

(2)戦略

 マテリアリティのなかでも、特にステークホルダーへの影響度が大きく、当社にとっても重要度が高い「脱炭素社会への貢献」「健康・安全に配慮した働きがいのある職場環境」については、「タスクフォース」を通じて積極的に課題解決に向けた取組を推進しています。

①[気候変動への対応]:マテリアリティ「脱炭素社会への貢献」

 気候変動への対応は、当社にとって重要な課題であることを認識しており、2021年度は、気候関連のリスク及び機会を短期から長期の視点で特定し、その影響を評価しました。2022年度は、2℃以下シナリオ等を用いて引き続き分析を実施し、気候変動による事業インパクトの試算及び対応策を検討しました。下表は、当社が認識している主な気候関連リスクと機会及びその対応策です。

 今後は、これらの気候関連リスクと機会の分析結果をもとに、マテリアリティとして特定した「脱炭素社会への貢献」に係る取組に反映していきます。

 シナリオ設定について

 シナリオ

 シナリオ分析ではパリ協定の目的に合わせ地球の平均気温上昇を産業革命以前の水準から2の上昇又は1.5までに抑制する世界(+2以下の世界)となりゆきで進む世界(+4の世界)の2つの世界を設定しました
 +2以下の世界ではIEA WEOのNet Zero Emissions by 2050(NZE)シナリオやAnnounced Pledges Scenario (APS)IPCCのRCP2.6+4の世界ではIEA WEOのStated Policies Scenario(STEPS)IPCCのRCP8.5を参照しています

 対象

 分析対象事業は国内事業としています当社の国内売上は全体の9割を占めています

 時間軸

 短期を現在~3年以内中期を2030年まで(ダイダン長期ビジョンStage2030期間及びSDGs目標年)長期を2050年(2050年カーボンニュートラル)頃までと設定していますまた将来的な財務影響の時間軸については2030年時点を分析対象としています

 気候関連リスクと機会一覧

主なリスク/機会

財務影響

対応策

(2030年)

+2°C

以下

+4°C

移行

炭素税の導入

(リスク)事業活動に伴うコストの増加及び施工コストが増加する

炭素税導入を想定しない

再生可能エネルギーの調達を拡げ、温室効果ガス排出量削減を促進

BIM・WEB会議・クラウド等のICTを活用したDX推進による事業活動のコスト低減

(機会)省エネルギー、再生可能エネルギー、ZEB等への需要が拡大し、受注機会が増加する

再生可能エネルギー及びZEB案件の営業を強化し、顧客へ環境負荷低減を提案

再生可能エネルギーを有効活用するための技術開発を推進

新築ビルの建設に対する規制の強化

(リスク)新築ビルに対する規制強化・認証制度・省エネルギー基準への対応不足により、受注機会を逸失する

新築ビルに対する規制強化・認証制度・省エネルギー基準への対応体制の見直し

カーボンニュートラル関連技術に資する研究開発を実施

炭素排出目標/政策強化(CO2排出枠規制等)

(リスク)目標達成に向けて、クレジットの購入や排出量取引に係るコストが増加するほか、排出目標未達となった場合、社会からの信用が低下する

自社オフィスの消費エネルギーの削減、営業車エコカー導入の推進、自社支店のZEB化、国内事業所における実質再生可能エネルギー由来電力への切替等によるScope1・2削減目標達成

再生可能エネルギーの促進に係る政策強化

(機会)再生可能エネルギーに関する政策の導入により、再生可能エネルギー施設の建設投資が拡大し、受注機会が増加する

(算出中)

再生可能エネルギーを有効活用するための技術開発を推進

主なリスク/機会

財務影響

対応策

(2030年)

+2°C

以下

+4°C

再生可能エネルギー・省エネルギー技術の普及

(リスク)省エネルギー技術・再生可能エネルギー技術への対応が遅れることで、競争力が低下し、受注機会が減少する

自社ZEBの運用ノウハウを活用した省エネルギー設備提案の推進

既存建物のZEB化への提案推進

(機会)省エネルギー、脱炭素技術の開発・普及への対応により、競争優位性を獲得し、受注機会が増加する

大学等と連携した共同研究等のオープンイノベーションの推進

エネルギーマネジメント関連技術の導入強化

(機会)エネルギーマネジメント技術への対応が進むことで、競争力が向上し受注機会が増加する

遠隔監視・制御システム開発等により、建物及び建物群のエネルギーマネジメントのためのソリューションサービスを展開

省エネルギービル(ZEBを含む)の需要拡大

(機会)ZEB、スマートシティ関連のニーズが顕在化することで、技術開発等の対応力強化を通じて、収益が拡大する

ZEB化技術・IoT技術を生かした提案により、設計・施工の両面からZEB案件を拡大

顧客行動の変化

(リスク)脱炭素社会に向けた産業構造や設備投資需要の変化に対し、対応が遅れることで受注機会が減少する

脱炭素社会に向けた技術動向、顧客の設備投資動向を捉えた営業企画の強化

エネフィス®で検証したZEBとウェルネスを実現する次世代オフィスの提案

(機会)省エネルギーと健康性・快適性・知的生産性の両立を可能とする当社の技術力により、受注機会が増加する

リモートワーク等も考慮したオフィス環境の「働きやすさ」に寄与する技術開発

リニューアル需要の増加

(機会)リニューアル需要が増加することにより、当社の設備診断技術が活用されるとともに、さらなる技術開発が促進され、受注機会が増加する

設備診断に基づく省エネルギー改修提案による提案価値の増大

既存建物ZEB化に関する技術開発を推進

次世代技術の普及

(機会)感染拡大の可能性が高まるなかで、感染対策のための換気や空調に関連する技術開発をさらに推進することにより、受注機会が増加する

(算出中)

医療施設向け感染対策ユニット(空気清浄・陰圧化ユニット)の販売増強

気流解析技術の活用拡大

主なリスク/機会

財務影響

対応策

(2030年)

+2°C

以下

+4°C

投資家・銀行の行動変化(ESG投資の拡大)

(リスク)脱炭素の取組に対する情報開示の不足により、金融市場からの評価と信頼が低下する

-

IR活動でのサステナビリティ情報発信と対話の強化

サステナビリティ情報の積極開示、気候関連イニシアティブへの積極対応、社外ステークホルダーとのエンゲージメントの実施

(機会)脱炭素社会に向けた取組や積極的な情報開示により、金融市場において評価と信頼を獲得する

「ダイダンの森」育成・整備活動の全国10箇所での協定締結と推進

顧客からの評判の変化

(リスク)脱炭素への取組に関して社会的評価が獲得できず、市場からの信頼を失い、受注機会が減少する

再生可能エネルギー電力ハイブリッド車・EV車等のエコカーへの転換促進

ZEBリーディング・オーナー、ZEBプランナーへの登録

エコチューニング事業者に認定

エネフィス®のBELS、LEED、CASBEE、DBJ Green Buildingの認証取得

(機会)脱炭素への取組や各種認定・認証の取得により、顧客からの信頼を獲得する

-

カーボンニュートラルに向けたイニシアティブへの積極的な参加

気象災害の頻発・激甚化(台風、豪雨等)

(リスク)豪雨や台風の頻発・激甚化による自社社屋への損害発生、ライフラインの停止、工事見合わせ等により、事業運営に伴うコストが増加する

エネフィス®を全国支店に普及させ、災害時の自社社屋への損害を軽減

BCP対応の強化、事業継続マネジメントシステムの構築・運用によるリスク軽減

BCP向け設備システム開発に向けた産学共同研究の推進

(夏季)平均気温の上昇

(リスク)平均気温上昇により、建設現場で働く人々の健康リスクが高まるほか、生産性の低下や技術者不足が発生する

空調服を導入し、熱中症防止対策を実施

施工現場でのDX推進、ロボット活用による生産性向上と労働時間抑制

(機会)冷房能力増強工事の需要が増大し、受注機会が増加する

BIM活用による建設現場の生産性向上のための体制整備

主なリスク/機会

財務影響

対応策

(2030年)

+2°C

以下

+4°C

降水パターンの変化

(リスク)ゲリラ豪雨が頻発することで、建設現場における浸水被害が発生し、工事遅延や復旧に伴うコストが増加する

サプライヤー、協力会社などサプライチェーンの連携強化

地域リスクに即したBCP計画作成と、事業継続マネジメントシステムの構築・運用

水害発生時の被害軽減に向けた備蓄品の準備

異常気象の常態化に伴う需要の変化

(機会)降雨減少による渇水等のため、水の再利用システム、節水技術への需要が拡大し、受注機会が増加する

(算出中)

顧客への節水対策の提案

水資源の有効活用に関する技術開発を推進

利益に関する影響度評価基準・・・(小:~1億円以下中:~10億円以下大:10億円超)

売上に関する影響度評価基準・・・(小:~20億円以下中:~200億円以下大:200億円超)

②[人的資本への対応]:マテリアリティ「健康・安全に配慮した働きがいのある職場環境」

 当社は、「ダイダングループサステナビリティ方針」及び「人権と労働に関する方針」に基づき、すべての人の人権と個性を尊重した企業風土の醸成や、一人ひとりの多様性を重視した経営を推進しています。マテリアリティとして特定した「健康・安全に配慮した働きがいのある職場環境」の実現のために、人材育成と環境整備の考え方を構築し、公平な労働機会の提供や労働環境の充実に向けた取組を進めています。

<人材育成への考え方>

 「『人』は最大の資産である」との考えのもと、人材育成を促進する企業風土を醸成して、企業目標達成に必要な知識、技能その他の能力向上と開発を図ることで、誠実で有能な建設産業人を指導育成することを人材育成の基本的な方針としています。

 教育研修は、職場内教育訓練(O.J.T)、職場外教育訓練(OFF.J.T)、自己啓発促進訓練(S.D)の三体系で行っています。

<環境整備の考え方>

 一人ひとりが能力を最大限に発揮できる健康で働きやすい職場環境を作るために、働き方改革を通じてワークライフバランスと適切な労働環境を実現し、社員の多様性を尊重して、能力に応じた雇用、能力開発、昇進の機会を公平に提供する制度を整備することを基本的な考えとしています。

(3)リスク管理

 当社は、事業に関するリスクを最小化するために、リスクマネジメント方針を策定し、代表取締役社長が主管するリスクマネジメント委員会を設置しています。気候変動の政策・規制、技術への対応の遅れ、情報開示不足等による「気候関連リスク」、情報の不正使用・外部への漏洩、情報システムの停止・誤作動等による「情報漏洩リスク」、法令等の不遵守、贈収賄を含む腐敗行為全般、契約違反、各種制度変更への不対応等による「法的リスク」などの主なリスクを発生頻度、脅威度等に基づき、総合的に判断して特定・評価しています。取締役会では、リスクマネジメント体制の整備・監督を行っており、リスクマネジメント委員会からの報告を受けるとともに、リスクマネジメントの実効性をモニタリングしています。

 また、サステナビリティ委員会において、「気候関連リスク」や「人材リスク」をはじめとしたサステナビリティ全般の課題に対する討議内容について、当社のリスクを管理するリスクマネジメント委員会と相互に情報共有することにより、リスクマネジメントプロセスにサステナビリティに関するリスクが適切に反映される体制を構築しています。

※2023年4月1日より「経営企画室」を「経営企画本部」に改称し、

また、同年5月1日より営業本部長を委員に追加しております。

(4)指標及び目標

①[気候変動への対応]:マテリアリティ「脱炭素社会への貢献」

 当社は、マテリアリティのひとつとして「脱炭素社会への貢献」を特定しています。そのマテリアリティに基づき、気候関連リスクと機会を適切に評価するために、中長期の定量的な目標を策定したうえで、活動を推進しています。

 温室効果ガス排出量については、Scope1+2を2030年までに2013年度比で46%削減することを目標としています。2022年度の取組として、自社社屋のZEBへの建替え、実質再生可能エネルギー由来の電力への切り替え、及びハイブリッド車等エコカーの導入促進等により、54%削減し目標を前倒しで達成しました。今後の目標につきましては、引き続き検討してまいります。

 再生可能エネルギーの活用や脱炭素に貢献する施工・設計技術の研究・開発を通じて持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指します。

②[人的資本への対応]:マテリアリティ「健康・安全に配慮した働きがいのある職場環境」

 個性を尊重し、能力を発揮できる環境の構築を図るため、「健康・安全に配慮した働きがいのある職場環境」をマテリアリティとして特定し、従業員満足度、度数率・強度率を指標と目標にしています。

 従業員満足度については、2023年度の2.7以上を目指して、働き方改革の推進、健康情報提供サービス「Pep Up※」の活用推奨、社員研修や各種セミナーの充実等に取組んだ結果、2.50となり昨年度の2.52とほぼ同一となりました。引き続き、ワークライフバランスの向上を図るとともに、快適で働きがいのある職場環境の構築を進めていきます。

 度数率・強度率については、予防型安全管理の徹底、過重労働防止策の促進、健康保持・増進策の実践等に取組みましたが、双方ともに数値目標未達となりました。引き続き、労働安全衛生活動の継続的な改善、向上に努めます。

※Pep Up:社員と家族の一人ひとりに向けて健診結果・医療費・服薬記録などを表示し、それぞれに応じた健康記事を配信するWebサービス

マテリアリティ

KPI

目標値

2022年度実績

脱炭素化社会への貢献

Scope1+2の温室効果ガス排出量の削減

長期目標:2030年度

2013年度比46%削減

2013年度比54%削減

(2022年度2,901t-CO2)

(2013年度6,235t-CO2)

健康・安全に配慮した

働きがいのある職場環境

 

従業員満足度の向上

2023年度2.7以上(従業員アンケートによる回答_4点満点)

2.50

度数率

2022年度0.25

0.30

強度率

2022年度0.01

0.570

※Scope1+2については国内及び海外連結グループを対象範囲としています。

※従業員満足度及び度数率・強度率については国内単体を対象範囲としています。

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