企業兼大株主スズケン東証プライム:9987】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 有価証券報告書に記載の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事業リスクを記載しております。

 当社グループは、リスク発生の可能性を認識し、発生の回避に努めるとともに発生した場合は迅速かつ適切な対応に努める方針であります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、当社グループの事業等に関する全てのリスクを網羅したものではありません。

(1)医薬品卸売業界のリスク

 ① 法的規制について

<リスク解説>

 医薬品卸売事業及び保険薬局事業では、全国に営業拠点・保険薬局を設けて、事業を展開しております。

 営業拠点・保険薬局の開設及び医薬品等の販売や調剤に際しては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(医薬品医療機器等法)及び関連法令により規制を受けており、本店・支店・保険薬局店舗が所轄する都道府県知事より必要な許可、登録、指定及び免許を受けた後、事業活動を行っております。これらの許可等の状況により、医薬品卸売事業及び保険薬局事業の業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

医薬品卸売事業及び保険薬局事業では、各社の本社薬事担当部署が中心となり、各営業拠点・保険薬局の新規出店の際には、必要な各都道府県の許可等の点検・確認を実施しております。また、出店後は従業員に対し継続的な教育指導等を行い、許可業者として法令を遵守した活動を行っております。

 ② 医療保険制度改革について

<リスク解説>

 医薬品卸売事業における主要取扱商品である医療用医薬品は、薬価基準に収載されております。

 薬価基準は、「健康保険法の規定による療養に要する費用の額の算定方法」として厚生労働大臣が告示するもので、保険診療で使用できる医薬品の範囲と医療機関が使用した医薬品の請求価格を定めたものであります。薬価基準は医薬品の実勢納入価格を薬価に反映させることを目的に毎年改定され、大半の品目の薬価が引き下げられております。このため、医薬品卸売事業の業績は、薬価改定後の販売価格低下等の影響を受けることがあります。

 国民医療費は高齢化の進展等により増加傾向にあります。政府は全世代型の持続可能な社会保障制度の構築に向け、医療保険制度改革等に取り組んでおり、その内容によっては医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 頻回改定の影響を受け、メーカーの経営は厳しくなり、アローアンスの縮小が予想されていることから、当社としては卸機能の適正評価を依頼し、固定的なリベートへの移行を依頼しております。また、高利益品目の販売に集中し、収益性の改善にも努めております。

 ③ 特有の商習慣について

 a 価格未決定取引について

<リスク解説>

 医薬品卸売事業では、医薬品を価格未決定のまま医療機関等に納入し、その後医薬品卸売業者と医療機関等の間で価格交渉を始めるという特異な取引形態があります。これは、医薬品が生命関連商品であるがゆえ、納入停滞が許されないという事情から生まれた習慣であります。

 医薬品卸売事業においては、合理的な見積りによる決定予測価格で売上計上しております。

 決定した価格が当初予測していた価格に比べ低下する場合、医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 取引価格の決まっていないお得意さまとの価格交渉については、毎月上長がお得意さまとの交渉状況をシステムを通して確認・指導を行う等の対応を実施しております。

 また、取引価格の決定に際しては、決定価格をシミュレーションするシステムを利用することにより、適正な売上、利益確保の状況を上長が確認し、価格水準の適正化を図るとともに、価格決裁プロセスについても明確にしております。

 b 割戻金及び販売報奨金について

<リスク解説>

 当業界では、医薬品メーカーから医薬品卸売業者に割戻金と販売報奨金が支払われます。

 割戻金は仕入金額等に対して設定される割戻率によって支払われ、販売報奨金はメーカーと卸間で取り決められた販売数量、納入軒数等の達成によって支払われます。

 割戻金及び販売報奨金は、仕切価格の引き下げ効果があり、売上総利益に影響を与えるため、これらの獲得に努めておりますが、メーカーの営業戦略等による割戻金及び販売報奨金の圧縮の進展により、医薬品卸売事業の業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 厚生労働省により策定された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」を踏まえ、医薬品メーカーと医薬品等の安全かつ安定供給を継続するための流通経費や卸機能の適切な評価に基づいた価格体系の構築に向けて取り組んでおります。

 また、当社グループが展開している各事業の経営資源とこれまで提携してきた協業企業とともに、新たな流通チャネル構築等による新しいソリューション開発を加速させることにより、地域医療へ貢献し、医薬品メーカーの課題解決を図るとともに、収益モデルの確立に向けて取り組んでおります。

(2)スズケングループのリスク

 ① 固定資産の減損について

<リスク解説>

 当社グループは、事業用の様々な固定資産を保有しており、これらの資産については、今後の収益性の低下、市場価額の著しい下落により、将来キャッシュ・フローが生み出せない場合は、減損損失の計上が必要になり、各事業の業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 設備投資にあたっては、投資によって得られるリターン、発生するコストなど投資回収の採算性を評価し投資の意思決定を行っております。

 また、設備投資後は、業績進捗について毎期モニタリングを実施するとともに、業績評価を行い、採算性の悪化が見込まれるため今後のキャッシュ・フローの獲得が期待できない場合には、速やかに業績向上に向けた戦略の立案を実施し、その実行に取り組んでおります。

 なお、将来の投資効果が見出せないと判断した場合は、撤退も検討します。

 ② 債権の貸倒について

<リスク解説>

 お得意さまに対する債権については、お得意さまの状況に応じて一般債権は貸倒実績率により、貸倒懸念債権は個別に回収可能性を見積り貸倒引当金を計上しております。しかし、今後の景気動向、新型コロナウイルス感染症の影響によるお得意さまの経営状況の変動によっては、実際の貸倒額が見積りを上回った場合、各事業の業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 各営業拠点に本社組織の管理部門を配置し、新規取引前後におけるお得意さまに関する情報の収集等の与信管理業務、お得意さまからの入金管理等の債権管理業務を行うことにより、営業部門に対するけん制機能を果たしております。

 また、本社管理部門は、債権リスク情報等の情報収集を行い、注意喚起を促すアラート機能、信用不安発生時における各営業拠点の管理部門のバックアップ機能等を担っており、グループ会社管理部門も含めた各営業拠点の管理部門と連携した様々な取り組みにより、債権リスクの低減に努めております。

 ③ 新薬の開発について

<リスク解説>

 新薬候補品の研究開発には多額の費用と長い年月が必要であり、その過程で当初期待した有効性が証明できなかったり、予期せぬ副作用が発現した等の理由により研究開発を断念・遅延する可能性があります。

 また、臨床試験で良好な結果が得られても、新薬が実際に上市となるまでには様々な不確実性が存在します。

 その様な理由により当初の期待を達成できなかった場合には、医薬品製造事業の業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 自社創薬のみでなく、開発パイプラインの導出入あるいは他社協業などのアライアンス活動を通じてポートフォリオ管理を図っております。

 ④ 品質問題について

<リスク解説>

 医療用医薬品、体外診断用医薬品及び医療機器は医薬品医療機器等法その他の国内外の法規制の下で製造しております。しかし、使用する原材料、製造プロセス等で製品の品質に懸念が発生した場合、製品の回収や販売の停止等により、医薬品製造事業の業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 製品の品質を確保するため、原材料、製造プロセスの社内監査等を行い品質保証体制の強化に努めております。

 ⑤ 副作用問題について

<リスク解説>

 医療用医薬品、体外診断用医薬品及び医療機器については、予期せぬ副作用や健康被害等で販売中止、製品回収などの事態に発展する可能性があり、医薬品製造事業の業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 副作用情報等を収集した場合は、速やかに評価、検討し、必要に応じ行政当局へ報告するとともに、必要な安全対策を速やかに実施いたします。

 ⑥ 保険薬局事業について

<リスク解説>

 保険薬局事業では、処方元の医療機関が発行した処方箋をもとに保険薬局が薬歴管理や服薬指導等を行っています。今後、薬価改定、調剤報酬改定の内容や医療保険制度改革の内容によっては、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。

 また、調剤過誤防止の徹底に努めておりますが、万が一重大な調剤過誤が発生した場合には、社会的信用の失墜、訴訟の提起による損害賠償等により、業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

「患者のための薬局ビジョン」を実現すべく、在宅医療への対応やジェネリック医薬品の使用促進等、店舗毎に適切な対応方針を策定し実行することにより、調剤報酬改定、医療保険制度改革への対応を行っております。

 また、調剤過誤防止については、鑑査機器の導入やインシデント、アクシデントを分析し、対策を店舗間で共有することにより、調剤過誤発生防止に取り組んでおります。加えて、ヒューマンエラーの防止に向けて、高いレベルの薬学的知識により調剤過誤を防止するための徹底した教育を実施し薬剤師の資質向上を図っております。

 ⑦ システムトラブルについて

<リスク解説>

 当社グループは、営業活動、商品管理をはじめ、その事業運営は、コンピュータシステム及びそのネットワークに多くを依拠しております。大規模なシステムトラブルが発生した場合、各事業の業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 受注から納品業務に関わる基幹系システムの各種障害対応手順に基づき、トラブル時に対応できる体制をとり、迅速な原因究明と影響度の把握により、早期の復旧に努めてまいります。

 また、システム安定稼働のため、定期的にシステムの使用状況と業務量を監視し、必要に応じて予防対策を実施するとともに、障害時に備えた想定訓練を実施しております。

 さらに、万が一基幹系システムが停止した場合でも、受注から納品に関わる業務が継続できるように、代替できるシステムを稼働させております。

 ⑧ 個人情報保護について

<リスク解説>

 当社グループは、顧客情報等の多数の個人情報を取り扱っております。個人情報保護には特に配慮し、情報セキュリティの強化と社員の情報管理意識の向上に努めておりますが、万が一、個人情報の漏洩等があれば信用を大きく毀損することとなり、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 個人情報保護規程や情報セキュリティ管理規程に基づいた適切な運用を徹底し、定期的な社員教育や社外へのメール送信時の上長とシステムによるダブルチェック、外部からの不正アクセスから保護する仕組みの導入等により、個人情報の漏洩を防ぎ、適切な個人情報保護に努めております。

(3)その他のリスク

 ① 自然災害等について

<リスク解説>

 当社グループは、大規模な自然災害や事故等により、営業拠点及び物流拠点が深刻な被害を被った場合、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 大規模自然災害が発生した際には、BCP手順書に基づき速やかに災害対策本部を設置し、社員の安否や営業拠点および物流拠点の被災状況を確認するとともに、事業継続のための適切な対応がとれる体制を構築しております。

 また、災害時でも安定した医薬品供給体制を維持するために、免震構造を採用した物流センターの構築や本社および主要拠点への非常用発電機の設置、受注から納品に関わる業務が継続できるように、本社以外の拠点にて代替できるシステムを稼働させております。

 加えて、グループ会社を含めた安否確認合同訓練やBCP対応訓練等、定期的な訓練を実施し、BCP対応力の向上に努めております。

 ② 独占禁止法違反事件への対応について

<リスク解説>

 当社は、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)の入札に関する独占禁止法違反について、2021年6月に東京地方裁判所より、同法違反により罰金支払いの判決を受け、2022年3月に公正取引委員会より、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。

 また、当社連結子会社の㈱翔薬は、独立行政法人国立病院機構(NHO)の入札に関する独占禁止法違反について、2023年3月に公正取引委員会より、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。入札指名停止措置により、同機構等との取引が一定期間制限されるため、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 当社は、今回の一連の事態を厳粛に受け止め、再発防止に向けたコンプライアンス遵守の徹底について、全グループをあげて取り組み、今後、独占禁止法違反に関する被疑を受けることのないよう取り組んでまいります。

 また、「医薬品の安定供給」という社会的使命を果たし続けるために、それぞれのお得意さまと向き合い、真摯に信頼回復に取り組むことを通じてリスクの最小化に努めてまいります。

 ③ 新型コロナウイルス感染症拡大について

<リスク解説>

 国内外における新型コロナウイルス感染症拡大により、当社グループの事業継続が困難な状況となった場合、当社グループの業績に影響を与えるリスクがあります。

<リスク対応>

 当社グループにおける新型コロナウイルス感染症対策については、集合形式の会議や面談、会食は原則禁止とし、出社については変形労働、時差出勤や直行直帰などを活用し、事務所内においては座席の分散、アクリル板の設置、こまめな換気を行うなどの三密対策を実施してまいりました。

 また、社員及び同居家族等が感染の疑いがある場合の対応マニュアルを整備し、感染拡大の防止に努めております。

 今後は、新型コロナウイルス感染症の位置づけが、2023年5月8日より5類感染症に移行しますが、引き続きお得意さまや当社グループ社員の健康に配慮したうえで、新型コロナウイルスの特徴を踏まえた基本的感染対策に万全を期してまいります。

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