企業エヌ・ピー・シー東証グロース:6255】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断した内容であります。

(1) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、「我々は、もの創りを通して、自然と社会と人間に必要とされる企業を目指します。」という企業方針に則って経営しております。たゆまぬ技術革新の努力により創り出す製品を通じ、地球環境、地域社会等に貢献し、あらゆるステークホルダーに必要とされる企業へと成長することが当社グループの存在意義であると考えております。

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、2024年8月期の売上高10,384百万円、営業利益1,584百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,081百万円を達成することを目標としております。

(3) 主要製品・サービスの内容と対象となる顧客

①装置関連事業

 装置関連事業で当社が取り扱う主な製品・サービスは、太陽電池製造装置及びFA装置であります。

 太陽電池製造装置は主に米国や日本の太陽電池メーカーに対して、高性能かつ高効率な太陽光パネルを製造するためのハイエンドな装置を提供しております。また、電子部品業界、自動車業界等の様々な業界に対して、自動化・省力化のための各種FA装置を提供しております。

②環境関連事業

 環境関連事業で当社が取り扱う主な製品・サービスは、太陽光発電所の検査サービス、太陽光パネルのリユース・リサイクル、パネル解体装置、植物工場ビジネスであります。

 太陽光発電所の検査サービスは、太陽光発電事業者やEPC業者等に向けてサービスを展開しています。また、太陽光発電所から排出されたパネルを回収し、再利用可能なパネルを国内外の太陽光発電事業者や企業の自家発電向けにリユース販売しています。再利用ができないパネルは、自社の解体装置で中間処理を行い回収した金属やガラス等の有価物をリサイクル業者に販売するか、産業廃棄物処理業者に適正な廃棄処理を委託します。また、パネル解体装置は国内外の産業廃棄物処理業者等に販売しています。植物工場ビジネスでは、LEDを使用して栽培した野菜(フリルレタス、グリーンリーフ、サニーレタス)を主にスーパーや食品加工場等に販売しております。

(4) 経営環境及び事業を行う市場の状況

 当連結会計年度における国内経済は、緩やかに回復する一方で、エネルギー価格や原材料費の上昇が継続しました。世界経済においても、各国の金融引き締めにより景気後退が懸念されるなど、先行きが不透明な状況が続いています。

①装置関連事業

 太陽電池製造装置が関連する米国太陽電池市場は、政策的支援を背景に長期的な市場の成長が見込まれ、太陽電池メーカーによる生産能力拡大や研究開発のための設備投資が活発化しています。また、日本の太陽電池関連市場においても、日本政府の太陽光発電設置拡大目標を背景に、従来の太陽光パネルよりも用途の広いペロブスカイト型等の次世代型太陽電池の事業化に向けた開発が進展しています。太陽電池製造装置以外のFA装置に関しては、日本国内では電子部品業界、自動車業界などで設備投資の継続が見込まれています。

②環境関連事業

 国内の太陽光発電業界におきましては、大規模太陽光発電所が順次設置され、竣工前検査のほか、稼働済発電所の定期検査へと当社検査サービスの対象が広がっています。また、企業や自治体でも自家消費用の太陽光発電の導入が進んでいること、10kW以上50kW未満の小規模な太陽光発電所にも新たに使用前自己確認が義務化されたことから、当社の検査サービスの対象となる発電設備が増加しています。また、将来的な使用済み太陽光パネルの排出を見越して、日本政府や自治体によりリユース、リサイクルの仕組みの整備が検討されています。太陽光パネルのリサイクルに関しては、国内外でリサイクル技術の導入が進んでおり、補助金による継続的支援が行われています。日本国内のみならず、欧州、豪州等でも太陽光パネルのリサイクル事業に参入する事業者が増加しています。

(5) 競合他社との競争優位性

①装置関連事業

 当社は太陽電池製造装置で約30年の実績や経験があることから、高性能かつ高効率なパネルを製造するためのハイエンドな装置を提供することができます。そのため、当社はそのようなパネルを製造している米国の太陽電池メーカーをターゲットとしており、競合先は米国及び東南アジアの自動機メーカー、一部の中国企業等限定的な状況です。なお、大部分の中国の太陽電池製造装置メーカーは自国の太陽電池メーカーに汎用的な装置を提供しており、当社とはターゲットが異なるため、実質的に競合はしておりません。

 国内外で事業化に向けた開発が進んでいるペロブスカイト型等の次世代型太陽電池の製造装置に関しては、一般的な自動機メーカーが競合となりますが、これまで太陽電池製造装置で培った経験を活用した高度な提案をできることが当社の強みとして差別化しております。

 太陽電池業界以外のFA装置では数多くの競合が存在しますが、当社には大型ラインを製造できる松山工場の生産能力や、太陽電池製造プロセスで培った様々な技術、開発から製造までの一貫体制、豊富な海外実績、オーダーメイド装置の実績と経験といった強みがあり、大手企業を中心に大型のラインや各種FA装置を受注しています。また、当社は米国に技術者の常駐する拠点を有しており、現地での技術対応が可能です。

②環境関連事業

 太陽光発電所の検査サービスでは、法定検査(目視検査、抵抗検査等)を含めた検査サービス(ドローンIR、洗浄、除草作業等)を提供する企業は多数存在しています。しかしながら、当社は独自技術を用いたI-V検査やEL検査により太陽光パネルの品質そのものを検査した上で解析レポートを作成しており、同様のサービスを提供できる競合先は存在していません。

 パネルのリユース・リサイクルにおいては、国内に数社競合先はいますが、当社には太陽光発電所の検査サービスで構築したネットワークがあり、排出されたパネルの回収と販売において大きな優位点となっております。パネルの解体装置では、当社とは異なる技術による解体装置の提供を行っている企業が存在しますが、当社の特許技術を活かした「ホットナイフ分離法」は、太陽光パネルのガラスと金属を分離できる点でリサイクル性が高く、処理能力も高いため、他社技術と比較しても技術的な優位性は高いものと考えております。

(6) 経営戦略及び会社の対処すべき課題

 当社グループは、環境及び持続可能な社会の実現を意識しながら、既存の事業を強化・拡大すると同時に、新たな事業の柱を増やすことによって、安定した業績を維持し、成長することができる企業を目指しております。この方針の下、以下のとおり対処すべき課題を定めております。

①装置関連事業

 太陽電池製造装置については、米国の薄膜系太陽電池メーカーである主要顧客が計画している米国内の新工場、及び既存工場の拡張や新製品の開発用装置に対して、要望に応じた装置とサービスを提供し、今後さらに見込まれる装置需要拡大に伴う受注につなげてまいります。また、同社の各工場へ既に納入した装置も含めて、納入後のサポートや改造、部品販売などの継続的なビジネスを積み上げてまいります。

 その他、国内外でペロブスカイト型太陽電池をはじめとする次世代型太陽電池の研究開発が本格化している状況を踏まえ、当社の薄膜系太陽電池の経験を活かし、国内外の次世代型太陽電池メーカーの装置需要を取り込んでまいります。また、衛星用、住宅用などの特殊な太陽電池を製造する太陽電池メーカーへ、当社が得意とするハイエンド装置の提供についても強化してまいります。

 太陽電池以外の業界へのFA装置については、国内電子部品業界を中心に継続的に装置を提供し、他業界も含めて安定顧客の獲得を図ります。

 生産面においては、装置需要の増加に対応するため、松山工場の生産体制の強化を図ると同時に、原材料費や人件費の増加を踏まえ、仕入れコストや工数削減など、原価低減の努力を継続してまいります。

②環境関連事業

 検査サービスについては、竣工前自主検査のほか、稼働済発電所の定期検査をストックビジネスとして積み上げ、パートナー企業のネットワークを更に強化し、市場のニーズに合った検査を提供してまいります。また、サービスの対象を拡大し、風力発電所やバイオマス発電所などへの検査にも取り組んでまいります。

 太陽光パネルの解体装置については、国内では補助金を活用して装置を導入する企業が増えており、着実に実績を積み上げております。また、海外では、排出パネルが多く、リサイクル意識の高い欧州での需要増加が見込まれます。その他、オーストラリアや米国でも装置需要が見込まれ、これらの需要に対応するために、今後さらに装置の性能向上を図り、分離した部材のリサイクル性を高めてパネルのリサイクルを促進してまいります。

 植物工場ビジネスについては、引き続き安定供給を維持し、付加価値の高い品種への移行等次のステップを目指し、サステナブルなビジネスとして継続してまいります。

③持続可能な社会の実現に貢献する取り組み

 当社は、持続可能な社会の実現に貢献できる製品やサービスに取り組んでいくことを基本方針としております。

 環境関連事業で取り組んでいる植物工場ビジネスに加え、鶏糞や食品残渣をメタン発酵させた後の残渣を肥料化するビジネスを開発してきており、廃棄物のリサイクルにつながる製品・サービスの展開を目指しております。

 また、松山市のSDGs推進協議会において、当社が中心となり、使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクルの促進等を目的とする太陽光発電設備の循環システム分科会を立ち上げました。地元自治体や企業等と連携して、地域のサーキュラーエコノミーの確立に貢献してまいります。

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