文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、創業以来「ユニーク＆オリジナル」をモットーに、お客様に満足いただくことを行動指針の第一に掲げ、当社が得意とするアナログ技術をベースに、特色のある製品を提供することによって、エレクトロニクス産業の発展とこれを通じた社会への貢献を目標にしてまいりました。

事業への地道な取り組み実績を各方面から評価いただき、現在では家電・自動車・航空宇宙から電力などの社会インフラにいたる幅広い産業分野を対象に事業を展開しております。

最近は創業以来培ってきた独創技術を核として「計測・制御の独創技術で未来のテクノロジーを支えます。」とのミッションステートメントのもと、先端技術開発に貢献できる製品開発とトータルソリューション営業体制を確立し、「市場から期待される企業」を目指しております。

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、技術開発力の向上、営業力の強化及びコスト競争力の改善に取り組むことで、持続的な売上成長と安定して売上高営業利益率10％以上を目指し、経営環境の変化に強靭で中長期的に安定した企業成長の実現に力を注いでまいります。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

① 当社は計測制御デバイス関連、電源パワー制御関連、環境エネルギー関連の３事業を柱として幅広い顧客市場に、独創技術を核とした競争力の高い製品を提供することで、設備投資の影響を受けにくいビジネスモデルの構築等を通じて、経営基盤を更に磐石にすることを目指しています。

② 既存事業領域においては市場の大きな伸びが期待できない中で市場シェアアップに向け技術開発と営業力の強化を図ってまいります。また、新たな事業領域開拓に向けた技術開発と市場開拓に注力し、着実な成長を図ってまいります。

③ 生産ネットワークの活用・刷新と生産子会社の生産改革等により、生産効率の向上、コスト体質の強化を一層図ってまいります。

(4) 会社の対処すべき課題

　当社を取り巻く経営環境は、ウイズコロナ定着によるわが国経済の正常化が進んでいく一方で、ウクライナ情勢長期化の影響を受け、生産部材の供給不足や原材料価格の高止まりなど、逆風下の環境が続くものと見込んでおります。こうした中、当社グループとしては、業務全般の効果・効率向上による販売力、生産力、開発力の強靭化と、成長発展のための経営基盤強化に不断に取り組むとともに、カーボンニュートラルなど新分野での開発・市場開拓を通じて、世界共通価値としてのサステナブルな社会への貢献を目指してまいります。

営業面では、宇宙航空関連市場、量子科学技術関連市場への販売が今後も堅調に推移すると見込んでおります。新商品を市場投入した計測関連市場での販売強化、電源パワー制御と直流電源技術でグループ会社連携した水素製造関連市場向けソリューション販売強化などに取り組んでまいります。

生産面では、山口県に集約したグループ生産拠点に於いて、新しく完成した物流倉庫インフラを加えた生産と物流の効率改善、資材供給安定化、原価低減、商品の安定供給に取り組んでまいります。

開発面では、足元の既存市場向け新商品投入への取組みを強化します。さらに、脱炭素やライフサイエンス分野などの将来成長市場に向けた技術・商品・事業への開発投資にも取り組んでまいります。

また、強靭で創造性の高い企業体質の維持向上のために、引き続き優秀な人材の採用に注力するとともに、専門性の強化だけでなくグループ会社間も含む人材ローテーションを通じたスキル拡大による人材育成も行ってまいります。