企業ウシオ電機東証プライム:6925】「電気機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループのMissionは、創業以来磨き上げてきた技術を通して「あかり・エネルギーとしての光の利用を進め、人々の幸せと社会の発展を支える」ことであり、社会課題の解決を通じて経済的価値の拡大、持続的な企業価値向上を実現していく「『光』のソリューションカンパニー」をありたい姿としてのVisionに定めております。

 便利・快適、感動・共有、安心・安全をキーワードに社会的価値と企業価値を一致させ、すべてのステークホルダーとも価値を共有することで、持続的な発展に向けて活動してまいります。

(2)中期経営計画

2023年4月からスタートする3ヵ年の新しい経営計画として、Vision 2030の実現に向けた「第2次中期経営計画(2023~2025年度)」を策定し、2023年5月に発表しました。

 前中期経営計画で掲げた2030年の目指す姿である「『光』のソリューションカンパニー」及び定量目標である売上高2,500億円、営業利益率12%以上及びROE10%以上の目標を達成させるため、本中期経営計画を「成長を仕込む」期間と位置付けました。具体的には、光ソリューション提供体制の構築に向け、製品軸の事業ドメインであった「光源事業」、「光学装置事業」及び「映像装置事業」から、市場軸の「Industrial Process事業」、「Visual Imaging事業」、「Life Science事業」及び「Photonics Solution事業」へと再編し戦略を推進してまいります。また、事業を支える経営基盤の構築として、戦略投資の拡大や資本効率の改善及びESG経営を本格的に推進してまいります。

 本中期経営計画のゴールとして、次の指標を最重要KPIとして設定しました。

EBITDA *1

300億円

ROE *2

8%以上

*1 EBITDA=営業利益+減価償却費及びのれん償却費

*2 ROEの目標値は、新規ののれん償却を除いて算出

Industrial Process事業戦略

 中長期的な成長が見込まれる半導体市場を主軸とした事業成長を目指すとともに、半導体以外も含めたモノづくりプロセスでの光ソリューション提案により事業機会の創出及び拡大を目指します。半導体市場は一時的な減速傾向にありますが、IoT、AI及び5Gの進展などにより中長期的には成長が見込まれます。その中で半導体の微細化及び高性能化ニーズが高まることにより、最先端ICパッケージ技術の進化がその進展を支えるというトレンドが続くと見込んでいます。

 このような環境の下、当社グループは、半導体パッケージ基板向けの成長製品(最先端ICパッケージ基板向け投影露光装置及び直描式露光装置)による確実な収益の確保やEUVリソグラフィマスク検査用EUV光源の中長期での採用拡大に向けた取り組みに注力してまいります。加えて、EV用電池、建材及び印刷といった様々なものづくりの領域で環境負荷低減を背景としたプロセス改革ニーズの高まりをとらえた光機能によるプロセス提案(加熱、表面改質、接着など)を拡大してまいります。また、従来からのUVランプを中心としたランプ領域での販売及びカスタマーサービス強化による安定収益の確保も進めてまいります。

Visual Imaging事業戦略

 本中期経営計画において「再構築事業」と位置付け、2030年に向け事業構造を見直し、安定的な運営基盤を構築すべく取り組みを強化してまいります。

 当事業領域で、シネマ市場でのデジタルシネマプロジェクターの置き換え需要が堅調に推移し、加えて、プレミアム体験へのニーズが高まると予測しております。このような事業環境の下、顧客企業がその先のお客様にプレミアム体験を提供するために、ワンストップソリューション体制の構築と高付加価値提案の強化を進めてまいります。また、業績悪化リスク要因であるサプライチェーンマネジメントやキセノンガスの価格高騰及び光源の固体光源技術の進展に伴うランプ需要減少への対応強化、バランスシートを重視した事業推進を継続してまいります。

Life Science事業戦略

 長期目線での事業拡大を視野に、本中期経営計画においては、「育成事業」として位置付けています。将来、Industrial Process事業やVisual Imaging事業に匹敵する事業領域となることを目指し、本中期経営計画期間中に、気候変動対策や食料問題及び健康寿命の延伸といった社会課題に対し、新たな事業創出に向け、当社グループの光技術を軸にソリューション提案ができる有望事業テーマを選定し推進してまいります。そのために、専門人材など光ソリューション提案に必要なリソースの確保、また、販売チャネルや周辺技術などに関しては、M&Aを含めた投資を通じた強化を行い、現状の事業領域である環境衛生ソリューション及びヘルスケア分野の事業拡大に加え、中長期目線での新たな事業創出を目指してまいります。

Photonics Solution事業戦略

 本中期経営計画において「強化・再構築事業」と位置付けています。固体光源市場は、Industrial Process事業、Visual Imaging事業及びLife Science事業のそれぞれの分野において、モノづくりのデジタル処理ニーズやパーソナルユース機器の普及、及び遠隔治療などで非常に高い成長が見込まれています。当社グループの強みである「光をあやつる力」によって、モジュールやサブシステムの高付加価値化をさらに強化し、ニッチトップポジションの早期確立に向け、アプリケーションの強化を進めてまいります。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは、創業以来、光をあかりとして、エネルギーとして利用し、新しい光市場を創造し続けることで、持続的な成長を成し遂げてきました。しかしながら、当社グループの成長トレンドは2008年のリーマンショック頃を境に、大きく基調が変わり、売上は緩やかな増加が継続するも、営業利益率は漸減傾向を辿り、収益性低下に歯止めを掛けることができず、また有力な新規事業の創出にも至りませんでした。これは、既存事業において関連市場の多くが成熟期を迎えていることや、収益の源泉である光源事業において、映像関連分野を中心に従来のランプに代わる固体光源技術の進展に伴い、ランプのリプレイス需要が減少傾向にあることなどが背景にありました。このような状況下において、今後の持続的な成長、収益性の改善・向上が課題となっています。

 これらの課題に対処すべく、主に既存事業では、多様化するマーケットニーズに対応した競争力のある製品のラインアップ充実や、徹底したコスト管理、品質・生産性の向上や国内外での生産・販売拠点の統廃合などを通じた抜本的な構造改革を引き続き実行することで、収益性を改善させ、持続的に収益性を維持・向上させていくことができる体質へ改善してまいります。また、長期的な成長の道筋として、今まで以上に社会課題解決に起点を置いた新規事業創出に注力することで、社会の発展・成長とともに、当社グループが持続的に成長していくことを目指してまいります。

 加えて、強固な財務基盤を背景に、事業投資(M&Aや企業提携等)にも積極的に取り組み、機動力のある事業の発展及び収益性の向上を図りながら、株主還元との適正な資産配分を引き続き検討してまいります。

 さらに、当社グループをあげてESG経営を強化・推進することで、省エネルギー・省資源、廃棄物削減・リサイクル化等、持続的環境負荷低減に積極的に取り組むほか、コーポレートガバナンス、コンプライアンス体制強化による内部統制システムの充実、BCPなどリスク管理体制の整備による安定した事業継続にも引き続き取り組み、あらゆるステークホルダーからの信頼にお応えできるよう努めてまいります。

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