企業兼大株主タキロンシーアイ東証プライム:4215】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、研究開発部門、商品開発部門それぞれの独自活動に加え、部門間での連携により、新事業の芽を次の成長エンジンに育て上げ、新たな収益の柱となる事業の構築を目指しております。

 また、エンドユーザーとの共同開発、原材料メーカーとの協業、生産部門、販売部門と連携したプロジェクト活動やグループ会社との協業により、お客様のニーズに応える魅力ある製品づくりを推進、並びに海洋プラスチック問題やカーボンニュートラルといった社会問題およびSDGsに対応するため、環境対応の基本原則である3R+Renewableのうち、リデュース、リサイクル、バイオマスプラスチック、生分解性樹脂を重点に開発を進め、持続可能な社会に対して貢献できる技術・製品の開発にも取り組んでおります。

 なお、当連結会計年度に支出した研究開発費は基礎研究に係るもので、総額1,355百万円であります。

建築資材事業セグメント

 住設建材事業分野では、頻発する集中豪雨により被害が拡大する下水の逆流から住宅を守るための汚水マス“逆流抑止マス”を開発発売しました。また、落下による割れ・飛散の可能性が少なく二次被害も抑制可能な防煙垂れ壁“ダンスモークNパネルタイプ”を開発発売しました。不燃シートの透明性とフレーム枠を改良し、意匠性と施工性を向上させております。

 床・建装事業分野では、粘着剤付き不燃認定化粧フィルム“ベルビアン”に、新たに金属調10柄と木目3柄の新柄を追加しました。水災対策製品の“フラッドセーフライト・パネル”では2タイプ用中間柱を開発し、さらに広い間口でも1mまでの水深への対応が可能になりました。持続可能な社会を構成する要素として、快適で安全な住空間を考慮し、更なる商品開発に取り組んでまいります。

 また、当社グループ会社の三和サインワークス株式会社では、市場成長性の高いデジタルサイネージ分野において、独自製品として「LINEアプリ」と連携した配信システム“Me!sign(ミーサイン)”を開発しました。スマートフォンだけでデジタルサイネージが運用できる簡便さを武器に、マーケットのニーズに対応してまいります。チャンネル文字分野では、長く培った真空成型の技術を基にフル樹脂成形チャンネル文字“GrandMold(グランモールド)”を開発しました。既存のチャンネル文字には無い独特なフォルムと量産メリットを訴求し、市場でのシェア拡大を目指します。

環境資材事業セグメント

 アグリ分野では、トンネル栽培用の農ビフィルムとして抗菌剤を配合した新製品を上市しました。また、ハウス栽培用には近年の気象環境に対応するため防滴性能を強化した農ビフィルムを開発しました。農POフィルムでは主力製品である“バツグン5”の製品幅を塗布型農POでは国内最大級となる12mへ拡大し、主に海外の大型ハウスへの拡販を目指します。環境配慮の取り組みとしましては生分解性マルチフィルムの販売地域拡大に向けた開発を進めています。また被覆資材の二次加工で発生する端材を回収し、再利用した製品開発を継続的に行っています。今後も独自の技術を活かしつつ、農業分野の変革や環境問題に対応した新製品開発を行ってまいります。

 インフラマテリアル分野では、再生可能エネルギーとして注目されている両面太陽光パネルの発電効率アップに寄与する光反射シート“マルチライニング”の販売開始に伴い、施工に必要となる関連部材の開発に取り組みました。またタキロンシーアイシビル株式会社とともに、既存事業領域(道路、トンネル、処分場、上下水道、再生可能エネルギー、農業)では、防水・導水・更生部材の応用開発を、新規事業領域(環境分野、リニューアル、防災・減災)では、新たな新商品開発に注力しております。また循環社会への取り組みとして環境配慮型製品の開発にも取り組みをはじめております。

高機能材事業セグメント

 塩ビプレートは、レーザ加工装置用カバーとしてご好評いただいているレーザ遮蔽プレート“タキシャロン”の新たなラインナップとして、ブルーレーザと近赤外線レーザの両方の遮蔽機能を有するプレート“HTLSA CP807”を上市しました。銅などの高反射材料を加工する際に使用されるハイブリッドレーザ加工装置等への拡販を進めてまいります。

 ポリカーボネートプレートは、社会課題解決への取り組みを推進する事業部内「エコプラプロジェクト」での検討により、環境対応型プレート製品としてプレコンシューマ材を99%以上使用した、リサイクルポリカーボネートプレート“PCECO PR600”を上市しました。本製品は「エコマーク」認定を取得しております。環境対応した原材料情報の調査、環境に配慮したプレート製品の企画立案、既存製品を循環利用するためのスキーム検討につきましては、今後も注力してまいります。

 切削用材料は、スーパーエンプラのPPSから汎用素材のPP、PEまでを取り揃え、独自技術によって低歪で高品質な商品として継続的に拡充してまいります。

 超微粒子マテリアルは分散および表面処理技術の深耕により、今後さらに微細化が進む半導体回路基板の絶縁用途や有機EL等のディスプレイ向け光学制御部材、アンチブロッキング剤用途への商品開発と新規分野への展開を進めてまいります。

 マイクロモータは、電子錠、ポンプ、防護マスク、自転車用途へと多種多様なニーズにマッチした商品を市場に提供するとともに、モータおよび周辺部材の新規開発、機能拡充を進めることにより事業領域の拡大を図ってまいります。

機能フィルム事業セグメント

2022年4月にプラスチック資源循環促進法が施行されてから1年が経過し、ブランドオーナー、コンバーターから、地球環境に優しい商品の要望が更に強まっています。熱収縮フィルム、ジッパーを通じて、その要望に応えるべく、モノマテリアル化等によるリサイクル性に優れた製品、バイオマス原料を使用したカーボンニュートラルに寄与する製品、プラスチックごみによる環境汚染に配慮した生分解性製品、そしてリサイクル原料を含有した製品を開発し、環境に調和した循環型社会の実現に向けた製品を販売してまいります。

 具体的には、熱収縮フィルム分野では、国内市場向けにPS系熱収縮フィルム“BP10”、米国市場向けには連結子会社Bonset America CorporationからPET系熱収縮フィルム“Bonpet Renew”を販売・展開しております。“BP10”はバイオマス成分を含有しPS系熱収縮フィルムでは業界初となる「バイオマスマーク」を取得しており、“Bonpet Renew”はリサイクル性に優れ、米国リサイクル評議会(The Association of Plastic Recyclers)から認定を受けた商品です。

 ジッパー分野では、パウチそのものを単一素材で作りリサイクルする指向に基づいた「モノマテリアル」に最適なジッパーの開発を進めており、近々欧州、北米への販売を開始する予定です。

 機能性製品としては、“幼児誤飲防止用ジッパー(チャイルドレジスタンスジッパー)”の販売を予定しています。幼児が開封しにくい構造になっており、薬品、化学物質等の誤飲抑制の機能がついた製品です。当ジッパーを使用したパウチは、チャイルドレジスタンス機能の認証(FDA1700.20、ISO83217)を取得しております。

 今後も独自性のある機能性製品の開発を進めてまいります。

全社(共通)

 研究開発部門は、未来の変化・需要を見据えて、グループ全体のコア・テクノロジーを活かした技術開発を進め、さらにはオープンイノベーションや外部専門家の活用など研究開発費を積極的に投入、且つ外部企業や大学・研究機関との交流やDXの活用を行うことで開発のスピードアップを図ります。

 また、高度な配合設計技術、形状(意匠)設計技術、性能・分析評価技術、設備設計技術、成形加工技術を活用して、独自性・優位性のある素材の開発、高付加価値な機能性フィルム・シートの開発、施工技術・新工法の開発、新しい機能を生み出せるプロセスの構築などに注力し、次世代を担う新製品・新事業を創り出すことにチャレンジし、実現いたします。

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