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企業概要

 2022年度は、3つの大きな成果が実る年でありました。まず一つ目は「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2022」において、戸建住宅商品「life style KURASI'TE(ECOハイグレードモデル)」が「特別優秀賞」8年連続の受賞。二つ目が政府の2030年ZEH義務化に向けた目標を前倒し、当社の新築戸建て住宅のZEH化率がついに100%(注)1を達成。そして三つ目は「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2023」において、非日常(防災)と日常を両立する「リニューアルサイクル・カーボンマイナス住宅(注)2」(以降RCCM住宅)が、最優秀賞を受賞いたしました。

 当社グループは、経営理念及び指針に基づき「人と地球がよろこぶ住まい」をブランドに掲げ、社会課題を解決すべく、お客様が持つお困り事を解決し、暮らし満足の向上と、地球環境に配慮した高性能・高品質・高付加価値な住宅の供給を目指しており、その実現のため、暮らし提案力・デザイン力・工業化技術力に基づく品質の向上及びコスト削減を目的に研究開発活動を行っております。その中で、2009年より暮らし提案システム「life style KURASI'TE」を導入し、さまざまな暮らし方に応じて、より満足を得る“生活を演じる舞台”を提案することを基本とし、それぞれのご家族が、どのようなライフスタイルを送りたいのかを把握することで、お客様の希望を反映した住まいを提案することが当社の使命であると考えております。

 今回、一般財団法人日本地域開発センターが主催する優れた省エネルギー住宅を表彰する制度「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー2022」にて、「life style KURASI'TE(ECOハイグレードモデル)」が「特別優秀賞」を受賞した提案は、当社施工エリア(温暖地)でありながら、北海道並みの断熱性能と、政府が掲げる省エネルギー基準の一次エネルギー消費量を3割以上削減する性能にしたことで、夏涼しく冬暖かい、かつ高騰する電気代に対して電力消費を抑える住まいを実現するものです。これは、軽量鉄骨住宅においてトップクラス(注)3の性能となります。さらに、断熱性・省エネ性だけでなく、近年頻発する大地震や災害への備えとして、地震に強さを発揮する鉄骨耐震構造と地震の揺れを抑えるオリジナル制震装置や停電時に家に電力供給できる仕組みに加え、在宅勤務の増加など暮らしの多様化にも対応できるリビングの大空間提案まで、トータルで提案したことが受賞につながりました。

 また当社は、事業コンセプトである「エコ&セーフティ」を主軸に置いた独自の技術開発をベースに、長寿命で環境性能に優れ、安心・安全で、快適に暮らして頂ける住宅を供給することが社会課題の解決に繋がると考えております。そこで長期優良住宅やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)(注)4を普及、促進させ、質の高い築古建築が価値を持つ日本となることを目標として、独自技術の研究開発に取り組んでおります。

 国策でもある2030年ZEH義務化に向けた目標を背景に、2016年度から外皮平均熱貫流率 (以下「UA値」という)がZEH基準であるUA値0.6(当社販売エリア)よりも高い性能値であるUA値0.5(モデル プラン)として市場導入し、さらに2022年度からはUA値を0.46にまで引き上げ、鉄骨構造でありながらハイスペックな高断熱住宅として販売しております。政府による2020年10月の「2050年カーボンニュートラル宣言」を受け、尚一層のZEH対応住宅の促進を図り、その結果2022年度においては新築戸建住宅のZEH化率100%を達成しました。この数値は、業界でも特筆するべきものであり、徹底した企業姿勢の表れだと自負するところであります。

 ZEH化率100%を達成化した今後の展開として、PPA(Power Purchase Agreement(電力販売契約))等の太陽光の第三者所有スキームを構築し、太陽光設置初期費用を抑えることで、建物性能を高めたいお客様にとって近年の物価上昇にも伴う予算超過への解決策になると考えております。さらに、賃貸集合住宅においては、住まいへの不満として温熱環境に対してストレスを感じる、自宅で仕事をすることで使用電力が増えたという声もあり、断熱・気密性能に優れた快適な住環境が求められていることから、高い断熱性能や省エネ設備に加えて太陽光発電の導入により、集合住宅のZEHに定義される仕様を満たす提案を標準化いたしました。これにより、国が掲げるカーボンニュートラルの観点から、住宅を通じたCO2の排出削減の普及を進めるだけでなく、冬は暖かく夏は涼しい年中快適な室内空間の実現や、省エネ設備等による光熱費の削減、災害による大規模停電が発生した際にも太陽光発電が非常用電源として利用できるなど、オーナー様にも入居者様にも喜ばれる土地活用を提案しております。

 近年、少子高齢化の影響により「空き家」問題が顕在化しています。また同時に省エネルギーやZEHへの取り組みも求められています。更に、新築では居住時のCo2排出ゼロ(ZEH)から一歩進めた、建設時や解体時を含めたLCCM(ライフサイクル・カーボン・マイナス)が今後の主流となると言われています。残念ながら「空き家」を含む既存住宅には、ここまで厳しい基準は制度化されていません。

 「空き家」は、そのまま解体すればCO2を排出するだけです。そこで当社は、「空き家」をリニューアルにより再活用することで、建設時のCO2排出量を減らし、更に居住時の排出量をマイナスとすることで、トータルのCO2排出をゼロにする「RCCM住宅」を業界で初めて提案し、2022年度 国土交通省「サステナブル先導事業(省CO2型)」に採択されました。審査段階においては、当社のこれまでの先導事業での実績(業界初となる蓄電池や太陽熱連携ヒートポンプ給湯器、HEMS等への取り組み)と「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」での連続受賞、ZEHへの積極的な取組みが高く評価され、当社はチャレンジに値する企業であると評価を頂きました。

 当社が提案する「RCCM住宅」は、CO2の排出を抑えると同時に、断熱・気密性に優れた快適空間であるからこそ、子どもや高齢者を優しく、高性能な換気システムは、コロナ禍でもクリーンな空気環境を創出し、アレルギーやヒートショックなどから家族を守ります。更に自然災害などでライフラインが止まってもエネルギー(電気)やトイレなど生活用水の利用が可能な仕組みを取り入れています。これら、非日常(防災)と日常の提案内容が評価され、一般社団法人レジリエンス ジャパン推進協議会が制定する「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2022」の、「最優秀賞」を受賞いたしました。

 本提案を通じて当社では、これからの既存住宅、住まいに求められる住宅性能のフラッグシップモデルとして業界が進むべき方向性を示し、地域社会を通じた強靭化を図り、永く住み継げる住宅循環(流通)として取り組んでまいります。

 研究開発の方針については、これまで当社が持つ7つの事業領域を展開する中で、蓄積された経験、ノウハウを活かした新しい取り組みに挑戦してまいります。具体的には、戸建の新築、マンション、リフォーム、賃貸福祉、リニューアル流通等のハードに関わるところだけではなく、介護事業や保育事業の運営、ロボット開発等を通して学んだソフトに関する課題に対し、病院や大学等の研究機関、高齢者や子ども、医師やセラピスト、介護職員や保育職員との触れ合いや意見交換をしながら得た資産を活かし、本年度は “人を見つめることで、生まれる技術”をテーマに取り組んでいく所存です。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は101百万円であり、主として住宅事業に関する研究開発活動でありますが、マンション事業に展開可能なものについては展開しており、セグメントに分類することはができません。

 主要課題としては、以下のとおりであります。

 1.エコロジー

 (1)創エネルギー

①太陽光発電と連動した蓄電池や太陽熱利用等、自然エネルギー自給住宅の開発

②災害時に人を守る仕組みの構築、システム連携

 (2)省エネルギー

①高断熱・高気密技術の導入によるZEH・LCCM住宅・RCCM住宅の開発

②HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を用いた遠隔見守りサービス

 2.セーフティ

  (1)安全

   ①30年後・60年後と強さが変わらない鉄骨軸組工法を活用しながら、地震だけではなく、津波や台風などによる水害から、子どもや高齢者を守る技術開発

   ②ライフサイクル変化に対応できる住み替え、リニューアル流通の仕組みの提案

  (2)安心

   ①快適な温熱環境、防犯など住まいの基礎技術と地域連携の開発

   ②見守り・健康介護・ヘルスケアなどライフサポートの提案

 3.くらし提案

   ①ライフスタイルの変化に応じた住まい方・住替え提案

    ・住まう方の主観的価値を訴求する暮らし方提案

    ・コミュニティ賃貸住宅の提案

   ②シニア市場への対応

    ・ロボットを活用した見守り住宅(戸建、福祉施設、サービス付高齢者向住宅)

    ・既存住宅へのリニューアル、買取、賃貸などセット提案による価値の提案

   ③健康住宅の提案

    ・病院、大学との共同研究

    ・病院周辺の空き家を活用した見守り住宅

    ・保育園、介護施設と連携した健康促進

   ④AI/IoTへの対応

    ・センサーによる見えないものの見える化の研究

    ・センサー技術を活用した暮らしの提案

    ・センサーデータによる更なる快適な暮らしへの活用研究

(注)1.一般社団法人環境共創イニシアチブへの届出数値。

2.新築のLCCM住宅の考え方を、リニューアル後の既存住宅に展開するのがRCCM(リニューアルサイクル・カーボンマイナス)住宅。建替え(解体+新築)をせず、既存住宅を活かすことでCO2の排出量を削減した永く住み継げる循環型住宅。

3.当社独自の調査による。

4.住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と大幅な省エネルギーを同時に実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーを創り、年間に消費する正味(ネット)のエネルギー量が概ねゼロ以下となる住宅。

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