企業リニューアブル・ジャパン東証グロース:9522】「電気・ガス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりである。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は、代表取締役社長 眞邉勝仁が、2011年3月11日に発生した東日本大震災の際に被災地を訪れ、太陽光で稼働する浄水設備を届けたことをきっかけに、2012年に創業いたしました。当社グループは「持続可能なエネルギーを届け、生き生きと暮らせる未来を実現します」というビジョンの下、これを実現するために以下の3つのミッションを掲げて事業を行っております。

①クオリティの高い再生可能エネルギー発電所をつくり、安全に運営します

②金融のノウハウを活かし、再生可能エネルギーをひろげます

③再生可能エネルギーで地域社会を元気にします

(2)経営環境

①再生可能エネルギー事業を取り巻く状況

 当社グループが位置する再生可能エネルギー事業は、気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」の締結を契機に脱炭素化に向けた取組みが世界的な潮流となっており、日本を含む150ヶ国以上の国がカーボンニュートラルを表明しております。日本においては、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとし、カーボンニュートラルの実現を目指すこと、そのために、省エネルギーを徹底し再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、規制改革等の政策を総動員しグリーン投資の更なる普及を進めること等が宣言されました。また、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画において、2030年度の再生可能エネルギーの電源構成の占める割合は、従来の第5次エネルギー基本計画の22~24%から36~38%へと1.5倍以上に引き上げられました。

 再生可能エネルギー導入に対する政府の支援姿勢は継続しており、今後も再生可能エネルギー市場はより一層拡大していく見通しです。

②再生可能エネルギーにおける太陽光発電の市場規模

 日本国内における太陽光発電の市場規模は、資源エネルギー庁「2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討」及び「第6次エネルギー基本計画」によると、日本の太陽光発電導入量は、2019年度の55.8GWから2030年度には103.5~117.6GWとなる見込みであり、2019年度の導入量の約2倍の市場に拡大する見込みです。また、これまで太陽光発電所の開発はFIT制度に基づき開発されてまいりましたが、今後はFIP制度(Feed in Premium制度)に基づく開発及びNon-FIT開発が中心になってきます。

③FIT制度による再生可能エネルギーの導入拡大とFIP制度・Non-FITへの移行

FIT制度は、日本のエネルギー自給率が低水準であること及び温室効果ガスの削減を主たる目的として、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(以下「再エネ特措法」といいます。)に基づき2012年7月より開始しました。FIT制度は、太陽光発電等再生可能エネルギー電源で発電した電気を国が定める期間、固定価格で送配電事業者が買い取ることを義務付ける制度です。FIT制度は長期的に安定した収益が得られるため、主に太陽光発電所を中心に急速に拡大しました。一方で、FIT制度に基づく再生可能エネルギーによる発電の普及が進むにつれ電力の買取も増加し、国民負担となる再エネ賦課金が大きくなってきました。そこで、2022年4月1日より施行された「強靭かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(以下「エネルギー供給強靭化法」と言います。)」では、FIT制度に加え、新たに市場価格にプレミアムを上乗せして交付する制度であるFIP制度が創設されました。FIP制度は、再生可能エネルギーのFIT制度からの自立化、卸電力取引市場への統合、国民負担の抑制を図ることを主たる目的としています。

 また、「Non-FIT」による再生可能エネルギーの普及も期待されており、Non-FITの場合は、発電した電力を電力卸市場にて取引することや相対で買取価格・契約期間を決めることができます。当社グループは、FIT制度に依存しない再生可能エネルギー電源の普及・拡大に向け、相対契約での売電事業や、JPEX(一般社団法人 日本卸電力取引所)における売電事業を実施しております。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①事業領域の拡大への取組み

 当社グループは、再生可能エネルギー発電所のデベロッパーとして、太陽光発電所を中心として、水力発電所や風力発電所の開発を行っております。また、再生可能エネルギー発電所の開発にとどまらず、蓄電池の活用などの検討を積極的に進めております。

 また、スペイン王国において現地法人を設立し、南欧を中心とした地域において海外における発電所の開発/取得も実施しております。

 当社グループは、多様な再生可能エネルギー発電所の開発、蓄電池などの新技術の活用、海外展開等により事業領域の拡大に努めてまいります。

②循環モデルによる事業拡大

 当社グループの収益構造は、安定的な積み上げが期待できる売電事業及び発電所運営管理事業からのストック収益と、発電所の売却収入等のフロー収益から構成されております。

 開発した発電所を自社保有して安定的な売電収入を得ることに加え、発電所の一部を私募ファンド等に売却することでバランスシートをコントロールしつつ、その売却収入を再投資資金として新たな開発を行う循環モデルにより成長を加速させてまいります。加えて、売却先ファンドのAM業務や、O&M業務を受託することで、安定的なストック収益を確保していきます。また、O&M事業については、外部受注の拡大を進め、更なる成長を目指してまいります。

③Non-FITへの対応

 当社グループは、従来、固定買取価格制度(以下、FIT)の認定を受けた再生可能エネルギー発電所の開発及び保有により事業の拡大を進めてまいりましたが、将来においては、電力をエンドユーザーや卸売市場へ相対で売却(以下、Non-FIT)するような形に移行するものと考えております。

 そのようなNon-FIT時代において、当社グループの再生可能エネルギー事業の収益性を維持するためには、発電所開発コストの低減が必要となります。

 開発コストのうち、造成コストについては、ゴルフ場の活用、屋根上への設置、遊休地の活用など、造成を伴わない開発案件の検討を進めております。

EPCコストについては、より低コストで高品質な発電所建設を目指し、建設の初期段階である設計時から費用削減の意識を高めて、最終的な発電所建設コストの低減に努めております。

 開発コストの他、発電所完成後のランニング・コストについても低減する施策を検討しております。

④地域との共存・共生

 地域との共存・共生について、当社グループの地方における開発事業及びO&M事業の拠点は、年々増加しており、当連結会計年度末時点において全国30か所となりました。また、その事務所のある地域の方々の雇用に加えて、地域住民、地方公共団体及び地域の企業などと連携し事業展開することにより地方の活性化に貢献しております。

 また、当社では書籍の寄贈や住民を招いての環境勉強会など開催しておりますが、そういった取り組みが、当社の事業創出の機会にもつながると考えております。

 今後も、このような活動を積極的に増やし、地方の活性化に貢献してまいります。

⑤財務体質の強化

 当社グループは、再生エネルギー発電所にかかる開発資金を、金融機関からの借入等により調達しています。今後は、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大から生み出される余剰資金及び財務活動による増資等により、有利子負債依存度の改善を進め、財務体質の強化に努める方針です。
 

(4)目標とする経営指標

 当社グループは、多額の設備投資を必要とする発電事業の割合が高まっており、減価償却費等の割合が大きくなっております。減価償却費等の一過性の償却負担に過度に左右されることなく、株式価値の向上を目指すことが重要と認識していることから、EBITDAを目標とする経営指標としております。
(注)EBITDA=経常利益+支払利息+支払手数料+減価償却費+のれん償却額+その他償却(EBITDAは、会計監査又は四半期レビューを受けておりません)

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