企業タカヨシ東証グロース:9259】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)経営方針

 当社は、「わくわく広場」の運営を通じて、ビジョンとして掲げる「安心と笑顔が広がる世界をつくる」ことを実現してまいります。そのために、プラットフォーム型でありながらリアルな店舗を有しているという特徴的なビジネスモデルに磨きをかけるとともに、他のお店では買う事の出来ない商品を取りそろえることで、お客様が当社の店舗を目指して来店して下さるデスティネーションストアの構築を生産者と共に目指してまいります。

(2)中長期的な経営戦略

 当社では、プラットフォーム成長の鍵は「場」と「ユーザー」の拡大であると認識しております。

 そのため、シェアショップ事業における「場」である店舗数を積極的な出店戦略により伸ばすとともに、「ユーザー」である登録生産者数を伸ばすことにより、全体的な流通総額の拡大を図る方針であります。当社ではお客様から受領した販売代金から生産者へ支払う仕入代金(予め登録時に生産者に同意いただいている当社で決定した一定の料率で算出した金額)を流通総額より控除した金額を営業収益として財務諸表に表示しておりますので、流通総額の拡大が営業収益及び利益の増加に重要な影響を持つ指標と認識しております。以上のことから、当社の重要な経営指標として、流通総額、店舗数及び登録生産者数を注視し、成長に向けた経営資源の投資を継続してまいります。

① 「場」の拡大に向けて

 店舗数の拡大に当たっては、以下の戦略を織り交ぜることにより、全国的な展開エリアを拡大させつつ、バランスよくドミナント化を進めてまいります。

(a)地域ドミナントの深化

 他の小売店と同様、当社のビジネスモデルにおいても、ドミナント化を進めることにより店舗運営の効率化を図ることが可能となります。

 シェアショップ事業においては、地域ドミナントが深まることにより、既存の生産者にとっては、近隣の出品可能な店舗が増え販路拡大になるとともに、新規の生産者の商品が既存の店舗にも増えやすくなる傾向があり、既存のローカルサプライチェーンを新規出店に活用することができるため、出店効率を高めることが可能となります。

(b)未出店エリアへの拡大

 シェアショップ事業においては、ローカルサプライチェーンを各店舗周辺で形成することが前提となっており、大規模なサプライチェーンの構築を必要としておりません。既存の店舗やサプライチェーンが無い未出店のエリアであったとしても、新規出店を通常の出店投資と同様の範囲で行う事が可能であるため、将来的なドミナント化を見込むことができる地域であれば出店し、出店エリアの拡大を進めてまいります。

② 「ユーザー」の拡大に向けて

 当社では、生産者が「いつ・何を・いくつ・いくらで」出品するかを自由に決定できることから、商品力の強化のためには各店へ出品する生産者の数を増やしていくことが不可欠となります。そのため、生産者にとっての収入機会の場としての魅力を高めつつ、日本各地の生産者へのアプローチを担当部署のスタッフや各店舗従業員が継続することにより、登録生産者数を増やしていくことが商品力の強化につながると考えております。この点については、既存の店舗であったとしても、店舗周辺の登録生産者数を拡大していく余地があるため、継続的なアプローチを行っております。

 また、新規の生産者を増やしていくことに加え、既存の生産者に対しては、自らの商品が「いつ・何が・いくつ・いくらで」売れたのかといった販売情報を見やすく使いやすい状態で積極的に開示し、出品を促す情報システムを提供しており、こうした情報発信の強化継続や、宅配便を利用した店舗への納品、当社が一部の地域で運営している物流センターの利用といった、生産者が出品しやすい・出品したくなる物流システムの提案により、生産者の出品意欲を高め、魅力的な商品がたくさん集まるプラットフォームとしての価値を向上させてまいります。

(3)経営環境

 当社が推進するシェアショップ事業と類似する販売スタイルである農産物直売所関連の経営環境としては、農産物直売所経由での農業生産関連事業の販売金額は成長してきている(参考資料:農林水産省統計部「6次産業化総合調査報告」)一方で、スーパーマーケットでも野菜の産直コーナーの展開を進めている店舗も増加しており、競争環境は厳しさを増していると考えております。また、一般的な農産物直売所において中心的な商材である青果は、気候変動や天災といった要因により、価格変動の影響を受けやすい商材となっております。こうした環境の中、当社では単なる青果の直売所ではなく、「地域を結ぶ直売広場」としての機能を発揮して青果以外の産直商材の登録生産者数を増やし、品種の拡大を図ることで激化する競争環境において大きな優位性を発揮しております。

 外部競争環境としては、上記の様な厳しい環境が継続していく見込みですが、一方で、シェアショップとしての機能を必要とする生産者は今後さらに増えていくと考えており、こうした生産者に新たな販路を提供することが、地域の活性化に貢献するという当社の社会的意義につながるものと考えております。

農業生産関連事業の年間総販売金額の推移(全国)


出典:農林水産省大臣官房統計部 令和3年度6次産業化総合調査

令和5年3月24日公表

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社では、流通総額、店舗数及び登録生産者数を重要な経営指標と考えております。

 当社の成長に対して重要な上記の指標を伸長させていくためには、プラットフォームを利用する生産者を増やすとともに、より多くの商品を出品いただく環境づくりを行い、店頭に集まる商品を増やしていくことが、お客様にとって魅力のあるプラットフォーム、すなわち、売り場・店舗につながり、結果として営業収益・利益の拡大につながっていくと考えております。

 また、生産者とお客様を結ぶプラットフォームである店舗数そのものを拡大させていくことで、より多くの生産者に販売機会を提供するとともに、お客様に魅力的な商品をお届けしていきたいと考えております。

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)及び(2)に記載の、経営方針及び経営戦略を実行していく上で、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

① 新規出店の継続

 店舗数を拡大させるためには、収益力のある店舗の新規出店を継続させていくための社内体制の整備等を進めることが課題と認識しております。この課題に対処するために、当社では、出店候補物件の評価プロセスの整備や出店意思決定後の出店プロセスの整備に取り組んでおります。

② 新規出店エリアの拡大

 店舗数の拡大にあたっては、新たな地域への出店を行っていくことも重要な課題になっていくと認識しております。この課題に対処するために、当社では、これまでの経験を踏まえて事業が成立しやすいエリア・地域への新規出店を継続していくとともに、既存の商品構成にこだわらない店舗づくりと生産者の開拓を実施し、これまで出店の難しかった地域への出店も進めていきたいと考えております。

③ 「お客様がまた来たくなる店舗」の運営

 当社ではお客様の動向を常に把握し、現場スタッフによる機動的な判断により豊富な商品数とその魅力をお客様に訴求し続けることを、店舗運営にあたっての判断指針の第一に掲げ、従業員への浸透を図っております。また、お客様にとって魅力のある店舗が生産者にとっても商品を多く出品したいと感じるプラットフォームであるとの考えに基づき、店舗作りを継続的な課題として認識しております。

④ 店舗で取り扱う商品及び売り場の安全性・遵法性の確保

「わくわく広場」に出品される商品に関しては、生産者及び店舗スタッフが「食品表示法」、「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」等の各種法令に基づく商品表示・店頭表示を理解し、遵守することが課題であると認識しております。この課題に対処するために、当社では日頃からこれらの関連法令等に関する情報発信を社内外に行っておりますが、引き続き関連法令に基づく表示に努め、お客様に安心してお買い物をしていただけるよう、売り場の安全性の確保を図ってまいります。

⑤ 人財の確保

 継続的な成長の源泉である人財は、当社にとって重要な経営資源であると認識しております。この課題に対処するために、当社では、中途採用も含め、優秀な社員を継続的に雇用してその成長機会の提供及び教育・育成を実施し、更に人事評価制度の充実等の各種施策を進めてまいります。

⑥ 新規登録生産者の獲得

当社の事業を成長させていくためには、プラットフォームとしての「わくわく広場」を利用する新たな生産者を、いかに効率的かつ効果的に獲得していくことができるかが課題と認識しております。この課題に対処するために、当社では生産者開拓を行う担当部署を設けており、スキル向上と人財の確保に注力しております。また、「わくわく広場」を利用することによって、販路の拡大により収入が増加するメリットを継続的に訴求して、生産者の登録拡大に向けた活動を続けてまいります

⑦ 生産者の販売増加に向けたサポートの充実

 当社事業の成長には、プラットフォーマーである当社の商品販売に対する努力だけではなく、魅力的な商品を生産者に多く出品してもらうことが課題であると認識しております。この課題に対処するために、当社では、生産者の出品を促すため、リアルタイムで詳細な販売データをスマートフォンやパソコンを通して確認できる情報システムを自社で構築・改善する体制を持つことにより、生産者が状況に応じたタイムリーな出品判断ができる仕組みを提供する等、生産者向けの情報発信体制の強化に引き続き取り組んでまいります。

 (その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)

① 食品ロスへの対応

 当社では新鮮な野菜を提供することが他の店舗との差別化につながる点の一つであると考えており、青果の陳列期間を当社独自で定め、陳列期間を超える青果は店頭から撤去しております。これらの、まだ十分に食べられるにもかかわらず、「わくわく広場」の付加価値を維持するために廃棄せざるを得ない食品ロスは当社にとっての課題であると認識しております。この課題に対処するために、当社では、地方自治体とも連携し、店舗近隣のこども食堂をはじめとしたNPO法人等に対して、陳列から外れた食品を生産者の同意を得た上で無償提供しており、今後こうした連携をさらに増やすことで、食品ロスを少しでも削減してまいります。

② 自然災害への対応

「わくわく広場」に出品される主力商品の一つが、生産者が直接出品する青果ですが、台風や洪水、強風などの自然災害により生産者に被害が発生した場合、出品量が減るなどの影響が生じるといった課題があると認識しております。当社では、出店エリアの拡大に伴い、日本各地で登録生産者が増えており、自然災害の影響が軽微にとどまったエリアの生産者が宅配便などを活用して出品するスタイルを提供することにより、自然災害による物量の変動への対応を進めております。

③ コンプライアンス体制の強化

 当社は社会的責任を果たすべく、また、食の安全・安心志向がより高まる中、全社的にコンプライアンス体制を整備強化していくことが、注力すべき課題と考えております。コンプライアンス統括責任者を任命し、法令等の遵守、懸念事象発生時の報告及び対応を行うとともに、取締役会において定期的に重要事項の審議及び報告を行うなどの対応をしております。法令遵守は企業存続の基本として全社的に更なる徹底が必要であると考えており、全従業員を対象にコンプライアンス意識の更なる醸成を進めてまいります。

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