企業イチネンホールディングス東証プライム:9619】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループにおける研究開発活動は、ケミカル事業においては、連結子会社の株式会社イチネンケミカルズの研究開発センターが主体となって、新商品開発を行っております。2023年3月末時点で研究開発センターは55名、新規事業開発部開発チームは4名、総勢59名のスタッフで構成されております。開発部門については、工業用薬品(燃料添加剤関連研究開発)部門、生産工場用ケミカル関連開発部門、一般消費者向け商品開発部門、表面処理関連開発部門、新規開発ケミカル製品関連部門、分析・試験関連部門の6部門でケミカル品の開発、改良、分析に注力しております。また、前連結会計年度は、各部門を跨いだ若手を中心とするプロジェクトを立ち上げ、更なる製品開発のスピードアップ、他部門との連携体制の強化に取り組みましたが、当連結会計年度は前連結会計年度の取り組みの他に各営業部門での部会、分科会を一層充実させ研究開発センターとの連携体制の強化に注力いたしました。

 機械工具販売事業においては、連結子会社の株式会社イチネンTASCOの企画開発室技術課が主体となって、新製品開発を行っております。2023年3月末時点で企画開発室技術課は3名のスタッフで構成されております。また、新製品開発に当たり、必要に応じてグループ内外を問わず協力会社を活用しております。

 合成樹脂事業においては、連結子会社の株式会社イチネン製作所の第一事業部が遊技機部品の新規提案及び新製品開発を、第二事業部がガス検知器・セラミックヒーターの新製品開発を行っております。2023年3月末時点で第一事業部は7名、第二事業部は4名、総勢11名のスタッフで構成されております。

 当社グループを取り巻く諸情勢は年々変化が激しく、社会情勢の変化に対応できる組織が求められている状況です。顧客ニーズに沿った短中期的開発テーマに重点を置きながら、将来を見据えた技術開発が急務と判断しており、中長期的視野での技術開発も検討すべきと考えております。将来の方向性を示すことが研究開発部門の課題であり、時代の要望に沿った研究開発活動を目指しております。

 当連結会計年度における研究開発費の総額は557百万円で、各セグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。

(1)ケミカル事業

①工業用薬品(燃料添加剤関連研究開発)部門

<燃料添加剤>

 バイオマス火力に注力し複数の新規ケミカル製品にて成果を収めております。顧客のトラブル状況に合わせた薬品の提案により実績を上げながら、添加剤による効果をより詳細に解析し、さらに効果的な添加剤の開発に注力しております。前連結会計年度にはバイオマス火力向けの新燃料添加剤の開発が終了し、当連結会計年度は新燃料添加剤の市場投入を開始しております。各顧客での実機評価試験を継続しており売上の拡大を期待しております。また、当連結会計年度は焼却炉向けの新燃料添加剤の開発に着手しており、翌連結会計年度には新燃料添加剤の市場投入を期待しております。

②生産工場用ケミカル関連開発部門

<メンテナンス用ケミカル品>

 当連結会計年度に市場投入いたしました植物由来原料を配合したパーツクリーナーは、市場でのサンプル評価試験を継続しており、今後売上の拡大を期待しております。また、当連結会計年度も脱炭素社会に向けて、環境配慮型の製品開発に注力しております。営業部門にてGreenJIP部会を立ち上げ、研究開発センターとの連携を強化し、翌連結会計年度には製品のバイオマスマークの取得を目指してまいります。

<溶接ケミカル製品>

 前連結会計年度に市場投入いたしました新型電解研磨機(600W、1,000W、1,500Wタイプ)及び高性能ケミカル製品は、当連結会計年度も売上に貢献しており、昨今の半導体業界の市場動向により更なる売上の拡大を期待しております。また、翌連結会計年度には半導体業界向けの高性能ケミカル製品の開発に向けて、営業部門及び開発部門にて専門チームを立ち上げ、活動を開始いたします。

<自動車修理工場関係>

 修理工場向けの塩害ガードシリーズは、当連結会計年度に施工が簡易なオイルタイプを市場投入し、今後更なるブランド力の向上及び売上の拡大を期待しております。また、当連結会計年度は環境配慮型製品(有機則、PRTR非該当)の開発を終了し、翌連結会計年度には市場投入を予定しており、売上の拡大を期待しております。当連結会計年度に市場投入いたしました抗菌性を付与した霧タイプのカーエアコン用エバポレータ専用の洗浄剤は売上に貢献しております。

③一般消費者向け商品開発部門

<コンシューマー向け自動車用ケミカル>

 前連結会計年度に続き、営業部門と新製品開発に関するプロジェクトを継続し、市場調査を行いながら製品開発を行いました。顧客ニーズにマッチした製品開発を継続し、より顧客満足を図り、売上に貢献してまいります。当連結会計年度に新たに市場投入いたしましたガラスコート剤や企画限定品は、売上に大きく貢献しております。また、当連結会計年度はクリンビューの曇り止め効果を向上させた製品の開発を終了しており、翌連結会計年度には市場投入を予定しており、売上の拡大を期待しております。植物由来原料の採用によるプラスチック使用量の削減への取り組みは、当連結会計年度に製品化を終えており、翌連結会計年度から順次市場投入を予定しております。

④新規開発ケミカル関連部門

<新規ケミカル開発部>

 粘土膜を使った無機耐熱コーティングの開発については、当連結会計年度は電子材料分野での実用化を目指し性能評価を継続しております。また、用途開発に関しては保護コーティングも含め、それ以外の分野へのPR活動を開始しており、翌連結会計年度には他分野への応用に期待しております。プラスチック材料への環境型添加剤に関しましては、当連結会計年度は展示会出展等のPR活動を継続し、売上に貢献しております。また、再生プラスチックへの応用に関しては、製品化に向けた技術確立を継続しております。翌連結会計年度は、PP、PS以外の汎用樹脂への応用の検討を進めてまいります。

 なお、当連結会計年度に支出したケミカル事業に係る研究開発費は378百万円であります。

(2)機械工具販売事業

 空調・冷凍機器に関するサービスメンテナンス

 「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」が改正され、2020年4月1日から施行されたことにより、業務用エアコン・冷凍冷蔵機器を廃棄する際の規制の強化がされ、フロン類の大気中への排出は厳しく管理されております。

 そのような状況の中、この度2021年1月に販売を開始しました冷媒回収装置が、日刊工業新聞社主催の「第25回オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」において、最高賞の経済産業大臣賞を受賞いたしました。

 冷媒回収作業中の圧力低下に伴う回収スピードの低下により、機器内に残る残存フロンに着目し、これを改善するために、並列/直列回路切替機能を有する4ピストンコンプレッサーを採用し、冷媒回収速度を向上させただけでなく、冷媒量と圧力に応じて運転を切り替えることで効率よく冷媒回収するとともに、機器の廃棄時における残存フロンの大気排出削減に効果を発揮することが認められ、受賞に至りました。第21回(2018年)にも別の冷媒回収装置で経済産業大臣賞を受賞しており、2度目の快挙です。他の冷媒回収装置と比べると市場価格は高いながらも、機能や性能がユーザーの心をつかみ、市場の評価により徐々に販売数量が増加しておりましたが、この大賞受賞により、一段と販売数量が伸びております。また回収事業者だけではなく、冷媒再生事業者にも高く支持され、冷媒という貴重なエネルギーを再生することで資源の再利用化にも寄与し、活躍の場を広げております。当連結会計年度はこの回収装置をより活かすために、複数の機器から一度に冷媒回収することのできる回収用連結ヘッダーや、強力電磁弁オープナーなども開発し、冷媒回収関連製品の充実化を図りました。その他にも、エアコンや大型家電の設置作業時に周辺を保護する養生マット、約2mmのすき間を50mmまで広げることができる耐荷重100kgのエアジャッキ、電動ドリルで使用できるリーマーなど様々な製品を市場投入いたしました。翌連結会計年度も新型ゲージマニホールドや防爆用真空ポンプ、レバーベンダー、消耗部材などにも力を入れ、様々な新製品の市場投入を予定しております。

 なお、当連結会計年度に支出した機械工具販売事業に係る研究開発費は0百万円であります。

(3)合成樹脂事業

 遊技機部品

 顧客となる遊技機メーカーの要望に応えるべく、新規機構、盤面及び役物のデザイン等の各種提案及び製品開

 発を行っております。

 ガス検知器・セラミックヒーター

 ガス検知器については、「安全・安心」を提供すべく、汎用製品だけでなく、特定顧客向けのカスタム対応製品まで多種多様なタイプの製品開発を行っており、前連結会計年度より顧客の要望に応えるべく、IoTの活用や次世代の通信網を利用した「システム系ガス検知器」の開発を中長期的な視点で進めております。

 セラミックヒーターについては、半導体等の製造に使用される工業用部材として標準品及び顧客の要望に応えたカスタム製品の開発を行っており、臨機応変にカスタム対応可能な点が他メーカーにはない特色となっております。

 なお、当連結会計年度に支出した合成樹脂事業に係る研究開発費は176百万円であります。

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