(1) 経営方針
当社グループは「世の中の情報通信産業革命に貢献します」の経営理念を掲げ、インターネットを世界中で気軽に、安心して利用できる環境を提供する「グローバルWiFi事業」、企業の成長ステージにあった通信インフラを提供する「情報通信サービス事業」、そして今回、インバウンド関連サービス事業として独自の完全プライベート空間を提供する「グランピング・ツーリズム事業」を展開し、世界に貢献する企業になることを目指しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの強みは、創業以来25年を費やし構築したビジネスモデル「Vision Hybrid Synergy model」により、プル型営業、プッシュ型営業を高効率に展開している点にあります。
WEBマーケティングにて顕在需要を効率的に拾いあげ、CLT(カスタマー・ロイヤリティ・チーム)によるお客様とのコンタクトを通じて要望や課題を見出し、営業の提案力で受注率を高め、蓄積されたデータベースを分析して戦略立案につなげ、これらがシームレスに循環し、相互に作用します。
こうした強みを背景とし、次のような基本戦略をとり事業を展開しております。
① ニッチ&フォーカス戦略
市場の隙間すき間に生まれた課題を見出し、新たなマーケットを開拓します。厳選したターゲットへ経営資源を集中させ品質を向上し、市場シェアを獲得します。
② プライス&クオリティ/リーダ-シップ戦略
サービスの質の高さを保ちながら、生産効率の徹底的な追求、マネタイズポイントの多様化、ボリュームディスカウントによる仕入原価の低廉化等により、価格競争力を強めます。
③ アップセル・クロスセル戦略
新たなニーズを拾いあげ、適切なタイミングかつ適正な価格でサービスを継続的に提供し、顧客との長期的なリレーションを構築します。
(2)経営環境
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い実施されていた入国制限については、世界的に緩和・全廃の動きが加速しています。着実な回復を見せる旅行需要をはじめとし、景気は緩やかな持ち直し傾向にあります。しかしながら、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが景気の下押しリスクとなっており、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大についても十分注意する必要があります。
このような経済環境のもと、当社グループは、既存事業の生産性の向上を図りつつ、新事業・新サービスの拡充を行いながら、アフターコロナでの販売機会を逃すことなく、事業活動を展開していくことが重要と考えます。
また、当社グループはサステナビリティ経営を実践すべく、プロジェクトチームを発足する等して社会課題への具体的な取り組みを実施・検討しております。サステナビリティに積極的に取り組むことで、社会的な存在価値を高めてまいります。
(グローバルWiFi事業)
新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い実施されていた入国制限については、世界的に緩和・全廃の動きが加速しており、国際的な人の往来も一定程度増加する傾向にあります。
回復基調にある経営環境の中、アウトバウンド及びインバウンド並びに国内利用の様々な通信需要に対応すべく、ニーズに即した各種通信プランを用意するとともに、従量課金契約による通信原価の抑制、空港無人化、出荷の内製拡大による業務委託コストの削減等ローコストオペレーションを展開することで価格競争力を高めていくことが重要です。
(情報通信サービス事業)
世界的な半導体部品等の不足を背景とした、メーカーによる商品の供給不足が今後も続くと見込まれる中、一つの商品・サービスや販売チャネルに依存しない強みを活かし、外部環境の変化に柔軟に対応していくことが重要と考えます。
「Vision Hybrid Synergy model」をより一層洗練させ、時代のニーズを察知して商品開発力・提案力を強め、効率の良い営業を展開して価格競争力を強めることで、更なる成長を図ります。
(グランピング・ツーリズム事業)
ソーシャルディスタンスを確保できるレジャーとして、コロナ禍において高まったアウトドア需要は、ウィズコロナを経てアフターコロナにおいても続くニューノーマルの一つであると、当社グループは認識しております。
グランピング・ツーリズム事業は、このニューノーマルに適応し、これまで培ってきた販売チャネル、事業体制及び顧客基盤を有効活用することができる事業です。今後は日本国内における需要のみならず、回復が見込まれるインバウンド需要の取り込みが重要となってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは本業における収益性を継続的に高めるべく、営業利益を目標数値に掲げております。また取り扱い商材の構成比で左右されるため、お客様のニーズを損なうことのないよう目標としては定めておりませんが、営業利益率も経営判断における一定の判断材料とみなしております。
| 2018年度 実績 | 2019年度 実績 | 2020年度 実績 | 2021年度 実績 | 2022年度 実績 | 2023年度 計画 |
営業利益(百万円) | 2,484 | 3,325 | 103 | 1,105 | 2,414 | 3,000 |
営業利益率(%) | 11.6 | 12.2 | 0.6 | 6.1 | 9.5 | 11.3 |
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
グローバルWiFi事業において優先的に対処すべき課題は次のとおりです。
① 渡航需要の回復を見据えた収益性の向上
サービスの拡充や業務効率の改善により、新型コロナウイルス感染症拡大前よりも高い収益が出せる事業構造を構築してまいります。
② インバウンド需要の獲得と海外販路の拡充
プロモーションを強化し、利便性の向上を図ることで、インバウンド需要を取り込んでまいります。また、海外での拡販を見据えてサービスの拡充、販路の拡充に努めてまいります。
③ 安定収益の拡大
法人向けの社内常備型「グローバルWiFi for Biz」の販売を強化することで、安定的な収益の向上に努めてまいります。
情報通信サービス事業において優先的に対処すべき課題は次のとおりです。
① 外部環境の変化への対応
複数の事業・販売チャネルを活かし、時代やお客様のニーズを的確に捉え、ニーズにあった商品・サービスを提供することで、柔軟に事業を推進してまいります。
② 既存事業の生産性向上
WEBマーケティング、営業、CLT(カスタマー・ロイヤリティ・チーム)、エスカレーション(事業部間連携、顧客紹介)等の当社グループの強みを活かし、生産性の向上を図ってまいります。
③ 長期的に安定した収益基盤の構築
月額制自社サービスを拡販し、継続的にご利用頂くことで、安定したストック収益の向上を図ってまいります。
グランピング・ツーリズム事業において優先的に対処すべき課題は次のとおりです。
① 魅力的なカテゴリの確立
持続的成長の実現のために、グランピングという宿泊カテゴリを一過性のブームで終わらせることなく、リゾートホテル・旅館に並ぶ新たな魅力的なカテゴリとして確立及び定着させるべく努めてまいります。
② 開発力強化
常に新しい魅力を備えた施設を計画どおりにオープンさせ続けるべく、開発力を強化してまいります。既存施設においては、魅力を維持・向上させるための持続的な設備投資を行ってまいります。
③ 集客力強化
日本人旅行者のみならず、訪日外国人も集客できる効果的なプロモーションとブランディングの確立を図ってまいります。
当社グループの「対処すべき課題」の解決には、優秀な人材を継続的に確保・教育することが課題であると認識しています。事業拡大、サービス品質の向上及びブランディング確立により、知名度を高めることで、当社グループが必要とする優秀な人材を継続的に確保することに努めてまいります。
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