企業セブン銀行東証プライム:8410】「銀行業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 以下において、当社の事業その他に関するリスクについて、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社の事業その他に関するリスクは、これらのものに限られるものではなく、当社の認識していないリスクを含め、これら以外のリスクが無いという保証はありません。

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度末において判断したものであります。

 なお、経営に係る各種リスクを適切に認識・管理するための枠組みとして、当社は取締役会により決定される「リスク管理基本方針」のもと、全社的なリスク管理方針、各種リスク管理方針及びリスク管理組織・体制を定めております。また、リスクに関する経営会議の諮問機関として「リスク管理委員会」、「ALM委員会」及び「セキュリティ委員会」を設置し、全社的なリスク管理統括部署としてリスク統括部を設置するとともに各種リスクの管理統括部署を設置し、適切なリスク管理を実践しております。

1.事業戦略上のリスク

(1)国内事業セグメント

 当社の収入は、ATMプラットフォーム事業に大きく依存しております。お客さまの利便性、安心感の向上を実現するために、堅実なATM台数の増加及び独自の新ATMサービスの開発・提供、セキュリティの強化等を推進しておりますが、ATMプラットフォーム事業のビジネスモデルを脅かす以下のような変化があった場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。

① 現金に代替する決済の普及

 将来、キャッシュレス化が更に進んだ場合は、ATM利用件数が減少し、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

 このような環境下においても利用件数向上を目指し、従来の概念にない新たなATMサービス(交通系電子マネー、コード決済等へのチャージ取引やATM受取(現金受取サービス)、マイナンバーを活用した取引等)を創造し、社会的価値を拡大することを目指してまいります。

② ATMサービスに関する競争の激化

 当社は、グループ外のコンビニエンスストア等に対してATMを設置する会社等との間では競合関係にあります。また、ATMネットワークを有する金融機関等がATM展開を積極化する場合には、当社との競合関係が拡大するおそれがあります。

 将来、これらの会社等との競争が激化し、当社ATM利用者又はATM受入手数料の減少等が生じる場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。

③ 経済条件の変更

 当社が提携先から受取るATM受入手数料は、双方の事業にとって合理的と判断される水準に定めておりますが、ATM受入手数料の水準が引下げられた場合、またはATM受入手数料の水準が折合わず提携関係が解消された場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。

④ ATM設置場所確保の環境悪化

 当社はグループ内の各店舗を始め、商業施設等のグループ外にもATM設置を拡大し、安定的にATM設置場所を確保、拡大しておりますが、将来、ATM設置場所の確保、拡大に支障を来す場合、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

⑤ 法律改正等による提携先ビジネスへの影響

 提携先のビジネスに関連する法令・規則等の改正により、提携先のお客さまの当社ATM利用が大幅に減少した場合には、ATM受入手数料収入の減少等により、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

⑥ 金利上昇

 当社では、ATMプラットフォーム事業を行うために必要な現金を、預金や社債等により調達しておりますが、これらの資金調達コストは市場の金利動向に影響を受けております。

 当社では、金利変動の影響を小さくするため長期固定金利での調達を行う等、相応の対策を講じておりますが、大幅な金利変動により予期せぬ資金調達コストの上昇が生じた場合には、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。

 また、当社は、普通預金や定期預金、個人向けローンサービス、海外送金サービス、デビットサービス等の提供を行っているほか、国内の連結子会社を通じて他金融機関等からの事務受託事業等に取組んでおります。しかし、これらのサービスが順調に拡大する保証はありません。

 事業領域拡大のために、現在取扱っていない他の金融サービスの提供等、新事業を開始する可能性がありますが、これらが成功する保証はありません。新事業の展開に際し、連結子会社設立やM&A及び他社との資本提携を実施する可能性があります。しかし、これらの戦略的投資について、当初期待した効果が得られず戦略目的が達成できない場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。

(2)海外事業セグメント
① カントリーリスク

 当社は、米国、インドネシア及びフィリピンにATM運営の連結子会社を有しております。今後、これら連結子会社を取巻く政治・経済環境に大きな変化、あるいは自然災害等の不測の事態が生じた場合や、これら連結子会社の業績が不振に陥った場合は、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

② 金利上昇及び為替リスク

 海外事業では、ATM事業を行うために必要な現金を金融機関等から調達しておりますが、市場金利が上昇した場合には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。加えて、為替レートの変動により、当社の利益が減少する可能性があります。

③ 犯罪等によるリスク

 上記連結子会社ではATM設置への強い需要に対応して設置台数を拡大しておりますが、設置場所は国内と比べ治安が不安定な地域も含まれております。さまざまな犯罪を想定のうえ、十分な安全対策を講じておりますが、ATMへの物理的な攻撃その他想定外の犯罪に遭遇し、ATM損傷又はATM機内現金を盗取された場合、損失が生じるおそれがあります。

(3)固定資産の減損

 当社は、有形固定資産やのれん等の無形固定資産を保有しております。保有資産・連結子会社等の収益性悪化やその他資産価値の毀損等により減損処理が必要になった場合、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。

2.システム障害

 当社では、システムリスク管理についての基本的な考え方を「システムリスク管理規程」に定め、規程に基づきシステム開発・運用を行うことで、効率的な開発・品質向上及び安定運用を実現できるよう努めております。また、常時2センターが稼働するシステム構成の採用、サーバ・ネットワーク機器の冗長化、24時間365日の運用監視等、システム障害への対策を実施するとともに、重要度に応じたファイル・プログラム等のバックアップを行い、不測の事態に備え隔地保管を実施しております。

 しかし、大地震、台風等の自然災害、停電、ネットワーク障害、コンピュータウィルス等による障害又は人為的なミスによるシステム機能停止等の危険性を完全に排除することはできず、その場合には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

3.外部委託先

 当社は、ATM装填用現金の交換や各種システムの開発・運用のほか、ATMの保守・管理、コールセンター業務等の重要な業務を外部委託しております。また、預金口座開設に係る業務のうち、キャッシュカード発行・郵送業務等も外部委託しております。

 現在、これらの外部委託先との関係は良好ですが、外部委託先の事業環境悪化等により委託手数料が高騰した場合や何らかの事情により外部委託先のサービス提供が困難になった場合等には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

4.グループとの関係

 当社の事業戦略、人事政策、資本政策等は、全て当社が独立して主体的に検討の上、決定しておりますが、当社は、グループ内の店舗を中心にATMを設置することでATMプラットフォーム事業を展開しております。

(1)資本関係 

 当社は株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東証プライム上場)の連結子会社であり、当連結会計年度末現在において、同社は当社議決権の46.28%を所有しております。同社は、今後も引続き大株主であり続けるものと想定され、当社の方針決定に何らかの影響を与えないという保証はありません。

(2)取引関係

 当社の2023年3月末時点のATM設置台数は、グループ内においては23,285台(内訳は、セブン‐イレブン店舗内22,619台、イトーヨーカドー店舗内263台、その他403台)となっております。また、グループ外においては3,628台となっております。このように、当社ATMの約90%はグループ内に設置されていることから、グループ内にATMを設置し続けることが困難になった場合やグループの店舗の来客数が著しく減少した場合には、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

 また、当社は、グループに対してATM設置手数料を支払っておりますが、条件の大幅な変動により当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

 グループ各社に関連する重要な取引は、「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 注記事項(関連当事者情報)」に記載しております。

5.金融犯罪への対応

 当社は、ATMを中心とした非対面取引を基本とした銀行としての特殊性を認識し、口座開設時の取引時確認を厳正に行っております。また、ATM利用状況、口座利用状況を随時監視し、ATMや当社口座の金融犯罪利用を未然に防止するよう努めるとともに、お客さまの保護に注力しております。しかし、犯罪手口の急激な高度化・巧妙化により一時的に対策が追いつかない場合には、風評の悪化等により社会的評価や損益に影響が及ぶおそれがあります。

6.訴訟

 現在までのところ、重大な訴訟は発生しておりません。また、主に予防法務に重点を置き、弁護士等の専門家等と連携を取りながら、リスクの極小化に努めております。しかし、将来に亘って法令違反や不完全な契約締結等の法律上の問題を原因として、当社の損益及び財務状況に影響を及ぼす訴訟や係争が発生しない保証はありません。

7.法律改正等の影響

 当社は、現行の法令・規則等に従い業務を遂行しておりますが、将来の法令改正等の内容及びその影響を予測しコントロールすることは困難であり、将来に亘り当社の想定どおりに事業を遂行できる保証はありません。

8.監督官庁の規制等

 当社は、銀行法第4条第1項の規定に基づき、銀行業を営むことについての免許(免許書番号金監第1812号)の交付を受け、預金、為替、貸付業務をはじめとした種々の業務を営んでおります。ただし、銀行法第4条第4項の規定(注)に基づき当社の免許には一定の条件が付されており、今後、外貨預金等の新たな業務を行う場合には、改めて、監督官庁の長たる金融庁長官の承認が必要となります。

 したがって、承認申請の進捗状況によっては、当社の事業計画どおりに新事業を展開できないおそれがあり、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

 また、銀行業については、銀行法第26条において業務の停止等及び同第27条において免許の取消し等の要件が定められており、当該要件に該当した場合、業務の停止及び免許の取消しを命じられるおそれがあります。

 現時点で、当社はこれらの事由に該当する事実はないと認識しておりますが、将来、何らかの事由により業務の停止及び免許の取消し等があった場合には、当社の事業活動に支障を来し、会社の損益に重大な影響を与えるおそれがあります。

(注)銀行法第4条第4項:内閣総理大臣は、前二項の規定による審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。

9.自己資本比率

 当社は、海外営業拠点を有していないため、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)」に定められた国内基準である自己資本比率4%以上を維持する必要があります。

 現状、当社の自己資本比率はこの水準を大幅に上回っております。しかし、本項に示した事業等に係る各種リスクが顕在化した場合、もしくは将来的に当該規制等が変更された場合に、その結果として要求される自己資本比率の水準を充足できなくなる可能性があります。

10.個人情報漏洩

 当社は、銀行業務を行うに際して、多数の個人情報をはじめとするお客さまの情報を保有しております。当社は、「個人情報の保護に関する法律」に定められる個人情報取扱事業者として同法に基づき個人情報の利用目的の公表または通知、個人データの安全管理、本人からの保有個人データの開示請求等には十分留意し、その旨を「個人情報管理規程」に定め社内に周知徹底しております。さらに外部委託先との間で個人情報の取扱いに関する覚書を締結し、厳格な管理を徹底しておりますが、大規模な情報漏洩等により、お客さま等に甚大な被害を及ぼす事態が生じた場合には、監督官庁からの命令、罰則等の適用を受けるほか、当社への損害賠償請求や風評の悪化等により、当社の損益及び財務状況に影響が及ぶおそれがあります。

11.格付け低下等に伴う資金流動性等の悪化

 現在、当社は、S&Pグローバル・レーティングから発行体格付けとして、長期「A」(アウトルック「安定的」)及び短期「A-1」を得ているほか、株式会社格付投資情報センターから発行体格付け「AA-」(格付けの方向性は「安定的」)を得ております。

 しかし、この格付けが将来に亘って維持できる保証はなく、引下げがあった場合には、当社の資本・資金調達に影響が及ぶおそれがあります。

12.人材の確保

 当社では、ATMプラットフォーム事業を中心とした業容の継続的な拡大に加え、新たな事業開拓のために必要とされる人材を確保することが、事業戦略上必要であると考えております。

 当社は、人材採用に関して、他の金融機関のみならず、インターネットサービス関連企業やシステム関連企業と競合関係にあるために、必要とされる人材を採用・育成し定着を図ることができない場合には、当社の損益や今後の事業展開に影響が及ぶおそれがあります。

13.風評等

 当社では、「風評リスク管理規程」を定め、当該規程において、認識すべき風評リスクの範囲を以下のとおり定めております。

・お客さまやマーケット、インターネット、ソーシャル・ネットワーキング・サービスや電子メール等における風評、風説(以下、「風評等」という。)

・マスコミの不正確又は不十分な報道等によって発生する風評等

・システム障害、個人情報漏洩、事務ミス等の当社で発生した事故もしくは経営の根幹に関わる問題等に対する
  当社の不適切な対応に起因する外部からのネガティブな評価

・ATM提携金融機関等、外部委託先及びその他の取引先等に関する風評等

 これらの風評リスクに対し、事実に基づき的確かつ緊急に対応することを基本方針とし、当社に損害をもたらし得る風評等を発生させないように留意し、上記事象が発生した場合には社内外への適切な対応を実施することで損害発生を最小限にとどめることができるよう体制を整備しております。

 しかし、当社は、提携先や外部委託先も多く、必ずしも当社に責めがない場合においても様々なトラブルに巻込まれるおそれがあり、その結果として風評等の悪化により社会的評価や損益に影響が及ぶおそれがあります。

14.感染症の発生及び拡大

 当社では、感染症の発生及び拡大時の対応として、在宅勤務・時差出勤の推進、出社前の検温実施、社内外を問わずオンライン会議の実施等により当社及び外部委託先の従業員の感染を防止する体制を整備していますが、感染が拡大することで事業運営に支障を来し、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

15.人件費・物価高騰

 ウクライナ情勢等を背景とした資源価格上昇等や構造的な人手不足等に起因する人件費上昇により、ATM運営費用や部材調達コスト等が上昇した場合、事業運営に支障を来すほか、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

16.気候変動の影響

 気候変動により大雨・台風・洪水といった自然災害の頻度が増加した場合、ATMをはじめとする当社設備が損傷することで営業活動に支障を来すほか、影響が長引けば経済活動が制限されATMの利用低下等を招くなど、当社の損益に影響が及ぶおそれがあります。

 当社では、気候変動は経営上重要な課題の一つと位置付け、2021年12月にTCFD提言に賛同しました。TCFDの枠組みに準拠し、事業活動に与える影響を検証するとともに、順次開示をすすめてまいります。

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