企業兼大株主内田洋行東証プライム:8057】「卸売業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「人間の創造性発揮のための環境づくりを通して豊かな社会の実現に貢献する」という企業理念のもと、株主の皆様、取引先、従業員をはじめとする社会の全てのステークホルダーに信頼と満足を得られる企業となることを目指してまいります。

 コーポレートビジョンを「情報の価値化と知の協創をデザインする」と定め、お客様の成長を支援し続けることを当社グループの存在理由とし、社会への貢献と企業価値の向上を目指します。

(2)利益配分に関する基本方針

 当社は、長期的かつ総合的な株主価値の向上を図るため、健全なる持続的成長を目指します。株主様への還元につきましては、安定的な配当を前提に「財務基盤の充実」と「中長期的な会社の経営戦略の実現に向けた投資」とのバランスをとり、その一層の充実を目指すことを基本方針としております。

(3)目標とする経営指標

 自己資本当期純利益率(ROE)については、将来の市場変化に対応するための自らの変革を推進しながら、安定的に10%前後の水準を継続できる経営基盤づくりを目指します。

(4)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

 内田洋行グループの構造変革は、リーマンショック後の低迷から抜け出せない状況にあった2015年から始まりました。目的は二つです。一つ目は日本全体の回復に追随できていない状況から脱することです。二つ目は、日本において2020年代中頃には少子化の進行による社会への影響が顕著になるという、将来の日本社会と内田洋行の両方にとっての大きな課題に対処することでした。

 一つ目のリーマンショック後の打開策が、第14次中期経営計画(2016年7月期~2018年7月期)においての大きなテーマとなりました。まず従来の三本部を解体し、セグメントの枠組みを越えてリソースの共有を進め、成長の芽となる事業がリソースを活用して拡大できるようにスタッフ組織を流動化することから始めています。そのうえで、ICTと環境構築の事業の軸と、民間と公共の市場の軸で四つのマトリクスを設定し、従来の三つの本部に内在していた各事業をSBU(スモールビジネスユニット)として分類、マトリクスにプロットして俯瞰的に事業ポートフォリオを眺め、市場との整合性を図りながら、各事業がリソースを最大限に活用できるマネジメントへと視点を転換しました。その視点から、まず最初に大きな本部に埋没していた成長が予測される事業を従来のセグメントから独立させ、将来を支えるICT基盤に関する組織を優先して、ノウハウやスキルをもつ機能の統合を推進し集約化しました。

 これらの改革を段階的に進める中で状況は好転し、第15次中期経営計画(2019年7月期~2021年7月期)では成長市場に向けて戦力を集中できるようになり、ビル建設ラッシュが進む首都圏市場やWindows10の更新需要、情報化が次の段階へと歩みだした学校市場で大きな成果を得ます。この共通するノウハウやスキルをもつ機能の再編は、その後のパンデミックとなったコロナ禍における、教育ICTのGIGAスクール構想案件や大手民間企業のIT投資拡大などにも大いに効果を発揮しました。

 現在の第16次中期経営計画期間(2022年7月期~2024年7月期)では、第15次中期経営計画時のWindows10の更新需要や学校市場でのGIGAスクール構想特需などの特別な需要はなくなったものの、構造変革による各事業の競争力の向上により、特需を差し引いた実質のベースラインが底上げされ、第16次中期経営計画当初の目標を大きく上回る形で二年目を終了しています。

 二つ目の大きな課題は、日本社会の大きな構造変化への対処です。2018年からの18歳人口減少期の到来は、コロナ禍の収束期に入る2022年には大学での大きな問題となり、2023年には少子化が政府の最重要課題として取り上げられ、社会全体の問題に発展しています。直近の少子化の進行状況は、政府推計値よりさらに速まっており、2027年以降は労働人口の急速な減少時期に突入します。これを克服するには、早期に出生率を高め、日本の人口を20年後に定常状態に持ち込む根本的解決を進めなくてはいけません。それまでの間を支えるためには、社会全体のスマート化による生産性向上が必須となります。

 すでに官公庁・自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)は本格的に動き出し、今後はAIを含めた官民のDXの拡大がより求められることになります。しかしながら、DXにおいて、日本は世界より大きく出遅れており、トランスフォームを実行する「人」と、人が基になる「データ」活用への投資の強化が急務となっています。この真の意味でのDXの実現には、データを活かすデジタル社会の担い手の育成が最も高い優先事項であり、働き方変革、学び方変革を標榜しつづけてきた内田洋行グループのこれからの成長機会は、この社会変化への対応を迫られるお客様をご支援することにあります。

 お客様の社会構造変化への対応をご支援するためには、これまで進めてきた内田洋行単体中心でのリソースの共有をグループ全体にまで拡げて、リソースの結集を図ることが必要となります。当社自身が従来の延長である事業枠から完全に脱却し、グループ全体のリソースを生かした経営への転換を速め、将来に向けてさらにベースラインを上げるために、第16次中期経営計画を中長期の新たな取り組みの準備を加速させる時期としました。

 具体的には、いくつかの部署を横串する統括の設置により、内田洋行での組織再編をさらに進め、公共でのICT組織の連携強化、地方におけるセグメントを超えた組織の合体に続き、本年は東名阪での大手企業向け体制の強化、ICTスキルと環境構築スキルを合体させたユニークな競争力強化のモデル創りを開始しました。また、今後の競争力の源泉となる内田洋行グループのICT基盤の充実のため、エンジニアの組織の再編強化をグループまで進めるとともに、第16次中期経営計画一年目に、現地での保守運用を担うウチダエスコ株式会社の完全子会社化を実現し、二年目となる当連結会計年度では、連結子会社の株式会社ウチダテクノを完全子会社化したほか、非連結子会社のスマートインサイト株式会社の吸収合併や、ルクセンブルクのソフトウェア開発ベンチャーであるOpen Assessment Technologies S.A.の子会社化を実施しております。

 並行して、グループ共通の情報システム投資を第15次中期経営計画期間中に開始しました。第16次中期経営計画一年次に第一グループが終了し、順次、グループに展開をしており、第17次中期経営計画期間中期には完了する予定です。これにより、グループ全体でのリソースの活用や再編が容易となります。

 このような将来に向けての対応から構造改革をグループ全体に拡げ、当社が掲げるコーポレートビジョン「情報の価値化と知の協創をデザインする」をICTと環境構築の両方のスキルとノウハウで進めることで、2030年以降も社会に貢献できる体制を継続して構築してまいります。

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