企業A&Dホロンホールディングス東証プライム:7745】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは“はかる”を事業領域として様々な計測機器を開発しておりますが、顧客要求に応える機器開発及び未来を支える計測技術の追求を研究開発活動の基本としております。

 研究開発スタッフは、当社グループ総従業員数の約16.3%の407名、当連結会計年度における研究開発費の総額は5,004百万円であり、セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。

(1) 計測・計量機器事業

 当事業における研究開発スタッフは286名、当連結会計年度における研究開発費は3,480百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。

①  計測・制御・シミュレーションシステム(Digital Signal Prosessing システム、以下「DSPシステム」という。)

DSPシステムは、計測・制御・シミュレーション・解析を様々な分野に応用が可能なフレキシブルなシステムでありますが、世界的にカーボンニュートラルへの対応の流れが進む中で、顧客の投資方針も変化しており、当連結会計年度はその流れにも対応した注力開発製品の選択や優先順位を踏まえた開発効率の向上に取り組みました。また、主要顧客である自動車産業では、「CASE(Connected:コネクティッド、Autonomous:自動化、Shared:シェアリング、Electric:電動化)」への対応が加速している状況は続いており、MBD(Model-Based Development)を活用した開発プロセスの効率改善は業界全体に広がっております。この開発プロセスの効率改善に寄与できるソリューションについて、昨年度に市場投入しましたトヨタテクニカルディベロップメント株式会社(TTDC)との共同開発による業界最大規模のFPGA(Field Programmable Gate Array)デバイスを搭載し高度なシミュレーションが可能なモーターHILS(Hardware in the Loop Simulation)製品を活用したソリューションの提供を進めると共に、強みである台上試験制御や高度なシミュレーションの実行が可能なハードウェアの技術と、知見や得意分野を補完しあえるパートナーを得て共同でより良いソリューションを提供する活動を、前連結会計年度に引き続き推し進めました。

DSP応用試験機では、フラット路面タイヤ試験機とドラム路面タイヤ試験機を中心に製品展開を行っております。フラット路面タイヤ試験機では最高速度320km/h以上でのブレーキング特性を評価するスリップ率試験の制御精度を向上した高速型機種を市場投入しました。

 また、ドラム路面タイヤ試験機も販売は堅調で、主力のタイヤ転がり抵抗試験機と合わせてインサイドタイプなど特殊仕様の試験機の開発にも取り組んでおります。

②  計測機器

 計測機器では、引張試験機のアプリケーションとして高精度ビデオ式伸び計の製品化に取り組み、3機種同時に販売を開始しました。この伸び計は一方向の伸び計測以外にもポアソン比やひずみ分布測定、後解析機能など様々なアプリケーションへの対応が可能なものとなっております。また、物性試験機では、エアコン部品の試験要求にこたえるため、2MPaの高圧冷媒環境下で使用可能な摩擦試験機を開発し、納品いたしました。

③  計量機器

 計量機器では、使用環境に対応した堅牢で外部機器とシームレスに接続できる製品ラインナップを強化致しました。食品業界でニーズの高い丸洗い可能なオールステンレス構造、防塵・防水等級IP67の防水台秤を開発し、発売を開始しました。生産現場で活用されている個数計については、目的の測定物を瞬時に検索・表示可能にし、ユーザーの利便性を向上したGCシリーズを開発し、発売を開始しました。また、インライン計量ネットワークシステム構築に適したEtherNet/IPコンバータ及びA&D製の計量器(天びん、はかり)とスマートフォン/タブレットを無線(Bluetooth)接続して、計量データの受信とコマンド送信を可能にするスマートフォン、タブレットに対応したアプリ『A&D Weive(A&D Weigh View)』を公開しました。

ライン検査装置では、標準機では対応できなかった多様な顧客要求を迅速に対応できるようにユニット化を進め、小型・中型タイプの検査機が対応できるようになりました。X線検査機では、大きな大型開口タイプを開発し、食品の陳列箱や段ボール箱などのケース単位で検査に貢献できるようになりました。

(2) 半導体関連事業

 当事業における研究開発スタッフは38名、当連結会計年度における研究開発費は529百万円であり、主要課題及び成果は次のとおりであります。

 電子ビーム偏向制御用のデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)では、㈱エー・アンド・デイ製のアナログユニットを㈱ホロンへ供給し、完成品が顧客に納品されました。現在は、より高精度が求められる次世代機用DACAMP(デジタルアナログ変換増幅器)の基礎実験への取組みが開始しております。

 一方、電子ビームユニットにおきましては、荷電ビーム用高精度大電流高圧電源の試作を終えて出荷に至りました。今後は信頼性の向上に加えて安定度の向上、低ノイズ化を目指した改良を進めてまいります。電子銃ユニットでは㈱エー・アンド・デイと㈱ホロンの共同で、高安定電子ビームを作り出す電子銃・ビーム走査再現性の良い鏡筒の試作を進めております。

(3) 医療・健康機器事業

 当事業における研究開発スタッフは83名、当連結会計年度における研究開発費は994百万円であり、分野別の主要課題及び成果は次のとおりであります。

① 医療機器

 医療用電子血圧計では、従来モデルから測定可能腕周を拡大した全自動血圧計と軽量・コンパクトを追求した、設置場所を選ばない省スペース型の製品で、出張検診など持ち運びが必要な場面でも手軽に移動することが可能な自動血圧計を開発し、発売しました。医療機関のみならず、薬局、スポーツ施設、公共機関、健康診断など、幅広い場所でご使用いただける商品になっています。

 多項目モニタでは、シンプルな操作と見やすい大画面を搭載し、不安を和らげる優しいフォルムのモニタを3モデル開発し、販売を開始しました。

 医療用計量器では、透析市場向け新型液晶・バックアップ機能を追加したデジタルスケールベッドおよび大幅に応答速度を改善したベビースケールを開発し、販売を開始しました。

②  健康機器

 家庭用電子血圧計では、持続可能な社会の実現(SDGs)を視野に入れた健康機器「A&D ECO シリーズ」の上腕式血圧計および手首式血圧計を開発し、販売を開始しました。健康機器「A&D ECO シリーズ」は、「ECOnomy & ECOlogy」をコンセプトに、持続可能な社会の実現に向けた社会問題の解決を目指す取り組みの一つとして、環境負荷低減のためシンプルな梱包と必要最低限の同梱内容としました。

 スマートフォンの使用が困難な環境における遠隔/在宅医療の先駆けになることを目指して、セルラー通信機能を搭載した血圧計(以下「セルラー血圧計」という。)を開発し、国内の医療機器認証を取得いたしました。セルラー血圧計の開発は、自治医科大学との産学共同研究にて実施しました。セルラー血圧計には、LPWA(Low Power Wide Area:低消費電力広域ネットワーク)モジュールが搭載され、KDDIの通信インフラ技術が活用されております。

 家庭用超音波吸入器では、健康機器「A&D ECO シリーズ」として2モデルの販売を開始しました。

 パルスオキシメータでは、肺炎重症化の指標となる動脈血酸素飽和度(SpO2)を測定する医療機器であるパルスオキシメータの販売を開始しました。操作も簡単で持ち運びに便利な軽量小型のパルスオキシメータです。

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