企業兼大株主ニコン東証プライム:7731】「精密機器 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

当社グループでは、全社の技術戦略を統括する役員を選任し、中長期計画と連動した技術戦略を立案し、研究開発の全体最適化を図るとともに、各事業部門の開発担当部門が次世代プロジェクト本部、光学本部、先進技術開発本部、生産本部と連携しながら研究開発を推進しております。

これまで培った「光利用技術」と「精密技術」の2つの中核技術に加え、他社との共同研究開発等を通じて新たな技術を取り入れることで、成長戦略の実現を目指していきます。

当連結会計年度の研究開発投資は70,090百万円でありました。なお、当社グループは開発投資の一部について資産化を行っており、研究開発投資には無形資産に計上された開発費を含んでおります。

 当連結会計年度における主な開発状況は次のとおりであります。

① 映像事業

レンズ交換式デジタルカメラでは、「ニコン Z マウント」を採用したAPS-Cサイズ/DXフォーマットミラーレスカメラ「Z 30」を開発しました。

「Z 30」は、「ニコン Z シリーズ」で最小・最軽量となるボディーに加え、バリアングル式液晶モニターの搭載、動画を記録していることがひと目でわかる「RECランプ」の採用や、動画最長記録時間125分対応などにより、Vlogをはじめ、日常の撮影からこだわりの撮影までの幅広いシーンでの動画撮影に適したミラーレスカメラです。「ニコン Z 7」に採用した画像処理エンジン「EXPEED 6」と、「ニコン Z fc」に採用したイメージセンサーを搭載し、NIKKOR Z レンズと組み合わせることで、解像感のある優れた描写性能を実現します。動画撮影に配慮したボディー設計など、使いやすさを追求し、ミラーレスカメラを初めて使うユーザーでも簡単に映像表現を楽しむことができます。さらに、多彩な表現が可能な「Creative Picture Control」や、4K UHD/30p動画、スローモーション動画など、よりこだわった映像表現にも挑戦できる機能を搭載したミラーレスカメラです。

交換レンズでは、「ニコン Z マウント」を採用したフルサイズ/FXフォーマットミラーレスカメラ対応の超望遠単焦点レンズ「NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S」、「NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S」、「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」を開発し、158期発売の「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」と併せて超望遠レンズのラインナップ拡充を図りました。これらの製品は、SRレンズをはじめとする高機能ガラス材料や「メソアモルファスコート」などを使った最新光学設計技術により高い描写性能を実現しています。AF駆動用モーターには、「シルキースウィフトVCM(ボイスコイルモーター)」を採用、また、強力なレンズ内手ブレ補正(VR)機構の採用で、動きの速い被写体でも決定的な瞬間を逃さない高い捕捉力を持ち合わせています。さらに、PF(Phase Fresnel: 位相フレネル)レンズの採用により従来モデルより大幅な軽量化・小型化を実現し、高い機動性と優れた重量バランスでハイアマチュアからプロフェッショナルフォトグラファーのニーズにお応えする製品開発を行いました。

なお、当事業に係る研究開発投資の金額は18,881百万円であります。

② 精機事業

FPD露光装置分野においては、お客様の将来のニーズに応える露光装置やサービスの提供を実現するために、さらなる生産性向上、高精度・高精細化のための様々な技術開発、アプリケーション開発などを進めました。

 半導体露光装置分野においては、多点アライメントによる計測と高次補正によって、半導体デバイス構造の三次元化に必要な高い重ね合わせ精度と高生産性を実現する液浸露光装置「NSR-S636E」の開発を継続しました。また、ミドルクリティカルレイヤー向け「NSR-S622D」の後継機種として、生産性を大幅に向上させた「NSR-S625D」の開発を進めました。

 なお、当事業に係る研究開発投資の金額は20,979百万円であります。

③ ヘルスケア事業

バイオサイエンス分野においては、共焦点レーザー顕微鏡システム「AXシリーズ」を拡張し、高解像で深部観察ができる「NSPARC」を開発しました(2022年11月29日プレスリリース)。創薬開発をはじめ脳科学や免疫学などの研究分野では、生細胞や生体組織や臓器チップなどを顕微鏡で観察し、その微細構造や瞬時の変化を解析するニーズが高まっており、共焦点顕微鏡の基本機能と併用可能な形で、超解像観察を実現できる超解像ユニット「NSPARC」を開発しました。

 受光部に「シングルピクセルフォトンカウンター」と呼ばれる素子を25個配列して感度を1.3倍向上させ、スキャンポイントごとの豊富な情報を基に画像処理を施します。これにより、ノイズが発生しやすい深部であっても、コントラストの高い三次元画像を取得でき、標本の微細な構造を観察できるようになりました。さらに、受光感度が高い「NSPARC」と、高速に画像取得するレゾナントスキャナーを搭載する「AX R」を組み合わせることで、高速スキャン中も標本の詳細な情報をとらえ、高解像な画像を取得でき、細胞へのレーザー照射時間を減らしてダメージを抑え、低褪色で低光毒、高解像で安定したライブセルアッセイが可能となりました。

 本製品を活用することで、新薬候補化合物の作用機序や、脳神経やがんなどの病気のメカニズム解明に貢献し、研究対象をさらに広げることが可能となります。

 なお、当事業に係る研究開発投資の金額は6,441百万円であります。

④ コンポーネント事業

カスタムプロダクツ事業ではビジネスが多様化する中、様々なニーズに対応するために、多分野に渡る技術開発を実施しています。

「固体レーザー分野」では、新型の193nm固体レーザーシステムを開発中です。従来の193nm固体レーザーシステムに対して「可搬型」・「小型」・「高出力」の特徴を有する光源となります。

「特注分野」では、各種食品関連の異物検査装置向け技術開発として、紫外照明による蛍光撮影の実用性検証、画像演算などの画像処理技術を用いた異物検出率向上の検討を実施しました。

 なお、コンポーネント事業に係る研究開発投資の金額は3,655百万円であります。

⑤ 産業機器・その他

産業機器事業においては、大型検査用CT装置「VOXLS 40 C 450」を開発、発売開始しました。

このシステムは、電子部品や自動車部品、宇宙航空部品など小型部品から大型部品まで多様な非破壊検査・測定を可能にします。

さらに今後の需要増加が見込まれる電気自動車(EV)のリチウムイオン電池モジュールの生産など、最先端のものづくりを後押しします。

 なお、産業機器・その他の事業に係る研究開発投資の金額は20,337百万円であります。

(注) 事業別に記載している研究開発投資の金額には、内部消去額を含んでおります。

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