企業日東電工東証プライム:6988】「化学 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

(1)基本的な考え方

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると認識した主要なリスクについて、事業に関わるリスクを「事業リスク」とし、その他当社グループ全般に及ぼすリスクを「業務リスク」として以下に記載しています。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(2)リスクマネジメント体制

 当社グループでは、主要なリスクについて、「内部統制基本方針」に定めたリスクマネジメント体制にて、リスクマネジメントを推進しています。

 事業執行部署が「事業リスク」を、専門機能部署が「業務リスク」を管理しています。またグローバルなリスクモニタリングを実現するため、海外主要地域にエリア統括を配置し、エリアごとのモニタリングを実施します。

 各責任部署によって管理されるリスク情報については、取締役、執行役員が出席する経営戦略会議で毎月報告され、審議されます。ここでの審議結果は直ちに各責任部署に指示され、対策の実施、統制の強化を速やかに実行し、実行内容、改善状況は再び経営戦略会議に報告されることでグループのリスクマネジメントについて実効性を高めています。

[リスクマネジメント体制図]

(3)各リスクの管理状況

 主要なリスクについては、リスクマネジメント担当役員及び担当部署によって、前連結会計年度から継続するリスクに加え、取締役及び各責任部署、監査法人等からの意見聴取、取締役会及び経営戦略会議での議題、審議内容を分析の上、経営戦略会議での審議を経て管理、報告の対象とします。

 これらリスクについて、実際に発生・顕在化した場合の事業への「影響度」を縦軸に、実際に起こる「発生可能性」を横軸として、二軸での分析を行い、リスクの重要性を以下のように分類し、各リスクの相対的な重要性を認識しています。

[2022年度のリスクマップ]

 当連結会計年度において、経営戦略会議の審議対象となったこれらのリスク(事業リスク・業務リスク)については、当連結会計年度末に実行体制、統制・対策の実行、インシデントの発生と対応などの評価基準に基づき、責任部署が自己評価したものを、リスクマネジメント担当部署及びリスクマネジメント担当役員により独立的に評価し、経営戦略会議及び取締役会に報告します。

 各リスクの当期の評価は期初からリスクが増加したか否かを示しています。各リスクの評価結果及び当連結会計年度末の状況は以下のとおりです。

[各リスクの当連結会計年度評価]

※矢印の向きは期初からのリスクの増減を表す(↗:リスク増加、→:増減なし、↘:リスク減少)

[各リスクの当連結会計年度末の状況]

(1)事業リスク

a.海外取引・為替リスク

 当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、海外売上収益比率は8割を超えており、約40社の関係会社が貿易取引を行っています。

 進出国において電力供給や輸送の停止、人件費の上昇、雇用関係の悪化や労働争議などのリスクがあります。また、紛争、感染症の発生などによる世界経済の急変は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、想定を超えた為替レートの変動や金融不安、保護主義の台頭や安全保障上の貿易規制も、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループではサプライチェーンにおけるリスクの可視化、物流BCP(事業継続計画)の構築により物流を管理しています。また、グループ内資金残高、資金繰り、通貨別の資産負債の状況などをタイムリーに把握するとともに、各エリアに資金統括拠点を設置して資金集約や為替リスクヘッジなどに取り組んでいます。

(補足事項)ロシア・ウクライナ紛争

 当社グループはロシア、モスクワに現地法人を有しており、日本及び欧州地域から当社製品を輸出し、同地域での販売を行っています。

2022年2月のロシア・ウクライナ紛争ぼっ発後、各国の輸出規制などにより、同現地法人のビジネスは年度を通じ影響を受けましたが、業績への影響は僅少です。この他、紛争が広範囲に及ぼす間接的な影響は、各リスクにおいて説明しています。

 当社グループでは、各国の輸出規制など、直接的な動向のほか、紛争の長期化などによる間接的な影響にも引き続き留意しております。

b.顧客の財務状況

 当社グループが、売上債権を有するお客様において、事業環境の大きな変化により財務上重大な問題が発生する可能性があります。

 特に、変化の激しいエレクトロニクスやライフサイエンス分野における債権の大きいお客様で貸倒れが発生した場合、回収不能額が多額となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、債権管理部署を設け、お客様について十分な信用調査のうえ、取引を行うほか、取引信用保険の付保などによるリスクの軽減も行っています。

c.原材料確保

 当社グループは、一部の原材料を特定の購入先に依存しています。

 その購入先が自然災害や事故、倒産などの止むを得ない事情により、原材料供給を縮小したり停止した場合、需給バランスがくずれ、必要な原材料の確保ができなかったり、コストの上昇などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、原材料調達先を複数にする、一定期間分の在庫を決めて管理するなど、主要原材料の確保におけるリスクを低減するよう取り組んでいます。当連結会計年度からはサプライチェーンにおける持続可能な調達を目指してサプライチェーンコミッティを発足させました。複数部署を横断したチーム編成で近年高まりつつある地政学リスクや化学物質規制リスクなど、サプライチェーン上流へのリスク対策を講じます。現在課題とするリスクのみならず、潜在リスクへの先見力・対応力を高めるべく活動を行っています。

d.研究開発

 当社グループが事業展開する業界は市場変化が激しく、その変化の予測は容易ではありません。

 他社の新技術や新製品により、当社グループ製品が突然予期せぬ陳腐化を起こすこともあります。このような状況が生じた場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、特定の事業の動向に左右されないよう「三新活動」を起点とした新技術・新製品の研究開発や、その設備への投資に取り組んでいます。また、知的財産マネジメントの強化を図り、参入障壁を創っています。

e.知的財産権

 当社グループは、市場競争力を高める目的から多くの知的財産権を保有し、維持、管理しています。

 しかし、第三者から無効を主張される可能性、特定の地域で十分な保護が得られない可能性、模倣される可能性、訴訟を受ける可能性などがあり、知的財産権による保護が大きく損なわれた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは技術知財戦略本部と事業部が一体となり、他社の知的財産権に抵触していないか注意を払う一方で、当社グループの知的財産権に抵触する製品が市場に出回っている場合には摘発する活動を進めています。

 各セグメントの事業リスクは、次のとおりです。

f.インダストリアルテープ事業

 基盤機能材料は、重点三分野であるデジタルインターフェース、パワー&モビリティ、ヒューマンライフを含む幅広い業界に向けて、多種多様な製品をグローバルに提供しています。現在、各分野でお客様から付加価値の高い製品を要望されることが増えています。

 デジタルインターフェース分野では、エレクトロニクス製品や半導体の市況により、業績が変動する可能性を含んでいます。「ニッチトップ戦略」と「三新活動」による「グローバルニッチトップTM」製品・「エリアニッチトップTM」製品創出の取組みの中でPlanetFlagsTM・HumanFlagsTM製品を新たな成長の軸とすることで、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。

 パワー&モビリティ分野では、自動車の構造接着材料や気密、防水用途のシーリング材料を、グローバル市場に提供しており、自動車生産台数の変動が業績に影響を与える可能性を含んでいます。EV(電気自動車)やCASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)等の成長領域への取組みを進め、既存ビジネスに付加して成長分野でのビジネスを取り込むことで、市場の影響を受け難い体質作りを進めています。成長領域の取組みにおいてはグループ企業間のコラボレーションを強化し、幅広い製品群での対応を推し進めています。

 ヒューマンライフ分野では防塵性、耐薬品性などの特徴を持つ特殊エンジニアリングプラスチックを精密加工した機能性フィルムや多孔質材料を展開し、人の暮らしをよりよくするためのソリューション開発を進めています。

 なお、インダストリアルテープ事業が対応している市場では、自動車産業やエレクトロニクス産業を始め環境貢献に注力されるお客様が増えています。このため、インダストリアルテープにおいても、環境負荷の少ない製品の開発とモノづくりに取り組むと同時に、お客様の環境対応をサポートするサプライチェーンの取組み等に参画しています。

g.オプトロニクス事業

 情報機能材料の主要市場であるディスプレイ業界は、市場の変化が早く、競合との厳しい競争に晒されています。また、当社グループの部材が組み込まれた製品や技術の汎用化、市場の成熟による売上収益の低下、競合の参入による収益性の圧迫などが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。地政学リスクや環境規制などが、材料価格高騰、安定供給に影響を及ぼす場合、当社グループの生産や製品供給に影響を与える可能性があります。

 ディスプレイ業界をリードするお客様の新たなニーズを早期に把握し、技術力を基に新製品の開発、市場投入を継続するとともに、非ディスプレイ市場への製品投入を加速し、自社製品の対象市場を拡大します。また様々な外部環境の変化に対応すべく、安定的な調達先を確保する、生産拠点を分散させるなど、事業のBCP対策を取っています。

 回路材料は、データ社会やスマート社会を支える、成長が期待される市場や製品に集中して対応し、高シェア製品を供給しています。地政学リスクの高まりや、米国などの主要市場における景気の停滞が、一時的に業績に影響を及ぼす可能性があります。一方、長期的に市場の成長が維持された場合、製品供給責任のリスクが、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応として、拠点間のバックアップ体制による生産活動及び材料調達のBCP、人に依存しない生産性改革や日本及び海外への新工場建設など、積極的な設備投資を計画実行し、生産能力の確保を進めています。

h.ヒューマンライフ事業

 ヒューマンライフは、ライフサイエンス事業、メンブレン事業、及びパーソナルケア材料事業から構成されます。ライフサイエンス事業は、核酸医薬関連事業を中心に当社グループの新たな事業分野として取組みを強化しています。核酸医薬市場は、後期臨床テーマや新薬承認の増加が見込まれ、今後の拡大が見込まれている市場です。当事業における核酸医薬の受託製造は、お客様が進めている研究開発活動や臨床試験の進捗により需要が変動するため、科学的根拠に基づいてお客様の臨床試験が中断又は中止された場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、お客様の研究開発活動や臨床試験の案件を幅広く受託することで、需要の変動による影響を緩和することに努めています。

 一方、ライフサイエンス事業における核酸医薬の創薬は、当社グループで研究開発を進めた後に製薬業界のお客様へ技術を提供します。従って、当社グループの研究開発の進捗によって、業績に影響を及ぼす可能性を含んでいます。

 核酸医薬の創薬においては、外部機関との連携を含め、安全性と有効性を確保するために、着実に研究開発活動を進めています。

 メンブレン事業は、エネルギー分野の水処理や海水淡水化プラント、各産業における水処理装置向けに部材を供給しています。資材の価格高騰や供給不足の影響で、プラントの建築やお客様の部材調達の計画が遅延する場合、もしくは原材料価格の高騰により原材料の入手が制限される場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 市場の影響を受けにくい体質を作るために、新規市場開拓の強化や新製品の早期投入を進めます。原材料調達においては、調達先を複数にするよう努めるとともに、販売価格の見直しを行っていきます。

 パーソナルケア材料事業は、主にオムツ部材を中心に衛生材料を提供しております。当事業では外部環境の変化、例えばエネルギーコスト上昇やインフレによる物価高など価格への影響が懸念されます。

 当社グループでは、原価力向上に努め、またお客様と強固な関係を維持しながらニーズの先取りをすることで、新製品創出及び環境対応製品などへの展開に努め、さらなる収益性向上を目指しております。

i.その他

 新規事業が計画通りに立ち上がらない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、定期的に当該市場やお客様の状況と当社グループの状況の整合を図りながら、適切な事業推進に努めています。

(補足事項)M&A

 当社グループは、企業価値向上に向けた技術の獲得や新たな事業領域への進出、事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合は、必要に応じて、M&Aや業務提携、戦略的投資を実施しております。

 しかしながら、市場環境や競争環境の著しい変化などにより、当初想定していた成果やシナジーが得られない、買収した事業が計画通りの収益を確保することができない場合、のれんや固定資産の減損により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、他社との協業に際し、市場動向やお客様のニーズ、相手先企業の経営状況、市場での優位性などを十分に考慮し、判断を行っております。

(2)業務リスク

a.製品安全

 当社グループは、業界の品質要求が多様化・高度化される中、厳しい品質管理基準に従い中間材料を中心とする製品を製造し、お客様に納入しています。

 製品やサービスに欠陥が生じた場合、その欠陥に対する賠償責任を負うことにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、それぞれの業界に準じた厳しい国際的な品質マネジメントシステムを認証し継続的な改善に努めています。

 加えて、規制の強化が予想されるPFASの代替製品検討やビスフェノール類・塩化ビニルなどの管理体制の強化に取り組んでいます。

b.環境(CO2排出)

 当社グループは、気候変動や自然災害が深刻化する中、モノづくりにおけるCO2排出の削減を行っています。

 再生可能エネルギーの価格、炭素税の賦課、排出権取引価格などの高騰が生じた場合、製造コストの上昇が避けられず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、厳格化される関連法令・規則を遵守するとともに、CO2排出に対する社会的要求を満たすべく製造工程における省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入を図っているほか、製品やソリューションを通じてお客様のCO2排出量削減にも取り組んでいます。

b.環境(省資源・資源循環)

 当社グループは、資源の枯渇やプラスチックによる海洋汚染など、地球環境が危機的状況にある中、主に製造工程で使用しているプラスチックや有機溶剤などの廃棄物の削減を行っています。

 プラスチックや有機溶剤などの廃棄物の引き取り拒否や引き取り価格が高騰した場合、廃棄物の処理が困難となり生産活動が停滞し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製品や廃棄物などが不適切に処理された場合、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、関連法令・規則を遵守するとともに、資源の有効活用やサプライチェーン全体のリサイクル促進を図り、資源循環社会の構築に取り組んでいます。

b.環境(汚染・有害物質の排出)

 当社グループは、生態系の破壊、自然資源の減少などに繋がる生物多様性の損失を抑止するため、製造工程で使用している汚染・有害物質の排出削減を行っています。

 設備故障などの原因により、揮発性有機化合物が大気や河川などに排出された場合、地域環境汚染が生じ、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、関連法令・規則を遵守するとともに、独自により厳しい管理基準を設け汚染・有害物質を管理するとともに、使用量の削減にも取り組んでいます。

c.情報セキュリティ

 当社グループにとって、情報システムは事業活動のあらゆる側面において非常に重要な役割を担っております。一方、サイバーテロが巧妙化するなど人為的リスクが高まっています。

 当社グループで情報システムに障害が発生した場合や、過失、故意を問わず、技術情報、お客様情報、取引情報、個人情報などの情報流出や不正使用が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、サイバーテロに対する、多層防御、早期検知・対応体制「CSIRT」整備などのハード・ソフト両面で様々な情報セキュリティ対策を実施しています。また、情報流出や不正使用などの過失防止のため、役員・従業員への情報セキュリティの重要性を説く教育や標的型メール訓練を、頻度を上げて実施し意識向上を図っています。

d.法規制の変化とコンプライアンス

 当社グループでは、法規制や社内ルールを遵守することのみならず、社会規範や倫理への適合も含めて、コンプライアンスを推進しています。一方、当社グループは28の国と地域で事業展開を行っており、それぞれの法規制、社会規範や倫理観などに対応するため、コンプライアンスの対象が多面化しています。

 企業によるコンプライアンス違反は、企業価値に影響を与えるだけではなく、お客様の調達や消費、サプライヤーの生産、地域住民の日常生活などステークホルダーへも影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、コンプライアンスの基礎と位置付けている、「Nittoグループビジネス行動ガイドライン」を17言語に翻訳し、グループ全役員・従業員へ周知しています。その上で、内部通報制度の整備も進めており、当社グループ内だけでなく外部機関に通報できる仕組みを構築し、運用しています。2022年度は、公益通報者保護法の改正に沿い、国内における対応従事者の体制を整備しました。

e.海外グループ会社のガバナンス

 当社グループは、世界28の国と地域で当社、子会社98社及び関連会社4社により、グローバルに幅広い分野で事業展開を行っています。

 これら関係会社の役員・従業員による不正行為や、経営方針に従わない取引や判断により、ガバナンスや内部統制が機能せず、当社グループに損失を与え、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは5つの事業執行部門(当連結会計年度より、基盤機能材料、情報機能材料、ICT、ヒューマンライフソリューション、アドバンストフィルムソリューション)などによる事業軸、海外を7つの地域に分けたエリア軸、人事、経理などの専門機能部署については機能軸という、3つの軸が互いに補完、協力して経営を行う、3軸経営を推進しています。事業軸はガバナンスと内部統制体制を構築し、エリア軸と機能軸は、その状況を適切に監査・モニタリングしています。業務上のリスクや課題を発見・指摘し、これらの改善を実施することで緊密なガバナンス、内部統制の強化を図っています。

f.自然災害・気候変動

 当社グループは、グローバルな事業展開を行っており、日本国内及び海外に複数の生産拠点及び販売拠点を有しています。

 国内外で発生する、気候変動により激甚化する台風や、地震などの自然災害により、当社グループの拠点や施設が被災する可能性があります。これに加えて、電力・ガスなどのインフラに被害が発生し、その結果広範囲にわたるサプライチェーンの分断が起これば、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、お客様、サプライヤーに大きな被害が生じ、受注や供給が長期間にわたって滞り、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、「安全をすべてに優先する」方針のもと、事故や災害に備えた、各拠点での避難訓練や災害対策本部設立時の意思決定訓練を実施しているほか、事業機能停止を防止する対策として、BCP(事業継続計画)を策定し、このBCPの確実な運用、定期的な見直しを実施しています。

g.感染症

 新型コロナウイルスによる感染症は、当社グループが事業を展開する国にも大きな影響を与えています。

2022年度、当社グループ内でも罹患者数の急増、政府指示による操業停止が発生しましたが、防疫施策や代替生産など事業継続計画に基づいた対応を行い、生産への影響を最小限に抑制しました。

 当社グループでは、新型コロナウイルスに対する各国規制緩和にともない、一部の防疫施策を緩和いたしますが、感染力の高い変異株や新興感染症への対策として、引き続き感染拡大防止手順や事業継続計画を定めて、当社グループにおける感染拡大の防止に努めています。

h.人財確保

 当社グループの事業活動を推進するためには、研究開発・製造・販売・管理など様々な分野において人財の確保と育成が必要です。従業員一人ひとりが働きがいをもってチャレンジする組織風土の醸成が重要であり、併せて急激な事業環境の変化に対応するためにDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進が必要です。加えて、グローバルでの人財獲得・競争が激化する中、人事制度、処遇水準の見直しが継続的な課題となっています。

 人財の継続的な獲得と流出の防止ができない場合、当社グループの将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、従業員のエンゲージメント向上に取り組むとともに、インターンシップの取組みの強化、海外へのトレーニー派遣制度(公募型研修)、ジョブポスティング(公募型人事異動)などを実施し、様々な分野でチャレンジできる環境整備と、多様な人財の採用と育成に取り組んでいます。また、競争力のある報酬水準となるように、賃金の引き上げ等を実施しています。

i.労働安全衛生

 当社グループは、「あらゆる事故災害ゼロ」を目指し、安全をすべてに優先したモノづくりを行っています。

 死亡・後遺症が残る又はそれらに準じる怪我や疾病が発生した場合や、生産に影響が出る火災が発生した場合には、社会的な信用が低下するとともに、操業停止、お客様からの取引が停止することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、怪我や疾病につながるリスクや火災につながるリスクの低減に向け、予見可能なリスクを漏れなく抽出し、リスクの低減策に努めるとともに、ルール順守など維持管理策にも取り組んでいます。

j.人権

 昨今、企業の人権に対する取組みは、ステークホルダーにおいて関心が高まっています。2011年に国連人権理事会で承認された、「ビジネスと人権に関する指導原則」では、人権尊重に関するコミットメント、救済・是正への取組みは、企業の責任として定められています。また、企業の責任範疇は自社内だけではなく自社のサプライチェーン全体に及んでいます。

 企業が児童労働、強制労働、外国人労働者への差別など、種々の人権に係る課題をマネジメントする仕組みを構築していない場合、お客様やサプライヤーは取引の継続を控え、株式市場では投資を見送る傾向が高まっています。

 当社グループでは、Nittoグループ人権基本方針を日本語、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、イタリア語、ロシア語、トルコ語で公開し、人権尊重に関する方針をステークホルダーへ伝えております。また、人権啓発推進委員会を人権・労働・倫理協議会に発展させて推進活動とリスク低減活動に取り組んでいます。

 一方、サプライヤーには、労働・人権の尊重など順守すべきルールを示した「CSR調達ガイドライン」に基づいて、年1回「CSR調達アンケート」を実施しています。アンケート実施後にはリスク評価を行い、ハイリスクと判断したサプライヤーに対しては、改善提案を実施し、その後に改善状況を確認しています。人権リスクの高い原材料を扱うサプライヤーに対しては、原産地調査と人権ポリシーに関するアンケートへの回答を依頼し、原材料調達における人権配慮への理解・協力を仰いでいます。

k.確定給付負債

 当社グループの確定給付負債は、年金数理計算上使用される各種の基礎率と年金資産の運用利回りなどに基づき計算されており、年金資産の時価の変動、金利動向、退職金や年金制度の変更などにより、認識及び計上される債務に影響を及ぼし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループでは、市場変動の影響を受ける年金資産の運用は、年金ALM(アセットライアビリティマネジメント)分析なども踏まえた長期的な政策的資産構成割合を定め資産の分散投資を行う事に加え、下方リスクも考慮した安定的なリターン獲得を目指しています。その執行には、財務、人事担当責任者及び資産運用経験者を基金理事として任用し、外部コンサルタントも起用することで、適切な運用及び管理体制を構築しています。また、一部で確定拠出年金を導入することで追加拠出リスクを低減するなど、退職金や年金制度変更の検討においては、退職給付債務への影響を十分に考慮して行っています。

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