当社グループは、「見えないものを、見るしごと。」の実現を果たすために、世の中の様々な課題やニーズに対してその解決方法を提案し、顧客満足度の向上を目指して研究開発を進めております。
センシング技術に加え、照明技術やさまざまな要素技術を取り入れ、変化や状態を「見る」、見えないものを「視る」、観察し判断する「観る」を包含した「見る」技術を進化させ、多様化するお客様に価値ある提案を行い、新たなソリューションを創造してまいります。
当連結会計年度の研究開発費の総額は3,382百万円であり、対売上高比率は6.2%となっております。
<SS事業>
(1) 防犯関連
防犯関連におきましては、テロへの不安、コロナ禍などの影響による治安悪化で、社会不安はより一層増大しており、如何にいち早く異常を察知し安全を維持できるかが課題となっております。このような背景のもと、各国ではデータセンター・発電所などの重要施設のみならず、事業所・商業施設などの民間施設及び一般住宅でも防犯カメラシステム、侵入警戒システムの需要が高まっております。当社はこのような社会インフラと住環境の安全・安心への要求に対し、より信頼性が高く、防犯カメラシステムとの親和性も高いセキュリティシステムの研究、開発をベースとしたソリューションを提供しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 屋外防犯センサー付きカメラ 「InSightシリーズ」
工事現場、資材置き場、店舗・事業所などの屋外警戒センサー市場においては、センサー発報時の画像確認を行う警備サービス(ビジュアルベリフィケーション)のニーズが高まっていることから、屋外立体警戒センサーとネットワークカメラを一体にしたカメラ付き屋外防犯センサー「InSightシリーズ」を開発いたしました。
当製品は建物に近づく侵入者を検知するとともに、警備会社及び監視センターにアラーム通知とアラーム発報時の決定的瞬間の画像を送信し、不正侵入を画像で確認し警察への通報など早期対処ができるセキュリティ製品です。センシング部分においては、遠赤外線センサーと画像センサーの融合に挑み、信頼性向上を図るとともに、従来の遠赤外線センサーでは実現できなかった検知エリアの詳細設定や方向判別機能を搭載いたしました。これにより設置、運用、保守性を格段に向上させることができました。
② アラーム監視ソフトウェア 「AMS-01Vシリーズ」
高レベルの警戒・警備システムが必要な重要施設は、セキュリティレベルを維持するため、最新の防犯警備機器への更新や、施設の運用変更に連動したセンサーの移設・増設など、継続的なメンテナンスが行われます。そのような警備システムの更新や運用変更には多大な労力とリソースが必要で、セキュリティ対策とメンテナンスの効率化を両立できるシステムの構築が求められており、お客様からは監視ソフトを含めた機器提供や、IPネットワークを利用したシステム構築のご要望をいただいておりました。これを受けて、自社センサーの活用度や保守性をさらに高めた、アラーム監視ソフトウェア「AMS-01Vシリーズ」を開発いたしました。
当製品では、侵入検知センサーのIP化対応により各センサー信号をネットワークで集約し、センサーの状態をリアルタイムで確認することができます。センサー発報時、どの場所で発報したのか画面を見ればひと目で分かるほか、システム全体の警戒設定/解除の切り替えやセンサーの検知感度の変更も行うことができます。現地に足を運ばなくてもセンサーの設定変更ができるため、現場負担を低減できます。また、ネットワーク接続により、センサー類の配線を大幅に簡素化することも可能です。これにより、導入・運用・保守・増設のそれぞれにおけるトータルコストを大幅に低減することが可能となりました。
③ 屋内防犯センサー 「Flip Xシリーズ」
当社のロングセラーモデルである、屋内防犯用遠赤外線センサーシリーズを、より競争力を高めるため大幅にアップデートいたしました。
当製品シリーズは各国の防犯機器規格に準拠するとともに、独自の信頼性試験を実施し、また小動物などの検知をキャンセルする機能を備え、誤検知の低減を実現いたしました。また、センサーをインテリアの一部として捉え、デザイン性を重視し、店舗や家庭に設置しても違和感がないモダンなデザインを目指しました。さらに、特に製品名の由来でもある「Flip Lens」は、レンズの上下を入れ替えるだけでワイドエリアとロングエリアの双方に対応し、設置現場に応じてフレキシブルに検知範囲を調整することが可能です。
(2) 自動ドア関連
自動ドア関連におきましては、公共施設、オフィス、店舗や工場施設などで人々が安全・安心・快適に通行できる自動開閉扉用センサーを開発、販売しております。創業以来培ってきた独自のセンシング技術で業界最高水準の安全性と、あらゆる設置環境下でも安定したパフォーマンスを発揮すべく研究開発を行っております。
現在、国内におきましては、自動ドアセンサー分野は約6割、工場や倉庫の高速シャッターセンサー分野は約7割と、当社は高い市場シェアを保持し、海外におきましては、開口部周辺の安全要求が各地域の法令として定義されるなか、当社が得意とする光技術を軸としたセンサー投入により、市場シェアは大きく拡大しております。
国内自動ドア関連事業において進めている「モノ売り」から「コト売り」への事業拡大に関しても、システム開発やアプリ開発を積極的に進め、実績に繋がっております。
また、世界的な電子部品不足の中でお客様への製品の安定供給を実現すべく、適時製品設計の変更を実施するなど、新規開発以外にも注力し、お客様とのさらなる信頼関係の構築をすすめております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 北米市場向けスイングドア用センサー「ELITE PROシリーズ」
北米スイングドア市場向けの上位機種であるELITEシリーズの安全性と利便性を強化した新機種、「ELITE PROシリーズ」を開発いたしました。このセンサーは、従来機種で必要だった複雑な設定がワンタッチで設定できる機能を有し、施工時間を大幅に削減できるなど、効率的な自動ドア施工が可能になります。また、センサーの状態をスマートフォンで確認できる機能を有し、これまで以上に安全性を高めたセンサーになっております。
現在、北米市場において、当社はスライドドアセンサー分野で7割、スイングドアセンサー分野においては3割の市場シェアを有しております。スイングドアセンサーに関するシェア拡大の余地が大きく、この市場シェアを大きく変える機種として2023年以降に本格投入を開始します。
② アジア市場向けスライドドア用センサー「OA-FUNXIONシリーズ」
大きな経済成長を遂げているアジア市場向けにスライドドアセンサーの新機種として「OA-FUNXIONシリーズ」を開発いたしました。価格競争の厳しいアジア市場ですが、自動ドアセンサーの安全性に対する要求は徐々に高まっており、アジア向け機種として初めてBLUEZONE※機能を搭載した安全性の高い「OA-FUNXION」と、必要機能を最小限に絞った廉価版モデル「OA-FUNXION LITE」の2モデルを投入し、アジア市場でのシェア拡大を目指してまいります。
※BLUEZONE:ドアレール上の安全性を向上する赤外線検出技術
③ メディアセンサー「OB-01シリーズ」
2020年より、国内市場において自動ドアセンサーを活用した情報シェアリングサービス「OMNICITY(オムニシティ)※」を開始、ビーコン※機能を搭載した自動ドアメディアセンサー「OAB-215シリーズ」を市場投入し、順調にビジネスを拡大しております。「OMNICITY」のさらなるニーズ拡大が期待される中、お客様から色々な箇所への取付けを可能にしたいという要望をいただき、既存センサーに後付けできるメディアセンサー「OB-01シリーズ」を開発いたしました。OB-01シリーズを活用することで、「OMNICITY」をより簡単に導入できるようになります。
※OMNICITY:出入り口に設置された自動ドアセンサーにビーコン機能を搭載することで、通行者に商品情報やクーポンの配信、病院やホテルなどで自動チェックイン・アウトが可能となるプラットフォーム
※ビーコン:BLE(Bluetooth Low Energy)という無線技術を利用した伝達手段。範囲内のビーコン信号受信端末に対し、位置情報の取得や、情報の送信が可能
(3) その他
その他のSS事業におきましては、液体の色や濁りを素早く正確に測定する水質計測用センサーなど、安全・品質・衛生管理の特殊な計測ニーズに対応した製品の開発を行っております。
また、独自の画像センシング技術による、客数情報システムの開発・販売も手掛けております。客数情報は、これまでは導入者側の分析データとして活用されておりましたが、コロナ禍においては、施設利用者が混雑状況を把握できる安全・安心のためのデータとしてご利用の範囲が広がっております。今後はセンシングエリアをさらに細分化し、より詳細な人数データを提供できる新しい人数情報カウント用センサーの開発に取り組んでまいります。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① 水質モニタリングサービス 「WATER it」
水質計測分野におきましては、計測データを含むソリューションを提供する簡易水質測定システム「WATER it」の展開に引き続き注力しております。本サービスは、『「はかる」「つたえる」「みる」をカンタンに。』をコンセプトに、いつでも、どこでも水環境を把握できる水質管理のDX(デジタルトランスフォーメーション)として現場の負担を大幅に削減できるソリューションです。
2022年には、新たに開発した4G対応のゲートウェイ※(SC-AG2)を追加ラインナップすることで「WATER it」の通信性をさらに高め、入力インターフェースを拡充させることで接続可能な機器の幅を広げました。また、クラウドによるデータマネジメントサービスでは、「WATER it」の標準仕様を、お客様ブランドやご要望の仕様に合わせてカスタマイズするという、お客様に寄り添った対応により、ご利用満足度の向上を図っております。今後もこのカスタマイズ対応によって、様々なお客様がより使いやすく、利用の範囲を広げられるように努めてまいります。
※ゲートウェイ:通信手段の異なるネットワーク同士を中継する役割を担う機器
② 客数情報カウントシステム
店舗売場内における顧客の購買行動のデータ化を目的とした、人検出センサー「AIO-CX1」を開発いたしました。
このセンサーは、360°の人物認識・追跡ができる画像処理技術を搭載しており、店舗への入店、商品棚への立ち寄り、レジの購買データなどのマーケティングデータを計測します。その計測データはクラウドと連携し、購買行動の可視化・分析用のデータサービス「TRASTREAM」にて、定額課金制での提供を行います。
また、「客数カウント+性別年齢推定」の機能を一つの製品に搭載した製品シリーズの開発を進めております。センサー&クラウドサービスを活用し小売業界における「店舗DXニーズ」に対応したソリューションの提供を拡充してまいります。
<IA事業>
(1) FA関連
FA関連におきましては、さまざまな製造業の工場における製造ラインの自動化・省力化に不可欠なFA用センサー(産業用センサー)の製品開発、研究に取り組んでおり、可視光や赤外光を用いた光電センサーのみならず、距離を計測する変位センサー、カメラを用いた画像センサー、LED照明機器、非接触温度計などのセンサー及び産業IoT(IIoT)※、環境の構築に貢献するIO-Link※製品など、幅広く開発しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
※産業IoT(IIoT):Industrial Internet of Thingsの略で、産業用機械や装置・設備・システムなどをネットワークで相互接続し、現場作業の効率化や見える化などを実現するもの
※IO-Link:センサーと制御システムの間で各種データ交換を行う通信技術のこと。設備の予知保全などに役立つ
① 多機能LED照明コントローラ 「OPPXシリーズ」
12V・24V入力に対応したことにより、当社製照明だけでなく、他社製の照明も接続が可能なLED照明コントローラ製品を開発いたしました。PWM、定電圧、ストロボオーバードライブの3つの調光方式に対応し、種類の異なる照明を使用する場合でもコントローラを統一でき、省配線・省スペース化を実現します。また、高密度実装技術と最適な放熱設計により、コンパクトサイズで大容量を実現いたしました。主要PLC(Programmable Logic Controller)の高さ(100mm)と同等のため、盤内の設置も容易に行うことができます。さらに、新技術「FALUX sensing +」による照明の個体識別およびモニタリング・フィードバックが可能で、従来からの当社独自技術を進化させております。
② IO-Link対応高機能デジタルファイバーセンサー「D4RFシリーズ」
従来機種の超高速応答(16μs)を引き継ぎながら、ハイパワーLEDと高効率集光レンズにより大幅に検出距離を向上させた、高機能デジタルファイバーセンサーを開発いたしました。基本的な検出性能だけでなく、OLEDディスプレイ※による操作性・視認性の向上、ファイバサインによるファイバユニットの挿入不足防止などより、使いやすさにこだわった機能を多数搭載いたしました。また、IO-Linkへの標準対応により、これからの製造現場のデジタル化にも貢献いたします。
※OLEDディスプレイ:Organic Electro light Luminescence Diode (有機ELダイオード)ディスプレイ
③ マルチプロトコル対応IO-Linkマスタ 「UR-ES16DT」 対応プロトコル追加
スプリングクランプ端子台によるコンパクトなIO-Linkマスタの対応ネットワークを拡充するべく、市場要求の高いEtherCATプロトコルを追加いたしました。今回の対応により、EtherCAT、Ethernet/IP、Ethernet/TCP、Modbus/TCP、CC-Link IE Field Basicの5つのプロトコルを本体設定で簡単に切り替えて接続することが可能になりました。本製品により、IoTやIndustry4.0※への対応をより加速させることができると考えております。
※Industry4.0:ドイツ政府が推進する製造業の高度化を目指す国家プロジェクトのこと。工場内のあらゆる機器類をインターネット経由で一括管理することにより、生産性と収益性の向上に役立つ
④ レーザー変位センサー 「CD2Hシリーズ」 60-200mm測定レンジ拡充
2021年に開発した高精度小型レーザー変位センサーに、新たにミドルレンジを追加いたしました。OLEDディスプレイによる優れた操作性と上位機種譲りの高精度測定はそのままに、お客様の設計に合わせて、より柔軟な選択肢を提供いたします。
(2) MVL関連
コロナ禍を発端とした製造業の人手不足、海洋汚染や温暖化ガス発生を抑えるためのプラスチックごみ削減など、新たな社会問題が発生しております。これらの問題解決が、MVL関連においては新しい用途になっております。そのため、MVL関連におきましては、照明や関連機器の高性能化・高機能化だけではなく、先進技術の積極的な活用によるソリューション提案力の強化に努めてまいりました。
具体的には、AIを組み込んだ自動外観検査システム「ソリューション愛(AI)」、材質の違いを可視化できるハイパースペクトルイメージング、目視検査に適した照明と作業の改善方法を提案する「目視検査改善コンサルティング」などに取り組んでまいりました。また、これらの最先端ソリューションをじかに体感していただくため、国内主要都市でプライベート展示会やソリューションEXPOを開催し、多くのお客様にご来場いただき大変好意的な評価をいただきました。
他方で海外市場でも着実にシェアを伸ばしておりますが、それを加速すべく、CCS KOREA Inc.を駐在員事業所から現地法人に格上げし、発展が進むアジアエリアのサポート強化を実現しております。また、英語圏のマシンビジョン業界で最も影響力が強いメディアの一つであるVision System Designが開催する2022 Innovators Awardsにて「OLB-LTシリーズ(曲げられるマシンビジョン用有機EL照明)」が銀賞を受賞するなど、海外市場でも高い評価を頂いております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① ソリューションの促進 「ソリューション愛(AI)」
製造業では、人手不足の解消や検査精度の向上を目的として、目視検査などの工程にAIを活用し、自動化を実現したいというニーズが高まっております。画像処理開発ツール「TechView(日本エレクトロセンサリデバイス株式会社)」に、シーシーエス独自開発の AI推論用プラグインを実装し、各社AIソフトウェアを組み合わせて、「ソリューション愛(AI)」として販売を開始いたしました。
「ソリューション愛(AI)」では、直感的な操作でAI推論用アプリケーション構築ができるため、プログラミングやデバッグなどの作業工数やコストの大幅削減に繋がり、製造現場へのAI外観検査導入が容易になっております。
② 可視化技術の向上 「ハイパースペクトルイメージング照明」
2022年に施行されたリサイクル資源循環法で、より重要度を増したリサイクル産業においては、従来技術では対応できない樹脂分別の需要が高まっております。多くの場合、分別にはハイパースペクトルカメラが利用されますが、このカメラは広い波長領域の照明を必要とします。シーシーエスと子会社であるEFFILUX社(フランス)では、ハイパースペクトルイメージングに適した照明ラインナップを充実させ、お客様の幅広い用途や素材に対応しております。
③ ライティング技術の活用 「目視検査改善コンサルティング」
シーシーエスが長年培ってきたライティング技術と検査ノウハウをもとに、目視検査での適切な照明と作業の改善方法を提案する「目視検査改善コンサルティング」を開始いたしました。照明の提案だけでなく、カメラ・レンズなどの検査関連メーカーと連携し、お客様のご要望に応じた機器選定や設定を最適化するトータルソリューション提案を行っております。
④ 製品の多機能化 「デジタル電源 PD4シリーズ」
当社照明用電源の主力シリーズであるPD3シリーズの後継機として、多彩な機能を追加し、製造現場での使い易さを追求したデジタル電源、PD4シリーズを発売いたしました。
最大 16 ステップの照明点灯・消灯の発光パターンを設定するシーケンス制御機能を追加し、フォトメトリックステレオ法を用いた検査などに活用することが可能です。また、PLC(Programmable Logic Controller)との連携やカメラとの同期が容易となり、設定の工数を削減できます。さらに、照明の稼動状況やログをリアルタイムにモニタリングできるので、予防保全にも役立てることができます。
⑤ 複数の照射方法を一つの照明で選択可能 「拡散光バー照明 LBシリーズ」
バー型の画像処理検査用LED照明「LBシリーズ」を発売いたしました。均一な拡散光で広範囲を明るく照射し、正反射光観察やバックライト、広範囲均一照射、拡散光ドーム照射といった複数の照射方法を選択でき、幅広い用途に対応しております。
さらに発光面幅は50mm/100mm/150mmの3種類、発光面長は200mm~2700mmで100mm刻みの26種類、LED発光色は白/赤/青/赤外の4種類、また一部モデルではオーバードライブ発光が可能な高出力タイプもラインアップに加えて、計338機種を一斉発売しております。これまで特注対応していた形状やサイズの照明を、今回は標準品としてラインアップに加え、納期面や価格面などでご利用いただきやすくなっております。
(3) IPC関連
IPC関連におきましては、様々な産業分野向けとして、高い品質と長期供給性を追求した組み込みボード製品の製造や、生産ライン、社会インフラ向けのシステムを構築し、CPUボード、I/Oボード、コントローラ装置など組み込み用コンピュータ構築に必要なプラットフォーム提供からアプリケーション・システムの構築、さらには最新のセンシングや制御装置の提供など、広くお客様のニーズに対応しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
① EMI可視化サービス
EMI※の適合は様々な業界からの要求がありますが、EMI試験所での測定結果は合否判定及び測定した装置全体のノイズ周波数特性が分かるのみであり、具体的にどこからどの周波数のノイズが漏れているかは分かりません。
当社では、EMIを含めたEMC※について研究を行い、その成果を応用して製品づくりを行っております。その成果の一つであるEMIの可視化システム(プリント基板上などの電磁波発生状況を画像で見える仕組み)を使用し、問題となるノイズ発生源をつきとめ、対策を行うサービスを開始いたしました。
※EMI:Electro Magnetic Interferenceの略で、電波や高周波の電磁波がノイズとして電子機器などに影響を与えること
※EMC:Electro Magnetic Compatibilityの略で、電磁両立性のこと。電磁波障害の加害者にも被害者にもならない性能を持つ
② 無線見える化システム
近年、自動搬送装置を無線で制御するなど、生産現場で利便性のある、無線を利用した機器の導入が増えております。しかし、有線とは異なり、突然通信ができなくなるなど、生産現場で必要とされる安定稼働に不安が残り、本格導入に踏切ることができないという声が聞かれます。
当社は、国立研究開発法人情報通信研究機構との共同研究を通して、無線の強弱や外乱となる登録外無線の状況を色分けして可視化する「無線見える化システム」を開発いたしました。今後は、「無線見える化システム」で明らかになる無線状況から課題を見つけ、その対策を行うサービスに着手いたします。これにより、生産現場だけでなく、様々な現場で安定した無線通信の導入に貢献したいと考えております。
(4) MECT関連
MECT関連におきましては、電動自動車用などの二次電池製造装置や、電気・電子・医薬品などの多様な産業分野向け自動化装置および画像処理検査装置を開発・製造・販売しております。高度なメカトロ技術※や画像処理技術により、ものづくりの現場の生産性向上と品質向上に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果は、次のとおりです。
※メカトロ技術:メカトロニクス技術の略称で、機械工学(メカニクス)と電子工学(エレクトロニクス)を融合させた技術分野のこと
立体物(鋳造品・成型品)高速外観検査プラットフォーム
複雑な形状をしたワーク(製品)でも、超高速の駆動機構を用いて様々な撮像方向から自由自在に外観検査をすることができます。また、凹凸に強い独自の照明技術を用いて検出能力を向上させており、良品を不良品と判定してしまう過検出の低減を実現できます。
通常、複雑な立体形状のワークに対する外観検査を自動化する場合、多関節ロボットなどの複雑な動作を用いてカメラを動かす必要があるため、どうしても検査に時間がかかってしまいます。当社の高速外観検査装置は、スムーズかつ高速に動き、検査の時間を短縮することができます。今後は、鋳造部品製造や樹脂成型部品製造など、様々な分野で外観検査ソリューション事業を展開してまいります。
就職・転職をするときに最低限チェックしておきたい項目をまとめました。
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