企業大豊工業東証スタンダード:6470】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社企業集団は、トライボロジー(摩擦/摩耗/潤滑技術)をコア技術として、自動車メーカのニーズはもとより、環境、社会の動向を捉え、解決すべき課題を明確にしながら、自動車用各種すべり軸受や各種機能部品の研究開発を行っており、“動きを支える”機能部品の創造に努めております。

 当連結会計年度の研究開発活動は、守りと攻めの両軸で既存製品拡大と新領域へのチャレンジを進め、次世代軸受に向けた新技術・新材料の研究とその応用製品開発、ならびに高付加価値のシステム製品の開発を重点に実施いたしました。

 また、HV、PHV、BEV、FCV等電動車両の今後の増加に向け、大豊グループの保有技術を活かし、モータ、PCU、電池、燃料電池分野の新製品開発に着手しております。一部製品につきましては、ホームページ掲載、展示会出展、客先提案等を既に開始しております。

 HV、BEVについては、これまで熱マネージメントをキーワードとして、電池冷却用電動ブロワやモーター冷却シャワー等の開発を行っており、既に多くの問い合わせを頂いております。現在はさらなる高性能と低コストを目指した開発に加え、電池部品として大豊のクラッド生産技術が活用できる電池用端子の開発にも着手しております。

 FCVに関しては、発電部のセパレータ・バイポーラプレートの開発~生産まで行うべく取り組んで参りましたが、開発力をさらに強化するために発電評価装置を導入し、設計提案・受託評価を実施できる体制も整えました。

 それに加え、今までの大豊の軸受を支えてきた基盤技術(材料技術,CAE)に関しても、新製品開発に向け体制を整えました。新材料開発については多くの大学と共同開発を推進しており、最先端の技術を取り入れております。

 セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 自動車部品関連事業

1)軸受製品

 高性能エンジンや中国の環境規制に対応したエンジン用軸受、ブシュ、コンプレッサー用特殊軸受、各種軸受などを継続し開発してきました。特に、低燃費化のための摩擦低減を実現すべく様々な取組みを実施しております。2022年には海外メーカでの採用が拡大しています。

 ①ディーゼルエンジンの高筒圧化に対応するため、世界で初めてオーバーレイにBi-Sb合金を用いたエンジン用軸受は、従来課題となっていた耐疲労性と耐酸性を飛躍的に向上させました。この製品は2022年の自動車技術会にて技術開発賞を受賞しております。海外メーカでの量産採用が決定し、海外拠点(中国)での生産も開始しました。

 ②車両用電動コンプレッサーでは、転がり軸受をすべり化することで、長寿命、低振動・低騒音に貢献出来る事から、海外メーカへの供給を開始しました。

 開発期間短縮・コスト削減の対応として、製品開発へMBD(モデルベース開発)の適用を進めています。2020年2月よりホームページにMBD事例を公開し、シミュレーションの受託解析を開始するとともに、周辺部品を含めたシステムに最適な仕様を短期間で提案しています。

 また、完全子会社化した中国で最大のアルミ軸受素材メーカ「常州恒業軸瓦材料有限公司」では、アルミ鋳造ラインを導入し、素材から加工までの完全一貫生産体制を構築しています。

 これらの技術および生産の取り組みが認められ、国内外の自動車メーカへの納入も拡大し、グローバル展開を積極的に推進しております。

2)ダイカスト製品

 ダイカスト製品では、デジタルエンジニアリングを基軸とした製品設計、CAE解析(流動解析、凝固解析など)を用いた最適金型方案設計、生産技術、製造の一気通貫でモノづくりを推進し、短納期で高品質、低コストな製品を提供し顧客ニーズに応えております。

 また、自動車の電動化に伴い、HV、BEV製品に取組み、2020年からPCUインバーターケース、コンバーターケースの量産を開始しました。今後も電動化製品の拡販、生産拡大を推進しております。

3)ガスケット製品

 エンジン用メタルヘッドガスケットについては、連結子会社の日本ガスケット(株)によるCAE、ノウハウを活かした開発により、顧客と綿密な連携のもと、高機能化、低コスト化、短期間開発を推進しております。国内自動車メーカ様へ納入している新型エンジン用のヘッドガスケットは、新試験法による開発期間の短縮への貢献が認められ、2021年度プロジェクト活動賞を受賞しました。

4)システム製品他

 市場実績のある商用車向けの電子制御式EGRバルブをベースとし、多段ターボチャージャ用切換えバルブ、2020年には排気後処理装置の温度制御に用いる排気スロットルバルブを量産化しました。これらの技術を深化させ、高温の排ガス制御用バルブの市場拡大を行っています。

 バキュームポンプは、高信頼性に加え、低コスト設計と部品共通化による良品廉価なシステムとして採用され、現在は国内2拠点、海外2拠点(タイ、北米)でグローバルに対応しております。

 ホイール用のバランスウェイトは、グローバルシェア約11%(世界3位)の生産量を誇ります。2022年から、車体の振動低減にも採用されるようになりました。

 エンジン用バランスシャフトギヤについては、2012年に樹脂化し、量産実績が10年以上となりました。現在は、抄造製法の強みである長繊維でも高い分散性と安定した配向性を活かした製品開発に発展させております。昨年2022年6月には国産物流ドローン用メーカへの抄造CFRP製品を納入開始しました。リサイクル炭素繊維を用いた環境面での評価も高く、今後は自動車以外の分野におけるご要望にも対応して参ります。

 自動車製造用設備関連事業

 当社連結子会社の大豊精機(株)において、自動車製造用設備についての試験研究および開発を進めております。

 昨年に引き続き画像検査を用いた人の眼からAI画像検査移行への取り組みや工程の無人化、協働ロボットの導入、従来の素材より高性能な素材の研究・開発に取り組んでおります。

 当社グループの研究開発費の総額は、3,681百万円であり、自動車部品関連事業の研究開発費の金額は3,506百万円、自動車製造用設備関連事業の研究開発費の金額は174百万円となっております。

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