企業兼大株主レイズネクスト東証プライム:6379】「建設業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの研究開発活動は、当社が顧客に提供するソリューション・サービスに係る技術力の強化を目指して取り組んでいるものであります。

 当連結会計年度は第2次中期経営計画の2年目として、「メンテナンス事業の強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化、および現場業務のIT化を踏まえ、DX(Digital Transformation)の推進を目指し、各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。

 なお、当期の研究開発費の総額は60百万円であり、主な取り組みは次のとおりです。

(1)メンテナンス作業の機械化

 既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。

①熱交換器チューブバンドルのリチュービング作業に関連する技術

 技術者不足の懸念がある熱交換機チューブバンドルのリチュービング作業への取組みを行いました。当期においては、訓練用熱交換器を活用した既存製品(スギノマシン社製クイックプーラー等)の評価、ロボットアームを使用した工場内でのリチュービング作業や自動シール溶接機の導入検討を実施いたしました。翌期ではこれらの活動を継続しつつ、既存製品を活用した現場作業の効率化を計画しており、当社オリジナル製品の開発も含めてリチュービング作業に適した機材のパッケージング化を行う事で、安定した品質の確保を目的に活動を進めてまいります。

②熱交換器内面洗浄の自動化検証

 作業者の高齢化が顕著な高圧水を使用した洗浄作業において、当期は熱交換器の内面洗浄の自動化の検証を行いました。海外製品を改良し、自動化に向けた電動化の検証と課題抽出、ならびに海外製品の導入を行いました。特に当期末に導入した海外製品は事前に熱交換器のチューブ配列の寸法を入力する事で、半自動的に洗浄作業を行えるもので、アジア圏で初導入になるものです。翌期はこれらの現場適用を行い、改良点の抽出や、3Dスキャニング技術を活用し、さらに進んだ自動化技術について検証を進め、機械による安全で高品質な洗浄作業の普及を目指してまいります。

③配管切断技術

 以前より活動を実施しているウォータージェットを利用した切断機に関して、配管の外径に限定されていた工具をフレキシブルに対応すべく専用機材の設計を行い、現在改善と検証を行っております。翌期は機材が安定的に稼働し、適用実績も増えてきたことから、当社関連会社の港南通商株式会社へ移管を行い、コールドカッティング技術による切断作業の普及を図ってまいります。

④タンク工事に向けた自動溶接の適用範囲拡大

 当期においてはタンク側板自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討並びに実験を行ってまいりました。板厚による溶接条件の確立や安定した溶接の品質確保を目標に、現場への適用拡大を目指してまいります。また、需要が高まる低温タンクへの適用についても、同技術を生かして、取り組みを進めていく計画です。

(2)現場業務のIT化

 現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。

①プロット情報共有システム

  当社が自社開発した通行止め情報等を共有する、プロット情報共有システム(SKY-Ai)は、多くの定期修理工事現場において、お客様や他の元請会社にご活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、最新のITを活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直し、再構築について検証(PoC:概念検証)を実施いたしました。このPoCによって、新たに開発する機能等の実現性が検証できたことを受け、当期より開発に着手いたしました。翌期は運用にてニーズの高かった機能を中心に実装を進め、2023年9月頃に現場への初回導入を計画しております。また、同じく当社が自社開発した工事情報共有システム(SPIRIT)や、その他の社内システムと連携を見据えたシステムとする事で、社内業務の効率化を図ってまいります。

②プロジェクト可視化に向けたシステム開発

 現在、工事のプロジェクト情報は、Excel等で個別に管理されているケースがほとんどであり、全体的に確認する方法がありません。また、各プロジェクトに付随する、監督者数や協力会社の動員計画人数及び、実績人数等は、膨大なデータ量であり、それらの確認や比較に非常に手間と時間を要しております。そこでプロジェクト情報を一元的に可視化することで、社内全体のプロジェクト状況を容易に把握できるようにし、データを俯瞰して分析することで、工事の状況把握を行い、トラブルの予測や原因究明、対策立案にいち早く対処できるようなシステムを構築すべく、既存システムを含めて調査、導入に着手いたしました。

③XR(Cross Reality:クロス・リアリティ、VR(仮想現実)など、現実世界と仮想世界を融合し、新しい体験を作り出す技術の総称)

 カメラをかざして画像認識することで環境やモノを特定する技術(VPS技術)を活用し、スマートホンで対象物に向ければ、工事対象機器の仕様や、立ち入り禁止エリアの表示等を視覚的に確認する事ができるようになります。社内並びに既存のシステムとの連携を視野に入れ、現実の機器や場所に合わせて、情報を画面内に自動に出すことで業務改革を目指すべく、技術の検証やシステムの開発に着手いたしました。

 当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラント設備の老朽化が進み、安全・安定操業に対するニーズの高まりや経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が早急に求められております。

    当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げたDXの推進に向けて、他部署との連携を強化し、デジタル技術や先進技術を活用したテーマを積極的に推進してまいります。

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