企業兼大株主酉島製作所東証プライム:6363】「機械 twitterでつぶやくへ投稿

  • 早わかり
  • 主な指標
  • 決算書
  • 株価
  • 企業概要
  • 企業配信情報
  • ニュース
  • ブログ
  • 大株主
  • 役員
  • EDINET
  • 順位
  • 就職・採用情報

企業概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発活動は、当社研究開発部ほか技術部門が中心となり、ポンプ事業、新エネルギー・環境事業に係る市場ニーズに応えるため、当連結会計年度の研究開発関連費用としては総額341百万円を投入しております。

 前連結会計年度より開発をスタートした省エネルギーをさらに加速させる効率改善型エコポンプに関して、より幅広い仕様範囲に対して開発を進めています。検証試験を経て、世界最高水準のポンプ効率が達成される見込みであり、開発完了次第、「スーパーエコポンプ」として市場に投入していきます。

 カーボンニュートラル社会実現に貢献すべく、エネルギーキャリアとして注目される液体アンモニアおよび液体水素を大量に輸送・昇圧するポンプの開発に鋭意取り組んでおります。

 液体アンモニア用ポンプに関しては、アンモニア混焼発電実証事業向けポンプを受注し、既に製作が進んでいる段階です。将来のアンモニア貯蔵タンク大型化を見越し、インタンク型ポンプ開発にも着手致しました。キャンドモータポンプの世界トップメーカであるドイツのHermetic 社と業務提携を行い、市場投入を加速していきます。今後も世の中のニーズを的確にキャッチし、製品開発を進めてまいります。

 液体水素を取り扱うポンプについては、水素サプライチェーン構築実現に向けて重要な役割を担う液化水素昇圧ポンプに着目し、製品化実現においてキーとなる技術に関して、学術機関および先端技術企業との協業体制を構築して開発を進めております。水素サプライチェーン構築の商用化実証に適用可能なポンプ設計が完了し、今年度中にJAXA 能代ロケット実験場で液化水素を用いた検証試験を実施する予定です。さらには、将来のサプライチェーン大型化を想定し、ポンプの高圧化、大流量化を進めて行く計画です。

 気候変動対策向けポンプによる減災技術の推進という点では、官公需向けに浸水してもポンプ運転が可能な「耐水モータ一体型ポンプ」について、従来型に対して維持管理の簡素化(モータの冷却方式を水冷から空冷に変更)を図った改良型については初号機を受注し、納先での運用が開始されました。その他、新規の受注も頂いており、減災に大きく貢献していくものと期待されます。現在、排水機場向けのみならず、下水処理場向けポンプへの改良型耐水モータ一体型構造の適用範囲拡大を進めております。

 さらには、防災・減災に寄与する当社技術のひとつである「二重ラッパカン及び渦対策リング」とともに海外市場への展開も視野にいれております。

 また、欧州をはじめとした海外市場では排水ポンプを通過する水産資源(魚類等)の生命を保護することが求められておりますが、当社ではその要求に応えるため、ポンプ羽根車を通過する魚類にダメージを与えない羽根車形状の設計開発を行いました。設計検証が完了し、製品化に向けた準備を進めております。

 海水淡水化分野については、RO 法海水淡水化プラント向け高圧ポンプのラインアップ強化の一環として、昨年度開発を行った世界最高水準の効率を有する大容量型単段両吸込ポンプの適用範囲拡大を行いました。既に製品をリリースし、今後、広い仕様範囲で省エネルギーに貢献するものと期待されます。

 さらに大流量・高圧レンジのニーズに応えるために、初段両吸込型多段ポンプの開発もスタートしました。こちらについても高効率かつ構造信頼性の高い製品を市場に投入してまいります。

 省エネルギー需要の高まりから、ポンプの高性能・高速化をより早く実現することが社会ニーズとなっています。かかるニーズに対応していくため、人工知能(AI )技術を取り入れた新たな水力開発システム構築を進めております。本システムと3D プリンティング技術を組み合わせ、設計開発から製品化までのシームレス化実現に向けてのシステム開発を継続しております。現在、AI を用いた設計システムのテスト検証を実施中であり、早期に設計開発プロセスに組み込むことを目指し、開発をさらに加速してまいります。

 ポンプの高速化時に課題となるキャビテーション壊食速度予測技術については、検証用試験ループを活用して物理データを収集し、高精度化を図ることで新製品の品質向上に継続的に努めております。また、ロータダイナミクス、構造および材料関連の各ポンプ要素に関連する技術については、大学やコンサルタント等の外部機関を積極的に活用することで、基礎的研究を共同で実施中であります。

 今後も多様な社会ニーズに応えるべく、新技術および新製品の開発に努めてまいります。

PR
検索