企業兼大株主エンバイオ・ホールディングス東証グロース:6092】「サービス業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、「環境保全に役立つサービスや製品の提供を通して、環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献する」ことを経営理念としております。

 経営理念に基づき、「地盤環境・エネルギーに関わる問題解決を担う企業集団」として社会的課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献するというビジョンを掲げて、以下の3つの事業を展開しております。

① 土壌汚染対策事業

② ブラウンフィールド活用事業

③ 自然エネルギー事業

 当社グループでは、上記事業を通して取り組む重要課題として以下に示す4つを定めております。

① 安心・安全な国土利用への貢献(土壌汚染対策事業)

② 循環型社会の実現への貢献(ブラウンフィールド活用事業、自然エネルギー事業)

③ 脱炭素社会の実現への貢献(自然エネルギー事業)

④ 環境問題解決で国際社会への貢献(土壌汚染対策事業、自然エネルギー事業)

 また、以下に示す6つの経営方針のもとで事業を実施し差別化を図り、企業価値の最大化を目指してまいります。

① 顧客満足を第一に考え、成果、品質、価格、アフターサービスにおいて、期待以上に満足してもらえるように継続的な改善に努める。

② 競争力のあるサービスと製品を提供し続けるために、バイタリティーとスピードをもって技術革新に挑戦し、新たなイノベーションの創出を目指す。

③ 展開する事業領域内において№1を目指す。

④ 国内で事業基盤を固めグローバルに展開することを目指す。

⑤ グループの相乗効果と総合力を生かして、継続的で質の高い成長を目指す。

⑥ 社員が安心して業務を遂行できるように、社内環境・待遇の継続的な改善に努める。

(2) 経営戦略等

 各事業では、以下に示す経営目標を掲げ、それを達成するための事業戦略を遂行しております。

① 土壌汚染対策事業

 経営目標:経済性の高い土壌汚染対策を推進し、土壌汚染問題を解消する

 土壌汚染対策事業の現地化により海外の土壌汚染問題解消を支援する

 経営戦略:調査・解析・設計・原位置浄化技術を活用した汚染地有効活用措置の提案営業で差別化を徹底する

 中国では日系企業に重点的に営業することで差別化を徹底して受注確度を高める

② ブラウンフィールド活用事業

 経営目標:土壌汚染地の有効活用を推進し、持続可能な土地利用を実現する

 経営戦略:土壌汚染対策事業との連携強化を進め環境対応についての提案部分で差別化を図る

 これまで蓄積したノウハウを生かした大規模化による成長加速を目指す

③ 自然エネルギー事業

 経営目標:太陽光発電やバイオマス発電によるクリーンエネルギーへの転換に貢献する

 太陽光発電と井戸技術を活用した水資源開発事業で途上国の水不足解消に貢献する

 経営戦略:固定価格買取制度に依存しない事業モデルを開発し収益構造の多角化・安定化を図る

 海外案件の開拓と投資実行により収益力の向上を図る

 上記経営戦略に沿って、新規事業の開発と投資、新技術の開発・導入、資本業務提携を積極的に推し進めてまいりました。引き続き、積極的に展開することにより、より一層の差別化による競争力の強化を図ってまいります。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 2025年3月期を最終年度とする中期経営計画では、2025年3月期連結売上高4,145百万円、営業利益1,107百万円、経常利益761百万円を経営目標といたしました。経営上の目標の達成状況を判断するための指標としては、より高い成長性を確保する観点から「売上高」の増収を、成長性向上を継続する観点から「営業利益」の増益を重要な指標と位置付け、営業基盤の拡大による企業価値の継続的な増大を目指しております。なお、2023年3月期に中期経営計画の最終年度の目標利益を前倒して達成したことから、足元の経営環境と経営計画の基本方針を再検討し、2023年5月15日に2027年3月期までの「中期経営計画2026」を策定しました。「中期経営計画2026」では、以下の2点を基本方針に掲げ、2027年3月期の連結売上高14,640百万円、営業利益1,317百万円を経営目標としております。

■ストック型ビジネスの割合を増やすことにより持続可能な事業構造を構築する

■土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業で短中期的な売上・利益成長を担い、自然エネルギー事業で将来的なストック収益源を蓄積するための積極的な投資を実行する

 各事業で経営目標の達成状況を判断するための先行的な指標は、以下のとおりです。

①土壌汚染対策事業

・受注残高及び当期出来高予定額と予定原価率

②ブラウンフィールド活用事業

・販売用不動産の在庫件数及び棚卸資産残高

・収益不動産の在庫件数及び月間賃料

③自然エネルギー事業

・稼働中発電所の総発電出力と平均売電単価

・開発中発電所の計画発電出力と予定売電単価

(4) 経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の沈静化による行動制限の緩和により経済活動に回復の兆しが見られましたが、ウクライナ問題の激化・長期化による資源・エネルギー価格の高騰、欧米における金融不安など、景気の先行きには依然として不透明感が漂っております。

 当社グループの業績に大きな影響を及ぼす建設業界におきましては、公共投資は底堅さを維持し、民間設備投資も持ち直しの傾向が続く一方、建設資材価格の高騰や慢性的な労働者不足等が顕在化しており、引き続き経営環境への影響を注視する状況が続いております。また、不動産業界におきましては、低金利融資の継続や省エネ住宅を対象とした補助金・税制優遇策、在宅勤務の浸透に伴うライフスタイルの多様化による消費者の住宅に対する関心の高まりなどが追い風となり、年度前半における住宅需要は堅調に推移いたしましたが、年度後半におきましては、実質賃金が伸び悩む中、事業用地価格や建材・住設機器価格の上昇による住宅価格の高騰や住宅ローン金利の先高観などにより、いわゆる住宅のコロナ特需が一服するなど、事業環境に変化の兆しが見られました。

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの属する土壌汚染関連業界の国内市場は、2019年4月の土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いておりますが、完全浄化から土地利用目的に応じた健康被害防止に目的を絞った合理的な対策手法へのシフトが進み、調査・対策の受注高は年間700~900億円程度でほぼ増減なく推移しております。収益拡大のためには、土壌汚染対策事業における土壌汚染調査と土壌汚染浄化工事だけでなく、ブラウンフィールド活用事業におけるそれらと連動する土壌汚染地の買取や利活用サービスを包括的に市場に投入して顧客の幅広いニーズに応えることが不可欠だと認識しております。

 自然エネルギー事業については、固定価格買取制度(FIT制度)の買取価格が年々低下し、新規の太陽光発電所の収益性が低下しているため、FIT制度に依存しない事業スキームの構築が課題となっております。

 そのために以下のような課題に取り組み、競合他社とのより一層の差別化を図ることにより、業容の拡大に努めてまいります。

① 土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業との相乗効果の最大化

 当社グループは、株式会社エンバイオ・リアルエステートを通してクリーニング工場やガソリンスタンド等の小規模な土壌汚染地の買取・浄化・再販事業(ブラウンフィールド活用事業)で数多くの実績を蓄積してまいりました。蓄積したノウハウを中規模から大規模な土壌汚染地の買取・浄化・再販事業へ展開するべく、物流不動産事業を本業とする株式会社シーアールイーと合弁で株式会社土地再生投資を設立いたしました。土壌汚染地の出口戦略の多様化と規模の効果を追求することによって土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業との相乗効果の最大化を目指します。産業用地の土地取引における潜在的な売手となるメーカー等土地所有者の情報入手とアプローチが課題であると認識しております。グループ横断的なコンサルティング営業展開を徹底し、土壌汚染対策から土壌汚染地活用までのワンストップソリューションによる事業拡大に努めてまいります。

② 土壌汚染対策事業における品質管理及びリスク管理の強化

 土壌汚染対策事業においては、顧客開拓が奏功し大型の土壌汚染対策工事が増えてまいりました。大型案件については、品質管理や原価管理の巧拙により利益が上振れたり下振れたりする事業リスクが、大きいと認識しております。営業担当、技術担当、工事担当が複眼的に案件を俯瞰する品質管理体制を徹底して品質の向上と原価の低減を図るとともに、安全品質管理室を中心に安全対策のより一層の徹底を図ることでリスク管理に努めてまいります。

 また、受注金額が一定金額を超える土壌汚染対策工事については、工事進行基準を適用し、月次でのタイムリーな原価管理による精度向上に努めてまいります。

③ 土壌汚染対策事業における多様な技術及びノウハウによる競争力の強化

 現在までに多数の企業の参入と様々な土壌浄化技術が実用化された結果、国内では土壌汚染リスクに対する顧客の理解が進み、競合企業間での競争が激しく、工事単価の低価格化が進んでおります。同時に新たな汚染物質として欧米では問題化してきたPFAS(PFOA、PFOS)に関する関心が高まってまいりました。こうした市場環境においては掘削除去に偏重していた顧客ニーズにも変化が見られ、多様な技術やノウハウによる高付加価値サービスで他社との差別化を図ることが、競争力強化の鍵と認識しております。様々な工法に迅速に対応できるように技術戦略部を中心に新技術、新工法の開発・導入、提案体制を強化し、大学との共同研究による汚染物質分解微生物の開発、米国から新たな原位置透過壁工法(プルームストップ工法)の導入、新規対象物質PFAS(PFOA、PFOS)に対応した対策技術の開発、PFAS(PFOA、PFOS)フリー製品の販売等を行ってまいります。

 施工実績数と事故率の低さで審査を通過し国内企業では初めて付保できた責任施工保証保険とこれまで蓄積してきた土壌浄化工事の設計・責任施工ノウハウを裏付けとして土壌汚染対策工事の費用総額を保証するサービス(プレアセスメント調査)を商品化しました。土壌汚染リスクを早期に確定させたい土地所有者やデベロッパー向けのリスク移転商品として拡販を行ってまいります。

④ 中国市場展開の収益化

 土壌汚染対策事業の中長期的な成長エンジンとして、環境規制の強化により土壌汚染対策の需要が本格化する中国市場に当社グループが日本国内市場で培ってきた技術ノウハウを展開することが重要との認識で、2018年3月に100%子会社として恩拜欧(南京)環保科技有限公司を設立いたしました。

 2019年1月に土壌汚染防治法が施行されたことにより、中国の土壌汚染対策市場は黎明期から拡大期を迎えようとしております。同社を通した日系企業向けの土壌汚染対策を柱とする環境保全サービスによる業容の拡大と収益化に努めてまいります。

⑤ ブラウンフィールド活用事業におけるコンサルティング営業の強化

 取り扱う物件の規模を中規模から大規模にスケールアップすることによる収益の拡大を目指しておりますが、不動産市況が活況なため大手不動産各社の仕入が旺盛で多少の土壌汚染リスクは気にせず購入しているため、大型物件の仕入競争が激しくなっております。土地所有者から土壌汚染問題の相談を受け、リスクの評価と解決策を提案する際に、解決策の一案として買取を提案するといったコンサルティング営業を強化することで、大手不動産各社との差別化を図り、信託銀行や大手不動産仲介から土壌汚染の可能性のある産業用地売却に関する情報量を増やしてまいります。

⑥ ブラウンフィールド活用事業における出口戦略の多様化

 ブラウンフィールド活用事業では、販売用不動産の土地売却に依存した収益構造の安定化が課題と認識しております。企画開発力を強化して土地売却だけでなく、戸建・アパート・店舗・倉庫等を開発して付加価値向上に努めてまいります。また、市況変動への耐性を強化するため収益物件の保有資産の積み上げに努めてまいります。さらに汚染地だけでなく、空家問題、相続問題の一つである老朽化アパート等も取得してアセットタイプの拡充に努めてまいります。

⑦ 自然エネルギー事業のストック収益源の拡大

 当社グループが安定的に成長し続けていくためには、フロー型の土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業で短中期的な売上、利益成長を担うとともに、自然エネルギー事業で将来的なストック収益源を蓄積することが重要と考えております。自然エネルギー事業では2027年3月期までに総発電量100MW達成を目標に積極的に太陽光発電所の建設を行ってまいります。

⑧ 自然エネルギー事業でのFIT制度に依存しない事業の拡大

 国内でのFIT制度を活用した新規の太陽光発電事業の採算は低下しているため、オンサイト/オフサイトPPA事業や太陽光発電に代わる発電事業及び海外での発電事業等のFIT制度に依存しない事業の拡大が課題と認識しており、株式会社エンバイオC・エナジーの設立やMaF合同会社の持分を取得して具体的な開発を進めております。検討済みの有望案件から順次事業化するように努めてまいります。

⑨ 人材の確保、育成

 事業の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材を十分に確保することとその育成が不可欠ですが、当社グループが小規模会社であることや知名度が低いことなどから、人材の採用が課題であると認識しております。新卒の採用活動に力を注ぐとともに将来を担う若手社員の積極採用、性別・国籍・年齢を問わない採用方針、カムバック採用を含む幅広い採用活動を実施してまいります。また、管理職研修によるマネジメント能力の強化、大学等外部専門機関の専門研修による高度技能者の育成、当社グループ独自のDLD制度(分散型学習及び開発制度)の予算化により自主的な開発意欲の支援等の施策を展開して人材育成の強化に取り組んでまいります。

 さらに給与ベースアップの実施、資格手当制度による資格保有者の優遇、希望すれば遠隔地での勤務やリモートワークを可能とするIT環境の整備、働きやすい環境を意識したオフィスの増床など給与体系の充実化や働き方改革、職場環境の改善等に取り組んでまいります。

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