企業兼大株主三菱製紙東証プライム:3864】「パルプ・紙 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

研究開発方針

 当社は、研究開発本部が統括する研究開発部門において、既存分野の深化および周辺領域との相乗による基盤技術強化、ならびに新規分野の探索・開拓を積極的に行っています。なかでも、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって、地球環境の保全と循環型社会の構築は、何より重要な課題であり、「グリーン社会への貢献」を意識した商品開発を通して、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立を目指しています。

研究開発体制

2020年1月に発足した研究開発本部が、全事業分野における新製品開発、技術支援、人材最適化を機動的に行い、「サステナビリティ向上のための組織変革」を進め、経営戦略に沿った研究開発テーマの策定や研究リソース配分の適正化などを行っています。また、未来志向の研究開発テーマの構築にも注力しています。

 また、工場で生産している製品および関連製品の研究開発と技術支援をスムーズに行い、開発を加速し、各事業分野の収益に確実に貢献するために、生産場所である工場の敷地内に開発部隊が置かれています。

 高砂工場内には、機能性不織布の研究開発をメインテーマとする高砂R&Dセンターが2021年に設立されました。イメージングメディア、エレクトロニクス、医療・ヘルスケア関連製品などで当社を支えている京都工場に関わる研究開発は、京都工場内の京都R&Dセンターが担っています。商品開発部の開発部隊は、八戸工場に常駐して、紙素材のポテンシャルを追求することを信条とした用途開発を行っています。また、パルプの用途開発は、研究開発部門が一丸となって探索を進めています。分析部門と知的財産部門は、研究開発本部直轄の組織として、京都R&Dセンター内で戦略的に開発部隊を支援しています。

 当連結会計年度の研究開発費は783百万円で、当連結会計年度末に当社グループが保有する産業財産権の総数は1,236件であります。

各事業分野の研究開発活動

 当社が手掛ける事業分野は、機能商品事業と紙素材事業です。事業分野ごとの研究開発活動は、次のとおりです。

(1) 機能商品事業

 機能商品事業分野においては、機能材関連製品、イメージングメディア関連製品の研究開発を進めています。

1)機能材関連製品

 機能材関連製品としては、高機能不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池・コンデンサ用セパレータ、水処理関連材料、その他の機能性材料の開発に取り組んでいます。

 エアフィルターについては、感染症及び地球温暖化対策の観点から、省エネ換気扇である全熱交換器の需要が世界的に伸びており、寒冷地でニーズの高い、結露しにくい全熱交換素子を開発し、北米市場などへの展開を進めています。

 二次電池・コンデンサ用セパレータ「NanoBase」については、使用される電子機器の小型化及び高性能化に適応するための要素技術の開発と製品の改良を進めております。水処理関連材料については、逆浸透(RO)膜基材の開発で獲得した技術を横展開し、膜分離活性汚泥法(MBR)膜基材、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維不織布、ポリオレフィン繊維不織布などの開発を進めています。

 その他機能性材料については、環境配慮型商品であるリサイクル炭素繊維不織布などの開発にも力を入れています。また、高性能メルトブロー不織布や機能性樹脂からなるメルトブロー不織布の探索も進めています。

 子会社のKJ特殊紙㈱では、建材分野及び医療衛生分野への展開、並びに脱プラスチックの観点からの商品開発を進めています。建材分野については、内装材の不燃性能を向上させる無機繊維シートを開発しました。また、医療衛生分野については、ヒートシール性を付与した不織布タイプの医療包装材料を開発しました。さらに、脱プラスチックの観点から、野菜等の食品に直接使用される結束テープ基材の開発を進めています。

2)イメージングメディア関連製品

 イメージングメディア関連商品としては、インクジェット用紙、写真感光材料などのイメージングメディア製品、これらイメージングメディア製品の開発で蓄積した技術を活かしたエレクトロニクス関連製品、医療・ヘルスケア関連製品などの成長分野での商品開発を進めています。

 インクジェット用紙については、テキスタイル分野において昇華転写用デジタル捺染紙のラインナップを拡充して、国内、北米およびアジアを中心に市場開拓を推進しています。また、高速化、高精細化に対応した、新しい産業用インクジェット用紙の開発に取り組んでいます。

 写真感光材料については、スクリーン印刷版、フレキソ印刷版を作製するときに用いる、サーマルレーザー製版用フィルム「TRF-IR830」を製品化し、販売拡大に努めております。「TRF-IR830」は、レーザー描画による感熱反応によって高濃度の画像を形成するため、銀塩フィルムと異なり、薬液による現像処理が不要な完全プロセスレスフィルムであり、環境負荷を大幅に低減した環境配慮型商品です。

 エレクトロニクス関連製品については、電子工業向けの機能性フィルムとして、エッチング、エレクトロフォーミング、サンドブラストなどの精密フォトファブリケーション加工に用いる、特色のあるドライフィルムフォトレジストを開発しています。そして、高解像性、高耐薬品性などの機能性を向上させ、情報・通信機器製造をはじめとする電子工業分野への進出を推進しています。

 医療・ヘルスケア関連製品については、生殖医療の発展に貢献する、研究用卵子・胚の凍結保存用デバイス「Diamour」、アルコール除菌液「pure Leaf」などの販売拡大を推進しています。

 当連結会計年度の機能商品事業での研究開発費は541百万円です。

(2) 紙素材事業

 紙素材事業分野においては、容器包装プラスチックに代わる包装材料、印刷用紙などの紙素材の新規製品の研究開発と、再生可能資源であるパルプ素材の新規用途探索を進めています。

 拡販を進めている包装材料については、包装用コート紙「barrisherpa(バリシェルパ)」が大手コーヒーチェーン店の商品パッケージに採用されました。これはコーヒーの豊かな香りと鮮度を保持できる高い酸素/水蒸気バリア性と強度を兼ね備えた包装用紙素材として、環境配慮が高いことが評価されたものです。また、「barricote(バリコート)」と水性インクジェットを組み合わせたパッケージが、世界包装機構(World Packaging Organization)主催の「ワールドスターコンテスト2023」において「ワールドスター賞」を受賞しました。

 また、印刷用紙については、需要減少が続く中、「特徴ある印刷用紙を市場に投入することで、ニッチな市場を開拓していく」ことを旨として、顧客ニーズに真摯に取り組み、新たに自紙光沢・印刷光沢に特徴を持たせた印刷用コート紙が、大手出版社に新規採用されました。

 パルプ素材については、紙製品用途以外への有効活用技術を探索しています。

 当連結会計年度の紙素材事業での研究開発費は242百万円です。

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