企業兼大株主ニチレイ東証プライム:2871】「食品業 twitterでつぶやくへ投稿

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企業概要

 当社グループは、市場の変化に対応した新商品及び新技術の開発並びに新規事業の育成を目指した研究開発活動を行っております。

 当連結会計年度の研究開発費は1,892百万円で前期に比べ46百万円減少しました。セグメント別の内訳は、加工食品事業では1,164百万円、低温物流事業は211百万円、その他の事業は259百万円、全社(共通)は257百万円となりました。

 セグメント別の研究開発活動の状況は次のとおりであります。

(1) 加工食品事業

 当連結会計年度は、電子レンジ調理が可能な個食麺の第一弾として家庭用冷凍食品「冷やし中華」を発売しました。電子レンジは、食品に含まれる水分子をマイクロ波で振動させて加熱しています。氷は水分子が結合しており、マイクロ波の影響が小さいため溶けにくく、一方で冷凍麺は氷よりも水分子が点在しているため温まりやすいといった性質を持っています。このような食品ごとの特徴の差を応用し、「電子レンジで冷たい麺に仕上がる」という独自技術(特許申請済)を開発しました。本商品は構想から約5年、具現化するまで約3年かかっての商品化となりました。業界初となる氷の特性を利用するという発想は、冷凍食品を長年研究し続けてきた、当社グループならではのものであります。

(2) 低温物流事業

 物流事業における労働力不足の対策として、作業の省人化、簡易化に資する技術検証、システム開発に取り組んでおります。

 作業の省人化では、無人フォークリフトによる庫内作業の実証実験として、冷蔵(+7℃)・冷凍(-25℃)環境下における稼働実験、冷蔵と冷凍ゾーン間の移動実験、有人フォークリフトとの共存実験を進めております。また、様々な用途に合わせて最適な無人搬送機(AGV)を導入し、実業務における効果の検証を行っております。

 作業の簡易化では、タブレットを利用した入出荷作業や人工知能を利用した賞味期限管理機能などを実装し、データを活用して最適な作業示唆・指示を行う作業タスクマネジメントシステムの研究・開発を進める一方、スマートグラスなどのウェアラブル端末や遠隔ロボットを利用した、新たな物流作業の実証実験にも取り組んでおります。

(3) その他の事業(バイオサイエンス事業)

 分子診断薬、イムノクロマト製品の開発を行っております。分子診断薬製品では、N-Histofine® Simple Stain™ MAX PO(MULTI)など6品目について欧州体外診断用医療機器規制(IVDR)に基づくCEマークを取得したほか、がん組織から抽出したゲノム DNA 中の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)の検出を目的とするIdylla™ MSI Test「ニチレイバイオ」を体外診断用医薬品として販売開始しました。イムノクロマト製品では、新型コロナウイルスの感染拡大時に柔軟かつ迅速に市場に供給できるように、海外メーカーより新たに1テスト包装の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原を検出する迅速診断キットを体外診断用医薬品として販売開始しました。

(4) 全社(共通)

 各事業の収益貢献を目的として、事業会社が抱える技術的課題に対して技術支援を行うとともに、中長期視点での新商品や新サービス、新事業創出に資する研究開発を実施しております。

 技術支援については、新事業開発に向けた商品やサービス作りのための技術開発や新商品開発に向けた分析評価と技術情報の提供といった支援を幅広く行っております。中長期的な研究開発では、競争優位性の源泉となる基盤技術の深化と創出に関する取組み、社内外の技術や知識を融合するオープンイノベーション推進の取組みを進めております。具体例としては、食品の品質劣化を防ぐ保存技術の開発や冷凍の特性を活かした事業展開に向けた技術開発を行う「冷力研究」、おいしさの評価解析を行い、事業への活用を進める「おいしさ研究」、健康寿命延伸に向けたビジネス開発と栄養学研究に取り組む「健康研究」、心地良さや快適、健康に表現される人の幸せへと繋がる研究を実施する「人間科学研究」といった取組みを、社外の研究機関や民間企業との連携を通して行っております。

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